黄文雄
こうぶんゆう
日本で評論家として活動する、台湾出身の文明史家。
そのダイナミックな歴史観と博覧強記の知識によって、日本では文明論を展開し、台湾では哲学者としても知られている。
執筆活動は日本と台湾を2本の主軸としており、言論活動はアメリカ、ヨーロッパでも行っている。
著述が大きな注目を集めたのは、アメリカで在米華人向けに出ている華字の新聞『台湾公論報』で2年にわたって連載されたもので、台湾では『中国之没落』とのタイトルで、地下出版された。
当時、厳しい言論統制(上記の地下出版の理由)がなされていた台湾では、独裁強権体制のもと、この作品が台湾の反体制運動の必読書となり、幅広い人々に読まれ、多くの台湾人に勇気を与えた。
現在も鋭い筆法で評論活動を続けおり、覇権主義を続ける中国を厳しく批判する一方で、台湾を近代化に導いた日本を高く評価し、日本の文化・文明に心酔、戦後の自虐史観を払拭するべく、活動している。一方で古代や中世の中国の人物(孔子、劉邦、朱元璋)などを「人喰い人種」「ヤクザ」と批判・糾弾した持論に対して賛否両論が分かれることもあった。
武田鉄矢氏がラジオ番組にて黄文雄氏のベストセラー著書『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』をテーマにトークを繰り広げたことがあった。
昭和13年(1938年)に、日本統治時代の台湾高雄県岡山鎮に生まれ、第二次世界大戦前後の時代や、その後の中国国民党による独裁政治や、それによる台湾人への弾圧、それに怒った台湾人たちによる大反乱二・二八事件など激動の時代を生き、当時をよく知る生き証人でもある。
昭和39年(1964年)に、留学のため訪日して早稲田大学に入学し、第一商学部を卒業。その2年後に明治大学大学院で文学研究科博士の前期課程を修了し、政治経済学研究科西洋経済史学修士となった。
現在は評論活動のほかにも、拓殖大学の日本文化研究所客員教授を務め、市民団体の主権回復を目指す会の顧問(主権会のサイトで黄の活動状況が記されていないため、死亡した時点で現役だったか不明)、世界戦略総合研究所(世界平和統一家庭連合〈旧統一教会〉系シンクタンク)評議員も行っている。友人から誘われてアメリカ移住を勧められたこともあったが、日本にいるのが一番と言って日本在住を続けている。
また、台湾を中国(PRC、中国国民党)の支配か解放し、完全分離による独立を訴える台湾独立運動を行っている『台湾独立建国連盟(台:台灣獨立建國聯盟)』の創設メンバーの1人であり、日本本部委員長を務めている。
晩年は病気で療養していた(病名は不明)。
2024年7月死去、享年85歳。訃報は同年8月26日、台湾独立建国連盟主席の陳重光のFacebookにより明らかにされた。
黄自身に家族がいるが、具体的な家族構成を明らかにしていない(黄自身が統一教会関係者だったため、あえて明かさなかったとされる)。
中国・韓国関連
- 『満州国は日本の植民地ではなかった』
- 『「日中戦争」は侵略ではなかった』
- 『中国・韓国が死んでも教えない近現代史』
- 『韓国は日本人がつくった』
- 『近代中国は日本がつくった』
- 『韓国・北朝鮮を永久に黙らせる100問100答』
- 『「慰安婦問題」は韓国と朝日の捏造だ 100問100答』
- 『やっぱりこんなに違う!日本人が絶対に理解できない中国人と韓国人』
- 『マンガで分かる中国原論』