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F計画の編集履歴

2022-07-06 01:28:08 バージョン

F計画

じんぞううるとらまんけいかく

F計画とは、『劇場版ウルトラマンティガ THE_FINAL_ODYSSEY』や『ウルトラマンダイナ』において地球平和連合TPCが構想していた人造ウルトラマン計画である。

「我々は、もっと光の巨人について多くを知るべきです。

あの未知なる力を制御できれば、TPCの防衛力は、盤石となるはず」

ゴンドウ・キハチ参謀



※本項目は『ウルトラマンティガ』および『ウルトラマンダイナ』に関する重大なネタバレが含まれています。




概要



ウルトラマンティガ劇場版および『ウルトラマンダイナ』にて存在が示された、TPCによる防衛兵器建造計画。

端的に言えば、「人類がウルトラマンそのものを製造し、人類が自在に扱える『防衛兵器』としてそれを保有する」というものである。

強大な兵器を防衛のため使おうとする数ある試みの中でも、人類の守護者を自ら作り上げてしまうという、とりわけスケールの大きいものと言える。


経過

イーヴィルティガとマサキ・ケイゴ

全ては『ウルトラマンティガ』本編において、マドカ・ダイゴと同じく超古代人類の遺伝子を受け継いでいた天才科学者・マサキ・ケイゴが、「ウルトラマンの量産化」を目指すタンゴ・ユウジの協力を受け、ダイゴから奪ったスパークレンス、および光遺伝子コンバーターと呼ばれる特殊な装置を使い自身を光に変換、熊本の地下に残されていた巨人の石像と融合・変身した事に端を発する。


マサキの目的は、「自身が『進化した人類=神に等しい存在』となり人類の進化を誘発する」ことにあった。

一方のタンゴは、ゴルザメルバが破壊した巨人像および「ティガの地」のピラミッドの残骸からTPCにより採取された砂『アース』を再合成して巨人像のレプリカを作る研究を進めており、ゆくゆくはウルトラマンを作り出すことも視野に入れ研究に躍起になっていたのだが、TPC内部で冷遇され研究が進まない状況に不満を抱いた結果、マサキに従う形で『アース』を持ち去り、彼の計画に手を貸していた。

いずれも根底にあったのは「人類の発展・繁栄」であり、歪んでこそいれど彼らもまた人類の未来を憂えての行動をとっていたと言える。


しかし光になったマサキ自身の歪んだ心ゆえに、復活した巨人はイーヴィルティガとして暴走。

その様子に強いショックを受けて泣き崩れたタンゴは、そのままTPCに投降。さらにウルトラマンティガに倒され人間に戻ったマサキもTPCに拘束されたことで、この計画は失敗に終わる。


なお、光遺伝子コンバーター自体は、失敗こそしたがガタノゾーアによって石にされたティガを助けるために使用された。


ルルイエ調査団と闇の巨人の復活

だが、巨人の残骸はマサキの研究データと共にTPCに回収されていた。

ティガがガタノゾーアとの戦いの後に消滅した事を根拠に、それから2年後、この研究データを用いて巨人の謎を解明したうえ、さらには人の手でウルトラマンを作り出し、未知なる敵相手の防衛手段として用いることを、TPCのタカ派勢力の一人であるナグモ警務局副長官が主張。

「F計画」と名付けられたこの計画が、密かにTPC内部で動き出すことになった。

皮肉にも、マサキの目的であった「人類の進化」が、マサキ自身の計画の失敗により誘発されたとも言えるかもしれない。


ナグモ副長官主導により、手始めにサエキ隊長をリーダーとした調査隊が古代遺跡ルルイエに派遣される。

その内部で新たな巨人の像が3体発見され、GUTSのイルマ隊長が計画に気づき遺跡に赴いた頃にはすでにナグモの指示で運び出されようとしていたが、その巨人像は闇の巨人のもので、突如復活したカミーラダーラムヒュドラの3体および遺跡から現れた無数のシビトゾイガーによって、調査隊はイルマ隊長を残して壊滅してしまった。

最終的に闇の巨人たちは復活したティガに倒されたものの、多大な被害が出たことにより、責を問われたナグモ副長官は逮捕される。

無論、F計画もそれ自体が危険と判断され永久凍結となった。


テラノイド

だがそれから8年後、『ウルトラマンダイナ』において、ウルトラマンの力なしでは満足に自衛もできない現状を憂いたゴンドウ・キハチ参謀長が凍結されていたこの計画のデータをリークし、極秘裏に火星基地にて計画を再開。

