基礎データ
容姿
名前がマナティに似ているが、姿は全然似ていない。そもそも無脊椎動物がモチーフである為、全く関係ないと見るべきだろう(よって正確な名前の由来はマナ+フィーリングあたりだと思われる)。
分類のかいゆうとは回遊を意味する。海の王子なので海雄なのかもしれないが。
クリオネらしく、生まれは冷たい海域で、成長すると生まれた場所に帰って行くという鮭のような生態を持つ。
頭には赤く発光する触角のようなものが2つあり、これを使って人の体と内面を入れ替えてしまう能力を持つ。しかし、この能力はあくまでもどんなポケモンとも心を通い合わせる能力の派生でしかないようだ。
その能力故にみずタイプポケモンの長とされ、海を広げたという伝承を持つあのカイオーガすらマナフィの部下に過ぎない。
見た目通り、体の8割は水で出来ており、周りの環境に影響されやすいというデリケートな体質。環境汚染が進みすぎている世界では間違いなく絶滅しているであろう種である。幻のポケモンという肩書きにも納得だ。
2006年公開された『劇場版ポケットモンスターアドバンスジェネレーション ポケモンレンジャーと蒼海の王子 マナフィ』では主役ポケモンとして登場した(後述)。
本作にポケモンレンジャーがゲストとして登場するのも彼らの持つキャプチャ・スタイラーがマナフィの能力と同様にポケモンと心を通わせる為の道具という設定だからであろう。
なお、マナフィを親にして卵を産ませるとフィオネを入手できる。こちらも公式では幻のポケモンとして認知されている…が、親である以外の関係性が2021年現在も掘り下げられていないという謎の多いポケモンでもある。
概要
普通、幻のポケモンといえば、前売り券との抱き合わせや映画館での配信で入手できることが多いが、その中でも飛びぬけてお金を取られることとなったファンへの挑戦的なポケモン。
同時に、株ポケにとっても挑戦的であっただろうポケモン。
基本的に「ポケモンレンジャー」(全作)の配信特別ミッションを通じての配信が中心で、初代「ポケモンレンジャー」の発売と同時に売り出された映画前売り券は「Wミッション前売り券」と呼ばれ、本編ソフト以外では唯一の前売り券特典導入例であった。
その売り方がいろいろと物議をかもしたことは想像に難くない。
ここでもらえるのはあくまでマナフィのタマゴであり、DS本体を2台使って本編に送った後規定歩数を踏んで産ませる必要がある。
(が、この仕様が実は色違いブロックルーチンを台無しにしていたりする)
「ポケモンレンジャー」は2016年6月時点で3作あり、3作とも同様のミッションがある為3匹のタマゴが手に入ることとなる。
また、このタマゴは通常のものとはデザインが異なり、青を基調とし真ん中に赤い玉のようなものがある。どっちかというと無脊椎動物のそれであり、映画では孵化の行程は卵から手足や触覚が生えていくという演出になっていた。なお、これを基にしたTOMYの玩具が「マナフィのタマゴ」というゲーム機だが、内容も見た目もライバル社の玩具そのまんまである。
それ以外では、「ポケモンパルシティ」でのイベント会場配信、「ワールドホビーフェア」前の抽選、DVD版「蒼海の王子」の初回版のみに付属する引換券で入手するなど。
HGSS期でのWi-Fi配信が最も手に入りやすかったが、何とせいかくが「わんぱく」固定というとんでもないことになっている。
まともなマナフィを手に入れようと思うとかなりの労力を要した為、他の幻のポケモン以上にお財布に優しくないポケモンである。
追い打ちをかけるかのように第5世代、第6世代で日本版での配信がないというとんでもない事態になっていたが、この度2017年12月から行われる「ウルトラ!ゼンリョク!幻のポケモンをもらおうキャンペーン」で配布されるポケモンに晴れてマナフィが選ばれた。
前回の配布がHGSS期だったため、およそ7年ぶりの配布となる。
2021年11月発売のBDSPでは早期購入特典でふしぎなおくりものからマナフィのタマゴを獲得可能。期間は2022年2月21日までとなる。
伝説について
実は当時の幻のポケモンにしては珍しく、壮大なバックボーンや伝承を持たない存在である(近年の幻のポケモンに多い傾向)。第4世代でもウラヤマのポケモンやしきで姿を図鑑に登録できるぐらいで、むしろ伝承要素は映画の方が描写されているという始末である。
第4世代から15年の時が流れ、第4世代のリメイク作品『BDSP』にてはミオ図書館の書物に最近発見された伝承として「うみのでんせつ」が追加されている。
その伝承によればマナフィは東の海に住む『王子』と呼ばれていたポケモンであり、タマンタ、ブイゼル、大きなトゲのハリーセンと共に船出した勇者が海の門を潜って小穴でマナフィに出会ったとされている。
