概要
ウルトラシリーズにおいて使われる用語であり、主に「ウルトラマン自体を指した異称」と「特定の個人あるいは集団の固有名詞」の二つの用法が存在する。
異称としての「光の巨人」
昭和では滅多に使われないが、『ウルトラマンティガ』以降の平成ウルトラシリーズにおいては、ウルトラマンと初めて相対した人間が、彼らを指して「光の巨人」などと形容するケースが多い(ウルトラマン自体が光っているケースは稀なのだが)。
またウルトラシリーズ以外の作品において、商標や版権などの問題でウルトラマンの名前を直接出せない場合の遠回しな呼称として「光の巨人」と呼ぶこともある。
固有名詞としての「光の巨人」
ウルトラマン80における「光の巨人」
『ウルトラマン80』第8話「よみがえった伝説」に登場。
現代から三千年ほど前に暴れていた怪獣タブラを封印した、ウルトラマン80によく似たウルトラ戦士。
その正体は劇中で明かされておらず、今もなお不明。
80の人間態である矢的猛は光の巨人について「ウルトラマンだとすると、僕の遠い祖先だ」と考察していたが、80の年齢は少なくとも当時8000歳であるため三千年前の時点では5000歳(直近のフーマやゼットとほぼ同年齢で、人間だと高校生にあたる)ということになってしまい、巨人が80の祖先というにはかなり無理がある。そのため、光の巨人の正体については「80の親」やM78戦士以外では「ネクサス」ではないかと考察するファンもいる。
余談だが、撮影時には80のスーツに反射テープを隙間なく貼って完成したのだが、テープのせいでベトベトになってしまい、スーツは破棄せざるを得なくなったという。
史上初めて「光の巨人」というワードが登場したケースとなる。
ウルトラマンティガにおける「光の巨人」
3000万年前の超古代文明を襲った「闇」の軍勢に対抗するべく、宇宙の彼方から地球に降臨した存在(※)。ティガをはじめとする多くの「光の巨人」が降臨し、「闇」から誕生した多くの怪獣たちを撃破していったが
戦いが終わると人類の選択には干渉せず、戦いのために用いた体を石像化させてテイガの地のピラミッドに隠すと、魂を分離して、本来の姿である「光」となって、星雲へと帰って行った。
平和が訪れた地球にとって、巨人の石像たちは地球上の守り神となっていた。
だが再び、闇による怪獣災害が起こると、今度は古代人たちが巨人像と一体化して脅威を駆逐していった。
ところが、その内の4人(カミーラ、ダーラム、ヒュドラ、ティガ)が激戦の中で心の闇の力に魅入られて体を支配され「闇の巨人」と化し、多くの光の巨人が犠牲となった上に、巨人同士で勢力を二分する内乱が発生した。
最終的に、闇の脅威は去り戦いは終結したが、超古代文明は滅亡した。ティガを含めた僅かな生き残った巨人たちによって3人の闇の巨人は古代都市ルルイエに封印された。
そしてこの悲劇を二度と繰り返さないため、未来の人類に希望を託してその力を人の遺伝子の奥に刷り込んで古代人たちは永い眠りについたのだった。
その後も光の巨人は度々復活していたようで、古代の日本と思われる場所ではデグーフとティガが戦った他、縄文時代の東北地方では光を継ぐもの達がティガとなって闇の超能力者一派と戦っている。
この時点でティガの体はピラミッドに収容されており、現代にて復活したゴルザとメルバにて中に収容されていた二体の巨人像と共に破壊され、残った石像がマドカ・ダイゴと融合し、当代のティガとして蘇った。なお、超古代怪獣に破壊された巨人像は縄文時代や現代でも復活せず、終ぞ変身後の姿を拝む事はできなかった上に名前も全く明かされなかった。
一方で、のちのイーヴィルティガとなる無銘の巨人像は熊本県に存在しており、日本には古代に複数体の巨人が来訪していたと考えられる。
ユザレが『ウルトラマン』の名を口にしていることから、ウルトラマンは超古代から存在する名詞なのかもしれない。
なお、『ティガ』の続編である『ウルトラマンダイナ』は、デザインが似ていることから同じ種族ではないかという見解も存在するが、真相は不明のままである。
