「お気を付けください、国王陛下! そいつが、マグナスこそが……デルベンブロなのです!」
「……マグナス……貴様、絶対に怒らせてはならぬ人種だったか……」
(いずれもWeb版、書籍版、コミカライズ版共通)
概要
ラクスタ王国の近衛騎士隊長。
かつてはラクスタ王国への忠義厚く、理想に燃えていた正しい心を持つ騎士だったが、権力等に対する欲に目が眩み、デルベンブロのラクスタ王国侵略に手を貸す悪に堕ちた。
プロフィール
テンゼン=デルベンブロ
デルベンブロ本体がマグナスに討伐された後はデルベンブロの後を継ぐようにユージンを唆してデルベンブロ討伐を祝う晩餐会の時に国家転覆のため行動に移し、マグナスと対峙した時に魔物に変貌した肉体を自分の本性と共に晒した。
第1章のもう一体の大ボスであり、こちらもレベルは40で、その姿は身長は4mを超え腹回りも同様。イボだらけの丸い胴体に不釣り合いなほど短い手足を持つ、醜悪極まるボスモンスターと化し、その両拳が異様に巨大なのがデルベンブロの特徴を踏襲している。
作中ではユージンと共にマグナスと交戦後、マグナスが斃して《屍竜の王錫》で使役した“アンデッド・デルベンブロ”との一騎打ちとなり、最期はマグナスの合体魔法『フレアバースト』によってアンデッド・デルベンブロ共々跡形もなく消滅した(マグナス曰く「(デルベンブロ)自身の悪行の清算」との事)。
所持スキル
- フィストショック
超高レベルの「武道家」が習得できる秘奥義『百歩神拳』の更に上位スキル。
- フィストブロー
デルベンブロが使用するものと同名の技だが、テンゼンの場合は腕が分離されてないので拳からそのまま衝撃波を発射する技となっている。
装備
- 歴戦のフレイムソード
彼が権力欲に目が眩んでいない頃にバゼルフに依頼して発注してもらった剣。
ユージンのフレイムソードと違ってこちらはきちんと銘が刻まれている。
作中ではデルベンブロとの戦いで持っていたフレイムソードが折れていたユージンに貸し与えるが、最終的にテンゼン自身が斃された事で、結果的にだがそのまま借りパクされる形となった。
- 近衛騎士の甲冑
彼が装備していた甲冑。
作中では魔物としての正体を現した際に弾け飛んだので、マグナスとの戦闘では鎧としての防御性能を発揮する事は無かったが、その正体をさらす直前にマグナスのサンダーⅣの直撃を受けても焦げて変色した程度で変形することなく原型を留めていたため防御力(特に魔法攻撃に対して)はそれなりに高かったと思われる。
ドロップアイテム
- 天界の宝石:赤青
魔拳将軍デルベンブロの力を受け継いだ魔物を斃してドロップするアイテムで、ルビーとサファイアが混ざった宝石。使用すると『魔嵐将軍ジャムイタンや、その力を受け継いだ者の力を弱め、正体を暴く効果』を発揮する。
関係者
魔王軍
魔王モルルファイに仕える幹部『八魔将』の一人。
権力欲に目が眩み、国を裏切って彼に魂を売り、テンゼン自身の部下である騎士も魔物にした。
その後、マグナスが《屍竜の王錫》で彼をアンデッド化させて使役した“アンデッド・デルベンブロ”と、彼に魂を売った自分自身が戦うと言う皮肉な展開となった。
協力者
〈運命の神霊タイゴン〉のお告げを受けて魔王モルルファイ討伐の運命を背負う勇者。
だが、戦闘能力はそれに見合っておらず性根は最低最悪の悪徳勇者そのもので、マグナスへの対抗心からデルベンブロ討伐に挑むも手負いになるとミシャとニャーコを見捨てて敗走する事になり、その後テンゼンの『ラクスタ王国の侵略に手を貸せばお前の憎い相手であるマグナスの抹殺に助力し、侵略したラクスタ王国の領土の半分も差し出す』という誘いを受けて魔王軍について、テンゼンのラクスタ王国の国家転覆に助力する。
しかし、デルベンブロと結託し異形の怪物と化す事に一切の躊躇いを見せない程にまで欲深いテンゼンが他人に、それも自分より格下のユージンにラクスタの領土を渡すとは到底考えられない為、恐らくはユージンの事はデルベンブロを撃破した要注意人物であるマグナスの排除の為の即戦力としか見ておらず、用済みとなれば(「天命未だ尽きず」のスキルが有る為、完全に無力化する事は可能だが殺す事は出来ないので)水牢にて永久幽閉するか、全身をバラバラにした後で生き埋めにするか、マジックアイテムで封印するか、記憶を消す等で始末していた可能性が高い。
〈運命の神霊タイゴン〉を祀って信仰する教会に属する女僧侶。
物事の善悪よりも『タイゴンが選んだ勇者の味方をする事が絶対』という思考回路の持ち主である為、ユージンがテンゼンの国家転覆に助力した際はそのままユージンに味方した。
挑戦者
『勇者に替わって魔王モルルファイを討伐して世界を救う』という使命を持つ魔法使い。
その一環でデルベンブロを討伐した彼に『マグナスはデルベンブロが化けた仮の姿だ』と言いがかりをつけるも、攻略本から介した情報で自身の悪巧みは全て把握されており、逆に自身の正体を暴かれてしまった事で、彼と戦うことになる。
ちなみに記事冒頭の2つ目の台詞は彼の最愛の女性であるアリアの命を危険に晒したユージンに激昂したマグナスがアンデッド・デルベンブロを使役してユージンに残酷無慈悲極まる徹底攻撃を仕掛けた様子に戦慄して発したセリフである。
その他関係者
王都ラクスティアに店を構える名工のドワーフ。
テンゼンが落ちぶれる前の若くて地位も低く、しかしラクスタ王国への忠義に厚く理想に燃えていた彼の騎士の誠心に心打たれて彼のために『歴戦のフレイムソード』を鍛造したのだが、『悪を助ける力として使用される』『それも自身に理不尽な暴力を加えてきたユージンの手に渡ってしまう』という皮肉な結果となってしまった。
余談
モデルになったのかどうかは不明だが、コミカライズ版では風貌と名前がとある忍者漫画の登場人物に何処と無く似ている。