概要
ゲームの非公式な分類の一つ。
読んで字の如く「バカゲーだけど神ゲー」なゲームに与えられる称号である。
バ神ゲーに該当するものは、
- ゲームとしての完成度は非常に高いものの、センスや発想、内容などの見た目がぶっ飛びすぎていて実際にプレイしない限りは傍から見るとどう見てもバカゲーとしか受け取れない
- ゲームとしては比較的平凡であってもセンスや発想などが超光速レベルで吹っ飛びすぎていて、結果的に「清々しいまでに突き抜け過ぎたバカゲー」となってしまった
このいずれかが該当する。
マイナーハードで比較的多く出ると言われるが、メジャーなゲームマシンに於いても少なからず出ることがある。
主にセガ、CAVE、データイーストなどの、独特の突き抜けたセンスを持っているメーカーの作品に多く見られるが、任天堂やナムコ(バンダイナムコゲームス)やコナミと言った大手・或いは万人向けのイメージのあるのメーカーや、フロム・ソフトウェアのような渋目のスタイルで定評のあるメーカーから出てくる場合もある。
バ神ゲーの例
超兄貴シリーズ
(日本コンピュータシステム(メサイヤ))
説明不要のキング・オブ・色物シューティング、そしてバカゲーのネ申。
「肉体美」(そして裏のコンセプトは「ハードゲイ」)というコンセプトで作られたシューティングゲームという、どういう発想をすれば行き着くのかすら理解不能なシリーズ…にもかかわらずシューティングとしての出来は良好、そしてテンポよく遊べるというある意味人智を超越した作品。
「究極無敵銀河最強男の逆襲」に至っては全編実写という暴挙にも出ている(しかも同作は(当時)新人同然の女性スタッフが作り上げたものだという説もささやかれている)。
セガガガ
(セガ)
セガが自社ハード撤退直前に、ある種の「総決算」としてドリームキャストにぶち込んだ渾身の一作。
…ではあるが、お得意の自虐ネタ連発だけには飽きたらず同業他社、さらにはどう考えても常識的に考えて喧嘩売るのはヤバイ方面のネタまで遠慮なく全開運転で投入したという問題作。
怖いもの知らずを極めたその姿、どこかの朝ドラの如し…あれより遥かにヤバイか。
まさに「ネタの全方位攻撃」というべき、セガの本気を垣間見れるソフトの一つである。
美食戦隊薔薇野郎
(ヴァージン・インタラクティブ)
ヴァージン・インタラクティブから放たれたベルトスクロールアクションゲーム…ではあるが、どこかで見たような雰囲気である。
それもそのはず。なにせこのソフトは上記の超兄貴のスタッフが手がけた作品。
ちなみにアンケートの項目にあった「購入の理由」で一番多かったのが超兄貴と間違えて買ったである。…が、ある意味では間違ってなどいない。開発スタッフは同じだから安心したまえ!
ゲームとしては一見、ファイナルファイトなどのような一般的なベルトスクロールゲームではあるが、ステージ内には回復アイテムは一切登場しない。
その代わり敵を倒すと食材を落とす。
敵を倒して集めた食材をステージクリア時に『サイバーシェフ』なる調理ロボに預け、出てきた料理を食べることで回復する。
…ただし組み合わせによっては体力を減らしてしまう料理ができることもある。
と、ここまで来れば戦略性のある野心的な作品…と思ってしまいがちだが、そこは超兄貴スタッフが手がけた作品。
とにかく「濃い」。いろいろな意味で。
メタルウルフカオス
アメリカ合衆国大統領がパワードスーツ「メタルウルフ」に搭乗して、クーデター軍を撃退してアメリカを取り戻すために大暴れするというアクションゲーム…もとい、大統領ゲー。
そもそも「アメリカ合衆国大統領が副大統領率いるクーデター軍を撃退するために全米で暴れまわる」という発想の時点で常人にはほぼ不可能な発想の上、登場人物に至っては敵も味方も主人公もキレた言動や行動を乱発。そしてメカや作戦に関するネーミングセンスの素敵性能は抜群、武装に至っては龍の形のビームを発射するレールガンやら爆発するラグビーボールやらどこぞの機動戦士が装備していたビームライフルのような武器やらサメ型追尾ミサイルやらが出てくる(すべて褒め言葉)という破天荒な見た目に対し、制作がロボットゲームの第一人者の一つであるフロムなだけあってアクションゲームとしての出来は良好、画面内のオブジェクトは実に気持よく壊れてくれる(そもそも本作の公式のジャンル区分は『破壊戦闘アクション』である)、歯ごたえのある難度とゲームとしての完成度は極めて良好な部類に入る。
諸事情で日本国内のみの販売となったが何故か海外でバカ受けしており、YouTubeに投稿された動画には「海外発売希望」というコメントが散々ついたり、挙句の果てには本作の主人公であるマイケル・ウィルソン大統領は「全米が選ぶゲームに出てくる政治家」で第一位になってしまったりもしている。
SDガンダムスカッドハンマーズ
理論的に言ってWiiのロンチタイトルとしてリリースされたガンダムゲー。
「もし、ガンダムの武装がガンダムハンマーだけだったら…というifでストーリーが展開するため、理論的に言ってガンダムの武装はガンダムハンマー系統のみ。
ビームライフルも、ビームサーベルも、ハイパーバズーカも、理論的に言って出てこない。
さらに登場人物は敵も味方も理論的に言って全員酸素欠乏症にやられたかのようなキレた言動や行動を連発する。
理論的に言って、全国のWiiユーザーとガンダムファンの腕の筋肉と腹筋を盛大に崩壊させた。
それにもかかわらず理論的に言ってWiiという新ハードの機能を遠慮無く使い、しかもアクションゲームとしての完成度も悪くなく、さらにストーリーもしっかり一年戦争しているという理論的に言ってわけのわからない一本(理論的に言って褒め言葉)である。
GODHAND
(カプコン/クローバースタジオ)
『神の力を宿した右手“ゴッドハンド”を手に入れた青年ジーンが、悪魔たちの野望を打ち砕く』という割と真っ当な設定やストーリーとは正反対に、演出面はネタとパロディーとブラックジョークの塊という腹筋崩壊必至のアクションゲーム。GODゲーとも評される。
とにかく一部を除いて、大多数の敵キャラ・モブたちがハンパなく濃いうえに、主人公の攻撃・必殺技「ゴッドリール」の至る所にネタ満載、挙句の果てはエンディングで特大のネタを一発ぶちかましている。
肝心のゲーム性だが、『デビルメイクライ』の最難関モード「Dante Must Die」がこのゲームのノーマルモードくらいに当たると評される鬼のような難易度を誇り、かつプレイに慣れてくる頃にはその爽快感と達成感に中毒になってしまうともいう、秀逸な出来となっていることから、一部で『ドM養成ゲーム』という評価もなされている。
余談だが、クローバースタジオはあの『大神』のデベロッパーであり、本作は(親会社であるカプコンの意向による)スタジオ解散前の遺作でもある。