「なぜ斬らないっ!! 私が女だからですか!!」
「世界中の悪党達の手に渡った 〝名刀〟を集めて回るんです」
「何を躊躇してるんです!!? 証拠なんて待ってたら何も防げないでしょう!!?」
「敵はその目で 見極めなさいっ!!!」
概要
世界の均衡を司るという三大勢力の一つ、「海軍本部」に所属する軍人。
同じ海軍本部所属であるスモーカーの部下だが、軍人としてはかなりお人好しで天然ボケ、若干ドジなところが玉に疵。
腕の立つ女剣士にして愛刀家でもあり、世界に散らばる名刀を一目で言い当てるほどの刀剣マニア。
そうした名刀を悪用する海賊や賞金稼ぎには一切容赦をしない正義感の強さや負けず嫌いな気質の持ち主。
ローグタウンにおいて、悪名高い“海賊狩りのゾロ”と対戦し敗北。以降は上官のスモーカーに従い共に麦わらの一味追走のために“偉大なる航路”に入り、様々な事件の中で麦わら一味と交戦、ときには共闘することになる。
現在は海軍本部直下の「G-5支部」に在籍しており、階級は「大佐」。
このG-5支部、野郎所帯で女性は彼女しかいないので、部下の海兵たちからは「大佐ちゃん」の愛称で呼ばれ同支部のアイドルと化している。
ただしたしぎ自身はその浮わついた扱いに不満を持っているようだ。
短編の麦わら劇場その3 「OBAHAN TIME(オバハン・タイム)」ではスーパーの店員として登場。
ご飯を持参して試食コーナーのハムを食い漁るチョパ森さんにやめるように懇願するも、逆に「甘いジャムを塗りなさいよ!」と無茶な要求を突きつけられる苦労人ポジションだった。
(その後、チョパ森さんとサンジ田さんは二人の地主でもあるナミ島さんにとっちめられた)
プロフィール
本名 | たしぎ |
---|---|
年齢 | 21歳→23歳 |
身長 | 170cm |
所属 | 海軍本部曹長→少尉→大佐・GL第5支部 |
覇気 | 武装色、見聞色 |
武器 | 業物「時雨」 |
出身地 | 東の海 |
誕生日 | 10月6日(トロい) |
星座 | てんびん座 |
血液型 | S型 |
好物 | ホットコーヒー |
趣味 | 刀の本の読書、切り絵 |
初登場 | 単行本11巻 第98話『暗雲』 |
WT100 | 38位(34582票) |
CV | 野田順子 |
容姿
ゾロの親友だったくいなと瓜二つの容貌をしている。
後述される女性であるコンプレックスを合わさり、ゾロからはあからさまな苦手意識を顕にされ「パクリ女」呼ばわりされたこともある。
若干の近視のため赤縁の眼鏡を頭につけており、必要に応じて眼鏡をかける。
当初は艶のある黒髪をショートボブに切りそろえ、柄のブラウスの上から紺色のジャケットとパンツを着用したボーイッシュな出で立ちをしていた。
二年後では髪が伸びており、アップ髪にしてまとめ、美脚が引き立つジーンズや花柄のブラウスを着用し、ピンク色の将官用外套を羽織るなど女性らしさが増している。
性格
くいなと瓜二つの容姿だが、性格はおてんばだった彼女とは違い、謙虚で非常に生真面目。
上官であるスモーカーは当然ながら、自身の下僚や敵対する悪党に対しても基本的に敬語口調でしゃべる。
生真面目で真っ直ぐな女性だが、上司のスモーカーに「とろい」と叱責される程どこか抜けたところがあるおっちょこちょいな性格。
戦闘中は眼鏡をはずすクセがあり、特にその後眼鏡をかけ忘れることが多く、この状態だと真面目な顔で見事な天然ボケをかます。
大の愛刀家で、その筋の話題になると非常に饒舌となる。
自身が書き記した名刀のメモを常々持ち歩いている他、一目で名刀を言い当てる鑑定眼を持つなど、筋金入りの刀剣マニア。
アニメ版ではジュラキュール・ミホークの黒刀「夜」の解説をスモーカーや視聴者に披露している他、ゾロの持つ「和道一文字」や「秋水」を一目で見抜いている。しかしほとんどが資料だけでの知識なので、妖刀「三代鬼徹」の恐ろしい逸話については知らなかったりもした。
加えてこうした愛着から、刀を悪事のために使う海賊や賞金稼ぎ、殺し屋の類を忌み嫌っており「世界中に散らばり悪党に渡ってしまった名刀を自分の手で全て回収する」という夢を持っている。現在はMr.11から回収した良業物「花州」と同じく良業物の「山嵐」を所持。
剣士としての精進を怠らない努力家でもあり、特に「女だから」という理由で実力を低く見られることを嫌悪している。
