「集いし絆が更なる力を紡ぎだす」
「光さす道となれ!シンクロ召喚!」
「轟け、ターボ・ウォリアー!」
概要
アニメ「遊戯王5D's」で、不動遊星が使用したシンクロモンスター。
OCGでは「CROSSROADS OF CHAOS」において、ブラック・ローズ・ドラゴン等と共に登場した。
効果テキスト
シンクロ・効果モンスター
星6/風属性/戦士族/攻2500/守1500
「ターボ・シンクロン」+チューナー以外のモンスター1体以上
レベル6以上のシンクロモンスターを攻撃対象としたこのカードの攻撃宣言時、
攻撃対象モンスターの攻撃力をダメージステップ終了時まで半分にする。
フィールド上のこのカードはレベル6以下の効果モンスターの効果の対象にならない。
解説
効果は中々優秀な物を持っており、高攻撃力のシンクロモンスターでも戦闘破壊が可能となる。
レベル6以上ともなればこのカード以上の攻撃力を持つシンクロモンスターも数多く存在するため、それらのモンスターを一方的に殴り倒せるのは有用と言える。
後半の効果も意外と役に立つ。
有名なカードだけ見ても、エフェクト・ヴェーラーに効果を無効化されず、帝の効果で除去もされないため、このカードの耐性は意外に堅い。
今は禁止カードだが氷結界の龍ブリューナクにもバウンスされないため、このカードを出されれば対処は一筋縄ではいかないだろう。
という評価だったのも今は昔。
現在ではエクシーズモンスターが幅を利かせており、レベルを持たずシンクロでもないエクシーズモンスターを前にしては、このカードはバニラ同然。
しかも、エクシーズには2500という数値も倍加して抜き去る有用なSNo.39希望皇ホープ・ザ・ライトニングがレベル4のデッキなら確実に搭載されているという程の採用率を誇っていたパワーカードがあるうえ、近年ではエクシーズとは別にリンクモンスターという、レベルを持たないカード群も登場している。
一応、このカードの効果への対応が難しいカテゴリーもあるにはあるが、このカードの耐性が活きる場面は少なく、残念ながら現在ではあまり有用なカードとは言えない。
時の流れとは残酷なものである。
しかし、エクシーズモンスターが登場する前なら活躍していたかと言えば、実はそうでもない。
このカードの指定チューナーはターボ・シンクロンというカードなのだが、これがまた扱いづらいカードだったのである。
自身の効果でモンスターを展開できるとはいえ、そのために少なくない戦闘ダメージを受けるのも割に合わない。
その上ターボ・シンクロンは攻守ともに非常に低く、戦力としては一切期待できないモンスターである。
このカード自身の効果は強力なものの、わざわざダメージを負ってまで出すかと言われると……という感じで、登場当初からこのカードの総合的な評価はあまり高くなかった。
その後、シンクロンチューナーの代用に出来るクイック・シンクロンが登場。
これでこのカードも日の目を見るかと思いきや、そうは問屋が卸さなかった。
何故なら、同じレベルのいわゆる「ウォリアー」軍団には、【ジャンクドッペル】などで名を馳せたドリル・ウォリアーが存在していたためである。
一般的にみてあちらの方が汎用性は高いため、このカードはドリル・ウォリアーが除去された後の2番手扱いを受ける事も多かった。
しかもそれならまだ良い方で、限界一杯までシンクロモンスターが入るようなデッキの場合そもそもエクストラデッキに入らない事すら少なくなかった。
最初から不憫な状態で登場し、世代交代してからはさらに評価が落ちてしまったという、優秀な効果の割には哀れな末路をたどったカードである……。
が、このカードの秘めたるポテンシャルを評価したデュエリストは確実に存在していた。
その最たる例が、2010年の世界大会を制したパナマ代表のガリレオ・デオバルディア君である。
彼のデッキはいわゆる「ガエル1キル」であり、メインデッキには一切罠カードが入ってないという、徹底的に1キルを意識したデッキなのだが……。
