概要
正式名称『タイタヌス・アムルック(Titanus Amuhuluk)』
モンスターバースシリーズに登場した怪獣(タイタン)の1体。名前の由来はオレゴン州の先住民・カラプヤ族の伝承に語られる怪物・アムルックから。
初登場は『キング・オブ・モンスターズ』だが、放映時は名前のみの登場でコンセプトアートもない正体不明の怪獣だった。後にアメコミ『ゴジラ:ドミニオン』にてティアマト等と共に登場を果たした。
全身が樹木で構成されたような外見の豪腕と四本の足をはやした巨人のような姿をしているが、頭部は深海魚のような顔つきで黄色く発光する複数の目とイカの触腕のような4本の触手がついており、ボディには青い血管のようなものが絡まっている。
植物をマインドコントロールする能力を持ち、頭部(脳)と背骨以外が操っている植物で形作られている。そのため脳以外を物理的に攻撃しても効果がなく、更に自由に手足を伸ばして攻撃できるため、戦闘においては他の怪獣を圧倒するほど。一方で体が植物で出来ているため耐火性が低く、熱線を吐くゴジラが天敵になる。
漫画で絵などを担当しているエドワード氏のTwitterによると、頭から生えた触手の先端を相手に触れさせることで強力なサイキックブラストを送り相手を気絶、あるいは殺害することが可能とのこと。エネルギー消費が激しいので最後の手段として使用する。
性格は他の怪獣の縄張りを占領しようとするほど野心的かつ攻撃的。また、樹木の容姿と陸上での高い戦闘力に反して意外にも水棲怪獣であり、水中でも活動が可能。
作中の動向
ロシア・コミ共和国のマンププニョルにて休眠していたところをMONARCHに発見され、監視のために第66前哨基地が設置された。だが『キング・オブ・モンスターズ』にて偽りの王・ギドラの呼びかけによって世界中で休眠していた怪獣たちとともに覚醒、前哨基地から脱走すると周辺都市を破壊した。
なお劇中でウィリアム・ステンズ提督が述べた被害報告の中にモスクワが含まれているが、距離からして一番近くで休眠していたアムルックの仕業である可能性が示唆されている。
ゴジラがギドラを倒し怪獣王となった後もマンププニョルに帰らず、ブラジル・アマゾンまで南下して、そこを縄張りとするタイタナス・ベヒモスと縄張り争いを始める。というのも、確かに彼ら怪獣の復活で自然環境は回復しつつあったが、ギドラが一度に多くの個体を目覚めさせ過ぎた結果、彼らが暮らすにはまだ回復スピードが追い付いていなかったため、より豊かな土地に住まうベヒモスの縄張りを奪おうと目論んだのである(同じような事態は、カマソッソによる髑髏島襲撃がある)。
伸縮自在のパンチでベヒモスの左牙を砕くなどして圧倒し、ついにはK.Oさせてしまう。そのまま倒れたベヒモスの右牙を掴んでアマゾン川を引きずりながら領土から追放しようとしたが、怪獣同士の争いで癒えつつある大地が更に傷つくことを良く思わず駆けつけたゴジラから制裁を受け、流石に王の裁定には歯向かうこともできず、そのままアマゾン川を下って撤退した。
その後は多くの怪獣と同様、ゴジラの呼びかけに応じて再び休眠状態に入ったらしい。
余談
- 北米の伝承のアムルックは、「蛇に似た姿」「姿を変える能力を持ち、変身するたびに恐ろしい姿になる」と伝えられており、頭と背骨のみが本体で、植物を自在に操って姿を変えることのできるタイタヌス・アムルックの設定はここから来ていると思われる。
- 休眠場所だった第66前哨基地は、『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』が放映された1966年からと推測される。とはいえ同作との接点は、同作で初登場したエビラと同じく水棲であることくらいである。
- 「植物と動物のハイブリッド」とでも形容すべきその逞しい風貌から、モチーフとなった怪獣はビオランテとゴジラ・アースではないかと推測されている。
- また明言こそされてはいないが、地球外生命体じみた容姿や青い血管などの点から、モンスターバースと並んでレジェンダリー・ピクチャーズが展開するSF映画作品の怪獣達もモチーフとなった可能性がある。
関連タグ
モンスターバースシリーズ GODZILLA(モンスターバース)
Behemoth(モンスターバース) Scylla(モンスターバース) Tiamat(モンスターバース) Na_Kika(モンスターバース)