蜥蜴僧侶
りざーどまん
『ならば一世之雄たらんとす蜥蜴人が 余力を残すなどありえん』
『おお!恐るべき竜よ、大いなる父祖よ!末裔の戦働きを御照覧あれ!!』
プロフィール
年齢 | 不明 |
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身長 | 190cm前後(アニメ版の設定) |
CV | 杉田智和 |
概要
『ゴブリンスレイヤー』に登場する冒険者で、戦闘民族である蜥蜴人(リザードマン)の神官。階級は第三位の銀等級。
元々、それぞれの種族の長同士の会議の折に雇われたのを機に、妖精弓手や鉱人道士と共に一党(パーティー)を組んでおり、しばしば両者の喧嘩の仲裁役にも回る。
とある依頼から辺境の街のゴブリンスレイヤーや女神官らとも組むことになり、以降パーティー内での常識人かつまとめ役となっている。
一人称は「拙僧」で、ゴブリンスレイヤーのことは当初から「小鬼殺し殿」と呼んでいる。他の人物に対する二人称も基本的には「~殿」という敬称で、「巫女殿」・「野伏(レンジャー)殿」・「術師殿」などといった具合。
風貌
冒険者の中でも珍しいとされる蜥蜴人の冒険者。作中に登場する冒険者の中で最も大きな体躯(少なくともゴブリンスレイヤーの2倍近く)に、蜥蜴人族特有の異形の姿を併せ持つ。
鱗でおおわれた肌は緑青色で瞳は黄色。太くたくましい尻尾はむき出しで、靴も履いておらず常に裸足。
更に頭部には皮膚でおおわれた2本の角と、その見た目は2足歩行の恐竜又は竜に近い(実際、彼はその類を目指している)。
加えて、米国西部と先住アメリカ人を合わせたような民族衣装のため、ひときわ存在感のある外見である。
蜥蜴人である事に加えて南洋の種族出身のため寒さには弱いが、本人曰く蜥蜴人は温血らしく、変温動物と違って行動不能には至らない。
また、他の種族と比べ高い毒耐性を持つらしい。
人物像
厳かな口調で、誰に対しても礼儀正しい態度で接する、見た目に反して理知的で温厚な人物。
豊富な経験と知識から一行の参謀役も務めており、作戦立案の際はゴブリンスレイヤーの「どう見る?」という問いかけに対して、適切な助言を与えるのがお決まりの流れとなっている。
蜥蜴人達が神祖と崇める凶猛の古代種族”恐るべき竜”への先祖返りを至上の誉れとして志す荒法師。
「異端(モンスター)の命を奪って位階を高め竜へ転身する」という一族特有の宗教観に則り、冒険者となった。
その為、いざ戦いとなれば祖霊に奉納する武功を求め、己の肉体と竜牙刀を武器に誰よりも勇猛果敢に戦場を駆ける。
ただし他の宗教への理解も持ち合わせており、剣の乙女の神殿へ赴いた際には、自身を「異教の者」として遜って挨拶を行った。
また犠牲者の遺体やモンスターの死骸に対しては、自身が手に掛けたものも含めて手を合わせて弔っており、いかなる者に対しても礼節を欠かす事は無い。
上記のように厳格と礼節を重んじる一方、ユーモアを解する柔軟な思考も持っており、美味しい物に出会えば目の色を変えてはしゃぎ出すなど、意外と豪快でノリの良い性格である。
狩猟民族の特性上畜産文化には馴染みがなく、ゴブリンスレイヤーたちと出会ってから初めて食べたチーズには、いきなり立ち上がって「甘露!!」と繰り返し叫ぶほど驚喜した。以来その味にどハマリし、特に牛飼娘の牧場のチーズがお気に入り。
その後の協力報酬にもチーズを要求するほどであり、牧場が襲われると知った際には驚き、迷うことなく協力を快諾した。ギルド内の酒場でも専ら、チーズを使った料理を注文している。挿し絵ではラクレットチーズを一塊、まるごと齧りついている。
なお、肉食の種族故に葉物は好まない。花の蜜から作られた蜂蜜も同様。
爬虫類系モンスターと対面すると、鉱人道士などから「お前の親戚だろ」と言われるが、その度に「出家してよりこちら、親戚づきあいもないもので」「あのようなものは拙僧の親戚にはおらん」とかわしている。
あげく、沼竜(アリゲイタ)を「長虫(ワーム)」、大海蛇(シーサーペント)を「魚」やら「鰻の仲間」と、竜ではないモンスターには結構辛辣。その一方で、竜脚類のような生物であるモケーレ・ムベンベを目撃した時にはテンションをあげていた。
東の国境で国防を務める女将軍とは知己の仲である。
なお、イヤーワン2巻の冒頭では若き日の彼らの会話が交わされており、戦死した兵やモンスターの死体を供養していた。
戦闘能力
普段は落ち着いた態度の彼だが、戦闘時にはゴブリンスレイヤーとともに前衛に回り、その強靭な体躯と数々の奇跡を用いて勇猛に闘う戦士となる。優れた膂力と頑強な尻尾を振るって豪快な大立ち回りを披露し、その実力は接近戦において、パーティの中でも随一である。
戦闘以外では、岩を動かしたり扉を塞いだりと、力仕事をよく担当する。
