「いくらでもこの体使って欲しい」
概要
『ゼノブレイド』のヒロインであるフィオルンが機械化した姿の通称。
序盤のコロニー9襲撃事件で黒いフェイスに刺し貫かれた彼女の肉体が、同行していた機神兵によって回収され、機神メイナスの魂の器兼フェイス・ネメシスのコアユニットに改造されたものである。
身体の70%近くが機械化されており、邪魔だったのか、ついでに髪も短く切り落とされている。
当初はメイナスの人格だけが表に出ており、仲間からは記憶を失ったのだと思われていた。
フェイス・ネメシスが壊されたことで本来のフィオルンの人格が戻ってくることになった。
なお、メイナスとはその後も終盤まで肉体を共有し続け、メイナス側の人格が出ている時は口調に加えて瞳が赤色に変わる。
幼い頃からフィオルンを知るシュルク・ライン・ダンバンは「死んだと思ったが生きていた」ものとして接しているが、
ヴァネアは改造前の状態を「生前」と、ハイエンターのメリアに至っては他に形容する言葉が無いので仕方も無いがこの状態を「機神兵」と表現しており、
客観的には「重傷のホムスが義体を手に入れて一命をとりとめた」のではなく「刺し殺したホムスの亡骸で兵器を作ったら元の人格が蘇った」というゾンビ化に近い状態である。
実際「フェイス」がホムスの亡骸を組み込むのはモナドの「人を斬れない」という弱点を突くための手段に過ぎず、ゾード及び量産型にいたっては脳などの最重要臓器以外は捨てられていて長時間フェイスから離れて行動する事は考慮されていない。
その脳すら元の人格の存在は欠陥と捉えられており、改造が軌道に乗ると洗脳処理が併施されるようになっている。
フィオルンもこの仕様に作中何度も苦しめられているほか、仲間の前で表立って主張はしないものの「本当の自分はもう死んでる」とメリアに語ったり、皆と共にコロニー9に帰る事を躊躇ったりと、「自分が人(少なくともホムス)ならざるものになってしまった」という悲哀に満ちた意識を端々に垣間見せている。
また、フェイスシリーズはコアユニットの生命活動に必要な器官、具体的に言えば免疫系統や循環器官などは外装パワードスーツであるフェイスのボディに内蔵されているため、これを失うと生命維持そのものが困難になってしまう。そのため、フィオルンはネメシスボディを失ってからは体調が悪化しており、機神界人(マシーナ)の医師リナーダの処置によって事なきを得るも、いつ活動限界、すなわち死が訪れるか分からない状態になってしまった。
そのためか、「どのみち再び死ぬのならば、最期が訪れるまでシュルクの為にこの命を使いたい」と決意しており、穏やかな微笑みの裏に自棄にも等しい悲愴な思いを抱え込むことになった。
能力
戦闘に入ると一転して「生前」以上のハイテンションで敵を薙ぎ払う。
戦力面での不安は全く無いが、一種のやけくそのような別の危うさは漂う。
頭用の一部を除いて他の仲間との互換はおろか、自身が使っていた装備の着用すらできなくなっており、ほぼ全てを専用品で構成する事となる。
さらに下半身が一体パーツとなっており、靴枠には背中に着ける(と言うか浮かんで追従する)「フラップ」を充てている。
ちなみに構成部品を丸ごと交換しているようで、装備によるシルエットの変化が非常に大きい。
物によっては肌色面積がかなり多くなり、Nintendo Switch版ではさらに水着のようになるスタイルまで追加されているのだが、これをよく見ると関節部分がマネキンのようになっており、元の肉体が失われている事を改めて思い知らされるという、なんとも言えない演出がなされている。
習得アーツ
タレントアーツ
アーツ名 | 効果 |
---|---|
ガンフラップ | 自分を中心に円形の範囲内の敵にエーテル属性の6連続攻撃 |
キャノンフラップ | 前方一直線上の敵にエーテル属性の攻撃 |
ソードフラップ | 敵単体に物理属性の10連続攻撃 |
シールドフラップ | 敵対タレントアーツを防ぐ(Ⅰ)、デバフ回復&一定時間デバフ無効(Ⅱ) |
※タレントゲージMAXで使用可能
通常アーツ
アーツ名 | 習得レベル | 効果 |
---|---|---|
ダブルブレード | 1 | 背面ヒット時:ダメージ増加×3.0(特効) |
ヒールバリア | 1 | 自分に時間ヒール、デバフ回復 |
スピアブレード | 1 | 転倒ヒット時:ダメージ増加×3.0(特効) |
クロスインパクト | 1 | 2連続攻撃、転倒ヒット時:気絶 |
スピードシフト | 61 | 自分にヘイスト、クリティカル率アップ、物理耐性減 |
グラビティーゼロ | 1 | ヒット時:パラライズ、転倒ヒット時:タレントゲージ増加(特効) |
ロックオン | 46 | ロックオン、クリティカル率アップ、被ダメージでタレントゲージ増加 |
エーテルドレイン | 1 | 対象のエーテル力ダウン、自分のエーテル力アップ |