警務局直属部隊ブラックバスター隊と協力し、TPCへのクーデターを企てていた。

さらにはダイナの正体であるアスカ・シンスーパーGUTSユミムラ・リョウ共々拉致する形で火星基地へ連行。

TPCがこれまで回収して来た巨人像の砂を元に人造ウルトラマン第一号であるテラノイドを製作し、アスカを光エネルギー照射装置に入れて彼の光エネルギーを照射する事でついに完成させる。

それはアスカの変身能力を事実上奪って完成させる本物のウルトラマンを犠牲にして人造ウルトラマンを作り上げるという、ゴンドウが人類側でコントロールできるウルトラマンを求めた結果本末転倒なものになってしまったといえる。


しかし動き出したテラノイドは人の心を持たず、それに伴う判断能力も欠如していた。

そのため基地に襲来した宇宙球体スフィアを相手に(小説『未来へのゼロドライブ』では理論上15分以上発射し続ける事が可能とされていた)ソルジェント光線を連射し過ぎてエネルギー切れを起こし、その隙にスフィアに憑依された結果、ゼルガノイドへと変貌。

スフィアに憑依されたことで、エネルギー切れや判断能力は改善されたものの、皮肉にもそれらは全て人類を攻撃するために用いられてしまい、人類の希望となる筈だったウルトラマンが、人類最大の脅威たるスフィア合成獣として強化・暴走し破壊の限りを尽くすことになった上、唯一の希望のダイナもテラノイドにエネルギーを渡してしまったため変身できないという、考えうる限り最悪の事態になってしまった。


光エネルギーを吸収され満身創痍の状態になりながらも気合で変身したアスカ=ダイナであったが、無限のエネルギーを持つゼルガノイド相手に苦戦を強いられる。

だが自らの過ちに気付いたゴンドウ参謀長が、死を覚悟して自ら光エネルギー照射装置の中に飛び込み、光エネルギーを照射した事でダイナが復活。

これによりなんとかゼルガノイドは倒されたが、結果的に火星基地は破壊された上、責任者であるゴンドウも死亡。

そしてゼルガノイドの破壊で巨人像の材料となる砂も失われたため、計画は再び永久凍結された。


余談

ウルトラ戦士を模倣した存在はウルトラシリーズにおいてよく見られるが、それまでの作品での登場例が「ウルトラ戦士と人間との信頼関係の破綻」「ウルトラ戦士への対抗」を目的とし侵略者が生み出したものであった中、F計画は「地球人が防衛兵器としてウルトラ戦士を生み出し利用する」ことを目的とした史上初の事例であり、その意味でも異彩を放っている。


また、「強大な力を追い求めるあまり『心』を疎かにしてその力を使う意味を忘れれば、いずれ道を踏み外して自滅する」ということを示したウルトラシリーズにおける先例とも言え、大なり小なり後続のシリーズにも影響を与えている。ちなみに、かつて上述の形で道を踏み外しかけたあるウルトラ戦士は、F計画について「ウルトラマンは心を持たない超兵器なんかじゃない」と評している。


人類を守るという名目で生まれた人造ウルトラマンたちだが、その実は「自分たちの破滅に対する恐怖心が産んでしまった負の産物」であり、「人間が強大な力に対して麻薬のように依存する危険性」を現しているのかもしれない。


また、ウルトラマンティガの派生作と思しき「ウルトラマントリガー」では主人公の変身アイテムとして防衛チーム「GUTS-SELECT」製のGUTSスパークレンスが登場。放送前にも関わらず、ファンの間ではきな臭い雰囲気が漂っていたが、変身者は好青年な上、単に変身アイテムが人の手で用意されただけなので杞憂に終わった(実際にF計画に足りないものとして「心」が上がっていたので、ある種の成功例だと言える)。


関連タグ

ウルトラマンティガ ウルトラマンダイナ TPC ネオフロンティアスペース


ダークザギ…ウルトラマンの存在に依存したが故に『来訪者』が生み出してしまった、F計画の行きつく先と言える存在。ウルトラマンの模造品であることに気づいたことで歪んだ自我に芽生え、守護対象だった者たちに災厄をもたらすようになった。テラノイドも成功したとしても、いずれこうなる運命だった可能性が高い。


特空機4号ウルトロイドゼロ令和ウルトラマンにおけるF計画の産物と言える巨人で、こちらも同じく敵に利用され人類に脅威をもたらす存在になり果ててしまった。


プロトマケットウルトラマンメビウス…同じく実験用に作られた人造ウルトラマン。こちらにはオリジナルと同じ心らしきものがあるようで、人間の制御下を離れることはなかった。というより暴走をする前に暴走したマケット怪獣に敗れて消滅してしまったのである。


フェイト・テスタロッサ…ある少女を元に生まれたクローン。彼女が生まれたその計画も『プロジェクトF』という名前である。

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