概要
漫画版リンクの冒険(未将崎雄)のサブヒロイン。メインヒロインである17代ゼルダは直系の子孫に当たる。本作では独自設定としてトライフォースを生み出したとされている。
外見は大人なので姫と呼んでいいのか定かではないが、劇中ではリンクから「初代姫様」と呼ばれている。
容姿
妙齢の美女でブレスオブザワイルドのゼルダのような太い眉をしている。ロングヘアを後頭部で結ってポニーテールに括っている。
おっとりした顔立ちをしており、リンクもドキドキするほどの美女。
現役時代は鎧に身を包んで戦うシーンがあるが、現代においては白い衣装をまとっている。
性格
……と、一見すると優しそうな感じだが実は気も押しも強い。頼みごとを渋るリンクに対して17代ゼルダと一緒に笑顔を向けて承諾させている。
子犬に憑依している間は特に気の強い面が出ており、17代ゼルダに引け取らないお転婆であることが分かる。
実力
現役時代には凄まじい巨体を誇る真のガノンを封印し、そこから分離したガノンの一部を退けた様子。
本家・メディアミックスを含めた“ゼルダ”の中でも間違いなく最強であろう。
本家ではお約束になっている「ガノンを封印するゼルダ」という設定が出た初の人物でもある。
能力
- 封印術
真のガノンを封印する際に使用。対象を眠らせ動けなくする。トライフォースとは無関係の能力。
封印を維持するには術者が側にいる必要があり、しかも長い年月の間に自分も影響を受けてしまうという致命的な欠点がある。
- 魔界の封印
力と知恵のトライフォースを用いた封印術。ガノンら魔族がハイラルに侵略出来ないように魔界の扉を閉ざした。神々のトライフォースに登場する七賢者の元ネタ。
- 魂の分離・憑依
ミネルのように肉体から魂を分離させ、生物・無生物問わず憑依することが出来る。これは前作に登場したゼルダ姫の母親(16代ゼルダ)も用いていた。
しかも魂を分割して複数のものに宿ることが可能。
- クリスタルによる全身防御
スマブラのゼルダが使うネールの愛のように全身をクリスタルに包んで防御する術。強い光が放たれているため雑魚魔族程度では近寄ることも出来ない。
- テレパシー
子犬に憑依して喋れなくなったため、最終決戦の最中に使用してリンクに語り掛けている。
過去
初代は400年前、魔界の大神殿にてガノンと戦い術によって本体の魔力を封印した。そして魔界の扉も二つのトライフォースの力で封印する。だがガノンの魔力封印を続けるためには、魔界に自身の肉体を残す必要があった。
そこで肉体と魂を分離させ、肉体をその場に残して封印の維持を行った(全身をクリスタルで守っており、強力な光も発しているので魔族たちは手が出せない)。
幽体となった方は二つのトライフォースに宿る形で地上へと降り、魔界を封印してからトライフォースを子孫たちに託した(魔界の扉の封印の維持を任せ、伝承も残した)。
つまり初代は「ガノンの魔力と肉体の封印(初代の術)」「魔界の扉の封印(力と知恵のトライフォースの効果)」の二つのロックを掛けたことになる。
ちなみに二つのトライフォースに宿っていたことで前作の戦いでリンクがガノンを倒したと知っていた様子。
当初はトライフォースに宿って子孫たちを見守っていたが、真のガノンの復活が迫ったことで伝承に従って子孫が訪れるのを待っている。
活躍
実は前作で倒されたガノンは本体の一部に過ぎず、間もなく真のガノンが復活することを告げる。しかも前作で倒されたガノンの一部も生き延びていることが初代の口から語られる(リンクに化けて各地で悪事を働いていた)。
魔界の封印も16代目の件で破られてしまっているため、同じ封印を施すことはできない。このままではハイラル上空に魔界が姿を現し、魔気によってすべての命が蝕まれてしまう危険性があった。
魔界の扉を再封印するためには、初代が肉体と魂を一つにさせ新たな力を生み出す必要がある。
初代はリンクに対して「聖水晶(クリスタル)を揃え、大神殿への道を開いてを自分を肉体に戻してほしい」「それができるのはガノンの分身を倒したあなたしかいない」と頼み込む。最初は臆病風に吹かれて渋ったリンクだったが、初代とゼルダ姫の二人から頼み込まれ、かなり迷った末に頷くのだった。
初代はお礼としてリンクのマジカルソードをパワーアップさせ、ハイパーマジカルソードへと進化させた。そして近くにいた子犬の身体を借りてリンクとゼルダ姫の冒険に加わる。
物語中盤ではガノンの一部がリンクに化けて破壊活動を行い、人々を襲ってはエネルギーを奪っていた。そしていよいよリンクの血肉を喰らうべく襲い掛かって来る。しかもガノンはホワイトソードを吸収したことで大幅にパワーアップしていた。
ハイパーマジカルソード諸共危うく吸収されそうになったリンクだが、初代とゼルダの二人で阻止。
