人物
本名:ヴァイス・エリク。1874年3月24日ハンガリーブダペスト生まれ。4歳の時にアメリカに移住。
「アメリカで最も有名な奇術師」と呼ばれるほど認知度は高く、奇術師の代名詞ともなっている。飛行機や陸上競技への造詣が深かった。
芸名の由来は、アメリカの奇術師ハリー・ケラーと、「近代奇術の父」として歴史に名を残すフランスの奇術師、ロベール=ウーダン(Robert-Houdin)。
本物の刑務所に閉じ込めてもらって脱出、本職の刑事に手錠をかけてもらって一瞬で脱出、というルパン三世みたいな事を(イカサマではないという宣伝意図で)世界各国で実行していた。
超能力や心霊術のイカサマを暴露するサイキックハンターとしても知られる。
彼自身は心霊術を求めて探していたのに、どんな心霊術師に会ってもイカサマだったし、全米最強の奇術師を騙せるような人も居なかったのである(商売敵を潰しながら他人のトリックを盗めるという役得もあった)。
この関係で、当時心霊術に没頭していたコナン・ドイルとも交流があった。
(フーディーニはドイルを高い知性を持つにもかかわらず騙されやすいと評した)
1926年10月22日、学生に「腹部を強く殴られて耐える」芸を見せる際、フーディーニが準備していない段階で殴られたため、急性虫垂炎を発症。
その後、虫垂破裂によるびまん性腹膜炎で10月31日に死去。
生前、「もしも死後の世界があるなら、必ず連絡する」と妻に言い残していたが、実際にコンタクトを受けた者はいない。
トリビア
- 脱出奇術の際に、映画『マタンゴ』の原作者である小説家ウィリアム・ホープ・ホジスンに縛ってもらったところ、彼は元船員でロープワークと得意としていたため非常に苦労し、「あの男にだけは二度と縛られたくない」とコメントを残している。
- 1953年、伝記映画『魔術の恋』(原題『Houdini』)が製作された。ジョージ・マーシャル監督、主演はトニー・カーティス。「脱出マジックに失敗して死亡」という結末はフィクションである。
彼の影響を受けた人物
引田天功(初代)
日本出身の日本人男性マジシャン。
フーディーニを尊敬しており、彼の脱出マジックにインスピレーションを得た大掛かりな脱出マジックを身上として「日本の脱出王」の異名を取った。
プリンセス・テンコーのステージネームで知られる現:引田天功(2代目)の師匠。
彼をモチーフとしたキャラクター等
- フーディーニ魂(『仮面ライダーゴースト』より):仮面ライダースペクターの形態の一つ、ハリー・フーディーニの魂が憑依した形態。「死んだ人に再会したいと願っても、紹介された心霊術師は全員ウソツキのイカサマ師だった」という体験にも言及。
魔法使い系の呪文を操るが、種別は盗賊タイプ。実際にパーティーの所持品を盗んでくる。奇術ショーにおけるピックポケットを意識した演出か。また同フロアに出現するサイオニックは同じ原画の色違いモンスター(一部プラットフォームを除く)だが、フーディーニのほうがより強力である。
- 雪車村天鵶/怪人ソリティア(『デッドマウント・デスプレイ』):フーディーニ同様卓越した奇術の使い手ながらも「本物のファンタジー」の存在を信じる人物であり、だからこそファンタジー擬きのトリックを巧みに見抜く。