曖昧さ回避
以下については各記事を参照。
🚲概要
自分の脚力のみで快適に高速に移動できる軽車両。チャリンコ(チャリ)とも言う。
徒歩よりも速く移動できる上に、体力の消耗や疲労は自分の足で走るよりも少なくて済む。人力以外に動力を必要としない(電動アシスト付き自転車は別だが)のでエコであり、なおかつ自転車を漕ぐことは運動にもなるため健康にもいい…と、非常に理に適った乗り物である。
自転車での移動は、徒歩の5分の1程度しかエネルギーを必要としない。一定の距離を移動する時に消費するエネルギーをいろいろな生物や機械と比較すると、自転車による移動は生物と機械の両方のなかで、その移動に要するエネルギーの量に関して突出して効率的であるといわれる(ただし、これは平坦な舗装道路という自転車にとって有利な条件での比較である)。
利便性の高い一方で、信号無視やスマホを使用しながら運転する「ながら運転」が行われたりなど、交通ルールを守らない者が絶えない。
また、フィクションでは二人乗りをするシーンが多く見られるが、実際に二人乗りを行うのは道路交通法違反となる。
2023年4月1日から、自転車に乗る際にヘルメット着用は努力義務という法律が改正された。
あくまで努力義務なので着用の有無は自由で罰金や罰則はないが、ヘルメットの持ち運びが面倒など、世間からは様々な声が飛び交っている。特にロードレース系等の作品の影響でロードバイクを始めとしたドロップハンドルタイプのスポーツ自転車に乗り始めた女性ファンでも不着用がよく目立っている。また、近頃は高等学校でも此の着用が定められたりドロップハンドルや極端となっているアップハンドル及びカマキリハンドルでの通学を認めない動きが出ており中学校でも自転車通学が事故防止の観点で撤廃されるケースが増えている。
歴史
世界初の自転車らしきものは、1817年にドイツのカール・フォン・ドライスという人物が発明した「ドライジーネ」と呼ばれるもので、木製フレームに車輪を縦に2個取り付け、センターのサドルに跨った乗り手が前輪をハンドルで操る基本は完成していたものの、現在の自転車のような車輪に動力を伝えるペダルはなく、搭乗者が足で地面を蹴って進ませる、現在でいうところのキックスケーターのような乗り物だった。ブレーキは靴底を地面に踏ん張るしかなかった。
当然、後年のペダル付き自転車に比べると性能は低かったが、それでも開発者自ら駅馬車とレースを行って勝利する(ちなみに、これは人類史上初の二輪車レースでもあった)など、スピード自体はなかなかのものがあった模様。
この形式の自転車は後述するペダル付き自転車の登場によって廃れたが、21世紀の現在も幼児向けの遊具としてドライジーネとほぼ同じ構造の自転車が売られており、小さな子供がバランス感覚を養い、ペダル付き自転車に乗る前の練習車(バランスバイク)として効果的とされ、現在もその血筋は健在である。
1861年、これに車輪への動力を伝える工夫として、三輪車のように前輪に直結したペダルを取り付けた「ベロシペード」が登場する。
この時期には、フレームの形においても、サドルの前にある三角形の部分の上側(専門用語で「トップ・チューブ」という)を削り、下側の一本の太いフレーム(専門用語で「ダウン・チューブ」という)のみで支える現在の「ママチャリ」に通じるものが登場している。
「ベロシペード」が登場してから約20年後の1880年ごろ、イギリスのジェームズ・スターレーという人物が自らの息子と協力し、それまで前後輪がほぼ同じ大きさであった「ベロシペード」の駆動輪である前輪を極端に大きくしてスピードが出せるようにした「ペニー・ファージング」という形の自転車を造りだした。これは、自動車の速度を上げるためにタイヤをより大きな直径のものに交換したり、蒸気機関車の動輪が大きくなっていたりするのとまったく同じ理屈である。車輪をスムーズに回転させることができるよう、車輪の軸受けにボールベアリングが組み込まれるようになったのもこの頃からである。
このようにして生まれた「ペニー・ファージング」であったが、重心が高く独特のバランス感覚を要するほか、着座位置が高く段差に前輪が引っかかった場合は、そのままの速度で最悪前につんのめる形で転倒して命にかかわることもしばしばという危険なシロモノであり、ペニー・ファージングを発明した人物の甥にあたるジョン・ケンプ・スターレーは叔父から独立して興した企業において、1886年に「ベロシペード」のフレームを利用した新しいタイプの自転車である「安全型自転車(セーフティ)」を造りだした。
