概要
「ネットワーク上のエチケット」という意味のかばん語。略称は「ネチケ」など。
要はインターネット上での掲示板やチャット、SNS等のコミュニティを利用する上で守った方がいいマナーのことであるが、ネット上のルールについては法令に反する行為を除けば厳密なルールが定められていない事が多く、狭義的な部分は個人の定義や時代の流れによって曖昧である。
例えば複数の場所に同じ書き込みをする『マルチポスト』行為は、かつてはサーバーに負荷がかかることからネチケット違反とされてきたが、現在ではそのような問題もない(ただし、満足のいく返答がもらえなかったから同じ内容を書き込む行為は、回答者側からすれば不愉快に感じる事もある)。
近年ではネットの低年齢化やSNSの登場、スマホといったネット接続デバイスが爆発的に増加し、90年代から2000年代中期に言われていたネチケットがあまり守られていないのが現状であり、現在はほとんど死語として扱われ、これらを最近では『ネットマナー』という名称で使われることが多くなった。
広義的なネチケットの一例
広義的なネチケットとして挙げられるものに、
- 法律や利用規約を守った上で書き込む
- 荒らしはスルー(無視する)
- 荒らし行為や誹謗中傷・ネットイナゴをしない
- 不確かな情報(デマ)を無闇に拡散しない
- 画面の向こうに人がいることを自覚して思いやりを持って行動する
といったものが代表的であろうか。
ネチケットを守らなくとも罰則となることは基本的にないが、相手に不利益や不愉快な思いをさせてしまい、これらの度も過ぎてしまえば犯罪行為として警察にお世話になるケースも過去に事例がいくつもあるので、一定のモラルや一般常識はネット・SNSの世界でも求められるだろう。
炎上などのトラブルにつながった場合は『ネットマナー』『ネットイナゴ』の記事を参照。
なお上述の通り、狭義的なネチケットは曖昧な部分も多く、挙げるとキリが無いため、ここでは『pixiv』『ピクシブ百科事典』を利用する上で求められるネチケットについて簡潔に説明する。
pixiv・ピクシブ百科事典におけるネチケットの一例
当記事のみならず、さらに掘り下げた内容が書かれた『pixivマナー』も併せて参照されたし。
著作権を守る
他者のイラストを投稿し、あたかも自分の作品のように公開することは(作者が許可している場合を除いて)無断転載となり、著作権違反になる。ピクシブ百科事典でも、Wikipediaやニコニコ大百科、wikiの内容をそのまま貼り付けたような記事が散見されるが、これも違反行為にあたるので、あくまでも参考に留め、自分で考えた文章で執筆するのが望ましい。
詳細は『無断転載』参照のこと。
また、トレースや模写も場合によっては著作権違反行為になり、そもそも二次創作自体も創作ガイドラインがなければ、著作権上グレーな存在なので、これらも頭に入れておきたい。
ただし著作権は親告罪という性質上、違法か合法かは権利者が決めるもので、第三者が過度に騒ぎ、極端に決めつけるのはネチケットとしてふさわしくない。
詳細は『二次創作』を参照のこと。
性的描写・グロテスク・同性愛などのニッチなジャンルにはきちんと指定する
R-18やR-18Gのタグは単純にイラストに付けただけでは意味が無く、性的描写やグロテスクな描写がある場合は、『閲覧注意』やそれを示すワードなどをタイトルに記載したり、1枚目に規制をかけるなどの配慮が必要。同性愛(BLやGLなど)の他にも非公式の擬人化や性転換・女体化といったニッチなジャンルにも同様の配慮が必要になる。
閲覧者の中には、こういった作品に嫌悪感を抱く人も居ることを忘れてはならない。
誹謗中傷などのタグ・コメント・キャプションを書かない
特に自虐系のタグなどは閲覧者が付けるべきタグではない。投稿者自身が付けているならまだしも、他者にそのようなタグを付けるのは失礼にあたる。
投稿作品を貶めたり、作者を人格否定するかのようなコメントも、ネチケット以前に一般常識として相応しくなく、人間性も疑われる大変失礼な行為である。
いくら自分が納得いかない作品であっても、根拠のないバッシングや中傷をすべきではない。
pixivに限らず他人を逆撫でするような発言や、煽り・悪口等を平然と書けば、それに対する非難や暴言が集中するのは当然のことであり、書いた本人に悪気が全くなかったとしても、ある人にとっては不快に受け取られる可能性も十分ある事を考慮したい。
批判と非難は別物です。その点を十分に考えてコメントやキャプション等を書きましょう。
無意味な感想タグ・自分タグで埋めない
新規タグの追加が不可能な状況は作品検索の支障に繋がるので、特に投稿者の付けたタグは閲覧者側での削除が出来ないので注意。
投稿作品は日記帳ではありません。
