魔王軍(ダイの大冒険)
まおうぐん
概要
大魔王バーンが掌握する、嘗ての魔王ハドラーを魔軍司令として据え置いた魔物の軍勢。
その規模、構成員は15年前よりも遥かに強大で、数日間で世界を混乱に陥れ、オーザム王国、リンガイア王国、カール王国の主要3カ国(パプニカ王国も一端は壊滅する)を短期間のうちに滅ぼした。
組織の特徴として最も顕著なのは、トップから末端に至るまで、構成員はほぼ全員が闘争心に満ち溢れているところである。
理由や事情は様々だが基本的に皆一様に戦うことが大好きであり、自身の戦いの場を奪われると一気に機嫌が悪くなり、その瞬間に裏切りや粛清が選択肢に入ってくるほど。戦いにそこまで乗り気でないのは、戦争に苦い思い出を持つバランとその部下のラーハルトくらいである。
魔王軍の一員になれるか否かの判断がされる最初のハードルが、闘争心なのかもしれない。(現に 戦いを躊躇するようになった構成員は、次々に除名処分か 処刑等の憂き目に遭っている。)
魔王軍(大魔王バーン軍)メンバー
※より詳しい情報は、各々の記事を参照とする。
六大軍団
邪悪の六芒星(六星)を司る6つの軍団。ハドラーを頂点とし、それぞれの軍団を一騎当千の軍団長が率いている。6つの属性にあわせた怪物達が軍団兵として各々、所属する。
不死騎団
- 魔剣戦士ヒュンケル
魔王軍不死騎団長。精悍な人間の青年で、アバンに師事していた使徒の一人。
ある理由からアバンや人間を憎悪していたが、ダイたちとの戦いを経て真実を知り仲間となる。
ヒュンケルの補佐を務める執事服姿のくさったしたい。
ハドラー親衛騎団
バーンから授かった超金属製のチェスの駒を元にハドラーの禁呪法により生み出された、意思を持つ五体の金属生命体。
- 兵士ヒム
ハドラーの「闘志」を色濃く受け継いだ兵士(ポーン)の駒。
荒削りな行動が目立つが誇り高く、卑怯な戦法を良しとしない。
- 城兵ブロック
ハドラーの「献身」を受け継いだ城兵(ルーク)の駒。
まともに言葉を発することが出来ない、城塞めいた超怪力の巨漢。
- 僧正フェンブレン
ハドラーの「残忍」を受け継いだ僧正(ビショップ)の駒。
仲間意識はあるが、冷酷で弱者を痛めつけることを喜び、執念深い。
- 騎士シグマ
ハドラーの「騎士道精神」を受け継いだ騎士(ナイト)の駒。
馬の頭部を持つ騎士で、思慮深く慎重な性格の持ち主。
- 女王アルビナス
ハドラーの「慈愛」を受け継いだ女王(クイーン)の駒。
ハドラーの副官を務め、彼への忠誠心は誰よりも強い。
魔王軍(魔王ハドラー軍)
ハドラーが魔王の頃に率いていた四天王達。
最終的に後方支援のブラスを除きアバン一行に敗れたが、資質自体は現六大団長にも劣ってはいなかった。
隙あらば手柄の為に仲間同士で殺し合うバーンの魔王軍とは違い、ハドラー軍の幹部達の仲はそれほど悪くない。むしろ(グランナードを除けば)関係は良好で作戦の際にも連携を取ったり普通に感謝の言葉を伝え合うことが出来る。
魔王ハドラー
覇気に溢れた武人の魔王で人間の心の強さを恐れていなかった頃のハドラー。勇者一行と闘う為に城や町に姿を現して奇襲を仕掛けてくる強敵。アバンの挑戦状を受けるプライドの高さもあり、部下を率いてアバンの待つ荒野に現れた。
ハドラー四天王の一人である地獄の騎士。
魔王の本拠地を固める護衛役。ハドラーの配下で最強とされた武人で、ヒュンケルの育ての親。
- 鬼面導師ブラス
ハドラー四天王の一人である鬼面導師。
デルムリン島にて怪物の養成を担う新人幹部だった。遠い未来で人間の子供を育てることになるデルムリン島の長老。
最終決戦前にハドラーが魔界の神から授かった魔界の魔物を託された。
- 亜人面樹キギロ
ハドラー四天王の一人である人面樹の突然変異体。
主に侵攻を担当する。貴族的なスタイルに身を包む狡猾な俗物。
- デストロール ガンガディア
ハドラー四天王の一人であるボストロールの変異体。
魔王の最側近。トロル族とは思えない程の細身と聡明な知性を有する異端児。
- 禁呪生命体 グランナード
ハドラーがアバンとの決戦に備え禁呪法で生み出した新たな幹部。
品の無い物言いが当時のハドラーの影響を受けている。
フレイザードのプロトタイプともいうべき外見をした岩石でできた体を持つモンスター。
アニメ1991年版限定
旧アニメにしか存在しない構成員。
起ちあがれ!!アバンの使徒
- 幻夢魔道ベルドーサ
1991年版劇場用アニメ「起ちあがれ!!アバンの使徒」に登場するオリジナルキャラクター。幻術を操る妖魔士団の幹部で、メドゥーサを男性にしたような魔物。
ある男に化けてダイたちに近づき、洗脳する一歩手前まで来るも失敗に終わり敗死する。
