「この星は！滅んだりしない！！」
「ガイアー！！！」
概要
演：吉岡毅志
本作の主人公。1980年代に世界中で誕生した天才児の一人にして、天才科学者集団アルケミー・スターズの日本代表でもある。
17歳で量子物理学の博士号を取得した、千葉県出身の20歳。地球から受け取った光を自ら作った装置に組み込んだエスプレンダーにより、ウルトラマンガイアに変身する。
他人と争う事を嫌う純粋な心の持ち主で、優しく温和な性格であるが、平和を乱し人々を苦しめる存在には怒り、間然と立ち向かう正義感を持つ。一方、意外と毒舌で子どもっぽいところがあり、序盤は興味本意な発言や余計なことを言って顰蹙を買うこともあった。また、敦子から子供扱いされていた時期もあり、敦子やジョジーについ本音を漏らして怒らせてしまう事もあった。
超小型陽電子浮遊システム『リパルサーリフト』の開発をするなど優秀な頭脳を誇るが、少年時代は頭のよさを同級生に妬まれてよくいじめに遭っていた。しかし人見知りはせず、オペレーションクルー以外では梶尾やハーキュリーズと仲が良く、大学にもサトウ、マコト、ナカジという友達がおり、彼らは終盤ではマスコミに追われる我夢を匿い、囮を買って出た事から非常に信頼されている事がわかる。
しかし恋愛には縁遠く、同じアルケミー・スターズのキャサリンとは友人以上恋人未満の関係で、オペレーターの敦子とは終盤に急接近するものの恋愛に発展することはなかった。
当初は城南大学の量子物理研究室に在籍し、量子物理学の研究を行っていたが、量子加速領域にダイブする実験中に光り輝く「赤い巨人」と遭遇、コッヴ襲来時に地球よりウルトラマンガイアの力を授けられたのを機に、根源的破滅招来体と戦うためにXIGへアナライザー(異常現象や怪生物の分析担当)として入隊した。
入隊当初は他のメンバーとの衝突が見られたが、分析の的確さや性格の素直さ、柔軟さなどから次第に周囲から厚い信頼を置かれるようになり、XIGファイターEX(エキサイター)で自発的に出撃し、XIGの頭脳として現場での実質的な作戦指揮やバックアップまでこなすようになる。
アルケミースターズに選ばれ数々の発明を生むほどの優れた頭脳を持つが、頭脳派で運動はあまり得意ではなく、当初はガイアに変身しても思い通りに戦うことができず悔しがるシーンや、ガイアとして強くなるため自身の肉体を鍛えようとする場面もあった。
そのため良くチームハーキュリーズの面々に強制的に鍛えられ、その甲斐あって中盤以降は等身大の敵との格闘戦も積極的にこなせるようになった。
また、第4話で我夢が無断発進して以後自分の専用機にしてしまったファイターEXに、第7話にて遠隔操縦装置として開発した自動飛行用AI（PAL）を搭載する事で無人飛行を可能とし、変身時のアリバイを作るなど、ファイターを離れたことを周囲に気づかれることなく変身することが可能となった。
当初は純粋に人類と地球を守ろうとしていたが、藤宮との対立や様々な戦いを経て、本当に戦わなければならないもの、本当に守らなければならないものとは何なのか悩み、成長してゆく。
もう一人の巨人「ウルトラマンアグル」こと藤宮博也とは、彼の「地球を守るためには人間を排除する必要がある」と言う考えを受け入れられず衝突する事が多かったが、根源的破滅招来体の襲来に対しては共闘することもあった。
また藤宮との関係から第23話で、石室コマンダーからXIGのライセンスを剥奪、XIGを追放され、エリアルベースから降りることもあったが、第26話のラストで復帰する。
藤宮との全力での決闘の末、ゾーリムの出現と藤宮が作った光量子コンピューター「クリシス」が予測した『根源的破滅招来体』の脅威へ対処するための答えが根源的破滅招来体によって歪められた答えであったことが発覚、そのショックで闘う意志を失った彼からアグルの力を託され、第26話でウルトラマンガイアV2、そして自身とアグルの光の力を最大限に解放した最強の形態・ウルトラマンガイアSVへとパワーアップした。
藤宮がいなくなったことで一人で戦わなければならない事に不安を感じる事もあったが、ニセガイアを攻撃した時の大河原の言葉によって自信を取り戻した。
その後、戦う誇りを取り戻した藤宮がもう一度戦いたいという強い思いで海の力を目覚めさせてウルトラマンアグルV2として再びウルトラマンの力を手にしてからは共に戦う仲間となった。
第50話ではゾグに光を奪われ、一時はウルトラマンガイアへの変身能力を失ったが、アルケミー・スターズやXIG、そして地球怪獣たちの協力によって光を取り戻してアグルと共にゾグを倒し、地球に平和が戻った後は、XIGを離れて大学に復学した(XIG入隊後に退学したが、大学側から休学扱いにしてもらった模様)。
