本項はメタルギアシリーズのネタバレを含みます。
注意
このキャラは非常にアンチ・ヘイトが多く、まれに編集合戦が起こる可能性があります。
感情的な書き込みはせずに、編集は中立性を持ってお願いします。
人物像
ロボット工学の権威であり二足歩行兵器の開発者。元NASA宇宙工学技術者。
広島に原爆が投下された1945年8月6日生まれ。父親は核時代の口火を切ったともいえるマンハッタン計画の関係者で、原子核の専門家であった。
ヒューイという名はピースウォーカー計画で同僚でありライバルであった「ストレンジラブ」に付けられたあだ名で、彼女の後ろを付いて回る様子から映画「サイレント・ランニング」に登場するドローンの名前から取られている。
本名は不明。ただしファミリーネームは『エメリッヒ』であることが明かされており、初代MGS以降ソリッド・スネークの親友であり相棒であるハル・エメリッヒ(オタコン)の実父。
脊髄の異常から先天的に足が不自由で、PWの頃は自作の変形・四足歩行できる車椅子で移動していた。
この不自由な足から自立二足歩行ロボットの開発に強い執着を持つようになり、ロボット工学を志し、将来的には自分の足で歩けるようになることを夢見ている。
MGS3に登場していたグラーニンとは文通相手で、二足歩行技術は彼から託されたもの。
自身の脊髄異常についてヒューイ自身は原爆開発で多量の放射線被爆をした父の影響だと頑なに信じており、さらに少年時代のある出来事がトラウマとなっていることもあって、核兵器を嫌悪する気持ちは人一倍強い。
容姿は息子のハルによく似ており、眼鏡をかけ肩辺りまであるボサボサの頭をしているが、一方で顔立ちそのものは意外と似ておらず、端正な顔立ちの彼に比べると身なりもあっていかにも小汚ない科学者といった風貌。(少なくとも美形ではない)
人格は一見穏やかだが小心者で負けず嫌い。また純朴な夢想家でもあり、よく騙される質。しかし内面では屈折した頑固さ、科学者としての執念のようなものも渦巻いていおり、純粋にアニメのようなロボットに憧れて科学者を志し、MGS1の件で己の誤ちを悔いて以後、破壊兵器の開発から完全に手を引いた息子とはあらゆる点で真逆である。
なお、PWでは自作の電子たばこを吸っているが、これはタバコの煙による精密機器の影響を考慮してのこと。
スピンオフという名の技術模倣・盗用をよく行っており、たまに仲間からはそのことを皮肉られている。(この点も基本的にオリジナリティを大切にする息子のオタコンとは真逆である)
劇中の動向
NASA以前
幼少の頃から母を含めた周囲の大人達に「お前の父親の開発した原爆によって、戦争が終わり、アメリカの多くの若者たちが死の恐怖から救われたのだ」と言われて育ってきたため、少年時代は純粋に父親を尊敬していた。
しかし、小学5年生の時に転校してきた日本人のクラスメイトに見せられた原爆投下直後の広島の惨状を記録した写真集の内容に酷くショックを受け、これがトラウマとなって一転、自分の足の障害の因果は父にあるとも考えるようになり、以後は父と核兵器を憎悪するようになる。そして自らの先天的障害も父のせいだと考えるようになった。
1957年のスプートニク・ショックが刺激となって航空宇宙工学を志し、科学が戦争ではなく世界を良くするために使われることを夢見て16歳の時に飛び級でマサチューセッツ工科大学に入学。在学中にキューバ危機が起こるが、核抑止の概念を正しく理解していない世間が必要以上に騒いでいるのをどこか白けた気分で眺めていたという。
卒業後はNASAに就職し、米ソ宇宙開発競争の流れに乗って月面探査用の歩行システムの研究に従事。
しかし、1969年にアポロ11号計画で月面着陸を達成した後は、デタントの煽りを受けたことで核ミサイル研究へと回された。
そこでホット・コールドマンから歩行システム研究の業績に目をつけられ、CIAにスカウトされることになる。
MGSPW
コールドマンの掲げる「絶対的な核抑止による恒久的世界平和」という核抑止論に賛同し、ピースウォーカー計画に参加。
機体制御用の「レプタイルポッド」と自立歩行兵器「ピースウォーカー」の躯体、ピースウォーカーのプロトタイプといえる各種AI兵器を開発に従事する。
