概要
現役時代は無敗で、引退後は1947年・1949年にイギリスとアイルランドのリーディングサイアーとなった。直系子孫は世界のサラブレッドの約半数を占める。
プロフィール
父・ファロスは競走馬としての成績はそれほどでもなかったが、産駒が4ヶ国のダービーを制するなど種牡馬として成功した。
母・ノガラは現役成績18戦14勝で、多くの大レースに勝利した名牝。繁殖入りして産んだ仔が全てが勝ち上がっており、ニコロデラルカ、ネルヴェサ等を輩出。
母父・アヴルサックはラブレーの仔で、フランスで生まれてイタリアで競走生活を送り14戦9勝の成績を残したが、種牡馬としては10度のイタリアリーディングサイアーを獲得するなど空前の成功をおさめた。カヴァリエレダルピーノの子孫から出現したリボーにより現在に系統を残している。
馬産家フェデリコ・テシオは現代のサラブレッドに欠かせない血統を持つ馬を多数生産したが、その代表といえる一頭である。
競走馬時代
1937年にデビュー。連勝を続け、翌1938年にはイタリアのクラシックを尽く勝利。ミラノ大賞典では古馬混合ながら勝利を収めると、次走のパリ大賞典で英ダービー馬や、仏ダービー馬らを相手に勝利した。
この後、マーティン・ベンソンに売却されたものの、今後の種牡馬の評価を考え引退した。
生涯成績14戦14勝。この時点で競走馬としては一流だったが、彼の真骨頂はここからであった。
種牡馬時代
競走馬引退後、イギリスで種牡馬入り。当時はハイペリオン、フェアウェイ等の大種牡馬がいたが、英愛リーディングサイアーを3年連続で獲得した。
1957年、22歳で亡くなった。しかし、彼の死後、彼の血統は急速に世界中に広がることになる。
代表産駒
下記に書かれる3頭が代表産駒。しかし、この3頭だけで現代のサラブレッドの血統をほぼ全て説明できる程の影響力を与えている。
ナスルーラ
産駒ボールドルーラーからセクレタリアト、シアトルスルーを輩出。セクレタリアトはストームキャットの母父。シアトルスルーはその産駒エーピーインディ(この馬も母父セクレタリアト)からのラインが現在でも繋がっている。
欧州ではグレイソヴリン、ミルリーフ等が代表。グレイソヴリン系からは日本でも馴染みのあるトニービンがいる。また、プリンスリーギフト系からはテスコボーイがサクラユタカオーを通じてラインが現存している。
ロイヤルチャージャー
種牡馬として他2頭と比べるとそこまでの実績は無いが、彼を4代父にもつ馬にサンデーサイレンス、ブライアンズタイムが存在する。この2頭はどちらも日本で活躍し、また上記2頭の父ヘイロー、ロベルトの産駒も日本で活躍。さらに、ロイヤルチャージャーからのラインとは別にサートリストラムがオセアニアで大活躍している。
ニアークティック
4歳にカナダの年度代表馬に選出されるなど、競走馬としても成功したが、彼の最大の功績は産駒にノーザンダンサーを輩出したことである。詳しくは当該記事を参照して欲しいが、現在、後継種牡馬が数え切れないくらいのレベルで存在している。また、これとは別に英2000ギニーなどマイルで活躍したノノアルコから、ヒシアマゾンの母ケイティーズ、ダイユウサクなど、アイスカペイドから、種牡馬として成功したワイルドアゲインなど、ノーザンダンサー以外にも種牡馬として成功している馬はいる。
この3頭の影響力から、現代の競走馬にネアルコを血統表に持たない馬は存在しないのではないかと言われるほどの影響力を持っている。もちろん、この3頭以外にもモンズーンがドイツで活躍しており、彼の血統は世界中で活躍し続けている。
直系でないとしても
このネアルコの直系子孫に対抗できる存在はミスタープロスペクター系ぐらいだが、そのミスタープロスペクターの母の父がナシュアと言うナスルーラの息子であり、要するにミスタープロスペクターはネアルコの玄孫と言う事になる。またシンボリルドルフの母の父スピードシンボリの祖父はロイヤルチャージャーであり、ネアルコの末裔である事に変わりはない。