アストレイ
あすとれい
機動戦士ガンダムSEEDの外伝作品、及び作中に登場するモビルスーツ。
模型誌連載でもあるので、バリエーションがたくさんある。
概要
ストライクガンダムなど、5機の「ガンダム」を連合の発注を受けて開発していたモルゲンレーテ社が、無断でその技術を盗用して製作した5機のモビルスーツ。
ビーム兵器の運用やオプションパーツの装備などが可能だが、PS装甲だけは盗用出来なかったので、開き直って一部の装甲をオミットすることで軽量化し、被弾を避けるというコンセプトを採用している。
そのため機体のあちこちでフレームが露出しているのが大きな特徴。
キラ・ヤマトとザフトの部隊が戦闘を行った結果として製造地のコロニー・ヘリオポリスが崩壊してしまい、5機中4機がオーブ国外に流出している。
また、劇中ではロウ・ギュールが所謂、『ガンダムタイプ』のMSに対して使う呼称でもある。
元々、アストレイとは『王道でない』という意味を持っているが、ロウはMSを『人を活かすための機械』と考えており、『兵器としての王道を外れた人を活かす機械』というニュアンスでこの言葉を使っている。
バリエーション
レッドフレーム
2号機。フレーム色は赤。
ジャンク屋ロウ・ギュールが入手した機体で、そのまま彼の搭乗機となる。
MSサイズの日本刀「ガーベラストレート」を武器に戦うサムライ・モビルスーツである。
「SEED」本編には登場しない……が、オープニングにのみ客演している(HDリマスター版ではミゲル・アイマンのジンに差し替えられている)。
また、溶接用トーチと工作用ナイフを備えた銃剣(に見える工作ツール。武器としても使用出来るが自己責任が伴う)「カレトヴルッフ」も装備する。また、この”道具”との併用も視野にいれた新型の頭部パーツ「ドライグヘッド」{和訳して”竜の頭”。高性能のセンサーや、発光機にも使えるビーム発振機を持つ}も開発、装備している。(この見た目からして、作業用機らしくないデザインは、「性能=見た目の格好よさ」が信条のロウの発案によるため)。
フライトユニット装備
M1アストレイのフライトユニットを装備した状態。プロペラントタンクを兼ねた羽も装備できる。
右腕
破損した右腕を改修したゴールドフレームの右腕で修復している。
パワーローダー
ジャスティスガンダムとミーティアのドッキングにヒントを得て150ガーベラストレートを振る為に作り上げた大型作業機械。
上半身と下半身に分離可能であり、それぞれがMS用作業用オプションパーツとして使用可能。
レッドドラゴン
上述ドライグヘッドに加え、カレトヴルッフを3基装備した形態。
隠された機能も多く、ある意味ではレッドフレーム改に次ぐトンデモ装備には違いない。
マーズジャケット
火星環境下で活動する為の重装備。ゲルググを思わせる外観の追加パーツを装備し、単体での大気圏突入も可能。
後に素体をシビリアンアストレイJGカスタムへと変更されてディアゴ・ローウェルへと譲られている。
レッドフレーム改
大幅改修を受けたレッドフレーム。「タクティカルアームズⅡL」と偽レッドフレームから入手した「タイガーピアス」、もちろん「ガーベラ・ストレート」も装備。
いわゆる全乗せ装備であり、ロウが関わってきた技術の集大成。
タクティカルアームズⅡLはドラグーンとしての機能やヴォワチュール・リュミエールといった様々な機能を有している。状況によりデルタフォーム、ソードフォーム、アローフォーム、Vフォーム、フライトフォームなど、あらゆる形態に変化する。
ブルーフレーム
3号機。フレーム色は青。
回収された当初はロウが乗っていた(ほぼわずかではあるが、ナチュラル搭乗を主眼に置いたレッドフレームが最終的に愛機となるあたり、彼の悪運の片鱗が伺え知れる)が、後に傭兵・叢雲劾(むらくも がい)の乗機となる。
ブルーフレームセカンドL
数あるブルーフレームのバリエーションのうち、最初にプラモデル化された機体。
一度大破したブルーフレームにトランスフェイズ装甲やアーマーシュナイダーの追加といった改修を加えたもの。
大剣やブースター、ガトリングガンへと変形する複合武装「タクティカルアームズ」が主武装。
最後のLは「ロウ・ギュール」のL、ブルーフレームセカンドを改修し、さらにはもともとレッドフレームにつける予定だったタクティカルアームズを作成してブルーフレームに装備させてくれたロウに対する劾の敬意である(劾の当初の改修コンセプトに近い、頭部、バックパックが原型機のままのものはセカンドGとなる。勿論、これは劾の頭文字から取ったもの)。ちなみに劾はこの機体を「ブルーセカンド」と呼称している。
ブルーフレームセカンドL・ローエングリンランチャー装備