自ら憎悪する核兵器の研究に敢えて参加したのは、核抑止による世界平和を達成することで、核開発によって狂わされた自分の人生が決して無駄なものではなかったことを示したかったためであった。
しかし、コールドマンがピースウォーカーの抑止力を実証するべく本当に核を撃とうとしたために意見が対立し、階段から突き落とされたところをスネーク(ビッグ・ボス)に保護され、その後CIAを離れMSFに鞍替えする。
その後は対AI兵器戦におけるアドバイザーや装備開発、またメタルギアREXの前身にあたるメタルギアZEKEの開発に携わる。 MSFでも相変わらず抑止論に固執しており、兵器開発やカズヒラ・ミラーがメタルギアZEKEに核を搭載してマザーベースを核武装する事を提案した時はそれを積極的に支持した。
ピースウォーカーのAI開発責任者であるストレンジラブ博士に片思いしていたが、気の強い彼女の雰囲気に気圧されてなかなか気持ちを打ち明けられないでいた。また当のストレンジラブもザ・ボス…引いてはそれを再現したAIにご執心であり、彼を憎からずは思いつつもその優柔不断な態度を嫌っていた。ならばとラブレターを使ってもみたが、その内容もかなり回りくどく、逆に彼女を怒らせることしか出来ていなかった。
しかし事件収束後、二人でMSFのマザーベースでビッグボス達と暮らすようになってからは、ストレンジラブとの会話で「自分1人で歩いてこれるようになったら相手をする」と前に踏み出すよう発破をかけられるなど、少しづつではあるが関係が進展していた様子だった。
MGSV
GZ
ブリーフィングファイルに相当するカセットテープにて声のみ登場。
マザーベースが核を保有したことからIAEAの査察対象となり(本来は国でもなく加盟もしていないMSFが査察対照となることはない)、スネーク達が難色を示していた中、彼らに事前に確認もせずに勝手に独断で査察を承諾した張本人。これによってスネークやカズは今更断ることもできず、査察の話を進めざるを得なくなる。
査察対策で忙しいとはいえストレンジラブがマザーベースを出て行ったのに対して何も反応をしていないなど、不可解な言動を見せている。
査察団の案内役も務めていたが、その査察団は偽装されたサイファーの実行部隊XOFであり、司令室に案内後は音信不通。
マザーベース崩壊後は消息不明となっていた。
TPP
MSF壊滅後はXOFの指揮官「スカルフェイス」の指示により、ソ連軍の拠点でサヘラントロプスとウォーカーギアの研究開発をしていた。
しかし、サヘラントロプスが中々完成しないことで焦れたスカルフェイスにサヘラントロプスを取り上げられそうになったことで、マザーベースに西側への亡命要請を行い、ミラーから依頼を受けたスネークによって救出される。
だが、9年前の惨劇を何故か無傷で生き残った彼をミラーとMSFの生き残りのメンバー達はMSF壊滅事件を裏で手引した裏切り者だと疑っており、オセロットから拷問同然の厳しい尋問を受けることになる。
その後は証拠不十分のままひとまずダイヤモンド・ドッグズ預かりの身となり、部下たちの勝手なリンチから保護する目的もあって、軟禁状態で兵器開発の任に就かされ、スネーク用ウォーカーギア「Dウォーカー」や多脚歩行戦車「バトルギア」の開発に携わった。
PWでは車椅子だったがVでは自立歩行ユニットを脚に外科的に装着、自立している。
自立歩行ユニットは閉鎖空間での活動を前提に開発されたらしく、電源は主に外部に依存しており、野外での活動時間は短いという欠点も持つ。
また、反応速度向上のために足の治療の外科手術を参考に足の骨に直に固定器具を装着しているため、衝撃が直に伝わる構造となっており、足の骨へのダメージが大きく、また骨にボルトを打ち込みすぎているためスポンジのようになっており、耐荷重固定器具がなければ体重が掛かるだけで骨が砕けるほどぼろぼろになっているという欠陥を持つ。(万が一露出しているボルトが腐食したり錆びたりして強度が充分でなくなってしまうと上記の通りちょっとした負荷で足の骨は復元不可能なほどズタズタになる)
ちなみにこの自立歩行ユニットは関節をロックすることによって椅子代わりにもなり、その姿はさながら空気椅子である。
