概要
「Fateシリーズ」の大きな要素「サーヴァント」として召喚される、神格化された歴史・伝説上の存在たる「英霊」。
それより1ランク上の存在が「神霊」であり、用語としては「Fate/stay night」の時点で語られていた。
神話や伝説に登場する神と呼ばれるものが、実体を失い自然へと溶けた高位の存在である。
いわゆる幻想種が当たり前に存在していた、主に紀元前と呼ばれる「神代」において彼らは実体を持つ"個"であった。しかし現代においては自然に溶け実体を失い、高次元にて虚ろな存在として世界を見守っているとされる。
作中ではスカディについて、最終戦争で死なずに神霊と化すことなく在り続ける神という表現がなされているため、その点においては死者である英霊と類似している。
また神霊も、実体を持つ神も、どちらも単純な時系列からは切り離された存在だと語られている。
古来から人は惑星の運営に神を見出しており、神は星であり、自然の摂理システムとした。
だがシステムは利用するもので従うものではない事に人類は無自覚で、それを間違えたが故に人と神は別たれた、人は神々を忘却したのではなく、扱いきれずにその可能性を取りこぼした、とキリシュタリア・ヴォーダイムは語っている。
大きく3つに分類され
- 自然現象が信仰対象となり神となったもの
- 元は人間(半神や神の転生体も含む)であったが様々な要因で神となったもの
- 地球外からやってきた存在が神となったもの
に大別される。
英霊とは比較にならない程の力を持ち、時間と空間を超える認識能力さえあるが、最大の特徴は、事象の変動、時間流の操作、国造り、といった、世界を創造しうるレベルの力「権能」を持つことである(神霊からの祝福等の理由で権能を持っている英霊も一部存在している)。
通常のスキルは『このような理屈でこういう事ができる』というものだが、権能は『ただ、そうする権利があるのでそうする』だけのものとされる。
また、『高速神言』による神代の魔術は、根源そのものと接続されている神霊、神代当時は神そのものから、直接魔術を引き出すものとされている。通常の魔術が限定的に世界を騙しているに過ぎないなら、高速神言はたった一言、神の名を呟くことで、その神の権能のカケラを行使し、当然の権利によって世界を書き換えている。
現代人では高速神言は使用できないが、上位存在から神秘を引き出すタイプの魔術自体は、今でも極東などいくつかの地域で行われているという。
神霊にとっては聖杯など必要のないものであること、聖杯の力では神霊を召喚することは相手側の合意があっても難しく、たとえ権能を大幅に限定されたサーヴァントであったとしても召喚されることは奇跡に等しいとされるが、シリーズでは様々な事情で神霊達が自らをスケールダウンさせ召喚に応じる事例が確認されている。
またフィリアによると、聖杯を願望器として使えば、神霊の声を聞かせるぐらいはできるかもしれないと語っている。
一応、半神や化身などの英霊としての側面を持っていれば通常の聖杯戦争でも召喚される事は十分にありうる。例としては、ヘラクレスやヴィシュヌ神のアヴァターラ、ロムルスなどが該当する。
前述の権能も、スキルや宝具とは別カテゴリーの力であるが、サーヴァント化に伴いスキルや宝具として扱われている。
型月世界において、南米の神話体系に属する神々は地球に衝突してきた小惑星に付着していた菌類のような生命体「マィヤ」が植物に寄生して現地動物を神に変化させる微生物となった結果誕生した。故にマヤ・アステカ神話の神々は人間に乗り移って活動していたとされる。
また異なる神話体系がお互いの在り方に影響を与える現象もあり、例えばメソポタミア神話のイシュタルはアフロディーテなど地中海近辺の愛の女神の形成に少なからず影響を与えている。
このようにオリジナルに他の説話の要素が付け足されて現在知られる形になるというプロセスは現実世界の神話などにも多く見られるパターンである。こちらの記事も併せて参照されたし。
アトランティス文明などが存在していた先史神話文明は1万4千年前にセファールの手で滅亡し、ギリシャ神話の神々をはじめとする神々は真体を失い、メソポタミアの神々は命乞いをする事で生き残った。
彼らが人を地上に繫ぎ止める「天の楔」とするべく生み出したギルガメッシュが神々との決別を決定打にし、続く地中海ではロムルスが人による人の為のローマ帝国を興し、ソロモン王が現在の魔術を確立した事で神代の衰退を加速させた。
