「ヴォルデモート卿、私です。あなたの娘です」
演者:エスター・スミス(舞台)
概要
デルフィーニとは、デルフィーという通称で知られた半純血の魔女であり、ヴォルデモートとベラトリックス・レストレンジの娘である。
母の夫である養父、ロドルファス・レストレンジから闇の魔術を教わった強大な闇の魔法使い。
アイルランドの不死鳥・オーグリーを象徴としており、首と背中にオーグリーのタトゥーを彫っている。
タイムターナー(逆転時計)による時間移動によって実父、ヴォルデモート卿の復活を目論んでいる。
人物
出生
第二次魔法戦争の最中、ホグワーツの戦いの一年前にマルフォイ邸で誕生。
ニンファドーラ・ルーピンと、ドラコ・マルフォイの母方の従妹。
テディ・ルーピン及びスコーピウス・ヒュペリオン・マルフォイの従叔母に相当する。
ヴォルデモート卿の唯一の子供であることから、父の死後、彼女は唯一のサラザール・スリザリンの継承者となった。
名前のデルフィーニは星座のいるか座(Delphinus デルフィヌス)や上半身が人間の女、下半身は蛇またはドラゴンの姿をしている化け物(Delphyne デルピュネー)に由来するもので、星座やギリシャ神話を基に命名する母方のブラック家の伝統を引き継いでいる。
ただし、デルフィーニという名前が本名かは定かではない。
幼少期
母の夫である養父、ロドルファス・レストレンジはホグワーツの戦いに生き残ったもののアズカバンに収容されてしまい、孤児となった幼いデルフィーニは多額の金と引き換えにユーフェミア・ロウルに育てられるが、彼女はデルフィーニのことを好いてはいなかった。
ロウルはペットとしてオーグリーを飼っており、オーグリーが鳴いたのはデルフィーがろくな死に方をしないと予見したからだと話した。
両親のことを知らず、ホグワーツ魔法魔術学校には通わず、他の同年代の子どもと接することはなかったようで、14歳の時には親友が1人もいなかったという。
さらに幼い頃には空想の親友を創り出していたとコメントしている。
養父ロドルファスが再びアズカバンから戻った折、予言者(Seer、未来を見る者)の才能を保持している可能性のあるロドルファスは彼女の本当の血筋と、成就すべき運命にあるという予言を教えた。
容姿
両親の素養を受け継いだ誰もが認める美形。
目的の為には手段を選ばないが、父親同様に必要があれば誰にとっても魅力的な人物になる事ができた。
強く美しく、好人物を演じていた彼女はヴォルデモート卿を倒した英雄、ハリー・ポッターの息子であるアルバス・セブルス・ポッターの初恋の相手でもあった。
性格及び願い
彼女の本性は非常に残酷であり、許されざる呪文を使う事にも一切躊躇がない。
そんな彼女の願いとは「ヴォルデモート卿の復活」。
亡き父への敬愛、愛情は紛れもない本物であり、無慈悲で冷酷な振る舞いは全て父への思慕の念が成さしめたものである。
後述の行動を起こした引き金は、「よけい者がよけい者でなくなり、時間が逆戻りし、見えない子供たちがその父親を殺すとき、闇の帝王が戻るであろう」という予言。
これは本人の部屋の壁に蛇語(パーセルタング)で刻まれていた。
作中の動向
エイモス・ディゴリーの姪
デルフィーはエイモス・ディゴリーに錯乱の呪文をかけて自分の命令に従うようにし、彼の姪のデルフィーニ・ディゴリーと名乗った。
2020年8月31日、セオドール・ノットが逆転時計を作成していた罪で逮捕されたニュースを知り、エイモス・ディゴリーを操り、ハリー・ポッターのところへ行き、逆転時計を使って三大魔法学校対抗試合の頃に戻り、ハリーと共に移動キーで墓地に到着した直後にヴォルデモート卿の命令で殺された息子、セドリック・ディゴリーを守ってほしいと訴えさせた。
ハリーは歴史改変の危険性から断ったが、ハリーの次男のアルバスはこの会話を陰で聞いていた。
アルバスと親友のスコーピウス・マルフォイは、エイモスに協力し、歴史を変えてセドリックを守ることを決意する。
四年目のホグワーツに行く途中、計画を遂行するためアルバスとスコーピウスはホグワーツ特急から飛び降り、エイモス・ディゴリーが生活する聖オズワルド魔法老人ホームを訪れた。
デルフィーはそこで姪を装ってエイモスの世話をする振りをしてエイモスを操っていた。
そしてアルバスとスコーピウスを自分の目的に誘導するために二人と共に行動することとする。
魔法省潜入
親に対してコンプレックスを抱えるアルバスとスコーピウスを巧みに取り込み、二人と共に魔法省に侵入し、デルフィーが用意したポリジュース薬で魔法大臣のハーマイオニー・グレンジャーに変装する。
ロナルド・ウィーズリーに変身したアルバスの機転とハリー・ポッターに変身したスコーピウスの知識によって首尾よく大臣室に隠された逆転時計を盗み出した。
時間旅行
デルフィーニはアルバスとスコーピウスに魔法を幾つか教授した上で、逆転時計による歴史改変へ二人を誘導する。
三大魔法学校対抗試合の第一の課題に向かった二人は逆転時計が不完全なもので時間制限があったこともあり一度目は失敗して「ロンとハーマイオニーが結ばれなかった世界」を作り出してしまった。
二人は消失してしまったローズ・グレンジャー=ウィーズリーを取り戻すために二度目の歴史改変に挑戦する。
