概要
『トワイライトプリンセス』から新たに登場した用語。以降の作品でオルディン・ラネールとともに、なんかしらの形で登場する機会が増えている。
ゲーム内では専らリンクが序盤に訪れるエリアの名称で、森林エリアであることが多い。
オルディンがゴロン族、ラネールがゾーラ族と関わりが深いのに対し、現状特定の種族との強い結びつきが無い。
名前の由来はハイラルの地を創造した三柱の女神の一柱、勇気の女神「フロル」と思われる。
主な登場作品
トワイライトプリンセス
ハイラル王国を守る光の四精霊の一体と、それが守護する地域の名称として登場。
精霊はしっぽの長い猿のような姿をしている。同類のラトアーヌやオルディン比べると割と全体像が理解しやすく、猿モチーフなので顔も分かりやすい。
地理的にはハイラル城の南に位置する地方で、ハイラル平原の1つとフィローネの森がある。村や町などは存在しておらず、常駐している人間状態で会話可能なキャラは油売りのキコルと彼のペットのトリルだけ。この地方でのリンクのサポートは主に野生動物が行ってくれる。森の中心部は元々薄い霧の漂う場所だったが、影の領域に侵食されて以降は毒霧が漂うエリアになってしまう。
森の奥地には森の神殿が存在。さらにその手前から別ルートへ行くと迷いの森へと行くことができ、そのさらに奥にはマスターソードの安置される時の神殿がある。
フィローネ地方のさらに南にはリンクが暮らすラトアーヌ地方がある。ラトアーヌ地方はフィローネ地方との境界線にあたる渓谷にかかった吊り橋でしかアクセスできないため、ラトアーヌ地方への出入りには必ずフィローネ地方を経由する必要がある。
ストーリー上では、プロローグで最初にリンクがいるのがここの精霊の泉である。ザントの勢力によって影の領域に侵食されてしまうが、リンクの活躍によって解放される。
その後は中盤でマスターソードの探索のため、終盤で時の神殿にある陰りの鏡の捜索のためと、何度も足を運ぶことになる。…などと言うとかなり目立っているように感じるが、やはり拠点となる集落がないうえ、毒霧への対策が面倒なため、用が済んだらあまり来ることがなくなってしまうエリアである。
スカイウォードソード
リンクが最初に降り立つ封印の地に隣接する地方と、そこを統治する水龍として登場。
本作ではラネール地方が砂漠エリアになったので、(水泳的な意味での)水エリアも兼任。森林エリアであるフィローネの森と、水中エリアであるフロリア湖で構成されている。
フィローネの森は最初のエリアということもあってか、本作のコンセプトを体現する遊びの詰まったアスレチックのような地形が多いためかなり入り組んでいる。中心には巨大な大樹がそびえ立っており、奥地に行くと空から来た者を迎え入れるための天望の神殿が存在する。
フロリア湖は森の南東に位置する湖で、そこから水路を通って水龍の鎮座する間へ行くことができる。
ここで暮らす種族としては、草食亜人キュイ族と水棲亜人パラゲ族がいる。
中盤には女神ハイリアからフィローネ地方の統治を任された水龍フィローネが登場する。3体いる龍の1体だが、他2体よりも出番が多い。
かなり気難しい性格をしているが、試練を乗り越えたリンクには割と好意的に接してくれる。だが、フィローネの森に巣食う魔物を一掃するために森を丸ごと水没させるなど、やることがかなり大胆で迷惑極まりない。
ゼルダ無双
レジェンドモードでの第3ステージとしてフィローネの森が登場。
樹々の太い枝とその間に渡した足場に集落が形成されている。中心部にはデクの樹がいる。
魔物の軍勢に抵抗するハイラル兵たちと合流し、敵を撃退する。本作のキーキャラクターであるラナとはここで出会うことになる。
ブレスオブザワイルド・ティアーズオブザキングダム
ハイラルの南に位置するフィローネ地方として登場。名を冠したフィローネの塔というシーカータワーも存在する。
