「僕のこの力で、あのクウガがもうすぐ死ぬんだよ?」
「だからこれからはもっと楽に、もっと沢山のリントを殺せるようになる…きっと、すごく楽しいよ!」
データ
身長 | 209.0cm |
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体重 | 138.0kg |
主な犯行現場 | 新宿区、板橋区 |
死亡場所 | 板橋区 |
特色/力 | 毒胞子、攻撃を受ける度に体質を変化させる能力 |
呼称 | 未確認生命体第26号A |
人間態・CV | 青山雄 |
登場話数 | EPISODE 18「喪失」 EPISODE 19「霊石」 |
概要
未確認生命体(グロンギ)のうち、メ集団に属するキノコ種の怪人。警察からは未確認生命体第26号Aとして扱われている。
人間態は白い長髪と、これまた白い帽子が特徴の男性。ハイヒールやスカーフなどといった女性的な出で立ちや、(グロンギとしては)比較的柔和な口調が目立つものの、れっきとした男性である。
人間態・怪人態に共通して、口から吐く強力な毒素を含んだ胞子を武器とする。その毒素の危険性は相当なもので、吸い込んだ対象の内臓を腐食させ、わずか数秒のうちに死に至らしめるのみならず、病院への搬送中に肉体が崩れ落ちるほどである。
当然クウガとて例外ではなく、霊石アマダムによる働きもあって即死こそ免れたものの、一時は瞳孔散大、心肺停止状態に陥るほどの深刻なダメージを被った。搬送直前に見られた、五代の青ざめた生々しい硬直顔は、やはりトラウマになった子供も大勢いたという。
作中、クウガを完膚なきまでに叩きのめしたグロンギは複数存在するものの、死の淵に追いやったのは後にも先にもギノガのみである。
もっともこの毒胞子も必ずしも万能という訳ではなく、約35℃~40℃の範囲内でしか生存できず、また標的に対しても口移しキスで毒胞子を送り込まねばならないという制約もあり、活動に適した範囲は高温多湿な場所に限定される。
一応、口から大量の胞子を広範囲に噴霧する事も可能ではあるが、空気中への散布によって毒性が薄まるためか、ガスマスクなど防護用の備えが整っていれば殆ど無効化されてしまう上、体内の胞子を出し尽くしてしまうため再使用までにインターバルを要するなど、お世辞にも実戦に向いているとは言い難い。
何より一番の難点がギノガの虚弱体質である。魔石ゲブロンの力によって驚異的に肉体が強化されているグロンギの中にあって、ギノガは格段に弱い。クウガとの戦闘ではほぼ一方的に叩きのめされており、辛くも戦闘から逃れた後も口元に負った傷が回復せずにいるほどであった。
こうしたギノガのキャラ付けは、「クウガを殺すのは力強いタイプではなく、一見虫も殺せないような顔をしたひ弱なタイプ」という、文芸担当の村山桂の意向によるところが大きい。
このように、ゲゲルのプレイヤーとしては不適格とも言えなくもないハンデ持ちに見えるギノガだが、実のところ彼にはもう一つの「特性」が秘められていた。
作中での動向
作中における2000年4月20日にゲゲルを開始。前述の活動に適した範囲である新宿のビル街を中心に、初登場の時点までに18人を死に至らしめた。期間設定については言及されていないが、目標人数は144人と設定している。
当初は身体も痩せ細っており、19人目の標的を殺害したところで遭遇した五代雄介をも手に掛けようとした際、危険を察知して呆気なく突き飛ばされ、直後のクウガとの戦闘でも大した抵抗もできず、終始ほぼ逃げ腰という有様であった。クウガに毒胞子を見舞ったのも、全くの偶然による一瞬の隙を突いてのことであり、実際それ以上の追撃に及ぶことなく這々の体で現場を後にしている。
その後現れたメ・ガルメ・レからは「相変わらずキョジャブ・ダギギ・ヅザベ(虚弱体質だね)」と、メ・ガリマ・バからは「情けない奴」と散々に嘲られ、ズ・ゴオマ・グに至ってはここぞとばかりにグゼパ(腕輪)を奪い取ってゲゲルへ参加しようとするが、そんなゴオマに毒胞子を見舞って悶絶させた(※1)ギノガは、記事冒頭にも示した台詞を口にしてさらなるゲゲル進行への意欲を見せていた。
戦闘後の現場検証や、椿秀一による被害者の遺体解剖の結果から、一連の犯行に毒胞子が用いられていること、またその特性などが判明する。一条薫はそれらの情報から、ギノガが室外機のある周辺を活動範囲としていると推測し、防毒体制を整えた警官隊による新宿一帯の捜索が開始された。
ギノガもそのうちの一人である、最後尾の警官を引きずり戻すと壁に叩きつけ、ガスマスクを無理矢理引き剥がしてキスを迫るが、間一髪のところで一条によるガス弾をモロに喰らい、不利を悟って目くらまし代わりに胞子を撒き散らし、またしてもその場からの逃走を余儀なくされた(警官のガスマスクを引き剥がす際に、脇毛が生えていることが確認できる)。
