「このおめでたい愚か者めが! 勝てると思ったのかい? 私は全ての悪の支配者だ!」
これが概要だ!!
初出は1959年公開のアニメ映画『眠れる森の美女』。悪役の魔女。
頭髪は2本のツノになっており黒いマントを着用。所持している杖は先端に緑色の宝玉が付いている。
雷を放つ、数えきれない程の茨を生やす、黒いドラゴンに変身する、などといった魔法が使える。
魔の山にある城を本拠地とし、ディアブロというペットのカラスと、亜人兵のグーン達を従えている。
服装と畏怖の伴ったカリスマ性だけ見ると、魔女というよりは女魔王。
ちなみにディズニーヴィランズに分類される女性悪役の中ではかなりの美人らしい。
ヨーロッパのある国に待望の王女オーロラ姫が誕生し、生まれたばかりのオーロラに3人の妖精から贈り物が与えられることとなる。
1人目の妖精・フローラからは「美しさを」、2人目の妖精・フォーナからは「歌の才能」が送られた。
ところが、オーロラ姫の誕生会の招待状を送られなかった腹いせに、その場に現れたマレフィセントが王位に着いたステファンの産まれたばかりのオーロラ姫に「16歳の誕生日の日暮れまでに糸車の針で指を刺して死ぬ」呪いをかけていった。
しかしマレフィセントが去った後、まだ贈り物をしていなかった3人目の妖精・メリーウェザーが「死ぬのではなく眠るだけで、運命の相手からのキスにより目覚める」という魔法をかける事で応急処置を施した。
原作ではヒステリーを起こさないタイプ。上記する呪いをかけた時も、呼ばれなかった事に対しては一言も文句を言わず、王妃に対しても腹を立てている様子をお首にも出していない。
原作となった童話では呪いをかけて出番が終わったが、映画ではラスボス的位置づけに格上げされている。
様々な策を弄して呪いを成就させ、オーロラの婚約者フィリップ王子を監禁して精神的にも追い詰める。しかし三妖精のサポートを受けたフィリップとの戦いになり、敗北し絶命した。
概要を見てもわかるとおり、その強大な力やカリスマ性に反し、実はその悪行は本質的に見ればかなり大人げないものであるが、そのギャップが逆に『人間臭い』と魅力的に感じるファンも多数いる。
ディズニーのハウス・オブ・マウスシリーズでは、ヘラクレスのハデスに一目惚れされたり、ピーターパンのフック船長に言い寄られており、ドラゴンの姿でファンタジアのチェルナボーグと寄り添う姿も描かれている。
『キングダムハーツ』での私の活躍を見たいのかね?
「キングダムハーツと名のつくものは何だって私のものさ!」
ゲーム『キングダムハーツ』シリーズではヴィランズのオピニオンリーダーとして登場。初代では主人公ソラの親友リクを言葉巧みに操るなど狡猾さを見せた。
KH2では妖精達の思い出により蘇り、KH1で本拠地及びヴィランズが壊滅してしまったため、唯一残った手下のピートと共に本拠地探しをしている。リクに暴走させられたとはいえ自分を死なせたソラ達を恨んでいるが、利害の一致によりXIII機関との戦いでは協力している(一部からツンデレ魔女と呼ばれたり、城マニアと言われたり…)・
バースバイスリープにおいて、KH1での彼女の行動がゼアノートという本シリーズ全ての元凶からの入れ知恵であったことが発覚。
ただし本人は彼に利用される気はなく、独自の見解で世界征服を成そうとしている。
codedではジミニーメモの中のデータ世界に侵入、支配しようとするが失敗、皮肉にも敵であるデータソラによって脱出することができた。
西洋圏の人物なのに横文字には弱いようで、データを「でぇた」と言っている。
続く3Dではミニー王妃を人質にジミニーメモを奪おうとするが、思いがけないある人物の助太刀により未遂に終わった。
