概要
トラペッタの町で随一の魔術師で、暗黒神ラプソーンを封印した七賢人の子孫の1人。
ドルマゲスの師匠だったが反旗を翻されて殺害され、七賢者最初の犠牲者となった。このため七賢者の中では名前しか登場していなかった。
ゲーム開始後にトラペッタに訪れた時点で既に死亡しており、彼の家は某玉葱男の如く火事で焼け落ちている。
町の住民は火の不始末だと思っていたが、ドルマゲスが殺害後に火をかけて燃やしたというのが真相。
本編では詳しく掘り下げられていなかったドルマゲスとの関係性や死に至るまでの経緯は3DS版の追加イベントで補完された。
ルイネロの占いによって垣間見えた過去においては、魔法使いとなる為弟子入りしたドルマゲスにロクに修行もさせず、薬の研究に没頭して外の掃除をさせるなど召使い同然に扱っていた。挙句、言いつけを破って魔導書を盗み見た彼を「これなら犬でも飼っていた方がマシ(=犬以下だ)」と叱ったことが決定打となり、ドルマゲスの出奔を招いてしまう。
ライラスの元を去ったドルマゲスはトロデーンで杖を奪い、暗黒神ラプソーンにより操られ、ラプソーンの封印を解く為にライラスは彼の手で殺害されてしまう。
以下、ネタバレ
実はドルマゲスには魔法使いとしての才能がなく、ライラスが研究していた薬というのは、そんなドルマゲスに魔法使いとしての才能を与える為のものだった。
雑用を言い渡して遠ざけていたのも、魔法使いとしての才能がないと本人に告げることが憚られた為だと思われる。
つまり、ライラスの行動は弟子を魔法使いとして大成させる為、師匠として最大限の愛情が篭った物であった。
薬の完成も間近となり先の「犬」発言を謝罪するも、既に暗黒神ラプソーンに操られていた弟子に届くことは無く……。
この過去を見たトロデ王は「師匠と弟子の悲しいすれ違い」と評していた。
せめて彼がドルマゲスに対し研究の正体を教えていればこんな悲劇は起きなかったかもしれない。ドルマゲスも罵倒された時点で憤怒はしていてもまだ殺意までは持っていなかった可能性が高い。
ただし修行させなかったことに関しては「長年かけて薬の研究をしていた」のでその暇がなかった、または修行をさせることで自身に才能がないことを気付かせてしまう可能性があった、薬のことを黙っていたのも「お前には魔法の才能がない」と遠回しに伝えてしまうためとも解釈できる。これらを誤魔化すための台詞が「お前にはまだ修業は早い」だったのだろう。劇中の描写からしても薬がなかなか完成しないことから焦りを抱いているのが窺え、弟子に対する思いやりを見せる余裕がなかったと推察できる。
「弟子のため」の行動が師弟関係の崩壊を招いたのは皮肉としか言いようがない。
どれだけ相手のことを大事に想い気遣う気持ちを持っていても、それを当人に対し言葉に出さなければ伝わらないのは当然だが、魔法使いの才のない者に魔法使いとしての才を与える薬の開発というのは前代未聞の試みであった可能性が高く、そのような困難に長年単身で挑んだのはライラスの弟子を想う気持ちの強さ故である。
それ故に、彼の想いがドルマゲスに上手く伝わらず、師弟がすれ違ってしまったことが無念でならない…
関連タグ
ブラス(ダイの大冒険):ダイの大冒険の登場人物。なかなか呪文が使えないダイに対し厳しい態度を取っていた。一度だけ「おまえごときが勇者になりたいなどとぬかすのが間違いのもと」と暴言とも取れる台詞も吐いているが、根底には確かな愛情を抱き、成長を望む思いがあった。
マトリフ:同じくダイの大冒険の登場人物。かつて魔王と戦った老練の大魔道士で、口は悪いが弟子思い。ライラスとは逆に魔法力を付けさせるために厳しい修行を課し、当初はあえて突き放すような言動も見せていた。
最強男爵&バトラー:『とっても!ラッキーマン』の登場人物。最強男爵がある発明品を作る過程で執事ロボのバトラーのミスにつらく当たってしまい反旗を翻されるという展開がある。しかしその発明品がバトラーの誕生日を祝うための物だったことが判明し和解する。
安西先生&谷沢龍二:『スラムダンク』の登場人物で、「先生(師匠)と生徒(弟子)のすれ違い」を別の意味で体現している。
高町なのは&ティアナ・ランスター:『魔法少女リリカルなのはStrikerS』の登場人物で、同じく「上司(師匠)と部下(弟子)のすれ違い」が暴力にまで発展。しかし、のちに和解する。