相手に作品のリクエストを強要しない
特にROM専と呼ばれる閲覧ユーザーが行うことが多く、気に入った絵師に対して過度にリクエストを強要することは、絵師のモチベーションを下げるだけでしかなく、最悪これらに嫌気を差して、絵師を引退してしまう自体にも起こりかねない。
リクエストは絵師の善意で行うものであって、任意であり強要するものではないし、絵師側もリクエストを制限・お断りしているのであれば、プロフィールの冒頭にその旨を記そう(可能であれば、英語の併記もあると望ましい)。
記事の執筆・編集について
ピクシブ百科事典はアカウントがあれば誰でも書き込め、Wikipediaとは違い、記載における議論の必要性は低く、比較的執筆の敷居が低いのが特徴である。
それは裏を返せば、書いた記事は大なり小なり加筆修正される頻度が非常に多いという事でもあり、中には自身が執筆した文章・手法を書き換えられたとの理由から、該当執筆者にメッセージなどで直接非難を送りつけるユーザーもいるという。
仮に以下のような、
- 記事の私物化や悪質な誹謗中傷など、法律や利用規約に抵触する書き込み。
- 独断で不要記事と判断した白紙化や差し戻し、編集合戦。
- 転送記事のような数行だけしか書いていない。
- 日本語として明らかに不自然な文章表現。
- 支離滅裂な文脈、対象の過剰すぎる記載、過度な改行。
- 特定の作品・キャラクター・ユーザーなどの妄信的な称賛やバッシング目的。
- 犯罪行為を助長・正当化を目的とする内容。
- 記事をオリジナル作品の宣伝で利用する。
などといった、公共性・中立性に問題がある、客観的に執筆の手法としてふさわしくないケースについては、まずは記事のコメントフォームでの議論や、記事の冒頭に注意を促す記載を行うのが先決。本人へのメッセージ通達は、それらを無視した際の通達手段の一つとして利用するのが無難であろう。
しかしそうではなく、単に自分の望み通りの文章にしたいだけならば、ここではなく自身のホームページやブログで書く方が精神衛生上好ましく、記事の文章の書き方、読みやすさの価値観を相手に押し付けてはならないし、そのような理由は余計なトラブル被害の原因となる。
『ピクシブ百科事典』は個人サイトではなく「百科事典」なのを執筆者は全員自覚せねばならず、ガイドラインはWikipediaよりは緩いが、かといって自分の落書きノートではない。
立て逃げ記事・自演記事を作らない
上述のように、中途半端に執筆して放置する立て逃げや、自作品を宣伝に利用する自演記事などといった質の低い行為は、運営側に迷惑をかけるだけではなく、検索で調べに来た閲覧者側にも迷惑がかかるので、一定の質を保つ必要があるし、記載した内容について議論が発生した場合は、責任を持って最後まで語り合うのが筋であろう。
もし文章力に自信がない場合、執筆すべきかどうか悩んでいるのであれば、自ら執筆するのではなく、『執筆依頼』での記事作成の代行や、『内容がない記事』に報告し、執筆の判断を委ねよう。
誤記・表記揺れの原因となる記事の乱立をしない
ピクシブ百科事典ではタグひとつひとつに記事が存在し、各記事で作品数の集計を行っており、表記揺れが無駄に増えると投稿数の正確な把握が出来なくなり、場合によっては運営側から乱立荒らしに認定されてしまう可能性がある。
また、一度記事作成してしまうと記事タイトルは変更できなくなるため、書き間違いによる記事の乱立にならないよう、細心の注意を払わなければならない。
誤ったネチケット
余談としてTwitterでは、
- 無言フォローは失礼なので、コメントやダイレクトメッセージで挨拶を入れる。
- フォローしていない相手にリプライする場合は「FF外から失礼します」と書く。
という暗黙のルールがあり、一種のネチケットとして扱われる場合があるが、これは一部のユーザーがやり始めたローカルルールにすぎず一般的ではないため、ネチケットの定義からは外れる。
というよりも、このような過剰な礼儀が使われているのは日本だけであり、海外では結構不思議がられているらしい。
また漫画『魁!!クロマティ高校』の登場人物である藤本貴一は、自分のネット掲示板に荒らしが出た際、「あなたはネチケットをご存知ですか?」などといった、荒らしを相手に売り言葉買い言葉で応酬をしていたが、これも誤ったネチケットによるネチケット違反である(ネチケットでは荒らしはスルーするのが得策とされる)。
ネチケットは確かに大切だが、あくまでも自分を戒めたり、相手への配慮を求める際の注意喚起のみに留め、他者に非常識だと称して、無理やり強要して押し付けるものではないことを心に命じよう。
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