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CV:釘宮理恵


概要編集

2009年6月26日に放送されたテレビスペシャル「のび太を愛した美少女」に登場した22世紀の未来デパートが販売するお世話ロボット

未来から突然のび太のもとに送り込まれてきた。


原作には一切登場しない、水田版ドラえもんにおけるオリジナルキャラクターではあるが、原作の「ロボ子が愛してる」のロボ子や「のび太と鉄人兵団」のリルルのエッセンスがふんだんに盛り込まれており、それでありながら彼女らとはまた異なる魅力を兼ね備えた正統派ロボットヒロインとなっている。



人物編集

明るく献身的な性格。

「お世話ロボットだからみんなの役に立ちたいんです、喜んで欲しいんです。みんなに、笑顔でいて欲しい」と語ることからも、彼女の並々ならぬ思いが伝わってくる。基本敬語で話す(プールではしゃいでる時に一言だけ「やったわねー」と敬語を使わずに話すシーンがある)。

その様子は、しずか達に約束を破られて傷心ののび太を前向きに説得する姿や、眠るのび太を優しく見つめながら「少しでもお役に立って、のび太さんに笑顔でいて欲しいんです」とドラえもん に滔々と語る姿からもうかがい知れる。

のび太曰く「人を褒めるのが上手い」との事であり、実際のび太は出会ってすぐにルリィにおだてられて調子に乗り、ひたすらあやとりを披露していた。

悪く言えば自己犠牲的過ぎるきらいがあるが、これには彼女の出自が関わっている。


性格と容姿に関しては非の打ち所もない、まさに完璧な美少女ロボットなのだが、その見た目と前向きな性格を帳消しにするレベルでドジをやらかす、いわゆるドジっ娘であり、

  • 汗をかいたのび太に涼しくなってもらおうと自分が高速回転を行い、周囲のものを吹き飛ばす(しかも『必殺!ルリィクーラー』という技名付き)
  • のび太の代わりに宿題を一瞬で終わらせるも、全部の答えが間違っている
  • テレビを見ながらのび太が「美味しそう」と言っていた博多ラーメン一瞬で博多まで取りに行って、現地の人達を混乱させる様子が全国生中継される
  • 買い物に行くのに財布を忘れる

……と、開幕数分で様々なポカをやってのけた。

基本的に温厚なドラえもんですら「きみ、本当にお世話ロボットかい?」と思わず聞いてしまうレベルの酷さである(後にルリィの献身的で真面目な姿を見て上記の発言をしてしまった事をちゃんと謝り、『君はとっても優しいロボットだ』と、改めてルリィを高く評価している)。


容姿・能力編集

水色髪ロングヘアに大きなピンクのリボンを付けている他、瞳の色は緑であり、黄色い耳当て、青と白を基調としたワンピースを身に着けている。

足には飛行用のブースターも付いていて空を飛ぶことも可能であり、東京-博多間を一瞬で移動する事が可能(作中では新幹線を超えるスピードとして表現されていた)。

これ以外にも、のび太に絡んできたジャイアンスネ夫をまとめて投げ飛ばすほどの怪力を持っていたりとスペックは非常に高い(この怪力についてはロボ子をモチーフにしたためと思われる。向こうほど嫉妬深い面は見られないが)。



正体編集

正体は、22世紀の未来デパートで販売されて「いた」お世話ロボット。

実際にはルリィシリーズと呼ばれる量産機の内の1体であり、彼女には「B-0625」という型番が付けられている。


かつてルリィシリーズはその容姿もあって多大な人気を誇り、発売初日に完売する売れ行きを見せたが、上記のような「ドジっ娘」という不具合・欠陥がすぐに顕となり(怪力で誤って怪我をさせるなど)、購入者に被害が相次いだ。

この事態を受けて未来デパートはルリィシリーズを全品返品回収するという措置を取り、全てのルリィシリーズは廃棄処分が検討されていた。


ルリィはこの時に危害を加えてしまった元々の持ち主から「バカロボット」「不良品」などと酷く怒られたことが心の傷となってしまっている。

彼女が、自分を「ドジでダメなロボット」と卑下しつつも、「お世話ロボットだからみんなの役に立ちたい」といじらしく献身的なのはこのような過去の出来事が理由となっている。


