ラナオウ
らなおう
兄のレスターが戦士系のアーチナイトというクラスである都合上、母親のエーディンの力の成長率がプリーストにしては高めになっている。
またラナは誰を父親にしてもプリーストとして十分な性能を発揮できる(極端な話、プリーストは安全圏から杖を振って味方を助けてさえいれば十分なので、戦闘性能があまり伸びなくてもさして問題は無い)が、片やレスターは成長率・スキル・武器継承を考慮しないと満足な強さを発揮できないので、総合的な戦力を考えるとエーディンは戦士系の恋人を選ばざるを得なくなる。
となると候補としては弓を引き継げるミデェールとジャムカが候補になるのだが、このうちジャムカは父親候補の中でもっとも力の成長率が高く、彼が父親になると力の成長率が45%まで跳ね上がる(ちなみに魔力は30%と低めに…)。
この数値が実際どれ程のものかと言えば、聖戦の系譜前半部の主人公シグルド(ガチの物理職)の力が素では30%、聖戦士の血筋であるバルド直系の補正で20%強化されて50%になっているといえば、どれだけ異常な数値かおわかりいただけるだろうか。(ラナもウルという聖戦士の血を傍系で引いているが、この血筋に力の補正は無い。)
この要因が重なり、ラナはか弱いイメージのプリーストとは裏腹に力の成長率が戦士系並みになってしまうことが多く、カンスト(ハイプリーストの上限は15)まで成長してもおかしくないのである。
このギャップと比較的名前が似ている北斗の拳のラオウを重ねて、世紀末覇王ラナオウという呼び名が誕生したのである。
……が、ぶっちゃけゲーム的な観点で言うと、最初から最後までずっと杖と魔道書(※クラスチェンジ後)しか装備できないラナの力がモリモリ伸びることには本気で一切の意味が無い。だからネタにされてるんだけど。
(ポケモンあたりで例えるなら、「とくこう特化でとくしゅわざが豊富なポケモンなのにこうげきに努力値を振る」どころか「ヌケニンのHPに努力値を振っちゃう」ぐらい無駄である。)
後の蒼炎の軌跡では装備武器の「重さ」を力のステータスの分だけ軽減できるシステムになって魔法職にもある程度の力が求められるようになったり(まぁこれは更に後の作品で、重さのシステム自体が丸ごと撤廃されたが……)、暁の女神では反撃時に装備品が杖しかない場合、杖で相手を殴って攻撃するシステム、通称杖ポコが搭載されたり(当然、素で物理職のユニットがちゃんとした武器で戦った方が普通は強いが)、新暗黒竜では兵種変更システムによって魔法職のユニットを物理戦闘職に変えられるようになったり(逆も然り)、覚醒では斧を使うシスター、バトルシスターというクラスが登場したり……と、デフォルトが魔法職のユニットでも物理性能を活かす機会がどんどん増えている。
ラナのネタが公式で採用される土壌が築かれつつある。
逆に魔道士系のアゼル、レヴィン、クロードを父親にすると子世代でもトップクラスの魔力成長率(特にアゼルだとユリアの次に高い65%)と控えめの力成長率でイメージを崩すことはなくなるが、代わりにレスターが必要のない魔力(聖戦の系譜では魔力依存の弓が登場しない)ばかり成長し肝心の力が伸び悩んだり、武器継承ができないので子世代中盤まで鉄の弓だけで戦う事になったり、スキル面でも「追撃」を持つアゼルはともかく、レヴィンは「連続」「必殺」とやや安定せず、クロードに至ってはスキルを持っていないのでノースキルになる等、割を食うことになる。
そもそもそこまでした所でハイプリーストというクラス自体、武器レベルが低くて高位の魔導書が装備できず、(補助役の杖使いとしてはともかく)魔法攻撃職としては微妙な存在なので、魔法系の父親キャラは真っ当な魔法戦のエキスパートを生んでくれるティルテュ(→アーサーとティニー)やフュリー(→セティ)に回した方がよっぽど有用というオチがついてしまい……結局やっぱりレスターのためにエーディンには物理系父親をつけるのが安定、ラナオウ不可避である。
(一応子世代にも参戦してくれるフィンならば親子会話で他物理父ではフォローしづらい魔力を底上げしてくれる。他にも祈りが継承されるし運の伸びが素晴らしいのでレスターが合流直後に武器に困る以外はなかなかいい組み合わせ)
他にも
- 主人公のセリスとカップルが成立しやすい。
- フィン曰く「母親にそっくり」だが、パッと見では似ていない。
- 髪型がまるで羊のよう。
- 周回デモや独身エンディングの台詞がきつい。
- (あくまで人によるが)代替のマナの方が可愛い。
という要素もネタに加わっている。
ただし、あくまで二次で誕生したネタであり本来のキャラから大きく逸脱している事を念頭に置くこと。
発売当初のラナは上述の「セリスとすぐにひっつく」という理由でアンチによる激しい叩きに晒され、これらの要素も槍玉に挙げられた。
こうした背景からラナオウネタが誕生したのである。
時が経つにつれ本来の魅力が見直されるようになり、今ではネタキャラ扱いされる事を嫌う人も多くなっているので、ネタとして楽しむのならば時と場所をよく考えよう。
とは言え、発売時のアンチが和らいだ今、むしろ愛されネタに昇華しているのも事実。
そしてそれがファイアーエムブレム覚醒でのバトルシスターの登場に繋がった。
しかし肝心のDLCでのラナの出番はなく……
いやいや、DLCで満足しちゃダメでしょラナさん!
聖戦リメイク、いやヒーローズでの雄姿をみんな待っているぞ!