概要
「スポーツ」と「根性」を合わせた「スポーツ根性もの」を略した語。
スポーツをテーマにした熱血ドラマ、アニメなどの作品にあてるジャンルのひとつで、登場人物が特定のスポーツの特訓・練習に打ち込み、その競技の頂点を目指す物語のこと。
名称通り、根性や努力でスポーツに向き合うキャラ達の姿や、手に汗握る競技上の戦いを持ち味としている。
『熱意と根性さえあれば、どんな苦境も打破できる』といった精神論を基軸とし、それをスポーツに掛け合わせることで、熱いドラマ性を演出することを持ち味としたストーリーの作品として描かれてきたが、ギャグや恋愛、頭脳戦など他の要素と組み合わせて描かれることもある。その名称から泥臭い響きも感じられるが、美少年や美少女の努力が描かれることも多い。
歴史
この手の作品の源流は1952年に連載が始まった『イガグリくん』だが、スポ根が流行したきっかけとしてよく言われるのは1966年に『週刊少年マガジン』で連載が始まった『巨人の星』である。
梶原一騎作品に代表されるスポ根は1960年代末〜1970年代のアニメや漫画界で大きなブームになった。その現実離れした努力と必殺技の応酬は結果的に超能力バトルものに限りなく近いものになっていき、試合中に死者まで出る異様な試合を描く『侍ジャイアンツ』『アストロ球団』などの怪作も生まれた。一方、この時期には『キャプテン』や『ドカベン』など、非現実的・超人的な要素が殆どない、比較的リアルなスポーツを描いて大ヒットした作品も多くある。
スポ根の隆盛は『アタックNo.1』、『エースをねらえ!』などの少女漫画にも及び、品行方正、内向的な傾向であった世界に競争の要素が到来した。
しかし、1970年代後半から1980年代にかけては汗臭い作風が敬遠されるようになっていき、古典的なスポ根はギャグ漫画や当時流行のラブコメ(『うる星やつら』など)、お笑い芸人のネタになったように嘲笑の対象とされ、時代遅れと見なされる存在となっていった。また現実的な指導方法が広まったのも理由であった。
1980年代に連載されたあだち充の『タッチ』はスポ根のストーリーの枠組みを踏まえつつ、恋愛をストーリーの軸に据えるラブコメ仕立ての作品として大ヒット。連載当時『タッチ』の軽いストーリーはスポ根のアンチテーゼと受け止められ、ラブコメの一種として見られていたが、実際には主人公の努力や友情、成長もきちんと描かれており、後のスポーツ漫画に多大な影響を与えたことから「新しいスポ根像を創出した」という評価もされている。ただし、本作は従来のスポ根をことごとく否定するような構成となっており、フォロワー作と比較しても著しくそれが目立つことから、単純に後年の視点からスポ根と見なすのは疑問の声もある。
以降、スポーツ漫画においては才能を持っていたり機転を利かせる主人公が主流となった。
表記揺れ
関連タグ
スポーツ漫画 … 関連タグ・関連作品のまとめあり
『スポ根』に分類される作品一覧
※漫画に関しては『スポーツ漫画』の頁にも一覧あり。