KH3ではピート共々機関との戦いには関わらず、終始裏方で「ある物」を探していた。その為影が薄いが、最後の最後で他の誰よりも真相に近づく事に成功する。
映画『マレフィセント』
2014年の実写映画。マレフィセントの視点で展開される『眠れる森の美女』の物語。
原作やアニメとはキャラクターや内容が全くの別物へと変わっており、悪役も別にいる。
かつては心優しく、強い力の翼を持つ妖精であり、ヘンリー王の侵攻から妖精の国を護っていたが、幼い頃に知り合い恋に落ちたステファンの裏切りによって翼を奪われ、冷たい心を持つようになった。
王位に就いたステファンの産まれたばかりのオーロラ姫に「16歳の誕生日までに糸車の針に刺され、目覚めぬ眠りを迎える」呪いをかける。同時に呪いには誰にも解けない「真実の愛のキスが呪いを解く」という条件も付いていた。(上記にある通り自分が恋人に捨てられた事から、「真実の愛」など有り得ないと思っていたため)
3人の妖精のあまりに出鱈目な子育てを影から支援し、オーロラが崖から転落死しそうなときもこっそり魔法で助けている。オーロラと対面した後は、「フェアリーゴッドマザー」と慕ってくるオーロラと、オーロラの妖精たちや動物にも優しく、愛される姿に憎しみの心も解け、真実の愛を取り戻していく。
オーロラにかけられた呪いの浄化も試みたが、解呪条件を自ら指定してしまったことが仇となって術者自身の手にも負えないほど制御不能の呪いへと進化していた。
術者の意志とは裏腹に呪いの暴走は続き・・・・・・
ラストの展開は賛否両論だが、これは公開時期が別のディズニー映画とわずか1年違いだったがゆえの偶然であり、決して予算や納期をケチった結果ではない。
また、ペットのカラスの名前はディアヴァルに変更されており、彼とヒロインマレフィセントの主従関係も掘り下げて描かれている。
2019年には続編『マレフィセント2』が公開された。
映画『ディセンダント』
「ディズニー・ヴィランズに子供がいて、彼らがもし十代だったら…」という設定のもとストーリーが展開する実写映画。
それ故に複数のディズニー作品の世界や人物が同一作品内に収まっており、「美女と野獣」のベルや「シンデレラ」のフェアリー・ゴッドマザーなどの英雄はアダム国王(「美女と野獣」のビースト)の統治するオラドン合衆国に住み、マレフィセントをはじめとした悪役たちは魔法のバリアで覆われたロスト島に閉じ込められている。
本作の主人公マルの母親。
ロスト島に住む悪役たちのリーダー的存在で、「白雪姫」の悪の女王、「アラジン」のジャファー、「101匹わんちゃん」のクルエラ・ド・ビルとよく行動する。
ベルとビーストの息子であるベン王子の計らいによって、オラドン高校に招かれたマルをはじめとするヴィランズの子ども達を使って復讐を企む。
演じた役者は誰だ?
- エレノア・オードリー(『眠れる森の美女』)
- 北林谷栄(『眠れる森の美女』1960年公開版)
- 沢田敏子(『眠れる森の美女』ブエナビスタ版、および以降の派生作品)
- ロイス・ネットルトン(『ハウス・オブ・マウス』)
- スーザン・ブレイクスリー(『キングダムハーツ』シリーズ英語版)
- アンジェリーナ・ジョリー(『マレフィセント』)
- 深見梨加(『マレフィセント』日本語吹替版。なお深見は同作以外にもジョリーの吹き替えを担当している)
- クリスティン・チェノウェス(『ディセンダント』)
- 唐沢潤(『ディセンダント』日本語吹替版)
- クリスティン・バウアー・ヴァン・ストラテン(『ワンス・アポン・ア・タイム』)
- 岡寛恵、日野由利加 (第4シーズン)(『ワンス・アポン・ア・タイム』日本語吹替版)
関連項目も閲覧するがよい!
眠れる森の美女 キングダムハーツ Maleficent ディセンダント
マレウス・ドラコニア:彼女がモチーフとなったキャラクター。