登場人物
主要登場人物
祀られる社もないマイナーで無名な自称神。
武神だが、八百万の神の中でも末端の末端の存在。
神器の名前には「音」の一文字を入れる。
かつては人斬りも行っており、禍事を好む卑しい禍津神として知られていた。
客に覚えてもらうため、現在は黒いジャージ姿で、首に手拭いをまくという服装(本人曰く「ゆるふわ」)で統一しているが、売り方にブレがあったらしく頻繁に装いを変えているらしい。
布教活動として、至る所に困っている人にしか番号が見えないようにして、自分の携帯電話の番号を書いている。
なぜか女子力が妙に高い。
依頼の際は、前金(賽銭)として必ず(「御縁」に通じる)5円を要求する。雪音からは「値上げしろ」と言われているが、応じる考えはないらしい。
ひよりに小さな社を作ってもらったことで正式な神として認められ(それまではあくまで「自称」神だった)高天原に2坪6.6平米の土地を手に入れた。
出自は不明だが、父親がいるらしい。
良家の令嬢で15歳の中学3年生→高校1年生。
隠れ格闘技好きで、蟷野(CV: 高橋伸也)のファン。
年の離れた兄がいる。
依頼で探していた猫を追って道路に飛び出した夜トを助けようとして自分がバスにひかれてしまい、幸い命に別状はなかったものの、半妖となり、魂が抜けやすい生霊として中途半端な狭間の存在になってしまった(夜ト曰く「体をよく落とす」)。
この体質を治してもらうよう夜トに依頼し、何かと夜トに付きまとうようになる。
必殺技はジャングル・ソバット。
夜トのために手のひらサイズの小さなお社を作った。
夜トの神器で名は「雪」。
14歳で死んだ少年。
神器としての形状は白銀の刀で、柄を布で覆っている。
生前の記憶はないが、父親で苦労していたらしい。
死んでいる自分には生きている人間が持っているものが何もないことを悲しみ、自分の姿が人から見えにくいのをいいことに、魔が差して盗みなどを繰り返してしまう。
悪事を働くたびに夜トを刺し、ついには妖に転じかけるが、禊を受ける中で夜トからの「人として生きろ」という言葉を受け自分の罪を吐き出し、以降は生意気で反抗的な性格から素直な性格になる。
今まで盗んだ分の金を返すため、大黒の許で働き始める。
また、皆と同じことがしたいという理由で、ひよりに中学校の勉強を習い始める。
毘沙門戦で「祝の器」として覚醒し、新たに二刀一対の白銀の刀の姿となった。
神と神器
エビス小福とその神器
上記の名前は言わば源氏名で、本当の名は「貧乏神」で厄災しか引き起せない。
夜トの彼女ということらしいが、完全にたかられているような状態。
神や神器たちにあだ名をつけて呼ぶ(ひよりのことを「ひよりん」、雪音を「ユッキー」など)。
風穴が開く場所を予知できるが、彼女が示したことで風穴が開くともいえる。
1回の依頼料は500万円と法外な額。
他の神々からは「サゲマン」などと呼ばれて嫌われているが、本人はあまり気にしていない様子。
小福の唯一の神器で道標で名は「黒」。
強面で顎鬚、オールバックのいかつい外見だが、実は子供好き。
小福のことを「カミさん(神さん)」と呼ぶ。
神器としての形状は扇子。
一度使われると風穴が開き一気に時化り、辺り一帯の妖が増加する。
夜トの禊の際には、協力者を探して奔走した。
道標だが、自身が祝の器になると日本が壊滅する危険があることなどから今の状況でいいと考えている。
天神とその神器
天神(てんじん)/菅原道真(すがわらのみちざね) CV: 大川透
国に多くの系列神社を持つ、天満グループの長。
巫女装束の数多くの神器を持つ。
登場する際には、持ち歌の「東風吹かば~」の歌を詠む。
神器の名前には「喩」の一文字を入れる。
受験シーズンは多忙になるため、夜トに仕事を依頼することもある。
普段は温厚で好々爺然としているが、「三大怨霊」や「負け犬」、「左遷」と言われると激昂して雷を落とすことも。
画像右側。
天神につき従う女性。
神器ではなく、1000年以上前に左遷された道真を追って飛んで行った梅の木の精。
そのため木々と会話する能力を持っている。
かつて「伴音(ともね)」の名で夜トに仕えていた神器。「生理的に無理」という理由でたった3カ月で夜トの神器をやめている。現在の名は「真」。おかっぱの女性の姿で、伴音だった頃から和服を着ていた。伴器だった時は小さなナイフに変わったが、現在の神器としての姿は煙管。かつての縁から、夜トの禊に協力する。夜トのことについては悪い方ではないがろくでなしだと思っている。
