2019年 アベンジャーズ が終わる―
概要
実写映画版アベンジャーズシリーズの第4作目にして、MCUの22作目。
時系列は『アントマン&ワスプ』及び『インフィニティ・ウォー』直後。
壮大な世界観を有するインフィニティ・サーガと呼ばれる一連の話の結着について描かれた話しであり、これまでアベンジャーズを牽引してきたヒーロー達の一つの区切りとなる作品である。
幾つかのフェーズに分かれているMCUの中でも、過去最大の盛り上がりとなったフェーズ3の総決算的な作品であり、製作者サイドからは、「これからのアベンジャーズは未知の領域に入る」と言われており、フェーズ4以降は今までのアベンジャーズとは違う、いわば新世代のヒーローの話になる。
今作品を以て、MCU及びアベンジャーズシリーズに置いて初期からアベンジャーズに在籍していたヒーローが幾つか卒業する。
特に二大看板キャラクターとなっていたアイアンマンとキャプテン・アメリカが同時に卒業したことがファンに大きな衝撃を与えた。
公開されるや否や、前作を上回る勢いの記録的ヒットを記録。『スター・ウォーズ フォースの覚醒』や『TITANIC』はおろか、前人未到と言われた『アバター』の累計興行収入をも抜き去り、見事に世界累計興収歴代1位にまで上り詰めた(現在は2位)。
ストーリー
※エンドゲーム、及びインフィニティウォーのネタバレを含みます。閲覧注意。
インフィニティウォーの戦いでアベンジャーズはサノスを止める事が叶わず、インフィニティ・ガントレットによって全宇宙の生命の半数が消滅する。アベンジャーズのヒーローも例外ではなく、その半数が消滅した。
タイタンでの戦い後、宇宙を漂流していたアイアンマンとネビュラはキャプテン・マーベルに救助され地球へと帰還したが、シビルウォーの遺恨を引きずるアイアンマンはキャプテンアメリカにきつく当たり、衰弱していた所為で倒れてしまう。
アイアンマンを除くヒーロー達は辺境の惑星でひっそりと農園を営むサノスを発見、インフィニティ・ストーンを奪還し消された生命の復活を狙うが、目的を果たしたサノスは結果を覆らせない為にインフィニティ・ストーンをそれ自体の力で消滅させていた。
ソーはやり場の無い怒りに任せ、サノスの首を切り落とすが、消えた人々が戻ることはなかった。
メンバーたちは何とか人々を甦らせる方法を模索するが、成果が得られないまま5年もの歳月が流れ、アベンジャーズのヒーローたちにも諦めのムードが漂い始め、それぞれの傷を抱えたまま敗戦後の世界を生きていた。
しかし『アントマン&ワスプ』の事件で量子世界に閉じ込められていたアントマンが帰還したことで事態は一転する。
ピム粒子を利用してタイムマシンを作り出せるかもしれないというアイディアは、アイアンマンことトニー・スタークの技術によって現実のものとなり、残ったメンバーは再集結しインフィニティ・ストーンが存在していた時代へとそれぞれ飛ぶが、そこで大きな代償を払ってしまう。
それでも、再び六つのインフィニティ・ストーンを集めたアベンジャーズは、トニー・スターク、ハルクことブルース・バナー、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの唯一の生き残りロケット・ラクーンの技術によって、インフィニティ・ガントレットに代わる新たなガントレットであるナノ・ガントレットを作成、遂に消滅した全宇宙の半分の生命を復活させることに成功する。
しかし、そこへ滅びた筈のサノスの軍勢が襲来する。
それは2014年の過去の歴史から分岐した同位体だった。現在のネビュラを捕え、その記憶から計画失敗の未来を知ったサノスは、邪魔者を排除しなければ自身の計画の成就は無い事を悟り、集まったストーンを強奪し、アベンジャーズとその世界を破壊しにやって来たのだ。
かくして、アベンジャーズとサノスの真の最終決戦の幕が開く。
主要人物
余談
インフィニティ・ウォーと合わせて、十年にも渡って製作されてきた数々のマーベルヒーロー達によって描かれた伏線が回収される最終作であり、インフィニティ・ストーンとの関係が強い過去作品との一大クロスオーバーが描かれた、MCUのみならず、ユニバース作品の真骨頂とも言える超大作となっている。
また、壮大なMCU世界の数々の冒険と戦いを繰り返したことで、作中に登場する多くのヒーローが精神的に大きく成長している姿が描かれており、特に、ハルク、キャプテン・アメリカ、アイアンマン、ソーと言った、アベンジャーズを初期から支えていた六人の成長はMCUファンなら、感涙必至である。
一方、その伏線の多さと緻密さから、この作品だけを見た人間は何が何だか分からない。という、一見さんお断り的な作品でもある。
撮影中には徹底したネタバレ対策が敷かれており、ダミーのシーンを撮影したりどこのシーンなのかほとんどの演者に知らせていなかった(「お漏らし」癖のあるマーク・ラファロやトム・ホランドは特に徹底されていたとか)。ストーリーの全てを知る出演者はトニーを演じるロバート・ダウニー・Jrとスティーブを演じるクリス・エヴァンスの二人のみだったという。
上述の通り一度は世界累計興収歴代1位となった作品だが、2021年に『アバター』が中国で再上映された結果、同作の累計興収が再び本作を上回ったため、現在は2位に付けている。
エムバクの登場シーンは、撮影されたかなりの部分が未使用になってしまったらしい。
スティーブ・ロジャースがナターシャとの会話で述べた「ハドソン川に戻ってきたクジラ」は、この作品が公開される数年前から実際に確認されてきた現象である(今ではニューヨークでホエールウォッチングが可能となっている)。
本作は、MCUに関わってきた複数の出演者の、生前最後の出演作品という側面がある。
一人目は、アイアンマン / トニー・スタークの吹替を担当した藤原啓治で、公開翌年に死去した。MCUの正史としてはトニーも退場し、ダウニー・Jr.もMCUから卒業した。
なお、MCUのIFの世界を描いたアニメシリーズ『ホワット・イフ...?』ではトニーが登場しているが、原語版では声優のミック・ウィンガートが、日本語吹替版では森川智之がトニーを演じている(森川は『クレヨンしんちゃん』の野原ひろし役でも藤原の後任を務めている)。
二人目は、ブラックパンサー / ティ・チャラを演じたチャドウィック・ボーズマンで、やはり公開翌年に死去。ボーズマンがティ・チャラを演じた最後の実写作品となった。
が、やはり『ホワット・イフ...?』でティ・チャラが登場。
こちらはボーズマンが死去する前に収録を終えているため、役者の交代はなかった。
今後の実写作品でも、ティ・チャラを他の役者が演じることはないとマーベル・スタジオが明言している。
最後は、いくつものマーベルヒーローを生み、マーベル映画に何度もカメオ出演してきたスタン・リー。公開半年前に死去し、本作が最後の出演作品となった。