概要
第2次スーパーロボット大戦OGにおいて、ハードルートを進行した場合のみ戦える、同作の真のラスボス。
アルテウル・シュタインベックとして地球に潜伏していたユーゼス・ゴッツォが最終局面にて遂にその本性を表し、半壊状態のナシム・ガンエデンを乗っ取り、AI1、ガリルナガン、イーグレット・イングとエグゼクスバインを取り込み融合・合体を果たした姿である。
その姿はまさに「異形」と言えるものであり、ガンエデンの天使の翼に加えて悪魔のような2対の黒い翼が生え、頭部はユーゼスの仮面を彷彿させる姿となり、さらに頭頂部にはクロスゲートが天使の輪のように位置し、胸部にはAI1がウルトラマンのカラータイマーのように鎮座している。
その能力は尋常ではなく、四凶の超機人やガンエデンが従えているはずのクストース、さらには邪神ヴォルクルスまで召喚している(ヴォルクルスに関してはシュウ・シラカワの推測によると並行世界から来た)。
「アダマトロン」の名前の由来は、人祖・アダムと神の代理人たる天使・メタトロンを合わせてユーゼスが命名した。
ユーゼスは破滅の運命を変えるため、アダマトロンの力で地球やバルマー本星のみならず全ての並行世界を破壊することで、自らが全ての運命や因果を管理する新たな世界の神「新人祖」となろうとしたのだが、どうやら輪廻を完全に刷新して構築するためには、因縁に深い者を自らの手で倒して輪廻を抹消していく必要があり、その手始めとして鋼龍戦隊の排除を狙おうとした。
ゲームのボスとして
各シナリオごとに勝利条件とは別に設けられた条件を満たすと取得できる「SRポイント」。
これを一定値以上集めると終盤のシナリオが分岐して、黒幕であるユーゼスと決着をつけれるようになる。
他ゲームで言うところの真のラスボスや隠しボスという立ち位置が近い。
そのポジションだけあってパイロットであるユーゼスはステータスが高く尚且つ「2回行動」のスキル+エースボーナス効果により気力160以上になると精神コマンド『覚醒』の効果がかかる。
そのため、下手する1ターンに3回攻撃ということも。
アダマトロンも厄介で弾数4発と少なめだが精神コマンド禁止効果付きのMAP兵器を持つ。
特殊能力で特筆すべきは「エネルギー吸収」と「監視の目」。
「エネルギー吸収」はダメージの1%分のエネルギーを回復する。文書にするとあまり脅威には見えないが、1万2万といった数字のダメージを叩き込むであろうスパロボ終盤となると数百もの回復量となる。ただしアダマトロンのEN使用武装は射程4の最強武装のみなので配置次第では腐らすこともできる。
「監視の目」はHPが10%以下になると精神コマンド『必中』がかかる。ユーゼスを追い詰めてターンを明け渡すと彼のスキル&エースボーナスで回避不可能攻撃3連発なんて事態になりかねない。
と、真の黒幕らしく全く気の抜けない強敵となっている。
武装
エデン·ゲルーシュ
翼と胸にある光球を発光させ、黒いレーザーを撃ち込む。
MAP兵器版は着弾点指定・敵味方認識あり・精神コマンド禁止がある。
幸いなのは4発の弾数式なことか。
ゲルーシュとはヘブライ語で「追放」の意味。
この言葉自体はディバリウムの武装にも使われている。
ユーゼスも「かつてのアダムはエデンから追放された」と発している。
このことから意味合いは「失楽園」だろう。
イドオニー·ザアム·カーラー
頭部のクロスゲートからカナフ、ザナヴ、ケレン、窮奇王、饕餮王、応龍皇を召喚しての一斉攻撃。
締めはAI1から薙ぎ払うようにビームを発射する。
イドオニー·ザアム·カーラーはヘブライ語でそれぞれ…
イドオニー=降霊術師、預言者
ザアム=呪われた
カーラー=召喚
意訳するならば「死霊を呼ぶ者」か。
ちなみに吉田Pは「死者の霊魂と呪いによる攻撃」と意訳していた。
必殺技
エルヨウン·イェダ·ドーマー
クロスゲートの能力を使い時間と時空を交錯させ、敵を異空間に引きずり込み「古の忌憶」を見せる。
その後はAI1から現出した敵ごとクロスゲートに取り込みバラルの園に堕とし空からの流体で追撃。
締めは頭部の仮面にエネルギーを集中させ爆破する(この時、アダマトロン自身も木っ端微塵になるが気にしてはいけない)。
「古の忌憶」はそれぞれ「黒き地獄」、「黒き天使」、「黒き銃神」、「古き人祖達」となっている。
名前で想像がつくものも多い。
エルヨウン·イェダ·ドーマーはヘブライ語でそれぞれ…
エルヨウン=至高
イェダ=知識
ドーマー=死による沈黙
セリフにも「至高の知識がお前の脳髄を焼滅させる…!」とある。
このことから、ファンからは「知恵熱」とも呼ばれる。
のちにエルヨウンと言う単語については使う者が出た。
その結末(ネタバレ注意!)
ユーゼスはアダマトロンの強大な力を持って、鋼龍戦隊を追い詰める。
だが、ガンエデンを乗っ取る段階でニブハル・ムブハルと共に始末したはずの部下・カーリー・ナウマン(リー・リンジュン)が現れる。
ユーゼスがL5戦役において家族が死んだ元凶だとを知った彼は、座乗艦であるエア・クリスマスを特攻させる。
その隙に応じ、ガンエデンと共に囚われていたイルイの力を借り、イングがエグゼクスバインと共に脱出。
形勢は一気に逆転し、そのまま鋼龍戦隊の総攻撃を受け、敗れ去った。
こうして敗れたユーゼスなのだが、本当の敗因は他にもあった。
一見すればアダマトロンは今までの世界でも滅多に見られないような好条件が揃った結果のようではあるが、それと同時にユーゼスも意図しなかったり知らなかったであろう負けの因子、即ち敗北フラグも同時に再現していることである。
例を上げれば、
- ウルトラマンの要素を取り入れた展開はスーパーヒーロー作戦のラスボスである超神ゼスト。
- クロスゲート・パラダイム・システム(以下CPS)を取り込み、機体自体がCPSと化す展開は初代αのラスボスであるジュデッカ。
- アストラナガン(に酷似したガリルナガン)を取り込む展開はα外伝のラスボスのアウルゲルミル。
- 人類と全ての世界を滅ぼし、自らが新たな世界の礎となろうとした展開はOG2にも登場したラスボスノイ・レジセイア。
- マシアフを支配下に置き、ガンエデンを乗っ取る展開は第3次αのシヴァー・ゴッツォに由来する。
この通り、過去のラスボスの結末をほぼ完全に再現してしまっているのである。
とどのつまり、自分で埋めた地雷を自分で踏んでいるのだ。
ついでにこのまま計画が遂行されたとしても、平行世界への干渉を続ければ、因果律の番人の裁きが待っている。
だが、第2次OGでは彼等は現れなかった。
つまり、この出来事はすでに因果律の中にあり、ユーゼスは最初からそうなる運命だったのである。
(そもそも、運命を変えるための重要ファクターであるイングラム・プリスケンを失っているので、割と始まりの時点で詰んでいた)
関連項目
至高神Z…アダマトロンと色々共通点があるスパロボのラスボス。
ウルトラマンの歌…アダマトロンの必殺技の元ネタの1つ。