概要
西暦1801年から西暦1900年までの100年間。
18世紀半ばにイギリス(大英帝国)で成功した産業革命により機械工業の発達。資本主義経済を膨張させ、欧米列強は蒸気機関による乗り物の発達で新たな市場開拓を目指して世界中に進出。
世界は帝国主義真っ只中の時代となり、アジア・アフリカ地域では欧米列強による植民地争奪戦が繰り広げられた。
日本も黒船来航による開国とその後の明治維新をきっかけに近代化を推し進め、日清戦争以降は朝鮮・中国大陸方面への勢力拡大を図ることとなる。
産業革命による工業化でヴィクトリア朝期の英国は繁栄を極め、世界の3分の1を植民地に有し世界の覇権を握っていた。しかし、世紀末にはアメリカ合衆国やドイツ帝国などの新興国が台頭したことで、その覇権に陰りが見え始めていた。
ロマノフ朝ロシア帝国も海外進出を図り、気候風土の問題から冬でも使える不凍港の獲得を目指す南下政策を掲げ、その後のソ連時代にも受け継がれるロシアの悲願となった。
中央アジアを制してインド洋へ勢力拡大を目指すロシアにインドを植民地に有するイギリスが対立し、チェスに見立てて「グレートゲーム」と呼ばれた。さらに極東方面でもロシアの動向に江戸幕府は警戒感を強めていたが、イギリスが一度は対立した薩摩藩を手を結んで、討幕派、さらに新政府を支援してロシアを牽制し、その後の日英同盟、そして日露戦争につながる。
18世紀末のフランス革命により各国では自由主義やナショナリズムの思想が広がり、市民革命が相次いだ。そのフランスでは皇帝となったナポレオン・ボナパルトによる欧州制覇を目指す戦いが起こるも敗北。
この時代は蒸気機関によるSL・蒸気船などが普及・使用された一方でアメリカ大陸では石油産業が活発化。ガソリンを動力源とした自動車、航空機も開発されるなど技術革新が起き、それまで主力だった蒸気機関は衰退することとなる。
欧州では科学技術の発達による経済繁栄する一方で労働者問題が発生。貧富の格差の是正を目指す動きが増え、カール・マルクスは新たな思想である社会主義や共産主義を提唱した。
科学の確立は様々な分野の学問にも影響し、進化論や微生物学といった生物学、化学合成、電気、物理学、医学などを発展させた。さらに写真や映像といったカメラによる新たな記録技術が生まれ、芸術的・文学的にも影響した。
文学でも推理小説やSF、冒険譚などが確立。未知への探究は神秘主義やオカルト方面も膨らませた。
人類文明の科学は発展したが、一方で自然環境の破壊が加速。蒸気機関の燃料にする材木のために森林の伐採が急増。石炭や石油、天然ガスへと化石資源由来の燃料が変わったが、それによって温暖化効果ガスが排出され、結果として地球全体の平均気温が上昇。文明活動が原因の地球温暖化が始まった時代となった。
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ヴィクトリア朝 スチームパンク 帆船 オーストリア・ハンガリー帝国