「心優しき戦士よ 新たなる力を身に付け雄々しく邪悪を打ち倒せ 空しき闇を引き裂く雷の輝きが 汝とともにあらんことを」
概要
仮面ライダークウガの強化フォーム。
後述の通り、本来のクウガの力には無かったはずの五代雄介だけが偶然手に入れた力であることから、「ミレニアム特別バージョン」とも呼称される。
本来のクウガは4色+不完全な白が基本だったが、メ・ギノガ・デとの対決の際に毒攻撃を受けて弱体化した五代雄介が、電気ショック治療を受けた際に手に入れた能力。
ギノガ変異体との戦いの折から片鱗は出ており、ガリマ戦直後に雄介が科警研に無理を言って特訓を行った事で力を完全習得した。
パワー、防御力などが一段階上昇し、直径3㎞に及ぶ敵怪人の爆発にも無傷で耐えるなどの異常なスペックを有する。
ライジングによる破壊力の向上によって爆発の規模が上がっており、結果的に爆発規模から安全圏でしか敵を倒せないというデメリットも抱えている。
これは、敵の強さの為にそれまで以上に多くの封印エネルギーを叩き込む必要(ガメゴはタイタンに刺されても平然とし、ザザルはドラゴンとマイティの必殺技を立て続けに受けても無力化しているので、最低でもそれら以上のエネルギーが必要)から生じる相乗効果にもよる。
外観としては全体的に金色の装飾が増え、ベルトもバックルの色が金色になったライジングアークルに強化されている。また、各フォームの武器も金色の追加パーツにより大型化され、威力や連射性が強化されている。
ライジングタイタンのみ、従来は銀に紫の装飾だったのが、紫中心に金の装飾へと劇的に変化している。
劇中ではフォーム名が登場しないクウガの作劇上、「金の赤のクウガ」等の呼び方で金の力と総称される。
このフォームへの変身能力を受けてからは雄介の体への変化が加速しており、「筋肉の活動電流の増加、アマダムから脳に及ぶ神経系の増殖が著しくなって思うことが多くなったことの相互作用」という考察を挙げている。
これに対し、椿や一条は「五代の意志がアマダムの力を導き出して身体的な変化を引き起こしている」という見解に至った。
体に負担がかかるため当初は30秒しか維持できず、30秒経つと強制的に変身解除され、再変身可能になるまで数時間かかるデメリットがあった。30秒以内に変身解除すれば再変身までの時間は緩和できるため、フォームチェンジというより、必殺技を使う時だけこの姿になる形で運用されている。
その後、雄介たっての希望のもと、第46話(より正確には第45話ラストシーンと第46話冒頭の間)で再度電気ショックを受けたことで永続使用が可能となったが。この際雄介は、電気ショックを受けた後の感覚を「体中に力の素がガッチリ詰まってる感じがする」と形容していた。
制限時間の存在と、時間制限がなくなったのが最終局面で更なる強化が生じたこともあり、ライジングフォーム全体の活躍時間は非常に少ない。
フィギュア等の展開においては強化フォームのライジングマイティと強化バイクのビートチェイサー2000が紐づけされることが多いが、ライジングフォームの状態でバイクに乗ったシーンはほぼ皆無と言っていい。(バイクに乗ったまま必殺技に突入する瞬間はゼロではない)
アルティメットフォームとの関連性
このフォームの力の由来については、厳密には不明である。
椿の見解や遺跡の碑文、アークルもアルティメットと同様の金の装飾もあり、もともとアークルに備わっていた上位の力、即ちアルティメットフォームの前借に当たると推測もされている。
強化段階を重ねたアメイジングマイティが色合いまで黒くなる点や、当時発売の装着変身においてはライジングと同形状の黒い武器がアルティメットフォームに同梱された点なども、関連性の根拠とされる。
一方で、この金の力にヒントを得たゴ・ガドル・バも発電所から電気エネルギーを吸収し、高い戦闘能力を備えた「電撃体」への強化変身能力を獲得した。
このため、電気ショックによる純粋な外付けの電気の力であり、アルティメットフォームの片鱗に見えるのは偶然の一致である、という見方も不可能ではない。
ただし、グロンギ側の強化についてはクウガ以上に公式の説明が少なく、究極の闇は凄まじき戦士とほぼ同質の力を得るため、あちらの電撃態もライジングフォームと性質は同様の可能性もある。
このように様々な推測はできるのだが、あくまで関連性を匂わせているのみであり、公式にはどのように関連するのかを具体的に明言したことはない。