ダイアモンド・ドッグズへの保護後も、子供達を使ってサヘラントロプスを密かに修理する、研究班の検査装置から本来は必要ない放射線を漏洩させて声帯虫を突然変異させるよう細工するなど暗躍を続けていた。(オセロットの推測では、身勝手にも確証のない声帯虫の治療法を試みた結果が突然変異を招いたとも言われている)
実際にサイファーと繋がりがある企業に裏で密かに連絡をとっていたらしく、声帯虫の研究成果を見た後、変異した声帯虫を回収しサイファーに身柄を確保される予定でいたらしいが、スネークが隔離プラットフォーム内に発生した感染者を駆逐した為に、阻止されてしまった。
(搬入時の検査で怪しまれるような、声帯虫を変異させてしまいかねない装置を見逃される等、拷問まがいの尋問を受けるほどに怪しまれている割に暗躍できているが、拷問により放っておいても動く上に、切り捨てても困らない駒としてミラーとオセロットが後述する内部統制の為に見逃しつつも、被害が大きくならないようコントロールしていた、という可能性もある)
作中では一貫して全ての容疑を否認しており、「自分は何も知らなかった」「自分は善意でやっただけだ」「悪いのはスネーク達だ」などと口を開けば自己正当化の言い訳や他人への責任転嫁ばかりをしている。しかも「自分は核武装には最初から反対してたのにスネーク達が強行した」などと明らかにPWの頃と矛盾した発言もしている。
その一方で自分が仲間であるとことあるごとに主張し、挙句の果てにはスネーク達によって瀕死状態にされたスカルフェイスを殺害し、仇を討ったと周囲にアピールしながら、空々しくはしゃぎ回る一幕もあった。 上記の変異型の声帯虫が蔓延し、スネークが感染者達を除去して回った時も彼1人だけスネークの事を責めたてていた。(マザーベースやひいては世界への声帯虫の拡散を阻止する為に1人で全てを背負って手を汚した彼を責める筋合いは当然ながら誰にもなく、ましてや原因の一端であるヒューイにあるはずもない。実際にヒューイ以外は誰もスネークを責めてなどおらず、むしろカズはスネーク1人に背負わせた事を心から悔いていた)
またサヘラントロプスの在処やメタリックアーキアの存在、スカルズ等に特殊な寄生虫を用いていることや声帯虫のこと等、様々な情報を隠しており(おそらくすべて話してしまうとミラーやオセロットにより捨てられると判断して出し惜しみした為か)、スネークらの知った情報に対して補足するように後出しで情報を出すので、とても信用できない印象を強めていた。
最終的にその悪事(身勝手な行為)の全てがスネーク達に露見し、ダイアモンド・ドッグズ内は暴動寸前にまで荒れることになる。最終的にスネークの判断によって処刑こそされなかったものの、ゴムボートに僅かな食料と共に載せられてマザーベースを追放された。
追放時、重量でボートが沈みかけたため、慌てて自立歩行ユニットを海に投げ捨てている。
作中で「命より大事」だと言っていた自らの脚すらもあっさりと投げ捨てて去っていったその姿は「自分の脚で自立した人間になれ」と発破をかけられた前作のラストに対する最悪の解答とも言える惨めな最後だった。
ちなみにストレンジラブとは恋が実ったらしく、スカルフェイスに協力していた頃には二人の間に息子のハルを授かっている。だが彼は年端もいかないハルを、サヘラントロプスのテストパイロットと称して搭乗実験の実験台にしたためにストレンジラブの怒りを買い、何処かへとハルを隠されてしまった。(小説版ではオタコンはこの実験台にされた時の事を朧げながらに覚えており幼少時のトラウマとして今もどこかに残っている模様)
このことに激怒したヒューイはストレンジラブをピースウォーカーから回収したハイブリッドAIポット「レプタイルポッド」内に監禁し、(どこまで殺意があったかは不明だが)結果的に衰弱死させてしまっている。
上記のようにPWの頃と比べると身勝手で凶悪な面が強くでており、その姿は典型的なマッドサイエンティストのそれである。(PWの時点でも、パスの裏切りの最中で皆がパスを思っている中、ヒューイだけジークの心配していて、セシールから突っ込まれたりなど、どこか周りの空気を無視して自分の主張を押し出そうとする傾向はあった)
