ポケモンスリープ
ぽけもんすりーぷ
概要
株式会社ポケモンワークス・株式会社ポケモンが開発・運営するポケモンシリーズを題材とした睡眠ゲームアプリ。正式名称は『Pokémon Sleep』。
「朝起きる事が楽しみになるゲーム」をコンセプトに、睡眠のエンターテインメント化を目標としている。
舞台はいねむりポケモンカビゴンが生息する小さな島々。主人公はネロリ博士のポケモンの睡眠生態についての研究を手伝うためフィールドリサーチを行いながら、出会ったカビゴンを育成し、カビゴンと一緒に睡眠を取る生活を送っていく。
この島のカビゴンは周りのポケモンを眠りにいざなう不思議な力を持っているのが判明しており、博士が開発したカビゴンの眠りの力を何倍も強くする「睡眠シンクロ装置」により、主人公とカビゴンの睡眠をシンクロ。
これにより眠ったカビゴンの周りには野生ポケモン達が集まって眠り、多種多様な寝姿を見せる。彼らの色んな寝顔を撮影した「ポケモン寝顔図鑑」の完成が今回の主人公の目標となる。
当初は2020年に配信予定だったが開発が難航したため、2023年7月20日に配信となった。
2023年11月12日、今後の長期運営を見据え開発体制が変更なった旨が告知された。開発を担当していた株式会社SELECT BUTTONが外れ、以降は株式会社ポケモンと株式会社ポケモンワークスによる運営となる。
ゲーム内容
ゲーム進行
ゲームプレイヤーはこのアプリを枕元の寝具の上で稼働させながら、実際に睡眠を取る必要がある。
枕元に置いたスマホ(または連動させた「Pokémon GO Plus +」)の加速度センサーと録音機能により、寝返りと寝相(体動)、物音や寝言を感知。
計測中その体動の頻度と音声の増減を「うとうとタイプ」「すやすやタイプ」「ぐっすりタイプ」の3種類の睡眠タイプに分別する。
ホーム画面の「ねむる」ボタンを押して計測を開始し、1時間半以上の正確な計測を行うとゲームが進行する。
起床するとその回の睡眠タイプと同じタイプの野生ポケモン達がカビゴンの周りで寝ており、ポケモン1種ごとにする数種類の寝顔を図鑑に記録していく。その中で気に入ったポケモンにはおやつタイムでお菓子「ポケサブレ」を与えて仲間(おてつだいポケモン)に勧誘できる。
フィールドリサーチは選んだエリアで1週間滞在し、そこで出会った1匹のカビゴンの側で行う。
日中は、新しいきのみ・食材を拾ったり料理レシピを開発するリサーチをしながら、カビゴンにきのみや料理を与える育成パートとなる。
カビゴンの育成ポイント「エナジー」は、きのみ、1日3食の料理とポケモンのスキルで獲得する。
カビゴンのエナジーと、プレイヤーの睡眠スコア(睡眠8時間半で100)のかけ算で「ねむけパワー」が発生。「ねむけパワー」が大きくなると出会える種族と寝顔の種類が増えていく。よって図鑑完成にはカビゴンの育成ランク「カビゴン評価」を上げなければならない。(ランクが低いままだとコラッタ✕3匹のような光景になりやすい)
4:00に日付切り替えで、計測は1日2回まで。睡眠スコアは1日合計100までの上限がある。1回目の計測で寝ついた後の睡眠時間が8時間半を超えると、2回目の計測では野生ポケモンが発生せずリサーチを行わない(下記ねむりの約束の達成のみ可能)。8時間半以内に収めても上限ギリギリだと、2回目の計測は睡眠スコアがわずかになる。
このせいで、ひたすら長時間寝れば良いというワケではなく、8時間半を2回でどう振り分けるかも重要。
プレイヤーは「おてつだいポケモン」をポケモンボックスに所持。
ポケモン達のお手伝いできのみや食材を入手していく。
初期パートナーは博士から貰ったピカチュウで、そこから仲間を増やせば5匹チームを編成可能になる。
ポケモン達には「げんき」があってげんきの残量でお手伝いの速度が変わる。
回復させるにはチームに編成した状態で、プレイヤーが眠るか、計測失敗時は計測代わりの睡眠時間の手入力、他スキルなどで回復させられる。
計測は1日2回までできるが、「ねむりの約束」という就寝時刻を指定する機能があり、設定時刻の90分前〜30分後以内に「ねむる」ボタンを押して無事計測が成功すると、ごほうびスタンプをシートに押せてアイテムが貰える。
だが数日やってみてあまり達成できないからとスタンプシートの途中で設定を変更するとスタンプの連続記録はリセットになってしまうので注意。
昼夜逆転生活のプレイヤーにも対応できる仕組みでもある。
