夜戦バカ
せんだいがたけいじゅんようかんいちばんかんせんだい
概要
- 図鑑では「熟成された軽巡の魅力、たっぷり教えてあげるから。もちろん、夜戦でね!」と夜戦前提の話をしている。
- 登場時には「川内、参上。夜戦なら任せておいて!」と自信ありげに自己紹介をする。
- 話しかけると「何?夜戦?」と言ってくる。
- 近代化改修をすると「これで、またバリバリ夜戦ができるね!」と張り切る。
- 遠征の旗艦にすると「早く夜戦~!!」とおねだりしてくる。
- 出撃すると「絶対夜戦してよね…約束だよ?」と猫撫で声で言ってくる。
- 夜戦が始まると「やったー!待ちに待った夜戦だーっ!」と歓喜する。
- 夜戦の攻撃時には「さぁ、私と夜戦しよ?」と誤解を招きそうな台詞を言う。
- 2015年夏の限定ボイスでは「夏だぁー!やったぁー!夜戦の季節だー!提督、夜戦だよ夜戦。早く!やーせーん!!」と超ハイテンションで、夜戦の季節なる謎の慣習を作り出している。
…とまぁこんな具合。
「夜戦に行くなら俺を外すなよ?」と豪語する軽巡もいるが、それらと比べてもとにかく夜戦が大好きな子である。
というか夜戦したがりにもほどがある。ある艦娘には実際に「夜戦バカ」と言われているし。
しかも、非戦闘時でも夜になるとうるさくなり、一部の艦娘達から「うるさい」「騒がしい」などと言及されている始末。
なぜ夜戦好き?
旧日本海軍の軽巡洋艦「川内」が参加した戦闘のほぼ全てが夜戦だったから。
また、『艦これ』の生みの親、田中プロデューサーが「川内ちゃんの台詞を書いている時、あまりに眠かったので同じことばかり書いてしまった」からでもある。
肝心の夜戦力は
そうでもない。
そうでもない。
確かに彼女は夜戦では強い。
強いのだが、同じく夜戦を得意とする重巡より強いというわけでもない。
そもそも川内に限らず軽巡娘自体夜戦が得意で、その中で彼女が飛び抜けて夜戦が上手いという事でもないのである。
一応、川内型軽巡は他の一般的な軽巡と比べると対空・装甲・耐久といった防御系のステータスがやや高めなので、昼戦で大破して夜戦ができなくなる確率は僅かに低いが……
でも、夜戦する時はちゃんと軽巡としての仕事はこなすので、たくさん夜戦させてあげてください。
魚雷2~3基装備で雷撃カットインを狙うか、主砲2基で手堅く2回攻撃してもらうかは、提督のお好みで。
また、改装して3スロになれば、砲熕兵器ガン積みの砲撃カットインも狙える。
改二
2014年6月20日、まさかのオール夜戦装備を引っ提げて川内改二が実装された。
しかも、この内の2つは新装備かつその片方は現状では川内しか持ってこない貴重品である。
夜戦で効力を発揮する雷装と、大破による戦力外化を避ける為の耐久・回避が高めとなり、本当に夜戦に特化した軽巡となった。
艦これRPGでは
TRPG版の艦これRPGでは、そのまま「夜戦バカ」と言う名前のアビリティが存在する。
川内の固有アビリティで、その能力は夜戦中の火力を常時2点上昇させると言うもの。
これは主砲を1個上乗せするのに匹敵する火力であり、TRPG版における川内は、その名に恥じぬ夜戦能力を手に入れたことになる。
アニメ版では
第1話で鎮守府に来たばかりの吹雪にいきなり「夜は好き!?」と聞いて来たり、戦闘時に「夜じゃないってのに!」とぶれない夜戦バカっぷりを見せていた。
続く第2話では早朝、ジョギングに出る吹雪の前に欠伸しながら現れ、「今起きたんですか?」という問いに「今から寝るとこ」と答えたり、夜中に吹雪を特訓に連れ出したりしていた。しかも「もう夜なんですけど……」という吹雪に「それが?」と答えている。
夜戦好きというより夜行性にも見えなくもない。
しかし、実際に夜戦をする場面は一度も訪れなかった(そもそも劇中で夜戦そのものが描かれることがなかった)。
艦これアーケードでは
夜戦時には通常時とは違う満面の笑顔で敵艦へ砲撃するようになる。川内さんが楽しそうでなによりです。
しかしその一方で、夜戦突入時の「やったー!待ちに待った夜戦だーっ!」の台詞の直後に真剣な表情になるという意外な一面を見せた。
夜戦バ艦隊
やたら夜戦に執着する艦娘を集める提督がいるようである。
現在候補探しが続いている。
まぁ、そもそもが下記を反映して夜戦の恩恵が比較的少ない戦艦(あくまで昼戦との較差の話であって、戦艦の夜戦火力が突き刺さった時の破壊力は問答無用のレベルである)ですら夜戦突入時はほぼノリノリなのだが(最初に川内のことをうるさいと言い出した夕張からして、自身が旗艦時の夜戦に際しては「夜は……また別の顔なんだから!!」だめだこりゃ)。