他の地域とはハイリア湖と複数の山脈によって隔てられており、中部にはいくつかの樹海で構成されるフィローネ樹海が広がっている。そのうちの1つである樹海ダムゼルの北端には勇気の泉が存在する(ただ、樹海を突破するより北のポプラー高地から来る方が圧倒的に楽)。
過去作が(魔物こそいるが)比較的穏やかな森といった雰囲気なのに対して、本作の森はまさに密林であり、どちらかというと人を寄せ付けない過酷な自然といった雰囲気が漂っている。また、南下すると植生が南国っぽくなり、ツルギバナナやヤシの実が手に入りやすい。
樹海の西には草原、東にはフロリア湖がある。
ちなみにハイラル南東部のウオトリー村は街道的にはフィローネ地方を経由して行く場所なのだが、ブレスオブザワイルドではハテール地方(村周辺でのセーブ時のエリア名が東ハテールになる)、後述の『厄災の黙示録』ではフィローネ地方に含まれており、どこに属するのかいまいち判然としていない。一応、『ティアーズオブザキングダム』では監視砦にいるウオトリー村の避難民から東ハテール地方に属していると聞けるので、フィローネ地方ではない模様。
ブレスオブザワイルド
森繋がりのコログ族は本作だとハイラル北部のハイラル大森林に暮らす種族になっているため、『トワイライトプリンセス』と同じく地方を代表する種族はいない。それゆえに神獣もおらず、加えてウツシエの記憶のある場所すらないので、メインストーリー的には一切訪れる必要がない地方である。
とはいえ、ミニゲームの流鏑馬ができる場所があったり、馬を蘇生させてくれるマーロンがいたりと寄り道要素はそこそこ多く、ウオトリー村でスローライフを満喫するプレイヤーが大勢いるなど、他の地域と変わらず遊びに溢れている。
太古の時代にはこの地方を拠点に活動するゾナウという戦闘民族がいたらしく、彼らの装備が蛮族シリーズとして残されている。また、ダムゼルの南にある遺跡群を始め、ローメイ城跡などハイラル各地に同様の意匠を持つ遺跡が存在する。
厄災の黙示録
100年前の大厄災時を舞台とする本作では樹海ダムゼルがステージの1つとして登場。勇気の泉での修行のためゼルダ達が訪れたが、魔物に襲われたため出口まで脱出することになる。
ティアーズオブザキングダム
2019年の続編制作発表PVでゾナウに似た意匠の建築物が登場したため、冷めかけていたゾナウの考察熱が再燃し、彼らの活動拠点だったとされるフィローネも注目されることになる。
そして、PV時に予想された通りゾナウが登場。しかし、本作で明かされたゾナウはハイラル王国の建国に関わる非常に高度な文明を持つ種族であり、フィローネに限らずハイラル全土に関わりがある種族として登場(上記の戦闘民族も実はゾナウとは直接的な関係はないことが「マスターワークス」にて判明)。
さらに序盤~中盤のストーリーは前作と同様の4地方で行われるため、またしても蚊帳の外…と思いきや、4地方の事件を解決した後に最後の賢者の発見のため、この地方を冒険することになる。
知恵のかりもの
フィローネ湿原というエリアとして登場。
デクナッツタウンを中心に、デクナッツが多数居住しているほか、遺跡が多い。
また、本作中のハイラルの中ではそれなりに強い敵が配置されているエリアとなっている。
余談
由来や森がメインという点から一見リンクと縁が深そうだが、実際にはそれほどない。現状フィローネが出ている作品のリンクは森とも(勇気に限定した)トライフォースともあまり関わりがないため(※)。なので主人公所縁の地的な感じの特別扱いを受けたことなどはない。
むしろ概要で述べた通り代表的な種族がおらずそれ関係のエピソードが描かれないため、他2つより若干扱いが地味になることもある。
まあそもそも元ネタのフロルからして扱いが…
※『トワプリ』のリンクの故郷は森といえば森だがフィローネ地方ではなくラトアーヌ地方の村、勇気のトライフォースを持つが特段そのことに言及はされない。『スカウォ』のリンクは森出身ではないうえ関わるトライフォースは勇気だけではない。『BotW』に至ってはどちらとも全く縁がない。