(※ とはいえ、ゴオマは悶絶しながらも咳き込むだけで済んだあたり、少なくともこの時点ではグロンギに対する効き目は薄い事が窺える)
突然の強化
と、ここまでは(クウガを死の淵に追いやったこと以外)まるでいいとこなしであったギノガであったが、その真価は一連の戦闘で負ったダメージを回復させる過程で露わになる。それが、前述したもう一つの特性である「敵の攻撃を受ける度の体質変化」である。
虚弱そのものであった身体は飛躍的に強化され、それを表すように白っぽかった頭部も毒々しい赤へと変化、人間態で被っていた帽子も赤いものへと変わっている。さらに毒胞子が活動する上での制約も解消されており、高温多湿な場所以外でも口移しを要することなく広範囲に散布し、より多くの標的を殺害することも可能となっただけでなく、ガスマスクさえも意味をなさなくなるほどの強力な毒性をも獲得している。
胞子を散布する際には、投げキッスをするかのように指を口に当ててから離すという、セクシーな動作を見せるのも特徴である。
かくしてダメージの回復と身体強化を完了したギノガは、翌21日深夜より活動を再開し、前日からの流れで警戒態勢が敷かれていた新宿ではなく、板橋区内において大量殺人に及ぶ。その後高架下において警官隊が応戦するも、前日使用されたものよりさらに強化されたガス弾すら歯が立たず、強化された毒胞子の散布によってさらなる被害を生むのみでしかなかった。(この時一条薫、杉田守道、桜井剛の3人はガスマスクを被ってなかったが何故か毒胞子は効かなかった)
だがここで、奇跡的に死の淵より生還を果たしたクウガ(グローイングフォーム)が乱入。警官隊による援護射撃もあって河川敷へと殴り飛ばされ、そこで必殺のキックを叩き込まれる。
生還したとはいえ本調子からは程遠い状態なだけに、ギノガもキックによる封印エネルギーを2度にわたってかき消すなど耐え切る姿勢を見せていたが、三度目の正直と言わんばかりに叩き込まれたキックは、寸前にクウガの足首の霊石が赤く変化していたこともあり、強化されたギノガの身体をもってしても耐えられず「ジュスガバギ、クウガ~!(許さない、クウガ~!)」と呪詛の言葉を残して爆散した。
戦闘終了後、四散した遺体のうち右腕は川へと落ち、また破片の一部は科警研に回収されているが、これらがまたさらなる騒動を引き起こすこととなるのである。
他作品での登場
『仮面ライダーディケイド』
「アギトの世界」に出現。同作では未確認生命体第49号と呼称されていた(同じく第49号と呼称されるゴ・ライオ・ダが、公式な続編に登場するのはこれよりさらに数年後の事である)。
同作における未確認生命体第48号(ズ・メビオ・ダ)と共にゲゲルを行おうとするが、海東大樹の変身した仮面ライダーディエンドと、彼が召喚した仮面ライダーデルタ&仮面ライダードレイクの集中放火を受け爆死した。
この他、同作の劇場版である『オールライダー対大ショッカー』にもしれっと登場している。
漫画版『仮面ライダークウガ』
(イラスト右のキャラクター)
ストリートミュージシャン「ノア」に扮し、ファンの女性を美貌と歌声で魅了しては裏路地に連れ込み、キスで殺害していた。
例によって戦闘能力はズ集団以下の貧弱ぶりで、クウガにはたちまち追い詰められたものの、バラのタトゥの女に洗脳されたアギトの乱入により怯んだクウガに死の接吻を喰らわせ、勝利した。
しかし、復活したクウガにはまるで手も足も出ず、女性を盾にして逃げまくり、隙をついて毒胞子を浴びせるも、死の淵から蘇りパワーアップしたクウガの回し蹴りの風圧ですべて吹き飛ばされてしまう。最後は負けを認めたかの如くクウガのキックを受け、爆発四散した。
関連イラスト
関連タグ
ズ・ネズマ・ダ:同じく「未確認生命体第○号A」と呼称されたグロンギの一体
キノコモルグ:『仮面ライダー』に登場する敵怪人の一体。デザインのオマージュ元になった怪人である事を、後年プロデューサーの髙寺成紀がTwitter上にて明らかにしており、特に口元のヒダにキノコモルグの要素が見て取れる
星人ブニョ:『ウルトラマンレオ』に登場する宇宙人の一体。ギノガと同様に弱そうな外見から軽んじられながらも、一度はヒーローを死に追いやった隠れた強豪として描かれている
ヤミオロロ:『侍戦隊シンケンジャー』に登場する敵怪人の一体。植物系のモチーフと、猛毒を武器とするという点で類似しており、こちらもギノガほどではないにせよ、ヒーローを一旦は窮地に追い込んでもいる
未確認生命体第○号
メ・ガドラ・ダ(第25号) → メ・ギノガ・デ(第26号A) → ギノガ変異体(第26号B)
外部リンク
Web archive「仮面ライダークウガ」公式サイト kuuga dimension GURONGI