「よお、ウーグウェイ導師」
「しかも今度は、俺を止める貴様はいない」
「カイ様の世になるのだ!」
プロフィール
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※本来の設定ではヤクをモデルにする予定だったらしい。モチーフが変更されたのは、毛量を減らすことで製作費と制作難易度を下げるためだったと思われる。イメージのモデルは、一作目に検討された、タイ・ランの軍勢のボスにいた「四本腕のヤクの闘神」であった。
- 複数の腕を再現するために、当初は髪の毛が念力によって第三の腕として機能するプランもあった。
概要
一人称は字幕では「俺」「おれ」「俺様」「カイ様」。
二人称は「貴様」「お前」「名前呼び」。
三人称は「そいつ」「ヤツ」。
『カンフーパンダ3』の悪役。500年前の秦帝国時代の大将軍で、特徴的に枝分かれした巨大な角と翡翠色に光る目を持った、ヤクの特徴を併せ持つ牡牛。カットされたシーンによると、光っていない本来の瞳は茶色だと予想される。武器は長い鎖で繋いだ2刀の翡翠刀を使う。
- 翡翠は本シリーズにおける象徴的なアイテムの一つであり、主人公のポーの目も翡翠色である。
500年前の段階では、角は枝分かれしていなかった。途方もない時間を「魂の王国(死後の世界)」で過ごしてきたことが関係しているのか、それとも数多の気を奪ったり取り込んだことが関係しているのか、実情は不明である。
- 500年前の因縁を描いた巻物の中では、枝分かれしてない角が額から鍬形のように生えており、現代では側頭部から生えて枝分かれになっている。
とある理由からウーグウェイ導師を憎んでおり、彼に連なる中国全土のカンフーマスターの全滅や痕跡の撲滅を企む。
その一方で、どこか飄々としていたり、ジョークが好きだったり、ノリが良かったり、ウィットに富んだ会話をしたりなど、決して「バーサーカー」と言い切れない様な性格をしている。レスバも強いので、挑んできたタイガレスを「子猫ちゃん」と一蹴して逆に彼女を煽っている。
能力
(彼のテーマ曲は、後述の通り『I'm So Sorry』のアレンジであり、非常に人気が高い。)
「中国至高の大将軍」などの数々の異名を持っており、その強さは文字通り伝説である。
あのウーグウェイと互角に渡り合い、主人公のポーが即死技の一転狙いに専念せざるを得ないほどである。
生前ですら伝説の存在であったのにもかかわらず、死後の世界で500年も研鑽をしてきたため、後述の特徴と併せて、もはや超常的なパワーレベルになっている。鎖につないだ翡翠刀を驚異的な精度で操り、破壊力も尋常ではない。
(イラストはあくまでもイメージ)
彼の最大の特徴は、気功で相手の気を翡翠に変え自分の力にする技を持つということ。気を奪った相手を生死に関係なく翡翠のゾンビ「ゾンビスイ(Jombi)」に変えて具現化、隷属できる。
そして、ゾンビスイの視覚や聴覚等をリンクさせて操ることもできるだけでなく、一度に多数のゾンビスイを同時に操ることもできる。また、超遠距離からゾンビスイを自由に回収する事も可能。
操るだけではなく奪った気を身体能力の強化にも応用しており、翡翠宮を一撃で破壊し、切り立った崖を一息で昇りきるなど超常的な身体能力や圧倒的な戦闘力を持つ。
また、多少であれば重力または引力を操っていると思わしい描写もある。
さらに、生きた死人であるため、殺人技を無効化する。
なお、カイの出現時には緑色のオーラやオーロラの様な発光現象が周辺に発生する。
余談
- 彼のテーマソングは「Imagine Dragons」の楽曲『I'm So Sorry』のアレンジである。「Dragon」であるところも関連性がある。
- 彼の右腰には、翡翠にされたタイ・ランが居るのが、あちこちのシーンで短い時間だが確認できる。しかし、ウーグウェイと同様、ゾンビスイにされていない。
- メタ的には、彼もゾンビスイにされると関連して描写が多くなり、収拾がつかなくなったり上映時間を軽くオーバーする可能性があるためだと思われる。
- 『ヒックとドラゴン2』の敵であるドラゴ・ブラッドフィストは、共に過去の因縁があるドリームワークスヴィランズであり、互いにデザインが似ていると指摘されることもある。
- 『ゴッドオブウォー』シリーズの主人公であるクレイトスとは、鎖に繋がれた双剣を武器とする孤高の戦士であり、死後の世界から復活したり復讐に燃える、というキャラクター像が類似している。
- 当初は完成版とは異なるキャラクター性を持っていたらしく、声優としてマッツ・ミケルセンが予定されていたが、キャラクター性の変更により自ら役を降りたとされている。
- 「魂の王国」では、巨大で怪物のような姿になる予定でもあった。
- カットされたシーンでは、本編よりも手酷くポーを甚振っており、止めを刺していると思わしき描写もある。
- ピクシブ上では、ディズニー作品の『ズートピア』のボゴ署長と共に描かれる場合がある。
- 『ズートピア』の動物のモデリングの先駆者とも言えるのが『カンフーパンダ』シリーズである。
- J・K・シモンズは、ボゴ署長が苦手としているレオドア・ライオンハート市長のCVも務めている。
関連イラスト
以下ネタバレ注意!!