外部接続機器「Pokémon GO Plus+(Pokémon GO Plusとは別の商品)」と連動することが可能で、これを使うとスマートフォンを操作する代わりにボタン一つ(長押し)で睡眠、起床を計測することが出来る。睡眠計測が始まるとピカチュウがきらきら星を子守歌代わりに歌ってくれる。起床目標時間が近づくと目覚まし代わりに起こしてくれるようになる。
また、連動することでナイトキャップをかぶった特別なピカチュウが登場し、パーティと別枠でサポートしてくれる。
エリア
本作のゲームステージ。週の初めに調査するエリアを選択し、そこで1週間同じカビゴンと生活することになる。
初期エリアはワカクサ本島で、寝顔図鑑の達成度に応じて順番にアンロックされていく。
エリア毎に、出現ポケモンの傾向、寝顔の種類、カビゴン評価の必要エナジー量、カビゴンのきのみの好物、カビゴンの体毛の色が変わる。
当然後半ほどカビゴン評価上げの難易度が高くなるが、限定ポケモンと限定寝顔(主に☆3)を狙える。
1週間のエリアの計測が完了する度に、次から同じエリアで評価ポイントに加算ボーナスが入るようになる。
- ワカクサ本島
ほとんどのタイプの、特にたねポケモンが満遍なく出現する。☆3寝顔がほとんど出現しない。
カビゴンの好物のきのみはランダム。
- シアンの砂浜
タイプはみず等が多く生息する。
- トープ洞窟
- ウノハナ雪原
タイプはこおり等が多く生息する。
- ラピスラズリ湖畔
2024年1月24日15:00に解放された追加エリア。
タイプはドラゴン等が多く生息する。
- ゴールド旧発電所
2024年10月2日15:00に解放された追加エリア。
タイプはでんき等が多く生息する。
今後のアップデートでさらなる新エリアを追加予定。
イベント
定期開催
不定期開催(一部紹介)
イーブイウィーク
「11/21 イーブイの日」を記念した、
2023年11/20〜26の「イーブイウィーク2023」
期間中、イーブイ系が多く出現。イーブイの進化形態の出現は1〜3種ずつエリア別に振り分けられる。他普段出現しない睡眠タイプ違いのポケモンも出現する。
ホリデー2023
2023年12/18~24「ホリデー2023:ダブルゆめのかけらリサーチ」。
ワカクサ本島のみで実施。ホリデー帽子のピカチュウ、ユキカブリ、デリバードが多く出現する。
ゆめのかけらボーナスとして、リサーチとメインスキル「ゆめのかけらゲットS」の獲得量2倍。
アメブースト
ホリデー2023で初運用されたイベント専用機能。
レベルアップの際、1個のポケモンのアメで獲得できる経験値を普段の2倍にできる代わりに、消費するゆめのかけらを6倍にする。ヨーギラスといった経験値テーブルが大器晩成型ポケモンの育成に活用したい。
ライコウリサーチ
「特別なポケモン」の1匹目であるライコウのピックアップイベント。
2024/3/25~4/7開催。
「ライコウのたてがみ」を集めると、ライコウのおこうやライコウ用のサブレに交換できる。
でんきタイプのおてつだいポケモンは、取得する食材+1個、スキル発動率ボーナスが掛かる。
攻略
一見やる事が無さそうな放置ゲームに見えるが、図鑑用の高ランク寝顔、見た目や能力の優れたレアポケモンを求めて、効率を重視したプレイングが日々研究されている。
下記要素を鑑み、月曜日からいかに素早くカビゴン評価を上げられるか。どのポケモンを優先してチームに勧誘し、理想のスキルや性格はどれか。ネット上では攻略情報が出回っている。
ただし、ポイントを稼げる優秀なポケモンを揃えていても睡眠の計測を忘れたり、睡眠不足が続いていると出会えるポケモンの数自体が減ってしまう為、一番優先すべき攻略法は毎日継続して良質な睡眠をとる事である。
ポケモンのステータス
実装ポケモンは2024/10/2現在155種、寝顔は全609種(コリンクほか実装直後)。
初期実装は第1世代・第2世代を中心に、第4世代までのポケモン+ニンフィアの104種415寝顔だった。新規ポケモンは2023年9月12日のマネネ系追加を皮切りに、徐々に追加されていく。
本作のポケモンは、全種族が単タイプに変更された。
原作で2タイプ持ちだったポケモンもどちらかのタイプに設定されている。
この仕様のせいで現状は、ドラゴン、はがね、ゴーストタイプ辺りの種族が希少扱い。
ニャローテ(くさ)→マスカーニャ(あく)のように進化でタイプを乗り換える系統もいる。
おてつだいポケモンは1匹ずつ、下記能力を持つ。
能力 | 説明 |
---|---|
睡眠タイプ | 同種族が野生出現する時の睡眠タイプ。 |