現在(2016/05/03)のところ、夜戦に挑むことができない空母を除き、夜戦を嫌がる台詞があるのは、元々戦術ドクトリンが違う為夜戦を重視して無い上に美容を気にする独艦のビスマルクにZ1、Z3、工作艦で本来戦闘を行う艦ではない明石、夜戦がトラウマになっている嵐、萩風の6隻(ただし、一部の艦は改装後や季節台詞などで克服した様子が見られる様になっている)。
史実の夜戦バカ
大日本帝国海軍
そもそも川内ちゃん一人ではなく、帝国海軍自体が相当の夜戦バカであった。
その徴候は古くは日清戦争の威海衛の戦い(水雷艇による夜襲で清国艦隊を撃破した)で現れており、次ぐ日露戦争のハイライトとなった日本海海戦でも、幾つかの駆逐隊がバルチック艦隊の主力艦に対し夜戦を敢行。戦艦2隻を撃沈、1隻を大破させた。この時に第四駆逐隊を率いたのが、後に総理大臣として太平洋戦争を終結させた鬼貫こと鈴木貫太郎中佐である。
第一次世界大戦の頃には症状がかなり悪化していて、あの小沢冶三郎がユトランド沖海戦に参加した英独双方の指揮官に対して「なぜ夜戦を挑んで戦果を拡大しなかったのか」と質問していたりする。
第二次世界大戦(太平洋戦争)の頃になると、もう相手が潜在力で圧倒的なアメリカだった為、ますます夜戦を挑んで不利を覆そうと躍起になり始める。
水兵の夜間視力を高める為にニンジンを食事に出していたのは有名な話。
事実、第一次ソロモン海戦ではルンガ泊地近辺が島影・岩陰が多く当時のレーダーが使いにくかったのに対して、日本海軍の見張り員は先に米艦隊を発見、攻撃に成功している。
だが、実際にはそれが効力を発揮したのは緒戦の間だけ。夜戦というのは奇襲だからこそ意味があるのだが毎回毎回夜戦をしていたら奇襲になるわけがないのである。
戦闘では大勝を収めたとされる第一次ソロモン海戦も、肝心のルンガ泊地の輸送船団には手もつけず。
以降はアメリカ軍のレーダーの性能が一気に向上し、むしろ夜戦でボコボコにされるのは日本海軍の方になった(川内もブーゲンビル島沖海戦で一方的に撃沈されている)。
だが、彼らはそれでも夜戦なら自分たちの方が上だと根拠もなく過信していた。
唯一、駆逐艦のみで構成された鼠輸送隊で米海軍の重巡5隻を廃艦寸前にした(重巡ミネアポリスなど、乗組員の目の前を切断された自艦の艦首が漂流していくところを目撃している)ルンガ沖夜戦は、日本側は多大な戦果を上げながらも指揮が消極的であったとして、指揮官の田中頼三を更迭してしまうのである。
とはいえ、参加した艦のうち旗艦の「長波」と「高波」を除いて輸送任務の為に魚雷を一回分しか積んでいなかった。
要するに追撃自体ではなくその準備が非常に危険であり、そもそも輸送任務中だった事から不要なリスクは回避するべきという論理的な結論だったわけである。
その為、田中提督の評価は当時の日本では低く、逆にアメリカではすさまじく高かった。
一方、性格の上で川内ちゃんに迫る夜戦バカと言えば、重巡洋艦鳥海艦長早川幹夫大佐である。
「ガ島米軍上陸す」の一報に三川軍一中将がルンガ泊地急襲(第一次ソロモン海戦)を決めた時、夜戦が出来るから参加を決めたフシが強い。
更に戦闘中、探照灯照射という盛大な死亡フラグを立てておきながら、鳥海は第二砲塔に被弾し使用不能になるも、艦橋基部に命中した敵弾は不発とフラグをへし折りやがった。
しかも早川艦長はルンガ泊地再突入を三川中将に具申している。
三川中将や参謀の神重徳が彼の2/3ほども夜戦バカが悪化していたら、ソロモンの戦いの様相は少しでも違っていたかもしれない。
『艦これ』の鳥海ちゃんは「夜戦夜戦」言わないが、実際に夜戦させればカットイン攻撃で容赦なく敵を黙らせてくれる。
また、前述の戦いでは天龍ちゃんが無理矢理参加していたりする。
また、好んで……というよりは必要に迫られた結果ではあるが、大戦末期の沖縄戦線で夜襲を積極的に用いて活躍した航空隊"芙蓉部隊"もまた海軍航空隊である。
米軍に制空権を奪われ、既に昼間の攻撃が困難になっていた中で、美濃部正少佐が事実上の指揮官として自ら編成した夜襲専門部隊。それがこの芙蓉部隊である。
その訓練は徹底したもので、「猫日課」と称した昼夜逆転生活に始まり電灯の使用制限による夜目の強化、立体模型による図上演習などの「飛ばない飛行訓練」などによって夜襲の成功率を高めるべく練度を高めていたという。