戦闘場面でのスーツはダイナの各タイプに新たな装飾を加えて改造したもの。朽ち果てた石像には、
アグルやパワード、エースといった既存のウルトラマンたちに似たものがいる。
また、ティガを元ネタとした『ウルトラマントリガー』では光の巨人と闇の巨人の関係性が『ティガ』とは異なるようである。
TCG『バトルスピリッツ』のコラボブースター「ウルトラヒーロー英雄譚」ではティガ第1話に登場した『巨人の像』がコスト3の青属性ネクサスとして登場(CB18-055)。
ミラージュとして使用する際にはティガ/ダイナ/ガイアのアタック時にコアブーストを行うだけでなく、アタックしているTDG三戦士のコスト以下の相手を破壊する効果を持っている。ティガだけでなく、ダイナやガイアをサポートできるのはやはり、ここから平成ウルトラマンの歴史が始まったからであろうか。
イラストは武藤立樹先生が担当した。
また、食玩「超動ウルトラマン」ではプレミアムバンダイ限定でティガを含めた3体の巨人像が立体化されている。
(※)第28話では破壊された石像の破片から地球外の有機物が含まれていた事が判明する。小説版では「遥かなるオリオンの座」が出身とされ、初代ウルトラマンのM78星雲出身という設定やクトゥルフ神話の星の戦士の設定を連想させる。
ウルトラマンXにおける光の巨人
八世紀に書かれた歴史書『日本太平風土記』に鉄の魔獣「天目亜牙」をスパークドールズの状態で封印した存在が「光の巨人」として語られている。
この「光の巨人」の正体は不明で、その封印方法からエックスと同じような能力を持ったウルトラ戦士、あるいは劇場版で存在が明かされたXの世界のウルトラマンティガ(ネオフロンティアスペースのティガとは別人)ではないかと推測されているが、現時点で公式な見解は語られていない。
X本人は「人が人を思い、繋がり合おうとする心。その絆が天と地を繋ぐ光なんだ。その光とユナイトするからこそ私達は光の巨人と呼ばれるんだ」と述べている。
なお、公式サイトではこの巨人を「虹の巨人」としているが、エクスラッガーやウルトラマンエクシードXとの関連性は不明。
その他作品では
Fate/ZEROにおける「光の巨人」
「これが怪獣映画なら、俺たちきっとヤラレ役だぜ。『光の巨人』が出てくる前の噛ませ犬だ」
TYPE-MOON作品における世界観においても、どうやら『特撮作品としてのウルトラマン』が存在しているようで、上記のセリフはキャスターが召喚した海魔を目撃した仰木一等空尉が自分の立場を皮肉ったセリフ。この光の巨人は間違いなく、ウルトラマンと見て正解だろう(ちなみに第四次聖杯戦争の開催時期は1995年頃と思われる。この頃はウルトラマンは所謂『冬の時代』であった)。
クリントン大統領が登場したり、月世界旅行を作った映画監督などが登場するなど、ある程度は史実に即した世界観である為、このような例えが登場しても何らおかしい事ではない。この世界にももしかしたら円谷英二監督が存在していたのかもしれない。
新世紀エヴァンゲリオンにおける「光の巨人」
この作品では第1使徒であるアダムを指す単語として使われている。その名の通り光に包まれた巨大な人型の生命体であり、胸には球体が付いている。
また、新劇場版『破』では4体の巨人が登場しており、元ネタはそれぞれ初代ウルトラマン、ゾフィー、ウルトラセブン、ウルトラマンジャックとなっており、胸や額のデザインからそれが伺えるだけでなく、彼らを示す4つのマークも先ほど挙げたウルトラ兄弟のウルトラサインに由来する。
なお、この巨人はTCGバトルスピリッツのコラボブースター『エヴァンゲリオン シン実の贖罪』でカード化されている(CB23-048)。
ネクサスでありながら、スピリット同様に系統:使徒を持ち、コストは1とかなり低い。
使徒がアタックする際にシンボルを0とする事(ライフが破壊できなくなる)で相手デッキを破棄させたり、シンボルを持たない青のネクサス1つにつき、使徒のコストを軽減できるという強力なシナジー効果を持つ。