きのみ | タイプに対応したきのみを1〜2個拾いカビゴンに与える。カビゴンそれぞれに好物のきのみが3種設定され、合わせるとエナジー2倍。 |
食材 | 料理用の食材を拾う。種族ごとにLv1食材は固定だが、Lv30・Lv60食材は候補の3種から個体ごとのランダム決定。 |
メインスキル | おてつだい時に確率で発生するスキル。エナジー獲得、げんき回復、ゆめのかけら獲得など種族ごとに固定。 |
サブスキル | レベルが上がるにつれ開放される、各ステータスを補助する恒常スキル。個体でランダム。 |
とくいなもの | 種族毎に固定。「きのみ」はきのみ2個、「食材」はLv1食材2個を一度に拾い、「スキル」はスキル発動補正がありメインスキルも比較的珍しい傾向にある。 |
おてつだいスピード | きのみや食材を集める時間のスパン。低レベル帯では30分~1時間50分で、種族・性格・スキル・レベルで決定する。ピチュー系統や御三家、一部最終進化などは抜きん出て速い。 |
せいかく | 原作通り能力上下に関わる性格。本作ではおてつだいのスピードや、げんき回復量などの時間と量が上下する。 |
レベル | 睡眠リサーチ完了時のEXPを獲得するか、「ポケモンのアメ」「ゆめのかけら」を消費してレベルアップ可能。 |
SP | ポケモンの能力値。レベルアップと解放済のスキルや食材などで加算。 |
進化 | 原作の進化はほとんどが実装済。進化後は各能力が向上するうえ、メインスキルが強化される。進化に必要なのは、レベル、アメ、道具、一緒に寝た時間など。 |
一緒に眠った時間 | チームに入れて眠った累計時間。200、500、1000、2000時間達成ごとに「おやすみリボン」を付けてあげられて、能力やプロフィール用アイコンにボーナスが付く。進化前ポケモンはおてつだいスピードにもボーナス有り。 |
料理
「なべ」で作った料理をカビゴンに与えて、エナジーを一気に獲得する。
1日3食。朝食4:00~11:59、昼食12:00~17:59、夕食18:00~4:00。
カビゴンそれぞれにメニューのリクエストがあり、「カレー・シチュー」「サラダ」「ドリンク・デザート」の3種。7日間決まったメニューしか作れない。
初回週は食材の乏しさから21回全部、良くてリンゴジュース、最悪「ごちゃまぜドリンク」、なんて自体も起こり得てしまう。
- なべ:調理鍋。サラダもジュースも全部これで煮る。調理中にうちわを扇ぐと調理時間が短縮される。エナジー2〜3倍の「大成功」がたまに発生。
- レシピ:決まった組み合わせの食材を規定数入れてレシピの料理を作る。レシピは各メニュー約20種ずつ。レシピにも累計獲得エナジーに応じたレベル有り。レシピの食材が足りないまま作ると、レシピなしでレシピレベルも無い「ごちゃまぜ〇〇〇」が出来る。
- なべの容量:初期は基礎的なレシピしか作れないが、寝顔図鑑の進捗で定期的に拡張がアンロック。ゆめのかけらで拡張する。アイテム「いいキャンプチケット」やスキルでも一時的に増やせる。日曜日はウィークエンドボーナスとして容量が2倍になり、上位レシピ開発のチャンス。
- 食材:余った食材は余剰スペースに突っ込んでエナジーの足しにするか、売ってゆめのかけらを得られる。
今後のアップデートで新レシピ、新食材を追加予定。
おやつタイム
おてつだいポケモンは、睡眠リサーチで集まった野生のポケモンを、おやつタイムで勧誘しなければ増えない。
種族毎に「フレンドポイント」のポイントゲージと「フレンドレベル」を持ち、「ポケサブレ」を与えてレベルを1上昇できれば仲間になる。第1進化の中でも低レアポケモンで5ポイント、第2進化以降や無進化ポケモンともなると10ポイント以上、最終形態と高レア無進化ポケモンで20ポイントものフレンドポイントを要求してくる。
しかもサブレは1回のおやつタイムで2~5枚ほど与えると満腹になって、その回はおしまい。幸い、同じ種族が並んで出現したか次回出る際には全個体がフレンドポイントを受け継ぎ共有している。
ランダムで「チャンス」の表示があった個体は、初回に限りフレンドポイント3倍。
毎日1回目の計測時に、スリープパスのプランが一般会員なら「ボーナスサブレ」(ポイント+3)、プレミアム会員は「ボーナスサブレ+」(ポイント+4)が配布される。次回に持ち越しは出来ないので2回目の計測時には使えない。
低確率ながら色違いも存在する。
フシギダネやトゲピーといった色の差がわずかな色違い、ディグダやプリンなどの寝姿では色違いの特徴が隠れる者も多いが、画面が切り替わると適宜キラリと光って教えてくれる。
