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語義

英語のComputerは本来「計算するもの」のことを意味するが、普通はプログラム内蔵式のデジタルコンピューターのことを指す。これに対し、そろばん計算尺などの計算器具、機械・電気式の計算機歯車式計算機やリレー式計算機など)はCalculatorと呼んで区別している。計算を自動的に行う装置がComputer、人間が直接操作する必要があるものがCalculatorという説明がされていることもある。かつて、Calculatorを操作する「計算手」がいた時代は、彼らを「Computer」と呼んでいた時代もあった。

日本語での呼び名としては「電子計算機」、古風な呼び名としては「電算機」、「電子頭脳」などがある。中国語では「電脳」と呼ばれている。なおかつては電子式の「アナログコンピューター」も使われていたが、(デジタル)コンピューターの高速・高精度化に伴いその役割を終えた。

俗語的用法として、コンピュータゲームにおいてプレーヤーと対戦するユニットのことをコンピュータと呼ぶことがある(CPUCOMとも)。この意味での用法はNPCを参照。

コンピューターの機能

初期のコンピューターは、主にシミュレーション商業会計に使われた。現在は、その用途は計算にとどまらず、文書作成描画音楽・機械制御・コミュニケーションなど、あらゆる情報を扱う分野に広がっている。

コンピューターは自動的に計算を行うとはいっても、基本的には人間が挙動をプログラミング言語で定義しなければならない(後述のようにAIコーディングが実用段階に入った今では過去形になりつつあるが)。黎明期のパソコンアプリケーションどころかOSすら付属せず、ユーザーが自らBASICインタプリタで必要なツールやソフトを作るのが前提であった。当時のパソコンは買ってきた状態では何の役にも立たず、これを「コンピュータ、ソフトなければただの箱」という格言で表現されていた。

しかし、現在出回っているほとんどのコンピューターにはOSやアプリケーションが添付され、それでも足りなければネット上に出回っているあらゆるプログラムが利用可能となっている。

さらに、現今のコンピューターは、機械学習で様々な動作を自ら定義できるようになりつつある。例えばWindowsパソコンに搭載されるCopilotはインターネット上のデータやユーザーの利用パターンを学習し、ユーザーが自然言語英語日本語など)で指示を与えることで、膨大な情報を整理してくれたり資料を作成したりしてくれる。プログラマーが使う開発環境には生成AIソースコードを作成する「AIコーディング」ツールが組み込まれ、機械と人間がタッグを組んでコーディングやデバッグを行う時代になっている。

コンピューターの形態とその変化

初期のコンピューターは、一部屋を埋め尽くすほど巨大なものであった。個人がコンピューターを占有して使うことはできず、ユーザーはオペレーターを通して処理を依頼していた(バッチ処理)。1970年代マイクロプロセッサが登場してパソコンポケットコンピュータワークステーションなどが生まれ、個人でコンピューターを持つことができるようになった。

そして21世紀の現在、世界のコンピューターのほとんどは目に見える形で存在してはおらず、自動車家電からペースメーカーに至るまで、さまざまな機器に組み込まれたマイクロコントローラ(マイコン)としてその制御を司っている。現代人は、それとは気付かぬまま毎日何百、何千個ものコンピューターにお世話になっているわけである...もっとも、普通「コンピューター」と言う時はパソコンやスマートフォンなどの汎用のシステムのみを指し、組み込みシステムは勘定に入れないことがほとんど。マイクロコントローラを組み込まれたモノを「コンピューター」と定義した場合、我々の身の回りにあるあらゆる機器が「コンピューター」になってしまう(組み込みシステムについてはマイコンを参照)。

かつて我々の身近にあるコンピューターといえばパソコンゲーム機だったが、近年はスマートフォンをはじめタブレットスマートウォッチといった多彩な形態の(汎用)コンピュータや、スマートスピーカースマートテレビといったIoT家電が登場し、一人で多数台のコンピューターを使いインターネットに常時繋がるようなライフスタイルが広がっている。

主なコンピューター機器

パソコンPC

サーバー(ファイルサーバ、メールサーバ、Webサーバ、アプリケーションサーバ、スーパーコンピューター=HPCサーバなど)

ワークステーション

スマートフォン / タブレット

ゲーム機据え置きゲーム機携帯ゲーム機

ポケットコンピュータ

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