解説
[人型変形試作機]
運用可能な場面を広げるために開発された可変機の試作タイプ。
低コスト量産機R-9Kのフレームを流用して開発された。
本機に搭載された「ハイブリッド波動砲システム」は
2つの波動砲を機体の形状によって使い分けるというもので、
様々な場面での活躍が期待されたが、高コストのため搭載機体数は数機にとどまった。
<R's MUSEUM解説文より引用>
概要
『R-TYPE』シリーズに登場するR戦闘機の一つ。普段はR-9Kと同型の戦闘機形態だが、フォースと合体することでバイドのロボット兵器「キャンサー」に似た半人型形態に変形すること、そして各形態に応じた二種類の波動砲を使い分けられることが特徴。
初出は『R-TYPE FINAL』だが、1980年代に出版されたアイレムの会報誌には「最初の設定ではR-9は変形マシーンだったのだ!」という記述と共に変形するR-9のイラストが描かれている為、この初期設定が元ネタと思われる。
『R-TYPE TACTICS』シリーズには未参戦だが、TL-2A以降の後継機は可変機構やフォースをオミットした純粋な人型兵器として登場している。
武装
ハイブリッド波動砲システム1
機体の形態に合わせて発射する波動砲を切り替えるシステム。戦闘機形態では拡散波動砲試作型、人型形態では衝撃波動砲を発射する。2ループチャージが可能だが、試作型の為か威力は低め。
シールド・フォース
人型可変機体の防御力を高めるべく、ラウンドシールド状のレーザーを発射して防御面積を拡大するというコンセプトのフォース。その防御力の高さを活かした一撃離脱戦法も強力であり、職人気質のパイロットに愛用されたと言われる。
実際のゲーム中ではどのレーザーも射程がおしなべて短く、威力も不足気味なので使いづらさが目立つ。フォース自体の防御判定は若干広めだが、より広い防御面積を誇るテンタクル・フォースやフレキシブル・フォースが存在するので、防御面でも特筆すべき性能とは言い難い。フォースシュート時のショットはX字状の4方向に放たれる。
レーザーランス
赤クリスタル取得時のレーザー。正面方向にレーザーの刃を集中展開する。本フォースのレーザーとしては最も火力が高く、扱いやすい。
レーザーブレード
青クリスタル取得時のレーザー。斜め上下にレーザーの刃を展開する。設定上は敵や敵弾を斬り飛ばす性質があると言われる(実際のゲーム中では破壊可能なミサイル等を除き、敵弾防御能力は無い)。
レーザーシールド
黄クリスタル取得時のレーザー。円周方向(上下)にレーザーの刃を展開する。縦方向に攻撃範囲が広いので、敵の大群やミサイルなどの破壊可能弾の迎撃に向く。
4WAY追尾ミサイル
TLシリーズのみが装備可能な4連装ミサイル。通常の追尾ミサイルより誘導性は若干劣るものの、通常の二倍の発射数により火力と迎撃能力が強化されている。戦闘機形態時は前方、人型形態時は後方から発射されるのが特徴。
シールドビット
フォース強化時の支援攻撃を行わない代わりに、フォースと同等の敵弾防御能力を持つ防御型のビット。当機を始めとした人型変形機体や接近戦を得意とする機体に採用されている事が多い。
ベース機
可変機構のプロトタイプと言える機体。
後継機
TL-1A イアソン
TL-Tの波動砲出力強化をコンセプトにしており、戦闘機形態時は拡散波動砲、人型形態時は圧縮炸裂波動砲を使用可能な「ハイブリッド波動砲システム2」を搭載する。その他の性能はTL-Tと同じだが、波動砲のおかげで多少扱いやすくなっている。
TL-1B アスクレピオス
シールドフォースにミラーコーティングを施した「ミラーシールドフォース」を使用可能な機体。レーザー使用時に発生するミラーシールドにより敵の通常弾を反射する事が可能になったが、あさっての方向に乱反射していくので正直あまり意味はない。攻撃性の向上は図られていないのでレーザーの性能に変化はない。
「ハイブリッド波動砲システム3」は戦闘機形態時に分裂波動砲、人型形態時に圧縮炸裂波動砲を使用可能。前者は非常に高威力な為、ボス戦での火力は向上したと言える。
何故か『R-TYPE FINAL2』ではミラーシールドの防御面積が狭くなっている。
TL-2A アキレウス
光学白兵戦兵器を搭載する為にバーニアとバランサー性能を強化し、「ビームサーベル・フォース」という接触距離用の機能特化型フォースを搭載した機体。四肢を備えたことでTL-T、TL-1シリーズよりも明確に「人型」と言える形態に変形し、機銃の超高速電磁レールガンは手に持って携行する。
「ビームサーベル・フォース」はコントロールロッドに付属する二本のアームがビームサーベルを振るう武器。シールド・フォースに比べて威力が向上し、赤・青クリスタル取得時は遠距離への攻撃も可能にはなったが、振るう動作があるため攻撃範囲にはムラがあり、フォースシュート時の攻撃判定が大きい代わりにショット発射機能が失われている。
「ハイブリッド波動砲システム4」は2ループチャージで、飛行形態時はスタンダード波動砲、人型形態時は衝撃波動砲を発射する。正直、威力が心許無い。
『R-TYPE TACTICS』シリーズでは人型接近戦機として扱われており、変形機能やフォース、波動砲を削除し、ビームサーベルを主兵装とした接近戦特化型となった。また、基地施設などの占領・解放機能も有する。攻撃力が高い反面、射程と移動力の低さという大きな欠点を抱えている。
TL2AT パトロクロス
