MGSシリーズでのパトリオット
ザ・ボスがXM16E1を元に特別に作らせたアサルトライフル。本編では彼女専用の一点モノである。(ただし、MGS3のXM16E1はモデリングがM16A1である。)
ライフル弾の火力とマシンピストルの取り回しの良さの両立(今日でいうPDWのようなもの)を基本コンセプトとして、バレルを短く、ストックを切り落としハンドガンサイズにまで縮小したもので、通常マガジンではなく百連装サドル型ドラムマガジンがついている。
その構造から、反動はものすごく暴れ馬のように言うことを聞かない。
また、短銃身ゆえにムービーにおいては銃弾に十分な加速と回転を与えきれておらずに横弾となっており、シーンによっては演出として弾丸が物理的にありえない方向に回転している。そのため、同じ弾薬を用いた銃と比べて威力は劣る。
シギント曰く「照準の難しさを火力(手数)で補う」銃である。
だがザ・ボス本人はこれを片手で軽々と扱い、CQCも同時に行える。更に敵が発射した銃弾を撃ち落として無効化する攻防一体の迎撃手段としても扱っていた。(スネークは両手持ちでないと扱えず、CQCや敵弾の迎撃も不可能)。
弾数は無限。
3や4では「マガジン内部の機構が∞の形になっているから無限に発射できる」と説明されていた。正直、意味不明な理屈と言わざるを得ないが、シギントは何ら異議を挟まず納得していた。PWでは「ザ・ボスの残留思念が宿っている」と説明されている。
メタルギアソリッド3ではザ・ボスが使用しスネーク・イーター作戦の際に降りてきたネイキッド・スネークの乗ってきたドローンを破壊する際に初登場し、最後の戦いでも使用され、殺される直前に賢者の遺産と共に弟子であり自分を殺しに来たネイキッド・スネークにパトリオットを託し、その銃弾によって命を閉じた。
その後彼女の墓の前にオオアマナの花束と共に供えられていたのが確認されていた。
ゲームの一周目をクリアすると、隠し武器としてネイキッドが使用できる。
上記の設定を反映して威力は低めでサプレッサーも付けられないが、弾数∞リロード不要であり、こそこそ隠れまわっていた一週目とは違ったランボープレイができるようになる。また、スペシャルアイテムにも含まれないので無限バンダナやステルス迷彩と違いプレイ評価に影響することもない。
これを持って無線をするとシギントが「それ、どこで手に入れた?」と問い詰めてくるが、「細かいことを気にしてはいけない」で済まされてしまう。
メタルギアソリッドPWではカズとデートのミッションでカズを気絶させボディーチェックをするとなぜか設計図を落とす。
設計図を入手しても研究開発班のレベルが99以上でスタッフの中に愛国者のスキルがないと開発はできない。
メタルギアソリッド4ではビッグボス(ネイキッド・スネーク)の墓の前で自殺しようとしたソリッドスネークの前に現れたビッグボスが持っていた。
その場面では向けるものの発砲はせず、その場で落とした。
その後継承されたかどうかは不明だが、「もう蛇は要らない」ということから恐らくは受け継がれなかったのではないかと推測される。
なお、BIGBOSSの称号を取得するかクリア後にパスワードを入力する事で以降の周回ではオタコンとの合流後に使用可能となる。
一定の確率で構えた際にSNAKE EATERのイントロが流れる。
銃の版権が厳しくなったMGSSO以降は架空デザインを入れたアレンジがなされており、パチンコ版MGS3等ではM231FPWに似たワイヤーストックが装着されるようになった。
パトリオットとは英語で「愛国心」・「愛国者」を示す。
実在するパトリオット
フィクションのみのトンデモ銃のように思われるが、実在するAR-15カスタムとなっている。
ロッキーマウンテンアームズ社、ブッシュマスター社、オリンピックアームズ社など、複数社で製作されており、製造メーカーにより名称は異なる。
なお、AR-15ピストルの最初期モデルであるオリンピックアームズ製品ではパトリオットとは呼ばれておらず、ロッキーマウンテンアームズ製品でパトリオットという名称が登場している。
また、上記のMGS3のパトリオットのモデルはロッキーマウンテンアームズ社のモデルである。
銃身長の問題(小銃等ストックを持つ銃の短銃身モデルの所持は対応したライセンスが必要)から拳銃扱いとする為にストックは取り外され、ストックを取り付けれないようにした上で最低限の長さまで短縮されたバッファーチューブ(レシーバーエクステンション)が取り付けられている。