毘沙門天とその神器
最強の武神で七福神の一柱。
神器からは「姉様」など、様々な呼び名で呼ばれている。
「歩く武器庫」と形容されるほど多くの神器で全身を武装しており、身に着けている物の一つ一つがすべて神器である。
現在の神器の名前には「巴」の一文字を入れる。
かつては「麻」の一族を率いていたが、ヤスミの亜種により堕ちてしまい互いに疑心暗鬼となって妖化した神器たちに取り込まれかける。
兆麻の依頼を受けた夜トが妖を皆殺しにしたことで一命を取り留めるが、自分の子供同然の神器たちを殺した夜トを恨み、執拗に追い回している。
大量の神器を抱えているため体への負担が大きく、今では沐浴では足りず薬漬けになってしまっている。
七福神の中では単独で目立たないことを気にしている。
毘沙門の神器で名は「兆」。
毘沙門のことを「ヴィーナ」と呼ぶ。
彼女の神器の中では最古参で、「麻」の一族唯一の生き残り。
神器としての形状は桜の花のピアス。
兆麻自身の戦闘能力は低いが、全ての神器を取りまとめ、個々の能力を最大限発揮(命中精度の修正、攻撃範囲の補佐など)させるなど、毘沙門の神器の中でも重要な役割を担っている。
その正確なナビゲートは「毘沙門を最強の武神たらしめる要因」と形容されるほどで、夜トも一目置いている。
雪音と同様「祝の器」。
かつて毘沙門が落ちた時、主を救うため夜トに魔に落ちた一族を殺してもらうよう依頼したため、彼に借りがある。
ひよりに頼まれ、仇でありながら恩人でもある夜トのために雪音の禊に協力する。
毘沙門の神器で名は「囷」。
ライオンの姿の騎獣となり、嗅覚によって敵を追跡する。
毘沙門のことを「お嬢」と呼ぶ。
夜トとの戦いで右目を負傷し、眼帯を付けている。
同じ神器の子供たちに懐かれている。
単行本巻末のオマケ漫画でネタにされることが多く、しばしば猫扱いされる。
毘沙門の神器で名は「陸」。
薬師として毘沙門が飲む薬の調合を行う。
神器としての形状は天秤。
当代の毘沙門が荒ぶる武神としての名跡を汚すという考えで毘沙門の代替わりを狙い、さらに次の毘沙門の道標となるべく、野良と手を組み暗躍する。
「陸」の名で縛ったにもかかわらず術が効かないことから、別に主を持っているとも考えられるが、身体に他の文字は見当たらないなど謎が多い。
毘沙門の神器で名は「紝」。
神器としての形状は長いムチ。
皆からは「お紝さん」と呼ばれている。
毘沙門の神器で名は「藍」。
神器としての形状は丈の長いスカート付きの西洋風の鎧。
高い防御力を誇り毘沙門の神衣として半世紀一線で戦っていたが、今では後輩である紹巴にその役をもっぱら奪われ高天原に居残りすることが多くなり、毘沙門の気を引こうとするもほとんど名を呼ばれなくなってしまったため、紹巴をいじめたことで魔が差してしまうが、陸巴の薬でごまかしている。
その薬のために陸巴の手先となるが、陸巴に利用されていたことを知り、兆麻とひよりを助け出す。
その後、禊に耐えて皆と和解した。
毘沙門の神器で名は「紹」。
新人だが、毘沙門が中つ国を訪れる際に連れて行くため、同じ神衣となる先輩の藍巴からいじめを受ける。
そのため当初はお団子ヘアーだったが、藍巴に髪を切られてしまう。
神器としての形状は裸ジャケット状の神衣。
毘沙門編後は、藍巴と和解し彼女の恋バナを聞いている。
毘沙門の神器で名は「秋」。
バーコード頭で丸眼鏡の小柄なおじさん。
神器としての形状は小刀。
囲碁が趣味。
嶺巴(みねは)
毘沙門の神器で名は「嶺」。
死霊となって妖に襲われていたところを毘沙門に救われ神器となる。
ただし、魂がそがれているため、まともな神器になることはできず、その形状も割れた鏡。
鈴巴(すずは)
毘沙門の神器で名は「鈴」。
園芸が趣味。
主の仇である夜トの存在を知らなかったため、雪音と友達になる。
自分のことが見える1人の女性に出会うが、狭間の存在であるが故に毎年出会っては忘れられてしまう。
その女性と春に桜を見る約束をしてから30年経っているが未だその約束は果たされていない。
毘沙門からも何年も名前を呼ばれておらず、その隙を陸巴につかれ面で操られた妖に殺されてしまう。
刈巴(かるは)
毘沙門の神器で名は「刈」。
神器としての形状は回転式拳銃。
高威力だが照準を合わせるのが苦手なので兆麻が零点規正(照準補正のようなもの)していた。
数巴(かずは)
毘沙門の神器で名は「数」。
