「水もしたたる良い男、カッパード参上ッ!」
CV:細谷佳正
概要
今作の敵・ノットレイダーの一員。
水色の肌とセミロングの緑髪を持つ河童のような風貌をしており、頭頂部の皿は時折光る。本人曰く、水陸宇宙両棲の種族であるらしく、宇宙空間でも宇宙服等を着用することなく自在に動き回れる。
自ら「水もしたたるいい男」と称する通り、整った顔立ちをした優越感溢れるナルシストな性格で、会話をしながらポーズを取る癖がある。第2話の描写からさながら本物のカッパのように水に入る事で力を蓄える事が可能なようだ。
また、これまたカッパの甲羅を模したような戦闘用ボディスーツを着用している。顔にはゴーグルのようなものをつけており、首につけているチョーカー型の翻訳機を用いることで地球の言葉を話すことが出来る。本人の発言から翻訳された言語からどこの惑星か把握する事も可能な模様。
組織の目的を辺境惑星の少女星奈ひかるに語り、プリキュアの出現に動揺し、敗北を認めない捨て台詞を残して逃走するなど、テンプレ通りの初期登場幹部としての役目を忠実に果たしている。
戦闘能力
戦闘員ノットレイを率いて戦う物量戦術を得意とするが、テンジョウのように後ろで控えて指揮するのではなく、自らが先陣を切って直接プリキュアと斬り合う武人。
緑色の双刃剣型のレーザーブレードを得物としており、組織の幹部だけあって高い戦闘能力を持つ。
本作ではプリキュア側に剣キュアがいないので、カッパードとの戦闘は肉弾VS白兵というプリキュアシリーズでもなかなかなかったパターンが展開されることになる。
また、皿に吸収した水を剣に纏わせ、大渦を巻き起こす「カッパード・ストライク」なる必殺技を持っている。敵の技に技名がある点についてもプリキュアシリーズでは割と珍しい。属性上有利なキュアソレイユを(てんびん座の力を受ける前までではあるが)追い詰めた。
また、第12話でノットレイダーの首領であるダークネストより力を与えられた事により、武器であるブレードがパワーアップ。ネガティブな思いに囚われている人間から「歪んだイマジネーション」を抜き取りブレードに取り込むことで、自身の武器をブレードとは異なる形状に変形させて様々な能力を発揮することが可能となった。(ただし、アイワーンのダークペンのような「ポジティブな思いを強制的に闇に染めてネガティブにする」ことはできない)
変化した武器の形状は、「イマジネーションを抜き取った人物そのものの姿」か「その人物にとっての想像力を刺激する事物」のどちらかがモチーフとなっている。また、変形した武器には黒いハートマークが刻印される。これらの特徴はノットリガーと同じ。
イマジネーションを抜き取られた人物は意識を失うが、ノットリガーのように自我が武器に宿ることはないようだ。変化した武器がプリキュアによって浄化された後は「今日は武器がイマイチだった」と吐き捨てて撤退するのがお約束となっている。
カッパードのブレードの変形形態
形状 | 能力 | イマジネーションを奪われた人物 |
---|---|---|
サーフィンのボード | 波に乗る様な高速移動にそれの応用による障壁の展開 | 軽部タツノリ |
フレイル | 端についている棍棒を振り回し、圧倒的な攻撃力を生み出す | ドラムス |
綿あめ | 振り回しで綿あめを飛ばして攻撃 | コピーフワ |
本編での動向
- 第1話
スタープリンセスたちが生み出したフワを手に入れるため、フワを守るララやプルンスを追って地球に襲来する。
しかしキュアスターが誕生し、「プリキュアとは楽しませてくれる」と手下のノットレイたちを差し向けるも、簡単に蹴散らされる。
