概要
『ロボ子が愛してる』は、藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ『ドラえもん』のエピソードのひとつ。原作はTC2巻収録。
のび太がしずから女性のクラスメイトたちにあまりにぞんざいに扱われていることに対して、哀れんだドラえもんが、22世紀のガールフレンド型ロボット、ロボ子を連れてきた。
最初はデレデレしていたのび太だったが、段々とロボ子のその愛の重さが露呈してくる。のび太の違いだらけの宿題(やってある事自体が珍しいとか言うな)を「独創的」と言い、ママがおつかいを言いつけようとすると、代わりに行ってくると言い出す。のび太ものび太で、ここで「悪いよそんな。何もかもきみにやらせちゃ」なんて珍しい紳士ぶりを見せていたりする。
のび太をいじめようとしていたジャイアン・スネ夫をメタメタに叩きのめした(曰く100万馬力。ガールフレンド型ロボットになんでそんなパワーが必要なんだ)。
このあたりまでは良かったのだが、のび太の扱いを反省したしずかが声をかけるとあからさまに嫉妬の視線をしずかに向け、のび太が犬を撫でただけでのび太を折檻し、のび太の道草を咎める言葉を発したママを敵認定して追いかけるという、度を過ぎた感情と行動の結果、ドラえもんがなんとかお取引願った(ドラえもん129.3馬力でどうやったんだろう)。
ラストは、「もっとおとなしいロボットはないの」とのび太に聞かれ、窮したドラえもんが女装してのび太に迫るというオチ。22世紀のロボットどうなってんの……
現在で言うヤンデレキャラの原点とも言うべきキャラ。一方で、現在主流のヤンデレキャラと異なり、快活でフィジカルエリート気質な点など、作品として安定していなかった初期のキャラの中では、かなり認知度と人気の高いキャラと言える。
派生?
水田わさび版の『のび太を愛した美少女』は本エピソードが原点ではないかとも思われる。但し、テレビ朝日・シンエイ動画版アニメでは大山1回・水田2回の合計3回、独立してアニメエピソードとなっている。
余談
現在ののび太役を務める大原めぐみ女史はこのエピソードを気に入っており、「こんな素敵なロボットが欲しいです。苦手であまり自身がないようなことでも、ここまで全てを肯定してほめてもらえたら頑張れる気がするんです」と語っている(DVDのキャストコメンタリーより)。