MSとしては最強クラスの装備ローエングリンランチャーを装備し、モビルアーマー「ペルグランデ」との戦いに挑んだ際の装備。普通の状態では発射は不可能だが、ターゲットのペルグランデにニュートロンジャマーキャンセラーが搭載されていた為、それに便乗して撃てる形にした。ローエングリンランチャーは「ミッション終了後に破棄した」という記述があるが、実はその後にもう一度使われている。
スケイルシステム
水中用装備。水中ではビームが使えないため、アーマーシュナイダーやスーパーキャビーディング魚雷などをメインに用いる。
ブルーフレームサード
ブルーフレームの密林戦仕様。ビーム兵器を極力廃した格闘戦メインの機体。
ブルーフレームセカンドリバイ
ブルーフレームセカンドにブルーフレームサードのデータをフィードバックした機体。
タクティカルアームズⅡとして分離機構が搭載され、劾の考案でビーム刃の発生機構も搭載された。
これにより、ガトリング、ソードを単体で運用することが可能になった。
ソードは両手に一本ずつ、二本でビームサーベルも兼ねた形態として運用が可能である。
ブルーフレームD
セカンドリバイを一度ノーマルの状態にデチューンしたうえで改装を行った現状最強のブルー。
背中にエールストライカーの発展型「ヴィーヴルストライカー」を装備したうえで、全身に実体剣タイプのドラグーンを装備している。
ブルーフレームフォース
太陽間近での戦闘を想定した耐熱性抜群のフレーム。当初はブルーフレーム・フルアーマーフェーズシフト装備という名称であったが、運用されたのがDESTINYの後と設定された為、この名称に改められた。
ゴールドフレーム
1号機。フレーム色は金。
唯一正規の製造者、すなわちオーブの手に渡った機体だが、プラントからの脱出の際に、調整無しにX102用のバズーカを使用したことで、不具合が発生、やむなく右腕をパージしている。
後にレッドフレームとの交戦で頭部を破壊されている。
ゴールドフレーム天
ゴールドフレームを改修した機体。
喪失した右腕はブリッツガンダムの部品で補っており、改修は加えられているもののトリケロスもそのまま装備されている。
ミラージュコロイドを使用可能になった他、追加装備の「マガノイクタチ」は相手のエネルギーを吸収したり出来る。
マガノイクタチには射出兵器「マガノシラホコ」が搭載されている。
なお、ギガフロートでの戦闘の際現れた改修率70パーセントのものは修復された頭部、接続したブリッツの腕以外は外見上、装甲の色以外変化がない。
ゴールドフレーム天(完全体)
当初予定されていたゴールドフレームの改修案。
左腕もブリッツに似た腕に、脚部も後述の天ミナに似たものに改修される予定だった。
ゴールドフレーム天ミナ
破損したゴールドフレーム天を改修・強化した機体。
本来はゴールドフレーム天の完成形として陽の目を見るはずだった。搭乗者の区別のためこの名で呼ばれる。
リジェネレイトとの遭遇により破壊された脚部は大きく改修されている。
左腕には「ツムハノタチ」という鉤爪を装備、さらに実体剣「トツカノツルギ」や、ツムハノタチと交換する形で左腕に搭載可能なビームシールド/ビームソード「オキツノカガミ」など装備は増えており、C.E.73年の機体と対等に渡り合える性能を持つ。
グリーンフレーム
4号機。
パーツ状態で回収されたものを組み上げたもの。
フレーム色は緑だが、密林地帯における迷彩目的の塗装の可能性もあり、本来の色は不明。
ビームライフルに2本のサーベルを装備した「ツインソードライフル」を装備。
ミラージュフレーム
5号機。
これもパーツから組み上げたもの。グリーンフレームと同じく本来のフレーム色は不明だが、現在は紫。
ミラージュコロイドを用いて他の機体へ擬態(姿を変えるだけであり、機体性能自体は変わらない)出来るほか、頭部・前腕部・脚部が前後反転して、異形の近接格闘形態「グラディエイターモード」へ変形するのが最大の特徴。
また、ヴァリアブルフェイズシフトを用いた日本刀「天羽々斬(アメノハバキリ)」を装備する。
ミラージュフレームサードイシュー
セカンドイシューの更なる強化型。ミラージュフレームのミラージュコロイドセンサーアンテナ、Bソード、Aソードをセカンドイシューへ組み込んだ機体であるが、その性能は「人間では操縦できない」と言われるほどまで異常な状態になっており、その性能を生かすにはパイロットは人間である事を捨てなければならない程にまで肉体改造する必要がある(ただ、ギナ自身はセカンドイシューへの強化の際に肉体も改造しているため、その辺りは問題は無かったらしい)。
劇中ではプレアのニクスプロヴィデンスが敗北した直後に、ギナがこの形態で劾に挑戦してきた。その後の顛末は描かれていないが、戦いの後はフィーニスの駆るヘイルバスターと行動を共にしている事が描かれている。