覚醒したばかりのスターよりも、宇宙で戦い慣れている自分の方が有利と高をくくったが、「フワはわたしが守るんだから!」と攻撃を跳ね返され、「プリキュア・スターパンチ」を相殺しきれずダメージを負い、「ラッキーは2度も続かない」と捨て台詞を吐いて去って行った。
- 第2話
どこかの湖で水分を補給することでエネルギーを蓄え(この際、テンジョウと連絡を取っている)、再びフワを奪わんとララ達を襲撃。
ノットレイ達にスターを足止めさせ、その隙にフワを奪おうとするが、スターはララに「プリキュアになって!」と叫ぶ。
前回の捨て台詞同様、「奇跡は2度も起きない」と否定するカッパードだが、プリキュアになりたいというララの想いに応えたフワが変身スターカラーペンを出現させ、二人目のプリキュア『キュアミルキー』が誕生。
再びプリキュアが生まれてしまったことに「ありえん!奇跡が2度も起きるなど!!」と狼狽するも、ミルキーに「2度じゃないルン!昨日は星奈ひかるの奇跡、今日の奇跡は私の奇跡ルン!」と突っぱねられる。
「ならば終わらせてやる!」と「カッパード・ストライク」でミルキーを仕留めようとするが、電撃を操るミルキーとは相性が悪く、「プリキュア・ミルキーショック」を右肩に受けて敗北。「濡れた体に電撃は堪える…」とまたも捨て台詞を吐いて撤退した。
- 第3話
前回受けたダメージを癒すためなのか、何故か上半身裸で滝に打たれていたところにテンジョウが現れ、「ガルオウガ様が、すぐに戻れと命じている」と告げられる。
フワ奪取に燃えるカッパードは「お前にフワを手に入れられるものか」と反発するが、テンジョウの狙いは別にあった。
- 第4話
本拠地の暗黒星雲に戻り、ガルオウガから主の覚醒とプリンセススターカラーペン奪取の命を言い渡される。アイワーンから高性能レーダー「ヒットレイダー」を貰い再び地球圏へ戻ろうとするも、地球軌道で策を練っていたテンジョウに制止される。
- 第6話
懲りることなく再びプリンセススターカラーペン奪取のためテンジョウと手柄争い。そこへ現れたアイワーンに「おじさん」呼ばわりされ怒りを見せる。なお彼女の発明品ダークペンを試運転するため、今回も彼の出撃は見送られた。
- 第8話
プリンセススターカラーペン奪取の為に実に6話ぶりに出撃。
奇妙なポーズをとりながらケンネル星に赴く。この際、ケンネル星を「実に原始的な惑星」と馬鹿にしていた。
その後てんびん座のプリンセススターカラーペンの処遇について言い争っているプリキュアとケンネル星の住民を尻目にペンを奪おうとするがあえなく発見され実力行使に出る。
ノットレイを駆使してペンを奪おうとするも最終的にペンはソレイユが手にすることとなり、彼女の放った「プリキュア・てんびん座ソレイユシュート」でノットレイごと吹き飛ばされた。
なお、ケンネル星は立派な毛並みがあることが美醜の基準となっているが、よりにもよって別の意味に捉えられかねないヘアスタイルのカッパードが来訪する事となったのは何とも皮肉な話である。幸いにもそのことについては一切触れられていないがこの星での彼の評価は火を見るよりも明らかであろう。
- 第10話
度重なる失敗をガルオウガに叱責され、テンジョウやアイワーンと共に冷や汗を流すも、『あのお方』から力を授けられ、3人揃って出撃。惑星クマリンでの戦いで、プリキュア達を圧倒した。
戦闘時、カッパードの攻撃のあおりで、宝石のように美しい惑星クマリンの自然が破壊され、「このような過酷な環境の星、価値はない。消えたところで痛くも痒くもない」と意に介さない彼に対し、キュアスターは「星にはその星の良さがある!厳しい星だけど厳しいからこそ綺麗なの!」と突っかかるが、その言葉を聞いた途端、余裕の笑みを浮かべていたカッパードの表情が一変し、「ぬくぬくとした環境で生きるお前が知った風な口を!」と激怒してキュアスターを叩きのめす。