それまでの自転車と「安全型自転車」の主な違いは、次のとおりである。
- ペダル直結の前輪駆動からチェーンドライブの後輪駆動になったこと。
- ペダルの位置がサドルの真下付近に移動したこと。
- 前輪を操舵専用としてハンドルの形を改良したこと。
この「安全型自転車」は、重心が低いために前輪が段差に引っかかっても転びにくく、少々の練習で乗れるようになることから爆発的に売れた。
1930年代に、駆動輪の回転数がペダルの回転数以上になるとペダルのギヤが空転するフリーホイール機構が組み込まれるに至り、現在の自転車に繋がる基本的な機構が完成した。
自転車は1970年代以降、さらに長足の進歩を遂げる。スポーツバイクの世界においてカンパニョーロが「グループセット」、シマノは「コンポーネント」と称する自転車部品の一揃いをセット販売するようになり、両社は新技術を次々と投入し、スポーツバイクの性能は著しく向上し操作も簡単になった。シマノは廉価なコンポーネントも揃えることにより、低価格な自転車にもスポーツバイクで培われた新機構(外装式変速機など)が徐々に浸透していく。また、1993年にはヤマハが世界初の電動アシスト自転車を発売し、その後世界的に普及していった。
自転車の種類
日本ではひと昔前まで「自転車」というと、日常の短距離移動用のシティサイクル(いわゆるママチャリ)のイメージが強かったが、ロードバイク(ロードレーサー)などのスポーツ仕様車は平坦な道であれば自動車並みの平均速度で一日100km以上も走ることができる。リヤカーをつなげば数百kgの荷物も運べる文明の利器である。
コンパクトに折りたたんで収納できる折りたたみ自転車、オフロード走行が可能なマウンテンバイク(MTB)やシクロクロス、荷物運搬用の実用車、ランドナーのような旅行用自転車、複数人が乗車するタンデム自転車、BMXのようなエクストリームスポーツ専用車など、その種類は多種多様。最近では、ロードバイクやクロスバイクが通勤やレジャー用として注目され、メディアで取り上げられる機会が多い。
特殊なものでは、サドルの代わりとなる背もたれつきのシートにもたれるように坐り、足を前方に向けた姿勢での屈伸運動を動力とするリカンベント、フェアリングで覆ったベロモービル(競技用はストリームライナーと呼ばれる)がある。
また1輪のみの「一輪車」や三輪車、4輪の自転車(4輪車、 クアドライサイクル (quadricycle)、クアドラサイクル (quadracycle)、クアドロサイクル (quadrocycle) )も自転車の仲間である。
余談
近年ではスマホを弄りながらやイヤホンを聞きながらの「ながら運転」などのマナーの悪い者達による事故や迷惑行為が増えてきてるためか、自転車に対する警察の取り締まりが自動車に対するものよりも厳しくなっており、傘を差しながらの走行は勿論、大きな荷物を荷台やカゴに乗せて走行するだけでも警察から呼び止められる場合があり、駐輪に関しても車と同様で道端の隅に停めるのは勿論、店前などに長時間停めておくのも違反である。よほど悪質でなければ、大抵は注意だけで済まされるが問答無用で罰金を取られる場合もあるため、「自転車だからスマホを見たり二人乗りしたりしなければ車の運転ほど気を付けなくても大丈夫だろう」などと甘く見ていると痛い目をみることになる。
マナーの悪い者がいるとそれに比例して規制もどんどん厳しくなり、普段から気を付けている者が迷惑を被る事になる。これは交通ルールだけではなく、その他のあらゆる物事、当然ネットに関しても言える事であるため、くれぐれも自分勝手な真似はしないようにしよう。
関連イラスト
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サイクリング 競輪 ツールドフランス(ツール・ド・フランス)自転車競技 二人乗り
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ブリヂストン ANCHOR パナソニック(旧・ナショナル) 宮田工業 FELT(自転車) Bianchi メリダ ORBEA トレック BMC(自転車) Giant プジョー KTM
シマノ(SHIMANO) ELITE MINOURA NITTO
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外部リンク
一般
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