「うるさい子供など、私は欲しくありませんもの」
声:小林優子
概要
ツェントル・プロジェクトに携わる、戦闘用人工知能の研究者。
かつてはアクア・ケントルムの教官であった。
表面的には冷静沈着な印象を与えるが……本性は極めて自己中心的であり、自分以外の人間に対しては非常に冷たく、裕福な何も不自由なく育ったアクアも内心では鬱陶しく思っており、憎悪していた。
しかし、そのアクアの力量が自分に迫ってきている現状を感じると焦るなど、負けず嫌いな一面も見せており、総じて悪い意味で幼稚な人物。
彼女の過去はあまり語られてないのだが、恵まれない環境だったようである(もっとも、それでアクアへ憎悪を抱くこと自体ただの逆怨みに近いのだが)。
各作品において
スーパーロボット大戦MX
機動兵器「MODEL-X」に搭載する予定のAI『AI1』の開発者であるが、アルベロ・エストと共にAI1を搭載したメディウス・ロクスを強奪し、アクア及びヒューゴ・メディオと対立することになる。
この強奪事件には裏があり、メディウス・ロクスとヒューゴ達の搭乗機を戦わせてAI1の教育を行うのが真の目的であった。
ツェントル・プロジェクトとは、『MX』ではゼーレによる人類補完計画の一環であり、計画を妨害する勢力を排除するための機動兵器の開発が本来の目的であった。
最高責任者であるミタール・ザパトはそれに協力する形で、MODEL-Xの開発を行っていたのである。
しかし、エルデは自身の最高傑作であるAI1に狂気と言える愛情を注いでおり、故にAI1を否定する者は決して許さず、AI1の危険性を感じ排除しようとしたミタールはエルデに射殺されてしまった。
戦いの末、AI1は「マグネイト・テンと共に戦い、世界に平和をもたらす」答えを導き出すが、エルデはそれを認めず『ラ・ムーの星』を取り込ませAI1に究極の進化をもたらそうとする。
その直後にアルベロに射殺されるが、AI1の進化と同時に精神が崩壊した状態で復活してしまう。
「AI1の本当の意味を教えてあげる。…『All in 1』…そうよ!全てはAI1とひとつになるのよ!!」
AI1開発の目的が「All in 1」であるのなら、エルデはその結果を知っていたはずである。
「AI1がどう成長するか見届けたいだけ」と、Wシリーズに対するレモン・ブロウニングのような台詞を吐いていたが、彼女の行動は完全に自分の目的のためでしかなかった。
「AI1を見守るだけ」と宣いながら、彼女は「All in 1」にしか興味が無かったのだ。
「私を認めなかった世界を、AI1で作り変えてやるわ!!」
究極の進化を遂げたAI1の攻撃『All in 1』の時に語られる、この台詞が全てを物語っている。
この攻撃自体も「AI1に取り込まれ、その中でエルデの幻影が踊る」ものである。
しかし、彼女自身は「世界は私を認めなかった」と主張しているが、そもそも教え子であるアクアを裏切ったのは彼女自身であり、『MX』でゼーレからの支援が打ち切られたのもAI1の欠陥ではなく、EVA量産機の配備に目途が立ったためである。
彼女は「自分の研究が失敗した」現実を認めたくなかっただけなのだ。
AI1ですら、自分の理想と違う答えを出したのを認めたくなかっただけなのであった。
最後は、自らの滅びの運命を受け入れたAI1からも完全に拒絶され、予想外の結末を認められないまま消滅した。
自分が作ったものですら理解していた「真実」が分からなかったようでは、科学者としても悪党としても底が知れているだろう。
エルデとは違い、AI1自体は悪意を持たず「機械は人間の補助に徹するべき」持論を掲げるアルベロに共鳴していた節があり、場合によっては勇者ロボやチェインバーのような正義の心を持ったロボット、人間の戦友になれる可能性もあり得た。それらの可能性を自らのエゴのために潰してしまったエルデの罪は深いと断言できる。
こんなキャラクターゆえ、共に行動していたアルベロはともかく彼女の自軍部隊からの評価は最悪の一言であり、終盤でEVA量産機との戦いでスポット参戦した際にチボデー・クロケットから「それに何よりもあの女…!エルデ・ミッテが信用出来んぜ!」と露骨に嫌悪されたり、『電子の妖精とAI1の一体化』をエルデに求められたホシノ・ルリに至っては「嫌です。そんな気持ち悪いものの中」とシンプルな毒舌を吐かれたりしている。
OGシリーズでは
『スーパーロボット大戦OG外伝』で初登場。
連邦大学におけるアクアとのイベントが再現されている他、同僚だったドナ・ギャラガーが開発に関わっていたウェンディゴの再調整を試作段階のAI1を自律回路に組み込むことで完成させる。
その後、イェッツトと化したレジセイアの脱走事件の際に行方不明となった。
『第2次スーパーロボット大戦OG』では、本格的に暗躍を開始。
ガイアセイバーズ内に対抗馬が色々存在することもあってかAI1の有用性を証明するべく『MX』以上に周囲の人間達を手玉に取り、AI1の成長の糧として利用した。
だが、皮肉にもエルデ自身も他者のエゴに利用されていたに過ぎず、ハードルートでの退場後に彼女にとって最悪の形での死体蹴りを受ける羽目になる。
関連タグ
スーパーロボット大戦MX スーパーロボット大戦OG外伝 第2次スーパーロボット大戦OG
ツェントル・プロジェクト アクア・ケントルム ヒューゴ・メディオ アルベロ・エスト ミタール・ザパト ドナ・ギャラガー
マッドサイエンティスト ラスボス(笑) 悪女 ド外道 ヤンデレ
進捗どうですか:実はMXにおける彼女の終盤のブッ飛んだ言動は、シナリオ担当の寺田貴信プロデューサーの締め切り前ハイテンションが反映されたものだとか。