テンジョウも「お子ちゃまにはわからないわよね」と同調し、侵略者である彼らにもそれなりの事情がある事をキュアスターは感じ取るが、カッパードにおうし座のプリンセススターカラーペンを奪われ、命からがら逃走する。そしてカッパードは手を緩める事なく、「この機に乗じ、行くぞ、地球へ」と地球を標的に定めていた。
- 第11話
アイワーンが開発した合体ノットリガーの素体となる。圧倒的な力でプリキュアたちを追い詰めるも、キュアスターの想いに応え生まれたトゥインクルステッキで大ダメージを受ける。
- 第13話
休日の観星中学校を襲撃。間違えて登校した軽部タツノリを素体にサーフボードを錬成し圧倒するが、ララの「まだ日直をしていない」という強い気持ちに押されまたも敗北。
- 第17話
ペンの反応を追い、ドラムスの屋敷にある警備を窓から突撃することで容易く突破する。中にいたドラムスを素体にプリキュアたちと応戦するも、ブルーキャットが咄嗟にカードを目隠しとして投げたため隙が生まれる。折角手に入れたおとめ座のプリンセススターカラーペンはキュアソレイユに奪還されるのだった。
- 第20話
バケニャーンが実はブルーキャットの変装で、最初から実在しない者だと発覚。アイワーンが不安定になることを危惧され、ガルオウガの指令のもと代理出撃のため惑星レインボーへ赴く。結局アイワーンが自らノットリガーとなり暴走するが、それはそれで強い覚悟の表れと尊重し静観することに。
- 第21話
キュアコスモの覚醒やキュアスターたちの再変身などを受け、彼もノットレイを率いて闘う。キュアスターに「惑星クマリンで牡羊座のペンを取り返せなかったせいで、お前たちは今追い込まれているのだ」と煽るが彼女の目にカッパードは映っていない。だって、ダークネストに意識を支配されたアイワーンを助けるために立ち上がったのだから。
余談
モチーフと名前の由来
名前の由来は「かっぱらう」と「河童」を掛けているものと思われる。
なお、一説には“河童は宇宙人だという説”が存在しているので、そこからモチーフが選ばれた可能性もある。
因みに東映動画の黎明期、初の宇宙物SF「宇宙パトロールホッパ」のメインキャラクターが河童型の宇宙人で、これは当時、現在のISASで開発されていたロケットが「カッパ(ギリシャ文字のK)ロケット」という名称で、これに引っかけてデザインされたと言われている。
また、ひかるは前作「HUGっと!プリキュア」最終回に先行登場した際、奇遇にも本物のカッパに遭遇している。
中の人について
担当声優の細谷佳正氏はプリキュアシリーズ初出演。
ニチアサキッズタイム作品では「仮面ライダーOOO」に登場したアゲハヤミー以来の出演となる。
中の人ネタ
細谷は機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズでオルガ・イツカ役を演じたために、こんなネタも散見される。
関連イラスト
曖昧さ回避
画像中央がカッパード。
- アニメ『スター☆トゥインクルプリキュア』に登場する敵キャラ。本項で記述。
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プリキュアシリーズ内の関連キャラ
ジュリオ:2作前の敵幹部。最初にプリキュアと対峙する敵組織の幹部であり、一般人からエネルギーを吸い取って自分の武具を強化し、プリキュアと直接戦闘するところが共通する。
他作品の関連キャラクター
テペト星人/宇宙パトロールホッパ:河童似の宇宙人の大先輩。
阿久津真武…さらざんまい(作中にカッパが出てくる)のキャラクターで、同一CV。
彼方のアストラ…中の人がメインキャラを務める宇宙を扱った2019年夏アニメ。ヒロイン役にフワの他にプリキュア2名が出演。