色違いは再度出会うのが困難な為か、嬉しい事にポケサブレ1枚1ポイントでも確定勧誘の特別仕様である。
特別なポケモン
ライコウ・エンテイ・スイクンといった本編では伝説のポケモンに分類されるポケモン達。
この分類のポケモンは1チームに1匹までしか編成できない。
それ故に通常ポケモンよりも強力な種族となっており、特別なメインスキルを持つ。入手と育成難易度も高く、寝顔の必要エナジーは高ランク帯、おやつタイムのフレンドゲージは脅威の30ゲージ、必要経験値も増加している。
睡眠計測を失敗しないために
このような効率プレイをどれほど頑張ろうと、健康的な快眠だったとしても、肝心の睡眠計測が正しく完了しなければ本ゲームは満足に楽しめない。
ゲームの仕様上、予期せぬ計測失敗はどうしてもいつか発生してしまう状態である。
10時間寝たのに1時間しか記録されていない、最悪の場合前日の分を丸々失敗して恩恵0、となるのも珍しくない。
計測失敗をプレイヤー側の努力で減らす手段は一応ある。
- 充電:スマホ計測ではスマホの充電切れが大敵。睡眠チュートリアルでは充電しながらの計測をオススメしている。
- 寝ついた時間:計測開始から「ぐっすり」判定が最初に入るまでの時間(最短5分)。通常これ以降から睡眠時間が計測される、計測時間外の部分。計測状態が悪いと数時間分も寝ついた時間に入ってしまうケースがある。睡眠環境が「ぐっすり」判定の邪魔をしていないか見直そう。
- 以前は「ぐっすり」判定が一度もない計測は失敗扱いだったが、2023年8月のアップデートで改善され、睡眠タイプ「とくちょうなし」(野生の睡眠タイプがランダム)かつ計測開始から終了まで睡眠時間とする処理がなされる。
- 体動なし:固い物の上や、体動が無さすぎる寝方など、長時間振動が感知できない環境では計測グラフが「ぐっすり」のまま進む。それが6時間連続すると以降は変動するまで計測時間外に処理される。
- 激しい動きの補正:機器が大きな体動を検知する「うとうと」判定が長く続くと、激しい運動=寝ていないと判定され、動きを感知する前で計測がストップしてしまい非常に短時間の睡眠に処理されがち。
- 上記アップデートで睡眠タイプ「とくちょうなし」かつ計測開始から終了まで睡眠時間とする処理にしてもらえる事も。
- 持ち歩き:計測中に持ち歩くと、「持ち歩きの処理」がされ振動感知時刻から計測時間外になる。
- 誤タッチ:スマホなら寝ぼけてスマホをスリープモードにする、計測終了をタップ、他アプリを起動、Pokémon GO Plus+ならボタンが押される等で、意図せず計測が中断・終了する危険もあり。
- 処理落ち:アプリの強制終了はもう泣くしかない。熱暴走の強制終了避けには、冷却グッズの使用、寝具で包まないなどが有効。アプリの負荷を減らす方法はキャッシュの削除、他アプリの終了など。
- 計測忘れ:寝落ちには要注意。
ショップ
1回の睡眠に応じてスリープポイントを得ることが出来、サブレやアイテムと交換することができる。
ポイント以外にも課金することによってショップでアイテム交換やバッグ・ポケモンボックスの枠拡張に使用できるダイヤを購入することが出来るが、ポケモンGO同様にゲーム中のミッションや図鑑の更新でもダイヤが手に入るようになっているので、無理に課金する必要はない。
2023年12月から、無料のデイリーパックを1日1回貰えるようになった。中身はダイヤ、ポケサブレ、他各種アイテムの内どれかが1種ランダム封入。
ダイヤとは別でプレミアムパスが用意されており、プレミアムパスに登録することで様々な特典とスコアボーナスが得られる。初回登録時は2週間の無料期間が設けられている。
いずれにせよ、長期的な睡眠環境の改善を目的として作られているので、ショップの品揃えもアプリを継続して使い続けることを前提に用意されているものが多い。
ポケモンの体力を瞬時に回復できるアイテムや睡眠で得られる経験値を倍にしてくれるアイテムなどもあるが、健康な睡眠は重課金に勝ることを忘れないように。
余談
録音機能により、最新または24時間以内の計測データでは録音に成功した音声を10秒ずつ聞ける。
それによって「いびきかいてた」「寝言が凄い」など、睡眠中という普段は知り得ない自分の姿を知って驚くユーザーも多く見られる。
ペットが朝ご飯をねだるため明け方起こしに来ていた声に癒やされる飼い主も。
中には「一人暮らしなのに変な物音が記録されてる」など、別の意味で驚いたユーザーもいたとか。