また、核保有に関してもPW時にはスネークを信頼した上で保有に賛同していたが、上記の通り本作では核を持つ武装組織は危険であると当初から主張していたとPWとは矛盾した発言をしている。(ヒューイ自身は知らなくとも最初から予定されていたピースウォーカーの核発射と違い、再び抑止力として作ったジークが利用されて核の危険を招いた、そしてボスが時代への規範に挑む中で再び核が使われるのではないかと言う疑念を抱いたことにより意見を変えたという可能性も一応はある)
かつては平和のための科学の利用を求めていたが、サヘラントロプスは利用目的や核の搭載よりもまともに動かないはずの自分の開発物が自分抜きで稼動している上に他人の手にある事に憤りの方が強く、Dウォーカーは自身の発明物に勝手に手を加えられてウォーカーギアとなった事に対する怒り、バトルギアは開発の経緯がDD内にて自身の立場を良くするためと、保身と執着のみが強くなっており、サヘラントロプスやメタリックアーキアを用いた核作成キットに対してもほとんど反応を示していなかった。(PWの頃はコールドマンに騙された怒りやピースウォーカーを核を発射した兵器にさせない、核の使用による自分のような被害者を出さないと言う面が強かった。 しかし一方で自分が作った兵器への執着、それが自分の意に反した使われ方をする事への反発という傾向もこの頃から確かにあった。)
そしてDDへの亡命も、ビッグボスの元へと戻る為の救助要請ではなく、サヘラントロプスの開発がうまくゆかずに扱いが悪くなりつつあるが故の亡命であった。
この自己保身のみしかない姿は当然ながら作中の多くのキャラからも反感を買っており、あのスカルフェイスですら「腐った男」と評して嫌悪しており「仲間達から罰を受けろ」と吐き捨てていた。
一方で、作中では本気で自分は無実だと思い込んでいる節もあり(実際、相当量の自白剤を投与されても供述を覆していない)、オセロットからは「もはや自分でも自分が何をしたのか、何をしているのか正しく把握しきれていないのでは」と指摘されているなど、その言動と行動の乖離から解離性精神障害を患っている可能性も作中で示唆されている。
自分の招いたXOFによるMSF壊滅が自身の予想を遥かに上回る惨状だったために、その罪悪感に押し潰されてしまったことが精神の失調を招いたのではないかという考察もなされている。
一方で、ヒューイは本当に無実だった(スネークを裏切るつもりは無かった)のではないかという説も存在する。
というのも、作中でスネーク(プレイヤー)が受け取る「ヒューイの悪事の証拠や証言」はオセロットかミラーを通じて「◯◯はヒューイの仕業だ」という形で情況証拠ばかりが口頭で語られるのみで、彼の犯行であることを決定づけるような具体的な描写が一切存在せず、それどころか明らかに意図的にぼかされているためである。(サヘラントロプスの件は子供達に修理方法を教えた事は認めているが、「まさか本当に子供に直せるなんて思わないだろう」というある意味当然の意見を言っている)
その他にも
- 先述の相当量の自白剤を投与されても供述を覆さなかったこと(ただしオセロットによる命の危険すら伴う拷問の場合はそれまでの尋問では「知らない」としていた情報を白状している為、自白剤があまり効いていなかったのは間違いない)
- 声帯虫の放射線での変異は、危うくヒューイ自身を含め世界中に変異型声帯虫が拡散しかけた事からわかるように、方向性を狙ってできるものではないうえに手土産にできるようなものができない可能性があること(専門外とはいえ、それなりに優秀な科学者であるヒューイがそんな簡単なことに気づかないというのも疑問だが、一方で一刻も早く保護してもらう為にとにかく何がしかの変異を手っ取り早く起こそうとした結果、想像以上の大惨事になってしまったのではという考察もある)
- 本作が情報統制・扇動政策・洗脳社会の恐怖を描いたディストピア小説『1984年』を裏モチーフにしていること(劇中のマザーベースのポスター等からもDDを「オセアニア」、スネークを「ビッグブラザー」に見立てていることは明らか)
- 最終エピソード「世界を売った男の真実」に意味深に現れる「 事実というものは存在しない。存在するのは解釈だけである 」というニーチェの言葉