リンクはガノンにエネルギーを吸われている(剣を掴まれている)ため剣ビームを撃てなかったが、駆け寄ったゼルダ姫が知恵のトライフォースのエネルギーを供給したことで発動が可能となり、ガノンを撃退することに成功する。
しかし既に魔界はハイラル上空に姿を現すほど封印が弱まっており、溢れ出る魔気によって地上の魔族たちが活性化してしまう。そのことをハイラル忍軍から聞いたゼルダは、ハイラル軍の指揮を執るべく離脱する。
「リンク」
「魔界がハイラルに堕ちて来ている。もう一刻の猶予もない」
「地上の魔族は私がおさえる。後は…いっしょに行ってやれないけど」
ゼルダは照れながらもリンクへのお守りとして自身の短剣を託した。この一振りがリンクを勝利に導くこととなる。
そして迎えた最終局面。リンクと初代は聖水晶を揃え、大神殿への道を開き魔界へと突入するのだが……そこで本当の事実が判明する。
実は初代の肉体は、ガノンの魔力を封印し続ける内に本体の一部として取り込まれてしまっていた。このため本体を倒さない限り初代を解放できなくなっていた(ガノン本体を封印する内に術の影響を受けてしまい、自身の肉体もガノン本体と共に縛り付けられてしまったとのこと)。
これにより初代の肉体はガノン本体の一部にされてしまい、主導権を握られてしまったためか封印が破られてしまったようだ。しかし初代自身を守るクリスタルの効果は継続している様子。
(~ようだと書いているのは劇中で詳しい説明がなく、封印が破られた理由が不明のため)。
しかも一部だと思っていたガノンの正体は「本体から分離した心臓」であり、こちらが真の本体であった(どうやら初代は、ガノンの一部=心臓というのは知らなかったようだ。知っていたら放置はしなかっただろう)。
心臓が本体から分離した経緯は不明だが、初代が心臓と戦っているシーンがあるため本体の封印から逃れるために分離したと思われる。
これらの事情が判明した直後、満身創痍のガノンが現れ、本体と合体してしまう。
400年間分離していた心臓と肉体は一つとなり、凄まじい超巨体の魔獣「大ガノン」が復活する。
大ガノンの力はまさに圧倒的であり、リンク一人では到底太刀打ちできなかった。
しかし初代が弱点である心臓の位置を教えたことでリンクは体内へと突入。真の本体である心臓と対峙する。
だが大ガノンの体内ではトライフォースの力は長続きせず、剣ビームが撃てなくなっていた。
瞬間、ハイパーマジカルソードを投げ捨てたリンクは、ゼルダ姫から――実の妹からもらった短剣に持ち替える。
そして最後の激突を制し、心臓を斬り裂いて逆転勝利を果たしたのだった。
こうして初代の幽体は元の肉体へと戻り、使命を果たしたリンクを優しく迎える。
そしてリンクの勇気によって生まれた勇気のトライフォースを手にし、地上へ戻ると再び魔界の扉を閉ざしたのだった。
「ありがとうリンク」
「そしてこれが、あなたが自分で生みだした、勇気のトライフォース」
「ほんとにありがとう」
初代の行動は一見するとガノンを復活させてしまっただけに思えるが、最重要目的が魔界の扉を閉ざすことなので仕方がない部分もある(魔界を封印しないと魔気によって地上が汚染され、人々は心身を蝕まれて廃人になってしまう)。
初代の導き、16代ゼルダから受け継いだ真のゼルダの血、実の妹から託された一振りの短剣……そして仲間たちの助力。
それらを受けたリンクの勇気が大ガノンを打ち倒したのである。
関連タグ
ゼルダの伝説のキャラクター一覧 ゼルダの伝説シリーズ(書籍作品版)
美女 聖女 始祖 トライフォース(コミックス版ゼルダの伝説)
初代ゼルダ姫(リンクの冒険):リンクの冒険や他のメディアミックスの初代に関してはこちらを。
女神ハイリア:自分の肉体を利用して魔族の王を封印した女神。その魂はゼルダへと転生を果たす。
黄金の三大神:神々のトライフォースから登場した創造神。地上にトライフォースを遺したとされる。知恵のかりものではある存在を異界に封印していたことが判明する。
ゼルダ姫(時のオカリナ):本家で初めて登場した大人のゼルダ姫。七賢者としてガノンを異世界に封印した。その後は誰かと結ばれて子孫を残している。
ゼルダ姫(大地の汽笛):肉体から魂が分離してしまい、ファントムに憑依してリンクと共に戦う。この他17代ゼルダのオマージュ要素も含まれている。
ゼルダ(ブレスオブザワイルド):太い眉、白い巫女服、ラストバトルのシチュエーションが本作の初代ゼルダのオマージュである。
ラウル:ティアーズオブザキングダムにおけるゼルダ姫の始祖。自分の肉体を利用した封印術でガノンドロフを万年の眠りにつかせた。死後は霊体となって現世に留まっている。
ミネル:ガノンドロフが封印された後、自身の魂をある物に移植して密かにリンクを見守っていた。終盤では正体を明かし、ゾウナゴーレムに憑依してリンクの力となる。
凍れる時間の秘法:初代ゼルダがガノンに使ったのは要するにこれ。