アストレイノワール
劾の出生を知る男、ダンテ・ゴルディジャーニが「アストレイもヘリオポリス製の機体であるため研究対象とすべき」という意見を出し、アクタイオン・プロジェクトの番外編として建造させた黒いアストレイ。
ストライクノワールのノワールストライカーを搭載しており(それに合わせてバックパックはストライカー規格に合わせた形状に変更されている)、空中戦をはじめとした機動力が大幅に向上している他、ダンテの戦闘スタイルに合わせてビームライフルショーティに抜き身の日本刀を組み合わせたソードピストルを装備する。
アストレイの設計データはオーブ崩壊時に流出しており、手に入れるのは容易であった為、建造はスムーズに進んだとされている。
ターンレッド
ロウ・ギュールをライバル視するアクタイオン社の技術者”ダブルブイ”ことヴァレリオ・ヴァレリによってアクタイオン・プロジェクトの一環として生み出されたアストレイ。
上記ノワールの予備パーツを用いて開発された。
配色はフレームが白・装甲が赤と、レッドフレームを意識したものになっている。
ダブルブイの開発方針「2倍」に従い、タクティカルアームズを2本装備し、頭部は独自の大型Vアンテナに変更されている。
操縦はロウの相棒「8」に開発させた擬似人格AI「80」によって行われるため、搭乗者は何もしなくてもよい。
さらに通常運用時はダブルブイが開発した連動システム「トリオシステム」により、ハイペリオンガンダムの改造機である「ハイペリオンGR」&「ハイペリオンGL」との高度な連携が可能となっている。
M1アストレイ
アストレイの量産型。機体色は赤。
本編に登場している。
アニメに登場する機体のため、線の少ないデザインとなっている。
オプションとしてバックパックに装備可能なローター「シュライク」や対艦刀がある。
M1Aアストレイ
M1アストレイの宇宙専用モデル。
局地使用を示すために機体色は青。
本編では登場していないが、ゲームやアストレイストーリーなどで何度か登場している。
武装はM1のビームライフルをロングバレルビームライフルに変更したのみ。
無重力空間での運用だけを考えられているため、脚部は重力下で自重を支えられるほどの強度が無く、母艦等への着陸脚程度にしか使えない。
シビリアンアストレイ
民生用のアストレイ。
原則として非武装だが、ポテンシャルは原型機と同等でありPMCによって利用される場合もある。
DSSD(深宇宙探査機構)仕様機と、それを原型としてカスタム化したPMC仕様機がプラモデル化されている。
その他のアストレイ
Xアストレイ
ドラグーンユニットを搭載したドレッドノートガンダムの別名。
Xアストレイは本来兵器として作られたにも関らず人を助けるために使うという、兵器から見れば王道ではない使い方をするために生まれ変わったことからロウによってそう呼ばれた。
Xは完成した状態のドレッドノートの、ドラグーンの形状がX字の形をしていたから。
作中主人公のプレア・レヴェリーはロウにXアストレイと名付けられて以降、作中では
本機の事をXアストレイと呼称していた。
アストレイアウトフレーム
ジェネシスαで回収したザフト製試作MSナンバー12「テスタメントガンダム」の予備パーツにロウが足りないパーツを自作で追加した規格外MS。
上記の3機はロウが勝手に「アストレイ」と名付けただけで、5機のアストレイの系列機というわけではない。
戦国アストレイ頑駄無
「ガンダムビルドファイターズ」に登場するレッドフレームベースの改造ガンプラ。
製作者はニルス・ニールセン。
もともとアストレイ自体がはっちゃけたシリーズのためか、違和感がないともっぱらの評判。
・・・というか、ロウならやりかねない魔改造と言われる事も。
コマンドアストレイガンダム
ガンダムビルドファイターズAに登場。
ファイター専門だったコシナ・カイラが、グリーンフレームをベースにユウキ・タツヤやアラン・アダムスらの協力で初めて制作したガンプラ。
攻撃時に展開する背部ウェポンラックにはハンドガン・アサルトライフル・バズーカ・ナイフの4種類の武器が1対ずつ収納されており、距離を問わないオールラウンドな戦いが可能。
フェイスカバーや各部のアーマーを閉じた形態では、肩部のアミューレ・リュミエールによる高い防御力を誇るが、前面にしか展開できない上に動けないという弱点がある。
このような重武装にかかわらず、脚部のローラーによって高い機動性を維持している。またすべての武装やパーツには遠隔操作機能が内蔵されており、やられたふりをしてフィールドに配置、多方向から一斉攻撃といったゲリラ戦法も可能。