西暦になって以降もブリテンや日本といった神代が続いていた地域も存在していたが、これらの地域も例外なく神代を終えている。
なお、ブリテンの神代の終わりに位置付けられているのがアーサー王伝説なのだが、日本の神代の終わり目がどこなのかは不明。少なくとも平安時代時点では未だに神秘は残っていたらしい。
各神話体系の神代の詳細については、それが現存する異聞帯の各項目を参照のこと。
該当者一覧
※所謂「半神」「化身」として神性を持つ者や、後天的に神の座へ至った者は英霊に数多く存在する為、作中で神またはそれに類する者と明言されている者のみ記載。
※派生版、クラス違いに該当するものは省略とする。
※一つの世界線のみの特殊な経緯・変質を遂げており、以降の作品へ設定が引き継がれないケースも多い。
サーヴァント及びそれに値する存在として登場
各々の真名 | 初登場クラス | 召喚理由 |
---|---|---|
メドゥーサ | ライダー | ※1,6 |
玉藻の前(天照大神) | キャスター | ※1,6 |
ケイローン | アーチャー | ※1,6 |
ブリュンヒルデ | ランサー | ※1,6 |
ステンノ | アサシン | ※2 |
エウリュアレ | アーチャー | ※2 |
アルテミス | アーチャー | ※3 |
イシュタル | アーチャー | ※4 |
エレシュキガル | ランサー | ※4 |
ジャガーマン | ランサー | ※4 |
ケツァル・コアトル | ライダー | ※4 |
ティアマト | ビースト | ※5 |
パールヴァティー | ランサー | ※4 |
お竜さん | ライダー | ※1 |
ドゥムジ | 不明 | ※1 |
ネルガル | バーサーカー | ※1 |
ワルキューレ | ランサー | ※6 |
スカサハ=スカディ | キャスター | ※6 |
ンザンビ | キャスター | 不明 |
カーマ、マーラ | アサシン | ※4 |
アストライア | ルーラー | ※4 |
ガネーシャ | ムーンキャンサー | ※4 |
アポロン | アーチャー | ※3 |
ディオスクロイ | セイバー | ※1,6 |
アレス | 不明 | ※5 |
伊吹童子 | セイバー | ※1 |
ヴリトラ | ランサー | ※6 |
アムール、エロース | ルーラー | ※4 |
マナナン・マク・リール | アルターエゴ | ※4 |
ダゴン | バーサーカー | ※6 |
太歳星君 | アルターエゴ | ※5 |
テスカトリポカ | アサシン | ※4 |
トラロック、ウィツィロポチトリ | プリテンダー | ※3 |
ククルカン | フォーリナー | ※5 |
※1:「神の座から零落した」逸話・経歴を持ち、そうなった状態で召喚された存在。
※2:「無力で儚い存在」という前提で成り立つ神性である為、サーヴァント化によって逆に強化されている。
※3:縁深い別の英霊の霊基へ「分霊」として割り込む形で召喚された存在。
※4:アステカ神や疑似サーヴァント等、現世の人間と混在されている存在。
※5:極めて特殊な召喚条件により、神としての力を維持したまま召喚された異例。
※6:人間や魔獣、はたまた英雄の別側面といった「神以外の存在」として語られた結果、英霊相当に格落ちしている存在。
非サーヴァントとして登場
※総じて、神代から現代まで在り続けたというIFの歴史の存在。
神格のみの登場
※フォーリナーやハイ・サーヴァント、神将(ローカパーラ)、デミ・サーヴァントの一部として言及されている者は、そちらの記事を参照。
※会話上で言及されただけの者は記載しない。
各々の真名 | クラス | 備考 |
---|---|---|
マグニ | バーサーカー | クラスカードとして能力や装備のみが登場 |
アラクシュミー | セイバー | 英霊ラクシュミーと混在された状態で登場 |
トリトン | ライダー | 幻霊キャプテン・ネモと混在された状態で登場 |
クリュティエ | フォーリナー | 英霊ゴッホと混在された状態で登場 |
オーディン | キャスター | 英霊クー・フーリンのキャスター霊基と混在された状態で登場 |
アヌビス | アヴェンジャー | 英霊ニトクリスの異霊霊基と混在された状態で登場 |