概要
2001年に渋谷にあった今は亡き渋谷東急文化会館マルチスクリーン劇場 E-Fieldにて期間限定で上映されたプラネタリウムを使った全天周囲型のガンダムのアニメ映画作品。
モビルスーツのコクピットに搭載されている全天周囲モニターを再現したような迫力ある映像が全天面スクリーンに映し出され、MSに搭乗して宇宙を飛び回っているかのような臨場感が味わえる。
全天面スクリーンの特性を活かして、メイン映像とは別に左右にサブモニターと言う形で別の映像を表示する3画面同時進行で話が進む。デジタルセルアニメーションや3DCGなど、製作当時の最新技術を駆使した実験的作品でもある。
企画・製作は当然のごとくサンライズが担当しており設定は『機動戦士Ζガンダム』の外伝的作品だが、内容自体は子供向けの宇宙や地球をテーマとした科学教育プログラムとしての色合いが濃く、現役宇宙機エンジニアの野田篤司に協力をあおぐなど、科学考証に力を入れている作品である。
渋谷での上映期間が終了した後はプラネタリウムなどの全天面スクリーンを装備している会場で、また70mm 15Pフィルムにテレシネされて各地で期間限定上映されるようになった。また富士急ハイランドのGUNDAM_THE_RIDEでも余剰スペースを利用して公開された事があった。
ストーリー
宇宙世紀0087年12月。地球連邦内部組織であるエゥーゴとティターンズの戦いグリプス戦役が繰り広げられている時代。
地球軌道上に航行していた定期旅客船プロスペローがエゥーゴとティターンズの戦闘に巻き込まれ遭難してしまう。大気圏に落下していく船に取り残されてしまったブリッグス姉弟は、様々な困難を乗り越えながら離脱用カプセルで脱出する事になる。年端もゆかぬ二人は大気圏突入を行う。
この事態にエゥーゴとティターンズ、連邦軍は組織の垣根を越えて遭難者の救出に乗り出そうとしていた・・・
登場人物
- アサギ・ブリッグス
CV:長沢美樹
15歳の少女。気丈な性格で動物のマスコット人形を持つ。
- タクヤ・ブリッグス
CV:永澤菜教
10歳のやや弱気な少年。アサギの弟。
- ジムⅡのパイロット
CV:福山潤
エゥーゴ所属のジムⅡのパイロット。プロスペロー号に取り残されたブリッグス姉弟と接触回線で連絡を取り合い、居住ブロックへ誘導する。
声だけで姿も顔も全くわからなかったがジャック・ベアードではないかと言われる。
- Zガンダムのパイロット
CV:古谷徹
ブリッグス姉弟の乗ったカプセルを救出しに来たZガンダムのパイロット。所属はカラバであるようだ。
声からしてあの男ではないかと言われている。
登場メカ
- 大型旅客船プロスペロー
ファールナ・エアロスペースラインの宇宙旅客船。全長約150mで地球周回軌道から月までを往復する。
シャトルの接舷設備や遠心力によって重力を発生させる居住ブロックも設備されている。離脱用カプセル「エアリアル」も収納されている。
ティターンズの機体が軌道上でプロスペローを敵機と誤認し攻撃した。今回の事件の元凶。
- ジムⅡ(エゥーゴ所属機)
中破した状態で登場。ハイザック撃破後に居住ブロックの支持アームをビームライフルで破壊、ブロック自身の遠心力を利用し落下軌道から逸らしブリッグス姉弟を見送った。
白と紫のZガンダム。カラバ所属機。高高度迎撃用のオプションブースターが装備されている。切り離せずパラシュート展開失敗やダッチロールなどコントロールを失う原因になったエアリアルの接続アームをビームサーベルで切り飛ばした直後、前方へ回り逆噴射で減速を図る。後にGUNDAM_EVOLVE』にも登場している。
部隊カラーのダークブルーで塗装されたティターンズ所属機。MA形態のみの登場。サーチライトでエアリアルを照らしΖガンダムの救助活動をサポートした。
地球連邦軍第91救助隊所属。エアリアルを回収するために出撃した。かつてのジオンのガウの意匠を持ちつつも形状はガルダに似ている。
- ジムⅡ(地球連邦所属機)
ガウ改の艦載機。3機が機上で待ち構え折り重なるようにエアリアルとΖガンダムを受け止めた。
関連タグ
GUNDAM_THE_RIDE:同じくガンダム映像アトラクション。