(『ターミネーター』シリーズへのオマージュが込められているシーン)
500年前の秦帝国時代、カイは中国全土に名を轟かせる文字通りの大将軍であり、「中国至高の大将軍」「翡翠刀の達人(殺戮者)」「痛みの伝道師(マスター)」「復讐の野獣」「旦那キラー(未亡人メーカー)」などの呼び名を持ち恐れられてきた。また、ウーグウェイの親友だった彼は共に大軍を率いていた。
ある時、敵軍の待ち伏せを喰らい、部下が全滅し、重症を負ったウーグウェイを何日も抱えて雪に閉ざされた「パンダの村」にたどり着く。
パンダ達の操る癒しの「気」によってウーグウェイは回復するが、カイは気を与えることが可能ならば奪う事も可能ではと考え付き、実行してしまった。これにより、相手の気を自分の気に変える力を得たが、カイを危険視したウーグウェイとの対決の末に敗北し、「魂の王国」へ追放(死)されてしまう。
この時、カイの使用した武器は両端に刃の付いた槍剣だったが真っ二つになった。ウーグウェイの武器は杖であり、500年後に同一の武器または類似の存在とも再び対峙することとなる。
その後は「魂の王国」で力をつけ、伝説のカンフーマスターたち(故人)を次々と襲撃して打ち倒してゾンビスイに変えていく。
そして遂に、ウーグウェイとの戦いに勝利して彼を翡翠へと変える。これにより十分な力を手に入れたカイは、その力で霊体ながら「肉体の王国(現世)」に蘇った。
死者という事もあり物理的手段で倒すことは出来ないらしく、ウーグウェイ曰く「気の使い手」だけが彼を止められるらしい。
このように設定だけ見ると力を求めて残虐な行為に手を染めて親友を裏切った悪者と見えるが、本編のウーグウェイとカイの認識の食い違いを考えると、カイが力に溺れてウーグウェイを裏切ったという単純な話ではない可能性がある。
- カイはウーグウェイを兄弟のように思っており、ウーグウェイを救うために命を懸けて雪山を彷徨った。
- 原語版では「I loved him like a brother.」と苦し気に発現するほどであった。
- 口ぶりも「ウーグウェイが裏切った」と認識している。
- 生前は全土に名が知れた大将軍なだけでなく立派な人物であったと予想され、率先して戦場に立ち友の為に命を懸ける事のできる勇敢さを持っていた。
- 現世で暴れ回るのもウーグウェイの全てを否定する為であり、戦闘前の前口上や対戦相手の気や実力を褒めるなど、所々に武将然とした性格が見える。
- たくさんの部下を喪い、ウーグウェイ自身も死亡しかけたことから、仲間を喪いたくないために気の力に溺れた可能性が否定できない。
心底憎いならばウーグウェイの翡翠を割る、回収不可能な場所に捨てるなどしてもよさそうだが、彼だけは大事そうに首にかける、度々話しかける、戦闘の際に使用しないなど、愛憎ゆえか特別扱いしている。
ポーとノリが似ている部分もあり、利害の不一致がなければ友人になれたかのような会話もしている。剽軽な面や感受性に富む面もあり、血も涙も無い冷徹な人物ではない。
また、自らの名前を残す事に執着しているのか(それともウーグウェイばかり評価されたり自身が悪党として後世に話が伝わったことに不満があるのか)、劇中では何度も自分が歴史に残っていないか質問をする。しかしウーグウェイの名前だけが広まっており、そのたびに残念がっている。
ポー達は当時の出来事を「ウーグウェイが残した巻物」経由でしか知らず、パンダ村での真実はもはや彼とウーグウェイしか知るものはいない。
親友を背負いながら雪山を上り救いの手を探すほど情の通った人物が、なぜ力に溺れ裏切られたと思うようになったのかという謎は残っている。ウーグウェイが正せば受け入れてもおかしくない関係だったと思われるが……。
そのため、以下の様な考察も少なくない。
- ウーグウェイが嘘をついていたり、不都合な真実を隠しているのではないか
- ウーグウェイを守るための力を求めたのに、危険視されて殺されたから裏切られたと思っているのではないか
- 道を誤らせる程に強大な力が「気」にあるのではないか(これはおそらく事実である)
また、ウーグウェイがなぜ彼が蘇ると予言し、そしてカイが蘇る方法を知っていたのかは不明。気には明かされていない秘密があるのかもしれない。
魂の王国で倒したカンフーマスター達は日本語と英語で倒された数のニュアンスが変わっている。日本語では「今まで出会ったマスター全員」で、英語では「出会ったマスター全員」か「魂の王国のマスター全員」か判断しにくい節がある。
だが、以下の点から、やはり「出会ったマスターは全員ゾンビスイにした」というのがより辻褄が合う。500年かけてもそれだけしか会えない「魂の王国」の広さと、その中でウーグウェイを見つけ出したカイの執念深さが垣間見える。
- サンダーライノ(サンダリングライノ)やドルフィン、ゴートやコモドドラゴンなど、故人のマスターが他に数多く言及されているのにゾンビスイにされていない。
- 中国全土のマスター達を拉致したと言われているが、公式の設定でゾンビスイにされたリストに入っていない。
- カイが倒された際にも、存命組ではクロコ、チキン、ベア、マスターファイブとシーフーしか解放されていない。
関連動画
関連タグ
コワルスキー:テレビ版限定で中の人繋がりで、同じくドリームワークス作品のキャラクターでもある。
『カンフーパンダ4』への再登場が判明している。