よってライジングフォームの力の正体については断定することができず、ファン考察の域を出ない点に注意が必要。
後述の漫画版は設定が大きく異なるためテレビ版の設定補完にはなりえず、さらにあちらでも力の正体は不明瞭なままであり、やはり特定の説を断定することは不可能である。
ライジングフォームの一覧
派生作品
『仮面ライダーディケイド』に登場する小野寺ユウスケの変身するクウガは特に電気ショックやそれに相当する「力を引き出す措置」を受けていないため、この姿には一切変身しない。また、フォームとしての立ち位置の兼ね合いか、カメンライドしたディケイドクウガもこのフォームにはフォームライドしておらず、結果としてクウガ本編(五代雄介)以外では使われない姿となっている。
劇場版『オールライダー対大ショッカー』ではゴルゴムの力で洗脳されたユウスケが真の姿としてライジングアルティメットに変貌を遂げた。
こちらは「外部から力を付与してアルティメットフォームをさらに強化した」ライジングの名前こそ共通しているが、強化の過程は全くの別物である。
漫画版では原典リファインかつ五代雄介ということもあり、ライジングフォームも登場している。
基本的なフォームとしての性質は同じだが、覚醒経緯は電気ショックとは別の理由で大きく異なっている。が、この力を使うとビリビリするらしい。
また、ドラゴン・ペガサス・タイタンの3フォームも登場順(初披露の相手)が大幅に変更され全体的に遅くなった結果、通常ドラゴンフォームを披露する前にライジングマイティが登場することになり、さらにドラゴンフォームも初披露直後にライジングになる等、扱いも変化している。
原典のスーツでは元々あった装飾や縁取りが金色に変化する程度だったが、こちらでは元のフォームには装飾が無かった箇所に金色の装飾が追加される等してより豪華になっている。
二次創作
上記ライジングアルティメットの登場に合わせたかは不明だが、ライジンググローイングの設定やイラストを作っているファンも多数存在する。
余談
このフォームの影響からか、「ライジング」が響きの似たライトニング等と混同されたのか、後輩のライジングイクサやライジングホッパー等に電撃要素が無いことを指摘されてしまうことがある。
あくまでライジングの意味は「上昇・成長」であり、能力が上昇したことにちなんだ名前である。
平成シリーズではお決まりの「玩具連動を前提にしたパワーアップ要素」だが、まだ昭和ライダーの流れを汲んでいたクウガにおいては、過去シリーズと異なる意欲的な新要素であった。当初はもっと劇的な変化を予定していたが、作風に合わないために基本フォームの差分強化という形がとられた。
しかし、各ライジングのスタイルや外観がほとんど元フォームと変化ない所や、設定上登場時間が少なく戦闘スタイルに差が少なかったことが影響し関連商品の売り上げが振るわない結果となっている。
ほぼ差分である影響か装着変身は個別販売無しのライジング4種セットの高額商品のみ、変身玩具はベルト・武器に装着するライジングパーツのセット販売と、売り方の欠点もあってか在庫過多となってしまった。
この反省から次作のアギト以降のパワーアップフォームは基本形態と大きく姿を変化させたり、追加パーツではなく独立した新しい武器になる等、より商品展開向きの強い個性を持たせるようになった。
上記の通り、ライジングフォームは電気ショックを受け偶然に発現したフォームであるため、古代の戦士である先代クウガはライジングフォームになっていない。
当然ながらアルティメットフォームにもなっていないため、先代クウガは通常フォーム級の必殺技を2発以上受けても戦闘続行可能なゴ集団のグロンギすらもライジングフォームなしで全員封印したと考えられている。ただし、現代では爆発してしまうグロンギを殺さずに封印できていることから、能力の使い方そのものが大きく異なっていた可能性もある。
なお、登場順はライジングタイタン→ライジングペガサス→ライジングドラゴン→ライジングマイティと、通常4フォームとは逆の順番で登場している。
これについて高寺Pは後にツイッターで、「意外性を狙ったのとタイタンが変化が大きいためビジュアル的にもわかりやすかったのが理由かもしれない。」、「『赤を真ん中において真打登場』の展開にしたかったり、『ライダーキックが最強』の原理に従おうとしたのかも。」と述べている。
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