「ハハハ…破壊と殺戮はギャングの嗜み。楽しませてもらうぜ!」
「あぁ、思い出しだぞ、お巡り。相変わらず役立たずだなぁ?」
概要
強力な音波を放って大規模な破壊活動を行っていたギャングラー怪人。
複数の白い毛玉が合わさってできたニワトリに似た姿で、頭部には赤いトサカが複数付いており、背中には翼の意匠がある。
非常に長い指を持つ左手から斬撃を放つ事ができ、ギザギザした刃先を持つ短剣を用いて戦う。
口から放つ音波攻撃を得意としており、自身が所有するメガホンのルパンコレクション「トップに叫べ~Crier vers le haut~」の力で音波を増幅させ、広範囲の対象に強力な音波を浴びせる事が可能。
ルパンコレクションを収める金庫は腹部にあり、暗証番号は「329」。
コレクションの力もあって自身がギャングラーの後継者になる事に絶対の自信を持ち、その為なら相手の過去を平気でなじって調子を狂わせ、邪魔をする者を容赦無く暴力で叩きのめし、どんな手段を使おうとも厭わない悪辣かつ粗暴な性格。
パトレン1号こと朝加圭一郎と面識があり、圭一郎はゾニックの姿を見るや我を忘れ、周りの制止も聞かずに単独で倒そうとするなど、どうやら彼の因縁の相手のようだが…。
活躍
パトレンジャーが結成された当時、何処かの地下で潜伏していた所、圭一郎と明神つかさ、かつての2号の悟が現れる。しかし当時のパトレンジャーはギャングラーに対抗できる力を持っていなかった為に彼らを圧倒し、戦いの末に悟を瓦礫の下敷きにして逃走。
悟は何とか一命は取り留めるものも、自分のせいで悟は重傷を負ってしまったと責める圭一郎はその事で深い影を落とす事に。
しばらくした後、ギャングラーの後継者になるべく人間界で破壊活動をしていた所、通報を聴いて駆けつけたパトレンジャー3人とノエルがその場へと駆けつけて警察チェンジし交戦するも、彼の姿を見た圭一郎は目の色を変え、いつもより荒々しい戦い方でゾニックを倒そうとする。
ノエルはパトレンエックスからルパンエックスに快盗チェンジし、ゾニックの金庫にバックルを当てて解錠しようとしたが、ゾニックを倒す事に周りが見えなくなった1号がルパンエックスごと蹴り飛ばし、隙を見せたエックスに向かってゾニックは斬撃を食らわして彼のバックルを破壊する。
その1号の様子を見て彼のことを思い出したゾニックは彼を挑発。圭一郎はギャングラーを倒せる装備を身に付けている為過去の自分とは違うと3号の制止を振り切り攻撃を仕掛けようとするも、ゾニックは音波攻撃で4人に反撃。
「俺もあの時とは違うんだよ。そんなメットで俺の音波攻撃を防げると思うな?」と音波攻撃を受けて悶える1号を挑発して蹴りを食らわし斬撃で1号を攻め立てて圧倒。「たいした事ねぇな。また今度遊んでやるぜ」と捨て台詞を吐いてその場を去った。
その後、人間界に再度現れて「俺がギャングラーの頂点に立つのも時間の問題だな!」と自信満々に破壊活動を再開していた所、咲也の提案でその音波を遮断するヘッドホンをつけた2号と3号が駆け付けてゾニックの放つ音波を無効化してゾニックを攻めるも、余裕なゾニックはコレクションの力で増幅させてより強力な音波を放ってヘッドホンを破壊し、2人を変身解除に追い込む。
音波攻撃で身動きが取れないのを良い事に生身のつかさを投げ飛ばし、「いい加減が諦めろ!! 俺に対抗できる力など、お前達人間が無いんだよっ‼︎」と罵詈雑言を吐いて蹴り続け、圭一郎達の想いを無駄にしまいとしがみ付く咲也を叩きのめして「見上げた根性だが、根性は武器にはならんぞ⁉︎」と咲也の思いを踏み躙り首を掴んで絞殺しようとするも、遅れて駆けつけた圭一郎に妨害されて吹っ飛ばされてしまう。
怒ったゾニックは再度コレクションの力で増幅させた音波を放つも咄嗟に圭一郎はパトメガボーと悟の形見のレコーダーを取り出してゾニックの音波をレコーダーの音で相殺、ゾニックの音波攻撃を逆位相で封じ込める事に成功する。
これでゾニックを倒す事が出来るようになった3人は再度パトレンジャーに警察チェンジ。
ゾニックは短剣でVSチェンジャーの銃撃を弾き返すも、1号と2号の連携で先程とは一転して追い込まれて転倒、1号がトドメを刺そうと二丁のパトメガボーで振りかざすも、ルパンエックスがそれを制止しサイクロンダイヤルファイターを金庫に当てて解錠、コレクションを盗られてしまう。
もはや手加減なしとパトレンジャー3人のチームワークから繰り出される攻撃に「俺が…この俺が警察如きに…!」と追い込まれた事を信じられないでいたが、最期は3人が放つ「ダメ!ゼッタイ斬り」を叩き込まれて爆散、金庫も跡形もなく破壊された。
その後、ノエルが回収したコレクションはビストロ・ジュレで働く魁利に手渡された。
そして圭一郎に褒められた事を初美花に自慢する咲也の様子を見て、微笑んだ表情でそこを後にする悟の姿があった。
余談
名前は「ソニック」と「ブルース・リー」を掛け合わせたものと思われる。
ギャングラー共通の骨の意匠は顔。
ルパンコレクションのモチーフは『忍風戦隊ハリケンジャー』のソニックメガホン。
暗証番号はそのまま「ゾニック」の語呂合わせだろう。
ニワトリがモチーフの戦隊怪人は珍しく、『激走戦隊カーレンジャー』のニワトリゴロツキや『烈車戦隊トッキュウジャー』のウィッグシャドーと数えるほどしかいない。
スーツはアニダラ・マキシモフの改造。上半身は別物に代わっているが腹部から下はそのままの形で流用されリペイントされている。
本作登場の後、頭部の変更とリペイントを施されピョードルのスーツに改造されている。その為か、作中ではゾニックとピョードルが同族であることを示唆するセリフがある。
武器である短剣は『轟轟戦隊ボウケンジャー』に登場した竜人兵ジャリュウが持っていた剣をそのまま流用した物。
声を演じる志村氏は『烈車戦隊トッキュウジャー』のサーベルシャドー以来4年ぶりの出演となり、後に『王様戦隊キングオージャー』でデズナラク8世を演じることとなる。