そんな彼のエクストラデッキには、ドリル・ウォリアーを差し置いてこのカードが採用されていたのである。
クイック・シンクロンはサイドデッキに入っていたためあくまで予備軍扱いだったとはいえ、世界の頂点に立ったデュエリストに使用されたという事実は覆せない。
世界の頂点に立つ者の一人となったこのカードを、一度使ってみるのも悪くないのではないだろうか。
無論、今のガチ環境に行くとなるとこのカードでは力不足感が否めないので、そのあたりは注意が必要である。
アニメでの扱い
アニメ「遊戯王5D's」では、このカードの登場回数もそこそこ多かった。
このカードの初登場はVS牛尾(3戦目)。罠カード緊急同調によってシンクロ召喚され、更にシンクロ・ストライクで攻撃力4500にまで強化され、ゴヨウ・ガーディアンを戦闘破壊しフィニッシャーとなった。
その後もちょくちょく召喚されては、相手のエースモンスターを戦闘破壊するなど現実とは真逆の大活躍を見せていた。
なお、遊星の発言から、アニメでは現実とは若干効果が違っていると思われる。
アニメ版での効果を推測すると、以下の点が違っている。
現実のものと比べると大分強化されている。現実でもこの効果なら……。
と、アニメでは優遇されているように見えるこのカードだが、実はストーリーの重要な部分でとんでもない冷遇を受けていた。
作中で遊星が機皇帝の持つアンチシンクロモンスターな効果にどう対処するか、という点で苦悩する場面があり、効果モンスターのバックアップ・ウォリアーを使ってジャックにいろいろ言われたり、融合モンスターである波動竜騎士ドラゴエクィテスに頼ったり、紆余曲折の結果、クリアマインドの境地に至り、シューティング・スター・ドラゴンの力を得てプラシドの機皇帝ワイゼル∞を打ち破る……のだが、その途中視聴者には幾度となくこう突っ込まれていた。
「ターボウォリアー使えよ」と。
改めてこのカードのテキストを見直してみよう。
テキスト
シンクロ・効果モンスター
星6/風属性/戦士族/攻2500/守1500
「ターボ・シンクロン」+チューナー以外のモンスター1体以上
レベル6以上のシンクロモンスターを攻撃対象としたこのカードの攻撃宣言時、
攻撃対象モンスターの攻撃力をダメージステップ終了時まで半分にする。
フィールド上のこのカードはレベル6以下の効果モンスターの効果の対象にならない。
解説
そう、このカードはさりげなく機皇帝の持つシンクロモンスター吸収効果に対してほぼ完全な耐性を持っていたのである。
アニメ版の機皇帝は他のパーツを除去すれば本体の攻撃力も下がる上、機皇帝ワイゼル∞の基本攻撃力はターボ・ウォリアーと同じ2500。
つまり、わざわざ発音しづらい名前の融合モンスターを使ったり、明鏡止水の境地に至ったりしなくても、このカード一枚出しておけば少なくともワイゼルは完封できていたのである。
もしかしたら相討ちにされたかもしれないが、それならそれで他のモンスターで攻める事も出来るし、普段採用しているシンクロサポートも使えたのだが……
まあ展開の都合とか新しいエースの登場とか場面を盛り上げるためには仕方なかったんだろう。
ターボは犠牲になったのだ……。
ちなみに、タッグフォースシリーズにおいてもこのカードは微妙に冷遇されている。
というのも、タッグフォース5では彼だけ専用のシンクロ口上が無かったのである。何故だ。
次回作の6ではちゃんと収録されているのに、何故彼だけ収録されなかったのか。
しかも5の時点で集いし絆が更なる力を紡ぎだす。光さす道となれ!という彼の口上の前半部が遊星の汎用シンクロ口上として収録されていたのにもかかわらずである。
……謎である。
攻撃名「アクセル・スラッシュ」
攻撃力減少の効果名「ハイレート・パワー」
関連タグ
遊戯王OCG 遊戯王5D's シンクロモンスター 戦士族 不動遊星