『R-TYPE TACTICS』シリーズにのみ登場する可変人型兵器。変形機能によって飛行形態ではR-9A、人型形態ではTL-2Aの武装と占領・解放機能を使える上に、飛行形態の移動力は高機動機と同等。人型形態でダメージを受けても飛行形態で蓄積した波動砲のチャージは解除されないという両者のいいとこ取り+αというべき高性能機体。
TL-2A2 ネオプトレモス
白兵戦性能だけでなく、波動砲の出力もアップさせた機体。搭載されたフォースは、『R-TYPE FINAL』ではアキレウス同様「ビームサーベル・フォース」だが、『R-TYPE FINAL2』では『R-TYPE TACTICS』から設定を逆輸入した「ビームアックス・フォース」に変更されている。「ビームサーベル・フォース」と比べると基本性能は変化はなく攻撃速度が低下しているが、威力が上昇している。
「ハイブリッド波動砲システム5」は3ループチャージで、飛行形態時はスタンダード波動砲Ⅱ、人型形態時は衝撃波動砲Ⅱを発射する。後述の6WAY追尾ミサイルのホーミング性能を考えれば、「この機体をナンバー1に挙げるパイロットもおり、傑作機の一つに数えられる」という設定に恥じない性能のバランスが取れた名機と言える。
『R-TYPE TACTICS』シリーズでは、やはりTL-2Aと同様に変形機能の無い人型接近戦機として扱われており、占領・解放機能を使用可能。武装はヒートホークに変更され、体当たりによる強力な攻撃も行えるが、相手から迎撃されると手痛いダメージを被ることになる。
自軍では運用し辛い機体と言わざるを得ないが、武装人工天体アテナイエや要塞ゲイルロズなどでは戦闘機の苦手とする閉所に配備されており、提督たちを大いに苦しめた。攻撃よりも拠点防衛に真価を発揮する機体と言えるだろう。
TL-2B ヘラクレス
6発もの追尾ミサイルを同時発射する6WAY追尾ミサイルを運用する為に大型ミサイルポッドを装備した『マクロス』シリーズのVFシリーズのガウォーク形態(またはモンスター等のデストロイド)を連想させるデザインの機体。ミサイルのホーミング性能こそ4WAY追尾ミサイルよりも低下しているが、同時6発による攻撃能力は良好であり、雑魚掃討にも大型バイドの集中攻撃にも効果的に機能する。
「ハイブリッド波動砲システム6」は2ループチャージで、飛行形態時はスタンダード波動砲、人型形態時はライトニング波動砲を発射する。
『R-TYPE TACTICS』シリーズでは変形不能の人型長射程機とされており、射程は短いがチャージ速度に優れた短ライトニング波動砲を装備している。ただし、他の武装はバルカンに体当たりと貧弱で移動力にも欠け、「占領・解放機能を除けば優れた点はあまりない」というあんまりな解説が記載されている。
THw-01 ヘクトール
『R-TYPE TACTICSⅡ』にのみ登場する人型長射程機。一切の近接兵器や迎撃兵器を持たず、代わりに圧縮波動砲、衝撃波動砲、長射程高威力の「超絶波動砲」という3種類の波動砲を使用可能な人型兵器。更に占領・解放機能に加えて変形機能を有しており、飛行形態に変形すればR-9A程度の移動力を確保できるほか、超絶波動砲以外の武装が使えなくなる代わりに攻撃を受けても圧縮波動砲、衝撃波動砲のチャージ状態は維持される特性を備える。
TL-2B2 ヒュロス
人型可変機最後の機体。元々は2機だけ製造され、2人のエースパイロットにそれぞれ供給される予定だったが、うち1機が輸送中にバイドの襲撃に遭遇し、あえなく大破。だが、無事に送り届けられた残りの1機はまさに一騎当千の活躍を見せ、TLシリーズの有終の美を飾るに相応しい機体である事を証明したという設定がある。
「ハイブリッド波動砲システム7」は3ループチャージで、飛行形態時はスタンダード波動砲Ⅱ、人型形態時はバウンドライトニング波動砲を発射する。
『R-TYPE FINAL2』ではフォースが「ビームサーベル・フォース」、「ビームアックス・フォース」を更に改良したフォースに当たる「ビームダブルクロー・フォース」に変更され、フォースに取り付けられたアームから2本の爪状のビームを発生させて強力な攻撃を行う。
専用フォースを手に入れた事で更に性能が向上した為、ヒュロスは設定に恥じぬTLシリーズ最強の機体になったと言える。
『R-TYPE TACTICS』シリーズでは変形不能の大型機動兵器とされており、ビームWクローによる近接攻撃と6Wミサイルの長距離攻撃能力を兼ね備えているが、波動砲がなく艦載が不可能になるなど、タブロックと同様の長所と短所を抱えた機体になっている。敵に回すと厄介な点も同様である。
TL-3N ナルキッソス
『R-TYPE TACTICSⅡ』にのみ登場する人型接近戦機。従来の人型機動兵器に比べて移動力や回避性能が強化されており、ビームラッシュと呼ばれるムチ状の武器はフォースレーザー並の射程と高い攻撃力を誇る。更にR-9B、R-9D、氷塊(小)への擬態能力、デコイの生成能力をも備えたR戦闘機キラーと言うべき万能兵器。
TL-3NS ナルキッソスⅡ
上記ナルキッソスのエースパイロット仕様。回避力、索敵能力、継戦能力の強化が図られている一方、デコイ生成能力はオミットされている。こちらはCPU専用ユニットなので鹵獲状態を除いて自軍での運用は不可能。
余談
今は亡き『R-TYPE FINAL』公式サイトではTL-Tの壁紙が配布されていたが、何故か「大きさだけにこだわるな」という意味深なメッセージが記載されていた。