そんな中、もはや廃棄を待つばかりであったルリィは、「ある理由」から野比のび太を抹殺しようと企むワルサーとゴンドという二人の悪の科学者に盗み出される。

その際に2人によって、彼らの命令を受信することで突如のび太を殺す為の殺人マシンへと変貌するという、ロボット三原則を土足で踏み躙るような改造を施されてしまう。


結末(ネタバレ)編集

ルリィの素性を探るために彼女が作られた工場へ向かい、そこで出会ったタイムパトロールから事情を聞いたドラえもんとドラミはのび太を引き止めようとするが、時既に遅くのび太と2人で青い鳥を探しに行ったところで暗殺モードが作動。のび太に襲いかかる。


殺人マシンと化したルリィの戦闘能力は元々のスペックの高さもあって絶大であり、不意打ちとは言えかなり優秀であるはずのドラミを一瞬で戦闘不能にし、ドラミを助けに来たドラえもんすら真正面から戦って一方的に戦闘不能に追い込んでいる。

更にこの時、ドラえもんにトドメを刺そうと近くにあった標識を抜き取って串刺しにしようとしたり、落石に巻き込まれて自分の肩にその標識が突き刺さった状態でも一切表情を変えないなど、非常に機械的かつ不気味な面を見せた。


しかし、ワルサーとゴンドはルリィ自身の記憶や人格には手を加えておらず、ルリィはルリィ自身の過去の記憶や自分の意志を持ったままであった(この証拠に、上述のように標識によって左肩が貫かれた状態でのび太が現れた際には、肩の傷をとっさに隠すという無意識的な動作を行っている)。

そして、これが仇となり、のび太と絆を育んでいたルリィはのび太を殺す事が出来ずに自我を取り戻すに至る。


命令を拒否し、自我を取り戻したルリィだったが、それを見てついに痺れを切らした悪党たちは巨大ロボット「ターリネーナー」に乗ってのび太達の下に現れる。

ワルサーとゴンドの放つ銃弾からルリィはのび太を庇い続けるが、当然無事なはずもなく、水色の髪は黒く焼け焦げ、そのボディは銃創で内部メカが剥き出しとなってしまう。

lully-0625

痛々しい悲鳴を上げつつも、それでもなおのび太を守り続けるルリィだったが、「ある理由」から制限時間が迫っている事に焦りを覚えたワルサーは拘束用のとりもちのような物がついた時限爆弾を発射、ルリィとのび太を諸共爆破しようとする。

しかし、どうにか最後の力を振り絞ってのび太を引き剥がしたルリィは「大丈夫、私にお任せ下さい」と時限爆弾ごとターリネーナーへと特攻する……。


全てが終わった後、ここまでワルサーが自身の抹殺に固執していた「ある理由」を、ワルサーとゴンドを逮捕すべく現代に来たタイムパトロールから聞いたのび太は、事情を知らずにルリィのことを「不良品」と呼んだことに対し、涙を流しながら「不良品なんかじゃない」と反論。

タイムパトロールも直後に自分たちの認識を改め、のび太を身を挺して守ったルリィに対して敬礼を行った。

その後、彼女の勇気ある行動が未来で話題となり、返品の山だったルリィシリーズは廃棄されずに修理されることとなった。

そして、ルリィの死で意気消沈していたのび太も、自分の前に現れた青い鳥がルリィの生まれ変わりだと信じ、立ち直った。


余談編集

のび太を愛した美少女にのみ登場したアニメオリジナルキャラだったが、前述したキャラクター性から今でもドラえもんのヒロインキャラの中では高い人気を誇る。


また声を担当した釘宮氏はその後、映画『南極カチコチ大冒険』に登場するゲストキャラクターのカーラを担当している。

センシティブな作品


関連タグ編集

ドラえもん ロボット アンドロイド ロボ娘

水色髪 ブルーヒロイン 悲劇のヒロイン リボン ピンクリボン

ドラミ ロボ子 ミミミ

ターミネーター…ルリィに続き、T-800のパロディと思われるターリネーターが登場している。

パティ…『金色のガッシュ!!』で登場する魔物の少女。見た目は可愛いが怒らせると怖い点や名前の響きが共通しており、ルリィのカラーリングもアニメ版のパティとよく似ている。ちなみにティオとルリィは中の人が同じである。

リルル…『のび太と鉄人兵団』にて登場するアンドロイド。同じくドラえもんにおけるヒロインキャラであり名前がよく似ている他、敵に操られる役からのび太達との交流を通じて心情が変化し、最後は自分を犠牲にして彼らを守るなどの多くの共通点がある。

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