等といった要素から、ヒューイ自身は本当に無実で、オセロットとミラーによって組織の内部統制を図るために仕組まれた陰謀のスケープゴートにされたのではないかという考察もある。つまり、ヒューイを弁護のしようの無いほどの裏切り者に仕立て上げることで、DDの兵士たちの意思を彼に対する敵意や報復感情で一つにし、結束を強めさせるという筋立てである。
その場合、たとえ完全に無実でなかったとしても実際に犯していた行為が全てDDに敵対目的であったかのように虚実織り交ぜて巧みに印象操作されていたということも考えられる。
マザーベースで行われた裁判で、ヒューイが嘘をついている証拠としてAIポッドに残されていたストレンジラブの音声記録をミラーが提示しているが、これもあくまで「ヒューイがストレンジラブをAIポッドに閉じ込めて衰弱死させた証拠」でしかなく、「ヒューイがスネーク達を裏切ろうとしていた証拠」にはなり得ない。すなわち、DDの兵士たち(及びプレイヤー)にヒューイへの悪印象を植え付けるための印象操作である。
ただしシロであるとDD内で認められていたとしてもDDに対し自分を外に置いた発言、人を殺すための兵器を抑止論ありきとはいえ積極的に作ってきた自分自身を無視して人殺しと言う(そもそもこれについてはそれ以前に自らの手でスカルフェイスを殺害しているため本当にブーメランでしかない)、自分はDDの仲間ではないというおそらく本音と思われる発言をしてしまった事などから、隊員と軋轢が生じるのは避けようがなく、遅かれ早かれいつかは出ていくことになっただろうという意見もある。
また仮にヒューイが裏切り者でないのなら作中で結果的にやらかした事は許されるのか?という問題もある。
そもそもシロであるかクロであるかに関わらず、ヒューイ側にも実際に見過ごせない問題は多い。
- 上記のサヘラントロプス、メタリックアーキア、寄生虫や声帯虫の情報を隠していた件についてはこれだけで利敵行為と取られても仕方がないという指摘は少なくない。(実際にこのせいで作中でDDはスカルフェイスに対して大きく後手に回ってしまっており結果的にマザーベースの兵士やスタッフの被害や犠牲も増えている)
- どこまでクロかシロかはともかく、少なくとも組織の中において勝手な行いをして、大なり小なりその結果が大惨事や悲劇に繋がったにも関わらず、自身の罪や責任に対しては一貫して言い訳や他人への責任転嫁ばかりで反省や後悔をしている様子は全く見られず、自分の責任からは逃げている。(少なくともヒューイにも一定以上の責任があった事は言うまでもない)
- 印象操作もあったのだとしても実際にストレンジラブとハルの件や作中での言動などヒューイが既に精神的におかしくなっている事は疑いようもなく、人間性に大きな問題があるのも明らかである。例え本当にシロだとしてもこのような人間を信用できるのか、一緒に仲間として関係を続けられるのかと言われればそれは不可能としか言いようがない。(今後また同じような大惨事を招かない保証はなく、同時に今後本当に裏切らないという保証もない)
これらのことからヒューイはクロかシロかに関係なく、またスケープゴート等の思惑を別にしても追い出されたこと自体は当然の判断だったという意見はヒューイ無実派・擁護派の中でも非常に多い。
ここからさらに発展し、MGSVのヒューイが途中から本作の産みの親である小島秀夫監督の愛用しているものと同モデルのメガネ(『J.F REY』)を身に着けることや、小島監督がメタネタを作品に盛り込む演出手法をたびたび用いることも併せて、「制作当時の小島監督がコナミ内部に置かれていた時の心情・状況をヒューイに自己投影したのでは?」という大胆な解釈も存在する(2015年当時のコナミと小島プロダクションにまつわる騒動については『コナミ』の記事にて)。
この解釈においては、最後にボートで追放されようとする彼が呻いた「まともなのは僕だけか?」という台詞や、ヒューイにとって最大の屈辱が「自分の開発物が他人の手によって意図せぬ使われ方をすること」であることが、非常に意味深なものとなる。
またヒューイの経歴に繋がるヒントも散らばれていたりする。
- スカルフェイスはヒューイを利用してマザーベースを崩壊へと導いた。ストレンジラブは不在。スカルフェイスとストレンジラブはどの様な関係か?