ただし、上述した通り洒落気にこだわりがある面や、下僚から「大佐ちゃん」と持て囃されたり、トラファルガー・ローの能力で精神を入れ替えられたスモーカーが自分の体で胸を開けた際には焦燥して恥ずかしがったりなど、女性としての恥じらいをみせている。元に戻った際には、真っ先に胸元のボタンを付け直し、頬を膨らませながらスモーカーに怪訝な視線を送っていた。
この場面のたしぎは特にかわいいので必見。
また、当初は海軍の掲げる「正義」の概念に疑いの余地を持たず、王下七武海も「軍の管轄」程度の認識しかなかったが、アラバスタ王国で起こったサー・クロコダイルによる暗躍と、麦わらの一味の活躍を揉み消そうとする上層部にはスモーカー同様疑念を抱くようになる。
ゾロとの因縁
ゾロとは当初、ローグタウンでただの剣士として出会った。
最初は町中で因縁をつけてきた巨漢の悪党二人をたしぎが退治した際、落とした眼鏡をゾロが拾ってあげたのがキッカケとなった。
ただしアニメ版では、くいなと瓜二つのたしぎに驚愕したゾロがうっかり眼鏡を握り潰してしまい、その弁償として海軍の駐在所を掃除させられるという展開もあった。
その後、先の戦いで得物を失っていたゾロが訪れた刀屋で偶然再会し、たしぎが彼の刀を選別するやりとりもみられた。このときたしぎは、ジャンク品の中から「三代鬼徹」を妖刀とも知らずゾロに薦めてしまうも、結局ゾロはそれを知った上で購入。
彼の覚悟を目の当たりにした店主のいっぽんマツから彼秘蔵の良業物「雪走」を譲られ、無事三刀を揃えるに至った。
…なお、たしぎはこのときゾロから「刀を三本揃えたい」という旨を聞かされ「刀三本なんて海賊狩りのゾロみたい」と言いつつ彼の正体に全く気付かなかった。
天然なのは仕方ないにせよ……。
その後、中央広場の処刑台での麦わら一味とバギー海賊団の交戦の通報を受け、現場に出頭する道中で逃走するゾロたちと遭遇する。怒りと共にゾロから大業物「和道一文字」を回収しようと一騎打ちを挑むも、実力差は大きく直ぐ様刀を弾かれ追い詰められる。そのまま刀を納めて去ろうとするゾロに対して、自分が女であるから本気で戦おうとしないのかと怒りをぶつける。
上記の容貌や一部の性格など、どこまでも幼なじみであるくいなを想起させることから、ゾロは珍しく感情をあらわにしながら「存在が気に入らない」と苦手意識を露わにし、たしぎを「パクリ女」呼ばわり。言いがかりも甚だしい彼の言い分にたしぎも更に憤慨し、以降は刀を交えながら子供のような口喧嘩を繰り返すことになった。
この一件以来、たしぎは彼を目の敵にするようになる。
戦闘能力
業物の刀「時雨」を愛刀として振るう女剣士。海軍本部曹長としての実力を備え、普通の海賊程度なら多勢であっても一瞬のうちに斬り捨てる高速の剣術を操る。
新世界編では技量を更に高め、飛んで来る砲弾を刀で受け流し、弾道を逸らす"柔の剣"を使いこなすまでに成長している。また、剣術以外にも、基礎的だが武装色の覇気を身に付け、少なくとも「六式」の一つ「剃」を会得している。
コビー同様、2年前の時点で曹長→少尉を経て2年後には大佐までスピード出世を果たし、新世界に拠点を置くGL支部所属、基礎的とはいえ覇気や六式が使えるという時点で、全体的に見れば「大佐」としては強い方ではないかと推測される。
ちなみに彼女は原作においてほとんど技を使用した事がない。
というのも、不運にも劇中では自分より数段上のレベルの相手を戦う場合が多く、そのせいで戦闘の描写がカットされたり、酷い時はまともな戦闘にならないまま敗北を喫する場合まであるからである。
初めて”斬時雨”を使用したモネ戦も、ゾロの介入がなければ敗色濃厚だった。マリンフォード頂上戦争を生き残るなど、それなり程度には実力はあるが全体的な戦績はあまり芳しくなく、ルフィやローに言わせればまだまだ「弱い」らしい。
しかし、人一倍向上心が強く負けず嫌いな彼女なので、今後のレベルアップと活躍に期待すべきところだろう。
技
斬時雨(きりしぐれ)
一瞬で相手との間合いを詰め、すれ違いざまに斬り捨てる。
現在、原作においてたしぎが使用した唯一の技。
ゲーム作品では他にもオリジナルの技を使用している。しかし、トロさが災いして技を出した後にバランスを崩したり尻餅を付いたりして隙を晒す事がある。
活躍
初登場であるローグタウンでは、スモーカーの部下の曹長として登場。ロロノア・ゾロを一般人の剣士と思い込んでいっぽんマツの武器屋で知り合い、彼があっさりと自分の腕をかけ、妖刀「三代鬼徹」を選ぶ試練を乗り越えたのを見て腰を抜かしていた。