ロア側はセミオート専用のものが使われるが、基本的にはAR-15との互換性があるため、対応したアッパーであればフルオートシアやバーストカムを搭載したロアレシーバーとの併用も可能で、フルオート火器の所有が可能な資格を有して合法的に連射可能なものを所有するものも居る。(一部の製品は違法な短銃身フルオートライフルを作れないようにアッパーレシーバーの形状変更により多少の加工ではフルオートシアがあるロアレシーバーには使えないようにする、ロアレシーバーも専用品にする、等により互換性を制限しているものもある)
また、フルサイズと同様に様々なロアレシーバーのものが使われており、曲銃床仕様のロアフレームも拳銃化されている。
銃身もAR-15と同規格であれば使用可能なため、NATO STANAG規格のロアレシーバーで使用できる口径だけでも5.56mm弾以外に.300AAC BLK弾、6.8x43mmSPC弾、7.62x39mm弾、9x19mm弾、.45ACP等があり、ロアレシーバーを変えれば更に対応可能な弾を増やす事が出来る。
上記のようにアッパーレシーバーもAR-15同様の為に様々な機構のものが使用可能で、先込め式のマスケットや大口径マグナムライフル弾仕様、MINIMI等のようなベルトリンク式とすることも可能。
量産品のほかにガンスミスにより少数のみ製作されたものもあり、フルサイズ向けのモノリスティックアッパー(レールハンドガード一体型アッパーレシーバー)やフリーフロートハンドガード等を銃身長に合わせて切断加工したものやオリンピックアームズ OA-93のようにバッファーチューブのないもの、7.62mmに対応したAR-10や大型化したAR-15クローンをベースとしたパトリオットピストルも作られている。
この手のオートマチックライフルベースの拳銃の常で重量バランスの問題から非常に扱いにくく、銃身と共にガスチューブが大幅に短縮されて調整がシビアになった上に装薬の相性によっては動作不良が起き易いといった欠点がある。
パトリオットピストルに限らない問題だが、短銃身ゆえに銃弾に回転を与えきれずに安定せずに横弾となりやすく、貫通力に劣るだけでなく正常に弾が変形しないことで不必要に破片化したり跳弾が起き易くなるといった問題も起きてしまう可能性が高まる。
短銃身モデルでは発射薬が燃焼しきれずに銃口にフラッシュサプレッサーが付いていても豪快な発射炎となってしまうという問題もある。派手となるだけで問題とならないように思えるが、実際には一発撃つたびに射手が目つぶしの光を浴びているようなもので、何度も撃っていれば体への影響が出てしまう。
モデルによってはフロントサイトが無い(フラットトップアッパーであればリアサイトも無い)ものもあり、ダットサイト等の光学サイトを搭載するか、サイト間の距離が非常に短くなることを覚悟の上でアッパーフレーム上にフロントサイトを付ける等、ユーザー側で対策を取らねばしっかりとした照準が出来ないものもある。
現在ではスタビライザーブレース等の誕生によって人気を増しているが、詳しくはARピストルにて。
トイガン
ハリソン・フォード主演の映画「今そこにある危機」等に登場していることからMGS3での登場以前よりハンドガンサイズのアサルトライフルとして知られており、サバイバルゲーム等でも小サイズでフルオート可能な実在する銃として一定の人気がある。
こちらは法規制は関係ないので実用性重視でオリジナルの突撃銃同様にフルオートやバースト機構が搭載されている。
JAC等から発売されたM16シリーズを改造するキットが売られるだけでなくコクサイ等からはカスタム済みのものも売られており、東京マルイが電動ガンを発売して以降もパトリオット化するカスタムパーツがPDI等から発売される、ショップカスタムとして独自商品として販売しているショップもあるなど人気が長く続くカスタムモデルとなっている。
サドル型ダブルドラムマガジンもあり、M16A1ベースにカスタムすることで作中のパトリオットの再現が可能。(現在はほぼそのままなキットは絶版のため、キットのみ身での再現は不可能)
ウェスタンアームズからはガスブローバックモデルが登場。こちらはドラムマガジンが無く、再現は不可能。
東京マルイは従来型電動ガンのM4カービンをベースに銃身を切り詰めたものを「M4パトリオットHC」として商品化している。
しかも別売りオプションとして「ツインドラムマガジン」も同時発売されているため、それなりに似せることはできる。