神器としての形状は自動式拳銃。
刈巴と共に銃担当をしているが、彼女と同様の癖があるため、兆麻の補佐のおかげで一線で戦っている。
靫巴(ゆぎは)
毘沙門の神器で名は「靫」。
神器としての形状は片刃の大剣。
「線引き」が苦手で現世の物を斬りすぎてしまうため、兆麻が加減していた。
詢麻(とうま)
かつての毘沙門の神器「麻」の一族で名は「詢」。
神器としての形状は鍋蓋。
兆麻の指南役だった少女だが、毘沙門にヤスミが現れた際に当時の道司の対応を批判したことで真っ先に処刑されてしまった。
このことが、「麻」の一族が一線を越え魔に落ちるきっかけとなってしまう。
恵比寿とその神器
七福神の一柱。
神器の名前には「弥」の一文字を入れる。
正装は狩衣だが、商業の神であるため普段はリーマン風の服を着ている。
強運の福の神であるにもかかわらず代替わりが多いため、考え方が進んでいるとされる。
極度の運動音痴だが、釣りは得意で海が好き。
当代の恵比寿は野良を扱うことをいとわないなど神々の常識を外れた行動をとり、実際自らの屋敷にいる神器の半数以上が野良である。
また、この世で起こる災いの一部でも制御するべく面の妖を使役している。
巌弥(いわみ)
恵比寿の神器で道標。
代替わりの多い主に仕えているため、先代の主の遺志を引き継ぐことを目的としている。
邦弥(くにみ)
恵比寿の神器で名は「邦」。
素舞いを得意とする。
珍しい憑依型の神器で、極度の運動音痴である恵比寿に自分の動きを再現させることができる。
高弥(たかみ)
恵比寿の神器。
名は「高」だが、野良。
天により主と道司の居場所を言うように命じられ、仲間をかばって主の居場所を話してしまう。
七福神
通称「神7(かみセブン)」。
ツートップの大国主と恵比寿以外のメンバーの恋愛はご法度らしい。
豪快な印象の老人。
自分の名前を神器に付けたとして小福に対して苦手意識を持っており、同じく名前を騙られている恵比寿と共に共同訴訟を起こそうと意気込んでいる。
見かけとは裏腹にいなばちゃんというウサギを溺愛している。
大昔に天と争い封じられたこともある猛者で、自らの体を巨大な蜘蛛に変化させることができる。
弁財天(べんざいてん)
非リア充で、寿老人に恋人ができた際には激怒していた。
福禄寿(ふくろくじゅ)
タキシードを着た老人。
非常に長いシルクハットの下にある頭も長い。
大国主が暴走した時には、他の七福神から一方的に彼の贄の役を押し付けられた。
寿老人(じゅろうじん)
よぼよぼの老人。
短編では年下の彼女との恋愛が発覚して七福神を一時脱退したが、年齢詐称がばれて元の鞘に納まった。
布袋(ほてい)
肥満体の男性。
神議の最中にラジオを聴いていたり、何に対してもめんどくさいと思ってるような言動が目立つ。
タケミカヅチとその神器
天に属する神の一柱で、恵比寿討伐の指揮を執る。
黄云(きうん)
タケミカヅチの神器で名は「黄」。
「雷刃」と称された強者で、雷を操る竜の形をした稲妻の姿をしている。
その他の神と神器
黄泉の女王。
相対した者と親しい女性の姿で現れるが本当の肉体は腐り朽ち、至る所から虫が這い出している。
「手の届かない遠いところ」にいるらしく、神器による攻撃でも傷を与えることができない。
全身に神器をあらわす文字が刻まれた白衣に天冠の少女。
かつて、夜トの神器として毘沙門の神器を切り殺した。
下賤の者として神や神器からは忌み嫌われ、名前を呼ぶことも躊躇われている。
今もなお夜トの神器として使われたがっており、夜トを守ることを望んでいる。
夜トはいまだに名を消しておらず、裏の仕事を行う際は彼女を使用している。
気に入らないという理由でひよりの命を狙う。
「不和」をもくろむ何者かと手を組み、面の妖を使役する。
夜トの神器としての名は「緋器(ひき)」で白鞘の刀となる。
5代前の恵比寿にも「筒弥(つつみ)」の名でつかえている。
野良本人は夜トが付けてくれた名を気に入っている模様。
夜トの昔の神器。
その他の登場人物
ノラガミ第一話に登場した少女。
ひよりの友人。ひよりからは「やまちゃん」と呼ばれる。
百鬼夜行というヴィジュアル系バンドのファン。
高校に上がってから藤崎に好意を抱いていたが、藤崎の友人で自分と同じく百鬼夜行のファンである阿部という先輩と付き合うことになる。
ひよりの友人。ひよりからは「あみちゃん」と呼ばれる。
ゼニーズというグループのファンで、グループのリーダーの名前を飼い犬につけている。