三大魔法学校対抗試合の第二の課題でセドリックを辱めることでハリーとの同時優勝を阻止した二人だったが、今度はアルバスが消失してしまい、「ヴォルデモートが勝利した世界」を一度は造り出してしまった。
ヴォルデモートが勝利した世界
辱めを受けたセドリックはハリーに疑念を抱き、死喰い人となり本来の世界で分霊箱のナギニを倒すネビル・ロングボトムを殺害したためにヴォルデモートが勝利した世界となっていた。
しかし、スコーピウスがその世界におけるセブルス・スネイプの協力を取り付け、闇の魔法使いへの抵抗を続けていたレジスタンス、その世界のロン・ウィーズリーとハーマイオニー・グレンジャーと共に自分とアルバスの二つの歴史改変を阻止したことで時間は元に戻された。
この世界ではデルフィーニは「オーグリー様」と呼ばれており、ヴォルデモートの「闇の印」と共に彼女のシンボルである「オーグリーの印」がホグワーツや魔法省に掲げられている。
これはあのヴォルデモートが、いかなる部下にも与えなかった特別な地位にデルフィーニを取り立てた事を意味していた。
逆転時計の奪取及び逃亡
元の世界に戻ったスコーピウスは逆転時計を破壊するため所持していた逆転時計は見失ったと虚偽を述べた。
その後、デルフィーニと合流したアルバスとスコーピウスは歴史改変の顛末と逆転時計の処分を決めたことを伝えるが、スコーピウスはデルフィーニが歴史改変の世界でオーグリー様と呼ばれていた魔女であることに気付き、デルフィーニは二人の前で本性を現す。
二人を拘束し、クレイグ・バウカーJr.を殺害、アルバスから逆転時計を奪い、三大魔法学校対抗試合の第三の課題のタイミングにアルバスとスコーピウスごと跳躍する。
作戦変更
セドリックを再び妨害し死喰い人に仕立てようと試み、その隙に逃げ出した二人を抹殺せんとするが、この様子を発見したセドリックの武装解除呪文を受けてしまい失敗。
業を煮やしたデルフィーニはセドリックを利用することを諦め、1981年10月30日、つまりヴォルデモートがポッター家を襲撃する前日へ二人もろとも跳躍、更に時間制限がある不完全な逆転時計の特性に作用されないため、そして二人が元の時代に帰還するのを阻止するため逆転時計を破壊して去った。
これで彼女の願いは果たされるかに見えたが、アルバスの機転が全てをひっくり返した。
アルバスは、生まれたばかりのハリーのおくるみだったブランケットを現在自分が所持していること、それは新学期の祝いにもらったものだが、口論になった拍子にロンが持っていた「愛の妙薬」が零れ落ちて毛布一面に広がったことを思い出していた。
更にハリーは両親の命日に、その毛布を取り出すこと、そして妙薬と反応して高熱を発する物質であるデミガイズのチンク液があることも。
これを利用し、その一件で愛の妙薬がかかる部分にメッセージを仕込めば、元の時間でハリーたちが気づくかもしれない、と賭けに出たのである。
この賭けは見事に当たり、メッセージに気付いたポッター夫妻は、ロン、ハーマイオニー、ドラコを伴ってマルフォイ家が管理する完全な逆転時計を使用、運命の日に跳躍。
運命の日
ヴォルデモートのポッター家襲撃のタイミングを知らなかったデルフィーニは、聖ジェローム教会でヴォルデモートを待ち続け、遭遇する。
父の前に駆け寄り、ここまでのことを嬉しげに語るデルフィーニだが、彼女の前に現れたヴォルデモート卿はハリー・ポッターが魔法で変身した偽物だった。
教会に入ったところでハリーの変身魔法が解けてしまい、騙されたことに気付いたデルフィーニは教会の出入り口を全て封印、閉じ込められたハリーに猛攻を仕掛ける。
しかし、床を見落としていたために格子戸からのアルバスの侵入をゆるし、封印呪文を解除されたことで外にいたロンたちが突入。
現役のベテラン魔法使い五人を相手に渡り合うという恐るべき実力と執念を見せるも、最終的には押し負ける形で敗北。
ちょうどその時、ポッター家襲撃のためにやって来た本物のヴォルデモートの気配を察知。
何度も何度も父の名を叫びながら拘束され、現代に戻り、その後アズカバンに収監された。
罪状はクレイグ・バウカーJr.の殺害で会った。
能力
魔法使いとしては極めて優秀。
特に魔法使い同士の戦闘に長けており、ハーマイオニー・グレンジャー魔法大臣やハリー・ポッター魔法法執行部部長といった4人の熟練した魔法使いと一時的に渡り合う事ができる程。
さらに父親であるヴォルデモートからの遺伝で蛇語話者(パーセルマウス)であり、また、ヴォルデモートが編み出した飛行術を使う事ができ、箒や魔法道具に頼らずに自在に空を飛ぶことができた。
杖なし呪文にも長けており、基本的な魔法であれば手をかざすだけでそれらを扱う事ができる。
表記
彼女の姓は父方のそれを引き継ぐと考えるとリドルになるが、ヴォルデモートが捨てた名前であるためデルフィーニ・リドルと表記するのも不自然。
デルフィーニ・レストレンジ、デルフィーニ・ゴーント、あるいは遡ってデルフィーニ・スリザリンあたりに表記するのがしっくりくるが、作中で言及のない姓名で表記するのも不自然。
よってただデルフィーニとタグを付けるのが自然だろう。
関連イラスト
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ハリー・ポッターと呪いの子 ヴォルデモート ベラトリックス・レストレンジ ロドルファス・レストレンジ
デルフィー 表記揺れ
デルフィーニ・ディゴリー(偽名)