その後、モンキー・D・ルフィの処刑の最中、ゾロが麦わらの一味「海賊狩りのゾロ」と知り、ルフィと共に逃げるゾロと衝突するが、あっさりと敗北。
しかし止めは刺されず、「自分は女だからか?」と聞いたことで、嫌でもくいなを意識したゾロはたしぎを「パクリ女」呼ばわりし口論に。
悪天候も災いして一味を取り逃がし、たしぎは麦わらの一味を追うことを決意するスモーカーに同意し、ゾロへのリベンジを決意する。
2度目の登場であるアラバスタ王国ではスモーカーの命令で麦わらの一味を追い島内を進軍し、その道中でアラバスタを狙う王下七武海サー・クロコダイルの存在に気付き、当時クロコダイルの右腕であったミス・オールサンデーことニコ・ロビンと対峙するが敗北。
更に倒れていた所に現れたサー・クロコダイルには、「負け犬は正義を語れねェ、せいぜい基地で話し合いでもやってろ」と吐き捨てられ、否応無しに自らの無力さを痛感させられる。
それでもなお国を救うための最善の策を考え、麦わらの一味を援護しバロックワークスと戦うこと事を決意。市民に偽装するバロックワークスを己の眼で正体を見抜き、戦い抜いたおかげでアラバスタを救う一助となったものの、全てが終わった後、正義を成し遂げられない自分の弱さに涙を流し強くなることを誓う。
スモーカーと同様に、表向き「クロコダイルからアラバスタを救った英雄」として少尉に昇格させられた様子。
3度目の登場であるマリンフォード頂上戦争では、スモーカーと共に白ひげ海賊団相手に奮闘し、エース・白ひげを討つという目的を終えて尚徹底的な勝利を求める海軍の動きに違和感を覚えていた。
4度目の登場は2年後の新世界でG-5支部で中将に昇格したスモーカーの部下として登場。
階級が大佐に上がり、剣術も砲弾を逸らす術を取得するなどかなり高度なものになった。またG-5支部の面々からはアイドルのような扱いを受ける事に……。
多数浮上する魚人島から来た海賊たちから麦わらの一味の情報を手に入れ、一味を追って世界政府が立ち入り禁止に指定にしている島パンクハザードに上陸。
そこで王下七武海のトラファルガー・ローと対峙し、たしぎは単騎戦いを挑んだが、ローにあっさり撃退され、「弱ェ奴は死に方も選べねェ」と言い放たれてしまう。また、たしぎを助けに入りローと戦ったスモーカーもローに僅差で敗れてしまい、たしぎとスモーカーはローの能力で人格を入れ替えられてしまった。
(肉体はたしぎだが中身がスモーカーのため、衣類の素肌への密着を嫌うスモーカーの手によってはだけた格好にされてしまう)
入れ替え後、研究所の現在の主で元政府科学者のシーザー・クラウンの存在にスモーカーが気付き、たしぎはスモーカーと共にシーザーを捕らえようと動き出したが、シーザーのペットである毒ガスの塊(スライム)とシーザーのガスガスの能力の前に敗北し、別の場所で捕らえられた麦わらの一味やローと共に投獄されてしまった。
その後、シーザーに誘拐された子供達を救うため・シーザーに協力するヴェルゴを止めるため、恥を承知でローたちに頭を下げ、ローと麦わらの一味と協力するようスモーカーを説得、ローにも了承され、スモーカーとの人格入れ替えは解除され脱出。
脱出後は、ゾロと協力して王下七武海ドンキホーテ・ドフラミンゴがシーザーの助手と監視を兼ねて派遣した部下モネを倒した。
シーザー達との戦いが終わった後、たしぎはスモーカーの指示により子供達を家に送り返す任務を与えられ、一部の部下を引き連れてスモーカーよりも先にパンクハザードを出航した。
ワノ国編終了後はG-14支部で保護された子供の面倒を見ながら後輩のコビーの身を案じていた。
その後、ガープ中将率いる精鋭部隊と共に海賊島に向かいコビーを救出、ガープから「お前たちが海軍の未来だ!」と告げられた後その場を離れた。
この他にも、2年後の世界を舞台とした2012年12月15日公開の劇場版第12作目『ONEPIECE FILM Z』では本部大佐として登場しており、元海軍本部大将ゼファー率いるNEO海軍への対策会議に出席した。
またSTAMPEDEにも出演。スモーカーと共に『海賊万博』にて潜入捜査を行っていたものの、バレットの登場により状況が一転。スモーカーの意を察したヒナによってコビー、ヘルメッポ共々フェードアウトする。