概要
ハードはプレイステーション3とプレイステーション4で、シリーズ初の2ハード同時発売。2016年8月18日発売。発売価格は8200円(税別)、CEROはB。
キャラクターデザインにはいのまたむつみ、藤島康介、岩本稔、奥村大悟が参加。アニメーション製作はufotableが担当。主題歌はFLOWが担当。曲名は「BURN」。
ウェイストランドという世界の中央に広がる大陸、その陸地を海を越えて統治するミッドガンド聖導王国が舞台。この大陸は「はるか先の未来で『グリンウッド』と呼ばれる大陸」と説明されているが、前作『テイルズオブゼスティリア』の舞台となった大陸と同名であり、前作と世界観・時間軸を共有していることが示唆されている。後に時間軸が1000年前である事が発表された。
『テイルズオブゼスティリアザクロス』の第6話、7話に当たる「#05 災厄のはじまり」、「#6 ベルベット・クラウ」にて序章が描かれた。
登場人物
キャラクターデザイン:いのまたむつみ
本作の主人公の女性。長い黒髪と露出の多めな服装が特徴。
マザーシップでは初の単独女性主人公である。
※女性主人公の前例にはミカ(アプリ作品初の単独女性主人公)、ミラ=マクスウェル、メル(それぞれダブル主人公の内の女性主人公)などがいる。
キャラクターデザイン:岩本稔
ベルベットを支える少年。「聖隷」と呼ばれる自分の意思を持たず人に従う存在。
ベルベットが「影」のイメージに対して「光」のイメージでデザインされている。
キャラクターデザイン:奥村大悟
明朗快活にして自由奔放な青年剣士。
太刀を背負っているが、普段は短剣を使った二刀流剣術で戦う。
キャラクターデザイン:奥村大悟
インチキ魔女と呼ばれる正体不明の女性。しかし魔術は使える為、「魔女」としてはインチキではなく本物。
ムードメーカーだが黒い一面を見せる事も。
キャラクターデザイン:岩本稔
アイフリード海賊団副長にして、「死神」と呼ばれる男。
共通の敵である聖寮に対抗するため、ベルベットと協力して旅をする。
キャラクターデザイン:藤島康介
対魔士の組織「聖寮」に所属する女性。
とても真面目な性格で他人への思いやりを忘れないが、常に正しい事を正しく行おうとする堅物な面がある。
業魔から世界を守る対魔士として、聖寮に牙を剥くベルベットと幾度も刃を交えていく事になる。
独特の帽子を被った奇妙な聖隷。一見ひ弱そうだが打たれ強く図太く生きている。
意思を持たない多くの聖隷と異なり表情豊か。
- オスカー・ドラゴニア(CV:前野智昭)
聖寮の一等対魔士。名門の出身で、正義感が強く業魔打倒に強い使命感を持つ。
業魔であるベルベットとは監獄島からの因縁。
冷徹な聖寮の一等対魔士。オスカーとは異母姉弟で、異母弟のオスカーには優しい。
かつてライフィセットを使役しており、彼のことを道具としか見ていない。
ロクロウの実兄。ランゲツ家の今代当主で、聖寮の特等対魔士である剣客。弟のロクロウを見下しており、業魔である彼を始末しようと企んでいる。
聖寮の特等対魔士。救世主アルトリウスの相談役でもある長老。アイフリードの失踪に関わっており、アイゼンとは因縁の関係。
- アルトリウス・コールブランド (CV:堀内賢雄)
キャラクターデザイン:藤島康介
人々から「救世主」と称えられる聖寮の筆頭対魔士。だが、3年前の「緋の夜」にベルベットから全てを奪った存在でもある。
嘗てアルトリウスに付き従っていた火属性の聖隷。アルトリウスが起こした3年前の事件で感情を取り戻し、彼の行動に疑問を抱く。
蜥蜴の姿をした元人間の業魔。成り行きからベルベット一行を時折助ける。
アイフリード海賊団の新人海賊。アイゼンのサポート役。
アイフリード海賊団の団長。ベルベットが脱獄する1年前から行方不明になっている。
聖寮と敵対する謎の聖隷。アイフリードの失踪に関わっており、アイゼンが追っている。
- ライフィセット・クラウ(CV:釘宮理恵)
ベルベットの弟。3年前の「降臨の日」に、何らかの儀式の贄としてアルトリウスに殺された。
ベルベット、ライフィセットの姉。アルトリウスの妻。開門の日にお腹にいた子供と一緒に亡くなる。
用語
- ウェイストランド
世界の名前。中央には大陸が広がっている。この大陸を海を越えて統治しているのがミッドガンド聖導王国。なお、中央大陸は遥か未来で「グリンウッド」と呼ばれる事になる。
10年前の「開門の日」までは1世紀に及ぶ平和と繁栄を謳歌していたが、現在は業魔及び業魔病の蔓延に苦しむ。
- ミッドガンド聖導王国(せいどうおうこく)
物語の舞台となる、いくつかの大地と無数の諸島からなる王国。国土は『領』と呼ばれる管轄区ごとにまとめられ、領ごとの気候の差は文化体系にも表れている。ただ、近年では世界的に寒冷化が進んでおり、北方では雪が降っている。
造船と航海技術が発展しており、交易が盛んだが、海洋部は気候と海流の変動が激しいため、交易船は決められた航路を使っている。だが、それを利用して交易船を狙う海賊もいる。
- 業魔(ごうま)
業魔病によって生物が魔物に変貌した際の姿。人間のみならず動物が業魔病に感染する事例も確認されており、様々な姿形がある。業魔に変貌すると、変貌前に持っていたものが失われてしまう。例としてベルベットは味覚、ロクロウは一部の感情を失っている。
