概要
2024年に日本のゲーム会社「ゲームフリーク」にサイバー攻撃が仕掛けられ、個人情報やゲームの開発資料等の機密情報が盗み出された事件。
世界的な人気を誇る「ポケットモンスター」に関する情報が流出したこともあって、世界中でも大きな話題となった。
海外では「Geme Freak Teraleak」「Pokemon Teraleak」等の呼称が使われている。
事件発生の経緯
2024年8月、ゲームフリークは同社内のネットワークにて第三者による不正アクセスを確認した。
2ヶ月後の10月10日に公式HPにて声明が発表され、それによれば退職者や元従業者を含む社員の氏名や社用メールアドレス等の個人情報2606件が漏洩したことが確認されたという(同時に、サーバーの再構築・再点検は既に実施済みであることも発表した)。
しかし、問題はそれだけでは終わらず、声明が発表された3日後の10月13日、海外を拠点とするとあるリーカーが『ポケットモンスター』シリーズに関するTB(テラバイト)単位の社内資料(これが“Tera leak”の名前の由来となっている)をリークしたことを発表、それ以降およそ1週間に渡り入手したポケモンのリーク情報を自身のアカウントおよびWEBサイト上に投稿し続ける事態となっている。
現状、ゲームフリーク側は個人情報の漏洩については認めているものの、社内資料の流出に関してはまったく反応を示しておらず、被害届を出したのか、水面下で法的措置に向けた準備をしているのかなどについても一切の動向が掴めていない。もっとも、迂闊に反応してしまえば、ゲームの開発資料が流出したことを事実上公認してしまうことになり、企業としての信用を大きく損ねることになりかねないので、対応しようにもできないのはではないか?という見方もある。
また、意外なことに犯人側から身代金を要求されたということもなく、リーカーも一通り情報を公開した後はそれ以上活動を広げる様子は確認できていない。このことから、犯人側は最初から金銭目的ではなくポケモンに関する未公開情報を入手し、それを世界中に公開したいという歪んだ好奇心と自己顕示欲から犯行に至った可能性が高いと考えられている。
事件の影響
この事件に関しては個人情報の流出は勿論、膨大な量の社内資料が流出したため、多方面に少なからず影響が出始めている。
- ゲームフリークの信用問題
当然と言えば当然だが、不正アクセスは加害者側が100%悪く、今回情報を盗まれたゲームフリーク側は完全な被害者であるわけだが、信用第一のビジネスの世界ではそういった理屈が通らないのも事実である。今回、不正アクセスをまんまと許してしまった挙句、大量の機密資料を盗み出されてしまったことで、ゲームフリーク側への社会的な信用が大幅に低下してしまったことは否めないだろう。
現在流出している資料の中には、作品の世界観設定やキャラクター設定の原案と思われるものもあり、その中にはCERO-A作品として展開しているポケモンシリーズにはそぐわない様な生々しいものや、キャラクターに対する印象や見方を180°変えてしまいかねないようなものも含まれている。
特にこのポケモンとこのトレーナーはその弊害をもろに受け、現在深刻なミーム汚染に晒されてしまっており、これらのキャラクターに思い入れのあるファンからは、こうした事態を招いてしまったゲームフリーク側を批判する意見も見られる。
今回流出した資料の中には、ゲーム作品に関するものだけではなく、アニメ作品に関する資料も含まれていた。
その中にはレギュラーとして収録に臨んでいた声優に関するものもあり、それがきっかけであらぬ誤解が広まりかけたため、当事者の1人が自身のSNS上でそのことを否定しなければならなくなる事態となった(リンク)。
- 新作およびスイッチ後継機に関する情報が流出した可能性も
今回流出した情報について、リーカーは最新作『LEGENDS Z-A』および今後展開予定の新作や未だ詳細が不明なニンテンドースイッチの後継機に関する内容も含まれていたとしている。
事実だとすれば由々しき事態であるが、今のところは断片的な情報がいくつか出ている程度で、不幸中の幸いと言うべきか、核心的な情報は出てきていない。『Z-A』については、「ほぼ完成したマスターデータを入手し、それを数名の仲間に譲った」としているが、譲られたと主張する人物は「とても面白かった」という感想以外はゲームの詳細については触れておらず、リーカー側も「『Z-A』並びにその他の新作について多くを公表することを控える」とする声明を出しているため、ファンの間では「本当に新作に関するデータを入手できたのか?」と発言の信憑性を疑問視する意見も出ている。
これに関しては、ゲームフリーク側からの法的措置を恐れて公開を控えている、発売前に詳細を公表してしまうことで製品の発売延期(最悪の場合は発売中止)等の事態に発展してしまうことを危惧している等の見方がある(もし、そんなことになれば製作側と世界中のファンの両方を敵に回すことになってしまうため、さすがの犯人側もそのような圧倒的に不利な事態に陥ることだけは絶対に避けたかったのであろう)。
最後に
今回、公開されているリーク情報は不正な手段で入手されたものです。目にしてしまった場合でも、リポストする等して拡散するのは絶対にやめましょう。今後ゲームフリーク側からハッカーおよびリーカーと共に法的措置の対象にされる可能性があります。
関連項目
関連事象
- 東映アニメ不正アクセス事件
- KADOKAWAグループへのサイバー攻撃事件
- パルワールド炎上騒動:発生時期が近かったことから関連が疑われたことがある。