ダブルウィンド | 42 | ヒット時:テンションアップ |
バグストーム | 49 | 機神兵にヒット時:特効、機神兵の転倒ヒット時:気絶 |
シャットダウン | 52 | ヒット時:スリープ、機神兵にヒット時:バフ&デバフ消去、ノックバック |
エアファング | 1 | 2連続攻撃、ヒット時:崩し |
パワードレイン | 58 | 対象の筋力ダウン、自分の筋力アップ |
ガードシフト | 55 | 物理攻撃ガード、攻撃力ダウン |
セカンドギア | 43 | 物理アーツのダメージアップ |
ファイナルクロス | イベント | 4連続攻撃、ヒット時:強制転倒、超ハイテンション中使用可能 |
双剣を武器に手数に物を言わせて柔軟に立ち回るオールラウンダー。
また、「フラップ」の種類によってタレントアーツが変わるという特徴を持っている。
攻撃から自己回復まで一通りのアーツが使えるため、操作解説における仲間達の反応は必見。
ただしリキャストタイムが長いアーツが多く、そのため誰かの役割を奪ってしまう事は実際にはあまり無い。
武器の特性でオートアタックが2回攻撃になるタイミングがあり、そこにダブルアタックが発動すると4回攻撃となる。スキルの効果もあってクリティカルも発動しやすいため、下手にアーツを使うよりもオートアタック→チェインアタックを繰り返す事を意識した方が火力を出せるだろう。
カウンタースパイクには滅法弱いため注意。
余談
- Wii版発売前のCMでは堂々と姿と存在がネタバレされていたりする。伏線と思わなかった視聴者はどれくらいいたのだろうか・・・
- 実は「生前」は虫歯があり、改造時に取り除かれていた事がとある医者ノポンのクエストで判明する。
- エンディング後に元のホムスの体を取り戻すが、その方法はシナリオ中にリナーダが示唆しており、シュルクも研究していたことがキズナトークにて語られている。それを元に書き下ろされた小説が、資料集『ザ・シークレットファイル』に収録されている。
- Nintendo Switch版発売時に公開された資料では、メイナス本来の姿に近付けるパーツ等の追加も検討されていた形跡がある。しかし実装されたのは先述した水着状の物と、全身に花弁を纏ったようなデザインの「ソリスト」シリーズのみであった。
外部出演
大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ
2014年の『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U』より出演。
同作には「無印」「機械化」のフィギュアが別々に収録されており、それらの解説も相まって集めるとほとんど中盤までのあらすじみたいな事になる。
また、「ワールドスマッシュ」にも「機械化」が「アイテムフィギュア」として登場。「傷つくほど攻撃力がアップする」という、やけくそを体現したようなスキルを発揮する。
2018年の『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』ではフィギュアに変わって収録されるようになったスピリッツで共に続投。
解説文の収録が無くなった事でネタバレの程はマシになったものの、「無印」の方の所持スキルが「メタル化」というあんまりにあんまりなチョイスで、むしろ原作を知っていると笑えない要素になっている。
ちなみに姿を変える同一人物としては珍しく「超化」スピリッツではなく、「無印」が「ACEサポーター」、「機械化」が「LEGENDアタッカー」に区分されていてスピリッツ同士の直接の繋がりは無い。
とは言え単純なネタ枠とも言い切れず、シュルクの「最後の切りふだ」の演出が変更され、フィオルンが攻撃に加わるようにもなっている。
プロジェクトクロスゾーン2
三大ゲーム社のコラボ作品にゲスト枠として参戦。
同じゲスト枠である『ファイアーエムブレム覚醒』のクロム・ルキナが親子でのセット参戦であるのに対し、彼女は単独参戦でゼノシリーズの大先輩である『ゼノサーガ』のKOS-MOSと組む。
全体的にギャグ成分の多い作風のため、「メカ娘と娘メカ」というわかるようなわからないような形容をされたり、シュルクの代名詞である「穏やかじゃないですね」をKOS-MOSが放ったりと中々にカオスである。
ちなみにシレっとモナドバスターを使用しているためプレイヤーから寿命を心配されることもあるが、これはKOS-MOSの「ドラゴントゥース」を借りて使っている「モナドバスターっぽい技」である。
関連イラスト
関連タグ
パス・オルテガ・アンドラーデ:メタルギアシリーズ出身。『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』における酷いスキル持ちとして共に話題になった。なお、彼女の方は今のところ原作・スマブラ共に特に救いは無い。