『ゼスティリア』における「憑魔」のかつての呼び名である。
- 業魔病(ごうまびょう)
人間をはじめとする生物が魔物に変貌する病気の事。病に侵された人間の多くは凶暴化して他者を襲うが、理性を保っていられる者もいる。
- 聖隷(せいれい)
自然の力を利用した術(聖隷術)が使える種族。最近になって人間に存在が知られ、主となった人間(対魔士が殆ど)から使い魔の如く使役されている。人型の者とそうでない者がいる。
主の命令ならば、躊躇わず自爆すら行うほど自我を持たない者が多いが、明確な自我を有する者もいる。彼らがそのような傾向にあるのは理由があるようだ。
対魔士が使役する聖隷は「使役聖隷」と呼ばれ、使役聖隷としての証となるものを身に着けている。
『ゼスティリア』における「天族」のかつての呼び名である。
- ドラゴン
穢れに犯された聖隷の成れの果てである業魔。穢れを発するのは主に人間のため、人間社会にいる聖隷ほどドラゴンになりやすい傾向がある。ドラゴンになると実体化し、霊応力を持たない人間でも存在を視認する事ができる。かつての自我は持たず、ただ穢れを発しながら暴れ回る存在と化する。
遠い未来では生き物を業魔から元の姿に戻す方法はあるものの、ドラゴンになってしまうともう成すすべはないと言われている。
- 霊応力(れいのうりょく)
聖隷の存在を感知するために必要な力。かつては聖隷を感知できる程の霊応力を持つ人間は少数だったが、3年前の「降臨の日」以降、なぜか霊応力が遍く上昇し、全ての人間が聖隷の存在を認知できるようになっている。
- 緋の夜
特殊な周期で訪れる赤色月蝕によって緋色の月が昇る夜の事。不吉とされており、星の動きにより日時を予測できる。業魔病と何らかの関係があると言われている。
- 聖寮(せいりょう)
ミッドガンド聖導王国が設立した、対魔士の所属する組織。「理を貫く事で秩序と平和をもたらす」という思想を持ち、筆頭対魔士であるアルトリウスが長を務める。規模は大きく、王国の政治と軍事を主導し、対魔士を王国各地に派遣する。地域によっては王家以上に強い影響力を持つ。
- 対魔士(たいまし)
ミッドガンド聖導王国において、業魔の脅威から民を守る為、聖隷を利用して術を行使し、業魔と戦う者の事。業魔病に苦しむ民衆からは英雄視されている。使役している聖隷については、自我がないものと認識して扱っている。
聖寮に所属し、聖寮の長たる筆頭対魔士の下に特等、一等、二等の3階級に分けられる。
全体で数千人いるが、殆どが二等対魔士で、一等対魔士ですら100人程度しかいない。その中でも更に実力によって各対魔士のランク付けがされており、一等対魔士の中で特に優秀な十数人は「テンナンバー」と呼ばれ、これ以上のランクの対魔士はエリート中のエリートとされる。「テンナンバー」の更に上の実力の一等対魔士は「ゼロナンバー」と呼ばれ、都市や施設の管理を任される。
3年前の「降臨の日」以降、急激にその数を増やしている。
『ゼスティリア』における「導師」のかつての呼び名である。
- 巡察官
対魔士が聖寮の思想を貫き、任務を果たしているか監視する為、各地を巡る対魔士。
- 開門の日
10年前の、大災厄の時代の始まりが訪れた日。「緋の夜」の日でもあり、この日を境に業魔病が世界各地に蔓延し始め、王国に甚大な被害と混乱を齎した。そんな様相から人々は、「地獄の門が開いた日」という意味を込めて「開門の日」と呼ぶ。なお、この日には謎の光の柱が出現している。
- 降臨の日
3年前の「緋の夜」の日で、ベルベットが全てを失った日でもある。この日までは霊応力のある人間にしか聖隷は見えなかったが、この日以降は全ての人間に見えるようになり対魔士の数が急激に増えた。
余談
今作は過去作のテイルズに出演した声優が特に多い。テイルズに出演した声優が別のテイルズに出演することは何度かあるが今作は確認しただけでも15人もいる。
また、ゲーム中のキーワードなどにも過去作のセルフパロディが非常に多く、アイゼンが「魔王ダオスと女神マーテルの絵が彫られたカーラーン金貨」というコインを宝物にしていたり、主人公パーティーの重要な移動手段ともなるアイフリード海賊団の船の名前が「バンエルティア号」だったり、とある難病の特効薬として「サレトーマの花」という植物がイベント上で必要になったり(ちなみにこの花、外見が非常に悪趣味な上に味も絶望的に不味い。そっちの意味でリバースするとでも言いたいのか)、秘奥義に「ロスト・フォン・ドライブ」や「漸毅狼影陣」、つまり元の作品で使用していたキャラの代名詞とも言える技が復活してきたり(当然のように「インディグネイション」も完備の上、発動時の台詞には「これで最後だ!」の一文も)と、至る所に見覚えのある名前が紛れ込んでいる。
更に、アイゼンの部下の海賊達を遠洋に派遣してアイテムを稼いできてもらうというサブシステム「異海探索」では、出てくる地名が「レイモーン嵐海」「アンマルチア亜大陸」「ソーディアン半島」などといった具合で、全部丸ごと過去作ネタである。
(「バルバトス群島」で手に入る料理レシピの解説文に「ぶるぁぁぁ!な味がする」と書かれているなど、ここまでくると最早悪ノリなんじゃないかというネタも……。)
更に更に付け加えると、主人公の旅立ちの動機が「ラスボスに殺された家族の敵討ち」となっているのは、実はテイルズオブシリーズ元祖主人公と同じである。