劇場版『超時空の大決戦』ではバミューダトライアングルを調査中に赤い球によって別の世界にファイターEXと共に召喚され、彼を呼び出したという新星勉少年と出会う。
勉とは少年時代に夢中になっていた『ガリバー旅行記』をきっかけに意気投合し、自身がガリバーになった記念に本にサインをするという約束をする。しかし赤い球のエネルギーが不十分だったため元の世界に戻されてしまった。元の世界に戻ってからは勉の世界の記憶を失っていたが彼の本を偶然持ってきていたことから記憶が蘇り、赤い球の記憶の中の世界で球と会話した事から勉の世界に滅亡の危機が迫っていることを知る。研究中だった時空移動メカ「アドベンチャー」で勉の世界に戻り、ガイアに変身してキングオブモンスと対決。キングオブモンスや無限の増殖によって分離したバジリスとスキューラの3対1の攻撃で苦戦を強いられるも、最期まで希望を捨てなかった勉の願いによって現れたウルトラマンティガ、ウルトラマンダイナと共に戦い、勉の世界を救った。
その後は球の消滅と共に元の世界に帰ったが、約束通り彼の本にサインすると共に「この世界は滅んだりしない。君たちが明日を信じる限り」というメッセージを送った。
テレビシリーズの最終回から1年後を描いたOV『ガイアよ再び』では、石室コマンダーからの緊急招集を受けて準隊員の身分を与えられ、XIGへ一時復帰し、チームマーリンと共に海底の怪現象を調査し、さらに深海生命体リナールが根源的破滅招来体の生き残りであるガクゾムに光を奪われていた事が判明し、攻撃するも返り討ちされる。
しかし、リナールにより力を失ったエスプレンダーに光を注がれ、再びガイアへと変身する事が出来た。
苦戦するアグルを助け、ガクゾムを迎え撃つも、パワーアップしたガクゾムに圧倒され、敗北寸前に追い込まれる。だが、XIGの援護とリナールの光によってウルトラマンガイアSVへとパワーアップし、最後はガイアのフォトンストリームとアグルのフォトンスクリューの同時攻撃フォトンスクエアによって、ガクゾムを撃退する事に成功した。
他媒体での活躍
大決戦!超ウルトラ8兄弟
本作とは別の世界を舞台とした映画『大決戦!超ウルトラ8兄弟』では、主人公であるダイゴの幼馴染として登場した。かつて天才科学者だったが、天才という肩書きに重みを感じて学界を去り、横浜マリタイムミュージアムで学芸員として働いている。
また、パラレルワールドを「多次元宇宙論」という量子物理学の観点から科学的に解説した最初の人物でもある。
物語終盤、アスカと共に世界を守る為に戦うダイゴの戦いを見て、別の世界の自分であるガイアの記憶が宿り、エスプレンダーで変身。ダイナと共にティガの救援に駆けつけ、キングゴルドラスを倒した。
その後影法師の手によって怪獣軍団の残存エネルギーが融合して誕生した究極合体怪獣ギガキマイラに窮地に追い込まれるも、ウルトラ4兄弟とメビウスの参戦により、8兄弟全員による合体光線『ウルトラスペリオル』で倒し、ウルトラマン達と共にグリッターバージョンとなって、巨大化した影法師を撃退した。
事件解決後は科学者に復帰し、友人の藤宮と共に反重力システム搭載の宇宙船を完成させ、M78星雲へと旅立っていった。
ウルトラマンオーブ THE ORIGIN SAGA
2017年2月13日より配信される第8話からの「地球編」にて、藤宮博也/ウルトラマンアグルと共に登場。我夢本人の客演は前述の『超ウルトラ8兄弟』以来となる。
宇宙悪魔ベゼルブの群れが地球に襲来、それを追ってやってきたガイと地球で出会うことになる。地球で芽吹いた命の樹を守るよう地球の意志に呼ばれて時空を超えてきたようで、リパルサーリフトを使用して森脇翔平を救ったり、命の樹の分析などで活躍した。また、袂を分かつ事になったジャグラーの事で悩むガイにも藤宮との馴れ初めを語って励ました。
余談
主演の我夢を務めた吉岡毅志は放送当時19歳で、『ウルトラマンギンガ』で礼堂ヒカル役を演じた根岸拓哉の17歳(『ウルトラマンネクサス』のデュナミストの主人公キャラを含めれば千樹憐役を演じた内山眞人の18歳)の記録を更新するまでは最年少だった。また、『ギンガ』の企画当初は『ガイア』が15周年となる事から、大学生を主人公としたうえで、我夢を大学教授として登場させる案もあった。
ウルトラマンシリーズで主人公が学生という設定は彼が初である。
演じた吉岡毅志は、後に『ウルトラマンメビウス』のGUYSのアマガイ・コノミ隊員役の平田弥里と2015年7月に結婚し、ウルトラ婚と発表され、2人は「長年の友人関係から、掛け替えのない存在になりました」と喜びのコメントを記していた。
関連イラスト