「王子」という肩書きに反して伝承のスケールとしてはシェイミと同じ民間伝承レベルのようである。
なお、タマンタとブイゼルはマナフィとデビュー作品が全く同じであり、ハリーセンも蒼海の王子に登場していたポケモンである。しかし、わざわざ大きなトゲのハリーセンと表記している辺り、このハリーセンはハリーセンそのものではないという説が浮上している。
伝承から察するにマナフィのポジションは日本神話のオオワタツミに相当するものと思われる。
ゲーム上の特徴
HP | こうげき | ぼうぎょ | とくこう | とくぼう | すばやさ |
---|---|---|---|---|---|
100 | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 |
ステータスはミュウ・セレビィ・ジラーチ・シェイミ・ビクティニと全く同じオール100。
同タイプにはカイオーガがいるため、劣化とも捉えられがちだが、むしろカイオーガと組ませることで真価を発揮する。
というのも、マナフィの特性「うるおいボディ」は雨が降っていれば状態異常が回復するというもの。
つまり、カイオーガの「あめふらし」を発動させてマナフィを降臨させれば、雨が降っている限り「ねむる」を使ったターンに目を覚ますという半永久機関ができあがるのだ。
さらに、カイオーガには出来ない「ほたるび」で「とくこう」を2段階(BW以降3段階)も上げることが可能。
ダブル/トリプルでは固有技「ハートスワップ」で上がった能力を味方に手渡すという芸当も可能。他にもゼルネアスなどの積み技対策になるので覚えておいて損はないだろう。
技もタイプ一致の「なみのり」「ねっとう」の他「れいとうビーム」や「エナジーボール」、「シャドーボール」などを使用可能。
映画さながらのカイオーガとのタッグで活躍するポケモンと言える。
なお、「ポケモンレンジャー」で配信されたマナフィ(のタマゴ)をDSを2台使って転送した場合、(特に『ダイヤモンド・パール』では)ゲームの最初から幻のポケモンを使って戦うことが可能であった。(ニックネームもつけられる上に、条件次第では色違いになることもある)
色違いの出ないBW1のビクティニですら途中まで行かないと入手できなかったこともあり、これは画期的ともいえる…が、初期の攻撃技が貧弱であり、なんとLv20を超えても「あわ」しか使えない。足りない火力を補うために「ほたるび」や「とける」などの補助技頼りになり、時間がとてもかかってしまう。
終盤以降は「なみのり」や「サイコキネシス」といった強力なワザマシンを覚えられるようになるので気長に育てておこう。
外部作品において
ポケダンシリーズ
『探検隊』シリーズに登場。
砂浜に流れ着いたタマゴから孵ったマナフィを主人公・パートナーがお世話することになる。
グミが大好物で、「あおいグミ」を探して与えることになる。
「グーミ! グーミ!」が口癖。
スマブラシリーズ
『スマブラX』では「モンスターボール」から低確率で出現。
「ハートスワップ」を使い、出現させたファイターと別のファイターとの姿を入れ替えてしまう。
『スマブラWiiU』ではカロスポケモンリーグ・水門の間に低確率で出現。
「うずしお」でステージ中央にファイターを引きずり込む。
はねろ!コイキング
はねろ!コイキングではたまにいけすの中に現れ、タップするとサニーゴやラブカスの群れと共に大量の食べ物を落としてくれる。
アニメでは
蒼海の王子
声:白鳥由里
初登場作品。大洋を卵の姿で漂流していた所、海賊ファントム一味によって捕獲されたが、潜入捜査をしていたポケモンレンジャーのジャック・ウォーカーに回収され、水の民であるマリーナ一座の下で保護される。
そしてマリーナ一座に同行する事になったサトシ一行が追ってきたファントム一味と交戦している最中に孵化し、初めて見たハルカを母親だと思い込む。なのでハルカ以外の人物に抱かれると泣いてしまい、ハルカと引き離されそうになるとサトシとジャッキーの人格をハートスワップで入れ替えるという行為に及んだりもした。
本作ではみずポケモンたちのリーダーという設定で、テレパシーのような能力で混乱したポケモンたちを上手く統率した他、カイオーガにも指令を下せるほどの権限を持っているようだ。海の神殿アクーシャへの行き方を本能的に覚えており、美しい歌声はポケモンたちを惹きつけるだけでなく、海の神殿の仕掛けを解く鍵の一つにもなっている。
知能も高く、ハルカの口癖を真似てハルカを「カモ」と呼んだり、「好き」という単語を習得しており、最終盤ではハルカにお礼を告げて去っていった。
『ダイヤモンド&パール』の1stOPでも先行登場組と一緒に登場していた。