概要
藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ作品『ドラえもん』に登場するひみつ道具の一つ。初登場エピソードはTC10巻収録「ハリ千本ノマス」。
ハリセンボン型のバッジ。このバッジを付けていると、誰かがバッジ使用者に対して嘘を言った場合、バッジから「ノマスー!」という音が響く。すると嘘を言った者の身体が勝手に動き出し、嘘を本当にする為の行動を取るようになる。
作中の動向
作中では、毎年エイプリルフールになると周りから騙されてばかりののび太を不憫に思ったドラえもんが、この道具を取り出した。
のび太はバッジを付け、ママで試してみることにする。ママが「お小遣いを1000円追加で渡す」と嘘を言うとバッジが反応し、ママは本当に財布から1000円札を取り出してのび太に渡した。
道具の効果が本物だと分かったのび太は、いつも自分を騙そうとしてくるジャイアンやスネ夫に仕返しをすることにした。
空き地ではジャイアンとスネ夫はのび太が来ないことに関し、毎年騙しているからさすがに感づかれたと話していた。そして何食わぬ表情でやって来たのび太に対し嘘を言ったが、バッジが二人の嘘に反応する。
ジャイアンは「のび太にケーキを奢る」と嘘を言ったため、自腹でケーキを購入し、のび太に渡す羽目になってしまう。
そしてスネ夫は「のび太に切手コレクションをあげる」と嘘を言ったため、自宅から切手コレクションを持ち出してのび太にあげる羽目になってしまった。
その後、しずかが「後でホッとするような親切な嘘をついてあげよう」と考え、のび太に対して「あなたの家が火事よ!」と嘘を言う。その結果、しずかはそのままマッチを取り出し、野比家を本当に火事にしようとしてしまう。その様子を見たのび太は「ドラえもん! 早くバッジを外してくれ!」と大慌てし、しずかを止めようとしたドラえもんの背中に火がついてしまい、彼が火傷するオチで終わっている(ただしこの場面は漫画本編ではなく、コマの外に描かれている)。
余談
上記のエピソードは大山のぶ代版及び水田わさび版アニメで映像化されている。
前者は原作通りの展開だが、オチはしずかを止めようと家の二階からドラえもんが飛び掛かった影響で、ドラえもんとのび太の頭に火がついてママと近所の住人達が何事かと集まるちょっとした騒ぎが起きた形で終わっている。
後者は様々なアレンジが施されている。
- はる夫は「神成さんの家でおやつが食べ放題」と言ったため、神成さんの羊羹を盗み食いしてしまう。
- 安雄は「広瀬ベルがウチに来ている」と言ったため、広瀬ベルを強引に連れて行こうとするが、のび太がハリ千本バッジを外したことで収まる。
- 補欠の野球少年が弟に「試合でホームランを打つ」と言ったことで、バッジの効果で打たせてもらえることになる。その後、自力でホームランを打つことに成功し、のび太からは「エイプリルフールの奇跡」と称された。
- 流石に放火しようとするオチはまずかったためか、しずかの嘘が「泥棒が入った」に変更されており、しずかが野比家へ泥棒に入ることになってしまい、ドラえもんが「嘘つきは泥棒の始まり」と呟くオチになっている
関連タグ
帰ってきたドラえもん:こちらもエイプリルフールがテーマになっているが、「ハリ千本ノマス」とは対照的にシリアスかつ感動的なエピソードとして描かれている。