藤崎浩人(ふじさきこうと)
高校3年時からひよりの学校に編入してきた男子生徒。
元々は田舎に住んでいたが、姉が子供を連れて実家に戻ったため自分の居場所がなくなり単身赴任していた父親の元に身を寄せている。
ひよりの高校デビューを目撃してから、正義感の強い彼女に興味を持っていた。
用語
神器(しんき)
神に見定められ、神の許で武具となった死霊のこと。
体のどこかに名を示す漢字が一文字刻まれ、名は訓読み、器は音読みで呼ばれる。
主である神からの呼びかけにより道具に変化する。
形は個人や主となる神によって異なり、武器や防具になるものもいれば騎獣や鏡などになるものもいる。
魔に憑かれた自殺者などの魂は穢れているため、神器にすることができない。
主たる神と神器の間には特別な関係があり、神器の精神が乱れると神は苦痛を感じる。
神器の側に気を病んで魔が差すと、神が刺されヤスみが生じ、同時に神器の背には言葉を発する目玉が生じ、神を刺した分だけそれも増えていく。
状態が悪化すると神器は妖に転じ、破門にせず繋がったままだと神も堕ちてしまう。
破門された神器は元の一線の使えない死霊に戻る。
一線(いっせん)
矛の形にした手で一線を引くことにより、嫌悪や恐怖により己と他を分かち妖の侵入を防ぐ「境界」を作ることができる。
神器本来の力は主である神が身に纏わなければ発揮できない。
祝の器(はふりのうつわ)
主である神のために進化を果たした稀な神器のこと。
名を懸けて主を守った証であり、武具になった際の形状が変わるのが特徴。
作中では兆麻と雪音がこれに該当する。
進化に至る過程は明らかになっていないが、作中では「主である神に二心なく忠誠を誓う」と表現されている。
道標(みちしるべ)
神に従いその道を示す存在のこと。
新規が大勢存在する場合はその中の一人が正義の指針となるが、夜トや小福のように神器を一人しか持たないものはその一人が必然的に道標となる。
神の半身ともいえる存在であるため、何事にも動じず「善」の指針となることが必要とされる。
野良(のら)
多数の主に使え、名を複数持つ神器。
しかし数多の名を持つ神器はそれだけ主を裏切ることとなり、忌むべきものとされる。
名前を複数持つため名が必要な術が無効となるという特性を持つ。
術(じゅつ)
名を縛ることで相手に技をかける技術。
その特性上相手の名前を知らなければ術をかけることはできず、自分より格上の存在にかけることはできない。
使い方を間違えれば主を刺す危険な行為である。
時化(しけ)
彼岸の住民である妖が好む陰鬱な空気のこと。
それが発生することを「時化る」という。
ヤスミ(やすみ)
魔が差した神器により神に生じた不浄。
不浄をもらうことを「ヤスむ」といい、ヤスんだ部分は変色する。
他者に伝染るうえ、祓い清めない限り体を蝕み続ける。
神が神器から受けたヤスミは清めただけでは治らないため、神器が3人がかりで行う「禊」が必要となる。
禊が常習化すると真の贖罪とはならず、その罪の共有によって主を少しずつ蝕むヤスミの亜種とも言うべき病に陥ることがある。
風穴(ふうけつ)
妖が出てくる場所。
基本的にランダムに発生するものだが、エビス小福のようにあらかじめ場所を決めてしまえる神もいる。
面の妖(めんのあやかし)
目玉模様の面をつけた妖の総称で、高天原では「呪によって使役される妖」とされている。
妖に仮名をつけて操る技術だが、使役者自身を刺すことななるので本来それを行う神が存在することはできないとされる。
本能に逆らって主の命に忠実に従うという特徴がある。
神憑り(かみがかり)
特定の状況下で神が人間の肉体に乗り移ること。
シンクロ率が100%になれば人の肉体でその能力を最大限に引き出すことができる。
神議(かむはかり)
出雲に一年に一度、全国の神が集まって話し合うこと。
高天原に籍を持っていて、正式に神と認められていないと招集されない。
緊急時には、「一年に一度」には関係なく招集される。
これまでには、夜トと毘沙門天の戦いの後や、恵比寿の妖使役容疑時などに招集されている。
カピパーランド
夜トが日頃行きたいとねだっているテーマパーク。
このテーマパークのキャラクターはカピパーという名前で、夜トがそのTシャツを着ていることがある。
ちなみに、カピパーはチャック全開でパーク内を徘徊したことがあるらしい。
夜トはカピパーが実在すると信じてやまない。