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温室

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おんしつ

太陽光を取り込みつつ、外部の気象条件から植物を保護する建物。多くはガラスと金属のフレームでできている。

概要

温室は、太陽光を取り込んで内部を温め、外部の気象条件から植物保護する設備。多くはアルミニウム鋼鉄のフレームに、透明なガラスで採光を確保している。フレームを軟質プラスチックで覆ったビニールハウスも広い意味では温室に含まれる。

サンルームとの違いは明確な定義はないが、サンルームは内部でくつろいだり日光浴を楽しむことを主眼としたものを指すのに対し、温室は植物を育てることを主眼としているものを指すことが多い。外部のと一続きになっているものはガーデンルームと呼ぶこともある。

太陽光が透過して温度を保ち、内部の気温湿度をコントロールできる。温帯冷帯熱帯性の植物を栽培するには欠かせない設備。過熱しないよう換気装置が備わっており、ボイラーなどの加熱装置がついていることもある。

農業での利用

農業では冬に夏野菜を収穫するなど季節外れの作物を栽培したり、まだ寒い冬や早春のうちから苗を育てることに用いられる。また、外部環境から遮断されている構造のため、病害虫の侵入を防ぐ機能も持ち合わせている。カーテンで日射量を調整したり、ミストで気温を下げたり(エアコンはコストがかかるので導入している温室は非常に少ない)、密閉した温室内で二酸化炭素を補給し、植物の生育を促進することもある。

高度な環境制御装置のある温室では、エアコンや照明設備を備えたり、自動的に潅水を行なったり、養液栽培や液肥を自動的に与える、ロボットが管理を行うなど植物工場に近いものもある。

温室やビニールハウスを使って作物を栽培する農業を施設園芸農業という。

花卉園芸での利用

温室を利用することで、地域や季節に関係なく、さまざまな種類の花卉を育てることができる。植物園にはつきものの施設である。

19世紀とガラスが建築資材として利用可能になり、温室がイギリスを中心にヨーロッパで大流行した。新旧大陸の植民地などから集められた、緯度の高い北ヨーロッパでは栽培が難しい柑橘類や熱帯性の植物が上流階級の好奇心を掻き立てた。当時のイギリスの貴族の間では、キュウリを使ったキューカンバーサンドイッチがステータスとされたが、これはキュウリがイギリスの気候では栽培しにくいものだったため、温室の所有を誇示できたからである。

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