- ハイブリッドAIで研究をしようとしたストレンジラブとヒューイ、スカルフェイスは何を思ったか?
- XOFの管轄下で育てられた息子のハル、スカルフェイス達は何を思ったか?
- ストレンジラブは、ハルを何処に身を預けたか?
- DARPAから召集されたストレンジラブ、サイファーから離反したスカルフェイス、ヒューイと息子の三つ巴の関係は、どの様な環境下であったか?
- ヒューイはストレンジラブをレプタイルポットへと閉じ込めた、その理由は?
- ストレンジラブはDARPAに召集されたが、事故により主任を外される。”事故”とは何か?
- ”DARPA”と”声帯虫や遺伝子技術に関心を抱いているATGC社”はヒューイと繋がっている。何故繋がっていたか?また遺伝子技術に関して全くの素人であるヒューイは、ATGC社と何を会話していたか?
- 世界中で声帯虫が存在する(と思われている)のはマザーベースのみ。そしてその声帯虫の研究を行なっていたパラメディックはマザーベースにいるヒューイにコンタクトをとった。パラメディックの目的は何か?ヒューイは何を思い声帯虫に手を出したのか?目論見は何だったか?
- ヒューイはどうやって息子と再会できたか?
これらのヒントに迫れば、真相に近い答え(解釈)が得られるかもしれない。
シロかクロか、明確な答えを示さぬままMGSVは物語の幕を下ろし、それらはプレイヤーの『解釈』に委ねられる。
しかし、いずれにせよその真相を誰よりも知っているのは他の誰でもないヒューイ自身であり、オセロットは最後に「どれだけ自分を騙してもいずれは自分がどんな人間かは気づく」「自分の生き方は"誰でも"自分自身に返ってくる」という言葉を述べている。
そして自らの罪からも自分自身からも逃げ続けた男はその後、その言葉の通りの悲惨な末路を辿ることになる。
その後
経緯は不明だが息子のハルと再会して再び暮らし、別の女性と再婚し、連れ子のエマを新たな娘として迎えた。
しかし家庭は円満とは程遠く、研究の行き詰まりなどでさらに精神状態を悪化させてしまい、ハルには全く愛情をかけずに半ば虐待も同然に扱っていた。(このせいで他人からの愛情を求めていた当時のオタコンは同じ境遇だった義妹のエマと擬似的な恋人関係を作って互いを癒していた)
その末に息子のハルに妻が肉体関係を迫った事で完全におかしくなり、義娘のエマを道連れにして自宅のプールで入水自殺を図り、死亡している。
この件でエマは一命こそとりとめたものの、水に対して重度のトラウマを抱えるようになり、オタコンは家を出てしまい家庭は完全に崩壊した。
余談
彼のキャラクター像のモチーフはおそらく妻のストレンジラブの名前の由来にもなった、映画「博士の異常な愛情」のストレンジラブ博士ではないかと思われる。
「車椅子に乗った精神に異常をきたした博士」という割とまんまなキャラクター像である。
実はヒューイ以外にもメタルギア建造に関わった人物が後年に現れ、同じくロボット工学の科学者「ドラゴ・ペドロヴィッチ・マッドナー博士」がいる。その人物はヒューイと同じくロボット工学に長けた研究者でビッグ・ボス率いるアウターヘブンに娘と共に拉致されて自分の意図せぬメタルギア開発をさせられていたが、アウターヘブン蜂起事件後に助けられたものの、ロボット工学に狂気的なまでに執着し西側諸国の学会にはその研究が過激ゆえに学会を追放された。そしてザンジバーランド騒乱でも目を付けられたのか再びメタルギア開発をさせられていた…が、実はビッグ・ボスの思想に共鳴していた事・追放した学会への復讐心でメタルギア改Dを建造していたのが判明する。そしてさらに後年にザンジバーランドで死んだと思われていたマッドナー博士は東欧に隠棲していた事が判明する。ヒューイの息子・ハルによれば「アングラに属する科学者」として知られている様子。
ヒューイが途中からかける眼鏡はヒューイに使用される前からデータが存在しており、GZ及びTPPの小島監督救助のミッションで彼自身がかけている。