後に本家において「敵に化けてミストバーンに近づく」という逆の展開が描かれている。
ぶちやぶれ!!新生6大将軍
劇場版三作目『ぶちやぶれ!!新生6大将軍』に登場した、1991年版限定のオリジナル軍団。
六大軍団の予備や代理用として設立されていたらしい小部隊。
- 豪魔軍師 ガルヴァス
劇場版三作目『ぶちやぶれ!!新生6大将軍』に登場するオリジナルキャラクター。
ハドラーの影武者を務めていたという魔族の男性。長年の日陰物から脱却し、ハドラーに取って変わろうと目論む。
- 裏の不死騎団 デスカール(不死将軍)
自らアンデッド化したという邪教の神官。6大将軍最強の男。
武器と光の闘気を使うヒュンケルとは違い、呪文や暗黒魔術を駆使する。更にはミストバーンやフレイザードの技も使う。
またヒュンケルとハドラーは犬猿の仲だったが、デスカールが援護を求めた際にガルヴァスが速やかに応じるなど上司部下の仲は良好だったことが窺える。
- 裏の妖魔士団 メネロ(妖魔将軍)
魔王軍の中でも珍しい女魔将軍だが、その正体は植物系のモンスター。
6大将軍のNo.2で、デスカールの副官でもある。
- 裏の百獣魔団 ザングレイ(百獣将軍)
クロコダインより大きいミノタウロスの様なウシ型の獣人。
ブレーガンとコンビを組み、ダイのバギで吹っ飛ばされた彼を受け止めるなど仲間意識を見せており、クロコダインと重なる部分もある。
同じく動物をモチーフにした外見で騎士道精神の持ち主というのはシグマに通じるものがある(シグマは負傷したブロックを支えて撤退するなど仲間想いであり、またブロックの巨体を支えられる腕力の持ち主である)。
少し苦しいが敗因も「一度ピンチになるもすかさず反撃して優位に立ったと思ったところで逆襲を受ける」というもの。
- 裏の氷炎魔団 ブレーガン(氷炎将軍)
炎と氷を操る三節棍を武器とする魔族の武道家。
強者との戦いを求めており、対戦相手にヒュンケルを指名しておきながら一騎討ちで追い詰めるほどの実力者。フレイザードとは違い「戦うのが好き」であることが窺える。
「ヒュンケルとの一騎討ちにこだわり勝利を目前にするも逆転敗北を喫する」というのはヒムとよく似ている(三節棍と徒手空拳という違いはあるがどちらも「武道家」の戦闘スタイルである)。
- 裏の魔影軍団 ダブルドーラ(魔影将軍)
リビングアーマー(動く甲冑)。頭部と右半身、左半身の三つに分解することが可能。
幽霊のようにふわふわしているミストバーンとは違い、重量感のある見た目をしており頑丈でダメージを与えるのは難しい。ただし「ダメージを与えにくい」という部分はミストバーンにも共通する。
また「重量感のある見た目で左右の半身が分離できる」というのはブロックと似ている。
- 裏の超竜軍団 ベグロム(超竜将軍)
ガーゴイルのドラゴンライダー。
バランとは違い6人の中では最弱だがプライドだけは高い。
最初の戦いでダイに圧倒されたことを怨んでか、後半の戦いでは一番手としてダイに襲い掛かるも一と両断にされて敗死する。
「一度敗れた恨みから襲い掛かるもダイによって一刀両断にされ最初の戦死者になる」というのはフェンブレンとよく似ている。
余談
原作および1991年版では、ハドラーがダイ討伐に決意を固めながら独り言のように各軍団の詳細を語るのだが、身も蓋もない事を言えば読者や視聴者へのメタ発言的な説明である。
そのため流れ的にも不自然と判断されたのか、2020年版ではクロコダインが初戦でダイ達に自身の名乗りをあげながら説明する形になっていた。
魔王軍はダイたちのアンチテーゼを含んでいるが、実は共通点も見られる。
- バーン:人材を集めて育成し最強の集団を作る → アバン
- ハドラー:己の地位と立場に固執した考えを持っていたが、ダイとの力の差を思い知って精神的に成長を果たし、己の命を刃にして戦う → ノヴァ
- クロコダイン:人間に偏見を持ち、特にポップを根性なしの弱者と見ていたが後に見直し信頼するようになる → マトリフ
- ヒュンケル:孤児だったところを魔物たちに育てられるが勇者たちから襲撃を受ける → ダイ
- フレイザード:メンバーの中では新参であり、組織のトップからある物を渡される。また部下との協力で他者の能力を下げる結界を展開する → レオナ姫
- ザボエラ:ピンチになると部下を見捨てて逃げ出す非力な魔法使い → ポップ
- バラン:人間を憎悪する青年の支えとなり慕われるようになる → マァム
- ミストバーン:老人に見込まれて引き取られ尊敬するようになるが、内心では自分にコンプレックスを抱き憧れの存在を意識した言動を取ることがある → チウ
- キルバーン:ある物で素顔を隠したり、道化を演じて真の姿を隠したり、小柄な魔物を側に置いている → ブロキーナ