概要
宇蟲王ダグデド・ドゥジャルダン一味の本拠地。正式な名称は不明。
宇宙空間が広めの一室に再構成された様な、無限の広がりを狭い空間に閉じ込めた矛盾を感じる雰囲気が特徴。部屋内にはダグデドの玉座代わりになったブランコや雲梯、滑り台にジャングルジムという公園の遊具、カードゲーム等の玩具類といった家財道具が背景の銀河へ半ば溶け込む様に配置され、ダグデドと宇蟲五道化がこれで戯れている。
一方、部屋に散らばっているカラフルな小さい球体は実際に宇宙空間を漂っている惑星らしく、ダグデド達の戯れに巻き込まれたりして玩ばれるが、無秩序に弾かれた際の衝撃等で惑星内に凄まじい災害が起こっているのが想像に難くない。
また惑星の中には、『コレクション』として琥珀で固められ飾られた物に、“お片付け遊び”のターゲットとしてケージに入れられた物もあって、王様戦隊らの住むチキューもケージ内に入れられている。
ダグデド曰く、部屋へ無秩序に散らばった惑星とそこに住む生命の数が増え過ぎた為部屋が散らかり出したらしく、整理すべく星ごと命の間引き=お片付けを始めたが、ただ淡々と片付けるのもつまらないと感じ間引く対象の星に存在する住人を玩んで滅ぼす遊びを思い付いたとの事。
この、遊びと称した侵略と暴挙によって母星を滅ぼされ、他の星=チキューに避難して以降も世代を跨ぎ悲劇に翻弄されたのがバグナラクであり、その余波でチキューもまた宇蟲王の干渉を長らく受け、多くの命が奪われて来た。
この部屋に居る際のダグデドは、惑星を指先で摘めるサイズに巨大化し、それこそチキューを指先だけで王様戦隊諸共捻り潰せてしまうスケール違いの超越者・上位存在と化す。しかしこの部屋へは五道化の面々、更にはチキュー人も入室可能の為、実際は入室した者を銀河系サイズに相似拡大させている力がこの部屋にあるとも考えられる。
一方、この部屋の主(事実上宇宙を思い通りに出来る存在)を名乗っているダグデドは「この部屋の外には何も無い」と断言し、部屋に溢れる惑星とその中にある生命を部屋の外に逃がすのではなく潰す、部屋の中で“お片付け”を完結させるやり方を選んでいる。
そもそも部屋に“外”があって、かつそこに何も無いなら部屋の外に星を放逐した方がお片付けの手段として遥かに簡単なのだが、それをせずこの部屋に居座るのへ拘る、ダグデドの行動規範には謎が残っていた。
最終話でのギラ達王様戦隊の発言からして、その実態はダグデドが宇宙の無限なる広がりに自らが飲まれるのを逃れるべく作った安全地帯兼「箱庭」と考えられる。
この“宇宙の無限”とは、明確な定義の不可能な無限に有り続ける情報・エネルギーとしか形容出来ぬ何かであり、その前には『宇宙一つ分』を思いのままにする力のあるダグデドすら矮小な存在「おツブ」にしかならない。当然これに飲まれれば存在すら呆気無く消え失せるだろうから、それに耐えるべく一つの宇宙を創造してそこにダグデドが収まった結果、彼の「部屋」としても宇宙が定義されたのがそもそもの始まりだろうか。
しかし、宇宙の無限を知りそれへ飲み込まれそうになったのが、ダグデドに自らが滅ぶかもしれない恐怖も根付かせたと思われ、いつしか自分を飲み込むかもしれない宇宙の無限=部屋の外と向き合って自己をより強く確立させる試練から逃げ、部屋の中で自分の強大さを誇示して悦に入る事へ溺れて行った様子。
更に部屋=自分が創造した宇宙の中で無数の小さな命が増え続けたのを知って、その小さな命を自分の力で踏み躙るやり方を誇示の手段とする事をダグデドが思い付いてしまい、それ以降この宇宙は『宇蟲王』を名乗る創造者の現実逃避目的で無数の命が遊び感覚で消し潰される、ダグデドの永遠の遊び場所である「箱庭」と化した、との推測が導ける。
あるいは、増え続ける小さな命に部屋が満たされ、いつしか自分が外(宇宙の無限)に押し出されるのを、ダグデドが無意識に恐れていた節もあるのかもしれない。
最終的に、王様戦隊らチキュー人が降臨させた超絶怒涛究極完全体キングオージャーが侵入し、本来のサイズのダグデドとの最終決戦の舞台となった。
両者のぶつかり合いの末、完全体キングオージャーの自壊を覚悟した渾身の一撃でダグデドが壁をぶち抜く形で部屋の外へ放り出され、長らく避けていた宇宙の無限を知覚させられる。この際に生じた亀裂から部屋に宇宙の無限が流れ込み、跡形も無く消失した様子。
そして、自分の部屋=自らの思い通りになる箱庭を失い、一方で宇宙の無限の中で己を保てる強さを育んでいなかったダグデドには、直前までお片付け遊びで滅ぼす為に執着していたチキューのシュゴッダムへ逃げ込むしか道は残されていなかった。
だが逃げた先でダグデドが助かる筈も無く、辛くも宇宙の無限より帰還した王様戦隊から断罪の一閃を浴び、曲がりなりにも宇宙の創造者であった経歴に反した卑小な生涯の幕引きと相成ったのだった。
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グリッドマンユニバース(宇宙):破壊と修復の力を持った存在が想像力と合体能力を果てしなく拡張、ヒーローとしての在り方(定義)を取り払われ無数のマルチバースを取り込んだ宇宙へと変容した。この宇宙を改めて一つの存在に再定義しようと向き合った人物は、「宇宙規模の膨大な情報に存在を飲まれてしまう」と警告されたのも承知で挑み、宇宙の外からの助けも借りて宇宙の収束を成功。新たな姿と力を持ったヒーローとして再定義・新生させた。
アンチスパイラル:歯止めの利かない進化による滅亡を恐れ、閉じた宇宙を創り出して滅びを永久に回避しようとした存在。『宇宙の無限なる広がりに向き合えなくなった』と言う意味では、宇宙に「部屋」の定義を与えそこに閉じ籠ったダグデドと似ているかもしれない。