直接的な攻撃力だけでなく、一族固有の暗視器官を活かし暗所の地図を作製する、窮地の際に咄嗟の状況判断で援護や指示を飛ばす、奇跡によって戦力の補充や回復・敵への妨害も務めるなど、バランスの取れた遊撃手である。
術(奇跡)は全体的に補助・回復に分類されるものが多いが、それが状況を覆す思わぬキーとなる場合もあり、(小説版11巻)砂塵の国では戦闘技能以外の術を用いて多数の敵がこもる城砦を潰してしまう活躍を見せた。
奇跡の使用回数は4回。
なお、蜥蜴人は武具を使う事は惰弱の証なので好まない(武器は奴隷に使わせるものと考える)のだが、彼は出家している身なので遠慮なく武器を使っている。
とはいえ、竜牙兵と竜牙刀は先祖の御力を借りている、あるいはいずれ竜となる自分の力の前借りになるのでノーカンとの事。
特に緊迫した場面でなければ武器を用いる場面は少なく、ただのゴブリン数匹程度であれば爪爪牙尾で蹴散らしている。
ちなみに原作者曰く、蜥蜴人の勇者の行き着く先はコイツらしい。……まさに蛮族。
奇跡一覧
- 竜牙兵(ドラゴントゥースウォリアー)
「《禽竜(イワナ)の祖たる角にして爪よ 四足 二足 地に立ち駆けよ》」
体力点:13 技量点:10(書籍9巻特典『ゴブスレ辞典VoL1』より)
一族に伝わる牙状の呪具を依代とする奇跡の一つ。自身と似た爬虫類の全身骨格を召喚し、使役する。
ゾンビなどの不死者ではなく、骨を用いたゴーレムに近い。
救助したエルフを抱えてエルフの里まで送り届ける、戦闘時には前衛の攻め手や後衛の守りを務めるなど汎用性が高い。
ただし呪具という専用の触媒を要するため、使用者の余力にかかわらず回数制限がかかる。妖精弓手には「結構かわいいやつ」と言われたりしている。
聖句の内容は『犀の如き有角の四足竜と当初考えられていた祖霊の一柱が、実は角の如く強靭な爪の腕を備えた二足竜であった』逸話に由来すると思われる。
- 竜牙刀(シャープクロー)
「《伶盗龍(リンタオロン)の鈎たる翼よ 斬り裂き 空飛び 狩りを為せ》」
一族に伝わる牙状の呪具を依代とする奇跡の一つ。決して鈍らない鋭利さを備えた、鉤爪上の骨刀を作り出す。接近戦の際によく呼び出し、味方に貸すことも出来る。
聖句の内容は『鉤爪を振るっての狩りを得意とした祖霊の一柱が、後の世における鳥たちの源流になった』逸話に由来すると思われる。
- 治療(リフレッシュ)
「《傷つき尚も美しい蛇發女怪龍(ゴルゴス)よ その身の癒しをこの手に宿せ》」
対象の治癒力を増し傷を癒す回復の奇跡。ゴブリンにかみちぎられた傷を塞ぐレベルの治癒が可能。疲労などは回復できない。
聖句の由来は発見された完全骨格が、全身に傷や病気の痕が残りながらも相当な期間を生きていた事から。
- 擬竜(パーシャルドラゴン)
「《おお 気高き惑わしの雷竜(ブロントス)よ 我に万人力を与えたもう》」
服がはちきれるほどに筋肉が盛り上がり、膂力などが増強される。身の丈以上の大鏡を壁から引っぺがすなど、常時のパワーとは一線を画す。
- 腐食(ラスト)
「《白亜の層に眠りし祖父らよ 背負いし時の重みにて 此れ為る物を道連れに》」
第5巻にて初めて使用。 対象を一瞬で腐らすことが出来る。ただし生物などには適用されない。ゴブリン城塞の武器庫で破壊工作に一役買った。
- 念話(コミュニケート)
「《大地を冠せし馬普龍(マプロン)よ 仮初なれど 我らも群れに加え給う。》」
第5巻にて初めて使用。言語の通じない相手に対しても意思疎通が可能になる。ただし双方に会話の意志がないと成功しない。
- 竜吼(ドラゴンズロアー)
「《偉大なりし暴君竜(バォロン)よ 白亜の園に君臨せし その威光を借り受ける》」
第6巻にて初めて使用。精神に作用する雄叫びをあげて複数の対象を一定時間恐慌状態にする。いわゆるデバフ。
- 竜息(ドラゴンブレス)
「《二角の小竜(ディロフォ)よ 偽りなれど臓腑に宿す瘴毒を、わが息吹に纏わせたまえ》」
各種竜息を吐けるようになる奇跡。いわゆるブレス攻撃。
レッドドラゴンの「本物の」竜息と真っ向から撃ち合った。
聖句の由来はジュラシック・パークに登場したディロフォサウルスが、映画上の創作で毒液を発射していた演出から。
余談
やる夫スレ版での配役は境界線上のホライゾンのキヨナリ・ウルキアガ。
その設定や役職から、一部のファンからは「ダイナ僧」の愛称で呼ばれることも。
本作はアナログゲームへのオマージュ、パロディが多数散見されるが戦闘における活躍っぷりや竜司祭という特徴から特に彼はNPC専用種族、サプリメント追加種族等がモチーフではないかとしばしば囁かれる。
作者曰く「背景にある設定が一番豊富なキャラ」。彼のいう”恐るべき竜”というのは、奇跡の使用時に口に出す固有名詞から、かつて地上を跋扈した大型爬虫類ではないかと思われる。
TRPGにて蜥蜴人の死因はその殆どが「戦死」で平均寿命がわからないことが判明。
蜥蜴僧侶に巨大な死亡フラグが立ってしまった。